英語圏で使われるようになった日本語=loanword(外来語)を、カテゴリ別・五十音別に網羅した辞典です。 現在 418語 を収録しています。 世界最高権威の英語辞典であるオックスフォード英語辞典(OED)に正式収録されている語から、アニメ・ビジネス・ライフスタイル文脈で広く使われている語まで網羅し、それぞれの語の英語での意味・日本語での意味、語源、初出年、どう世界に広まったかの物語をあわせて紹介します。

オックスフォード英語辞典(OED)とは

オックスフォード大学出版局が発行する、英語の歴史と意味を網羅した世界最高権威の英語辞典です。初版は1928年、現行第2版(1989年)と継続的なオンライン改訂版を通じて、約60万語を収録しています。各単語について最古の使用例まで遡って初出年を記録するため、「いつ英語に入ったか」「どう意味が変化したか」が辿れる学術的標準として、世界中の英語研究者・編集者・翻訳者に参照されています。

2024年時点で日本語起源の語を 約552語 収録しており、2024年3月(23語追加:onigiri、karaage、kintsugiなど)、2025年12月(11語追加:senpai、yokai、love hotelなど)と、近年も継続的に日本語が公式収録されています。本辞典では各語にOED収録の有無・初出年・経緯を明示しています。

注目の英語化した日本語

語源や英語化の経緯が特に興味深い語をピックアップしました。

ashigaru
OED初出は1875年。戦国期の主要戦力で、織田信長の鉄砲足軽隊が特に有名。Total War: Shogun 2など歴史シミュレーションゲームを通じて、欧米の歴史ファン・ゲーマーの間で広く認知されている。
uni
OED初出は1962年。英語の『sea urchin roe』に対して日本語の『uni』が高級寿司レストランで標準呼称。北米・地中海産も含めて『uni』で総称されることが多い。Michelin店のテイスティングメニューで頻出する高級食材。
natto
OED初出は1903年。独特の匂い・粘りで『最も挑戦的な日本食』として欧米メディアによく取り上げられる。健康効果(ナットウキナーゼ)への注目で受け入れが進む傾向にある。
umeboshi
OED収録。健康食品ブームと和食ブームと共に欧米のヘルスフード愛好家コミュニティで認知。『umeboshi paste』『umeboshi plum』として商品化されている。
nikkei
OED初出は1929年。ブラジル・米国・カナダ・ペルーなどの日系人コミュニティを指す世界共通用語。『Japanese American』『Japanese Brazilian』と並んで使われる。日系移民研究の学術用語としても定着している。
baka
アニメから英語化したミーム語。『baka!』『urusai baka!』のように、英語圏の若者がアニメのセリフを真似て使うことで広まった。

英語になった日本語についてよくある質問

日本語が英語になるとはどういうことですか?

日本語の単語が、英語圏でも英単語として使われるようになる現象です。sushi、karaoke、tsunami、emoji、ikigaiのように、英語の辞書に正式に収録されているものや、英語のニュース・SNSで説明なしに使われるものを指します。歴史的には17世紀のポルトガル・オランダ経由(bento、katana、mochi)、19世紀後半の開国期(sushi、geisha、kimono)、20世紀後半以降のサブカル輸出(anime、manga、cosplay)と、大きく3つの波で広まってきました。

オックスフォード英語辞典(OED)はどれくらいの日本語を収録していますか?

OEDは2024年時点で約552語の日本語起源の語を公式に収録しています。OEDは世界最高権威の英語辞典で、収録されることは英語として定着した公式の証明とされます。2024年3月にはonigiri・karaage・kintsugi・omotenashi・tonkatsuなど23語、2025年12月にはsenpai・yokai・love hotel・mottainai・naginataなど11語が立て続けに追加され、近年も継続的に日本語が公式収録されています。最古の収録は1577年のbonze(坊主)です。

英語と日本語で意味がずれている日本語はありますか?

はい、英語圏で広まる過程で意味が変化した語がいくつかあります。たとえば「anime」「manga」は日本では全般的な意味ですが、英語では「日本のアニメ・コミック」に限定されます。「futon」は英語ではソファベッドの一種を指し、日本の寝具とは異なります。「hibachi」は北米では卓上の鉄板焼き調理器具を指し、火鉢とは別物です。「tycoon」は江戸時代の将軍称号「大君」が語源ですが、現代英語では「大物実業家」の意味で使われます。当辞典ではこうした「ねじれシリーズ」を特集しています。

英語に逆輸入された和製英語はありますか?

はい、日本で英語っぽく作られた言葉が、そのまま英語圏で通じるようになった例があります。「karaoke」「konbini」「salaryman」「cosplay」は和製英語が英語化した代表例。2025年12月にはOEDに「Washlet」(TOTOの商標名)も追加されました。これらは「和製英語辞典」と「英語になった日本語辞典」の両方に登場する珍しい言葉で、日本独自に生まれた発想が世界に広まった証でもあります。

近年急速に英語化した日本語はどれですか?

21世紀以降で特に普及した語は次のとおりです。emoji(栗田穣崇が1999年にi-modeで設計、2011年iOS 5の世界対応で爆発的普及)、tsunami(2004年スマトラ沖地震を機に「tidal wave」を駆逐)、umami(2002年に第5の基本味として科学的に確立)、ikigai(2017年Penguin英訳版が世界累計500万部超のベストセラーに)、sudoku(2004年Times Londonでのブームから世界化)。それぞれ明確な転機があり、出来事と共に語が広まった代表例です。

アニメ・マンガ系の日本語は英語でどれくらい通じますか?

anime、manga、otaku、cosplay、kawaii、kaijuなどはOED・Merriam-Webster等の主要辞書に正式収録されています。2024年3月にはisekai、mangaka、tokusatsu、fan serviceが、2025年3月にはwaifuが、2025年12月にはsenpaiがOED追加されました。tsundere、yandere、shōnen、shōjoなどは辞書未収録ですが、英語圏のアニメコミュニティで説明なしに通用しています。サブカル系の語彙は20年で意味や認知度が変動するため、今後も新しい語が次々と英語化していくと予想されます。

英語と日本語で意味がずれている日本語

日本語が英語化する過程で意味が変化した語があります。 これらは「日本語で使う意味」と「英語で使われる意味」が違うため、英語で使うときに誤解を招きやすい 16語 をまとめました。 日本独自の文化が世界に伝わる過程で意味が変容した、興味深い言語の物語です。

日本語romaji日本での意味英語での意味
布団 ふとんfuton本来は床に敷く日本の伝統的な寝具。英語ではソファベッドの一種を指す。木枠の上にマットレスを乗せたソファベッドの一種を指す。日本の敷布団とは別の家具で、1980年代に米国で大流行した。
漫画 まんがmanga日本の漫画。日本語では漫画全般を指すが、英語では『日本様式の漫画』に意味が限定される。日本のマンガを指す。日本語の『マンガ』は西洋のコミックも含む広い概念だが、英語では『日本様式の漫画』に意味が限定される。
ロリータ ろりーたlolitaヴィクトリア朝・ロココ調から発展した日本独自のファッション。ヴィクトリア朝・ロココ調から発展した日本独自のファッション。Nabokov原作の小説とは無関係に独自進化した。
昆布茶 こんぶちゃkombucha本来は昆布を使った日本の飲み物。英語では発酵紅茶を指す。発酵させた紅茶を使った酸味のある飲料を指す。日本語の『昆布茶』とは別物。日本人がkombuchaを注文すると別物が出るため要注意。
火鉢 ひばちhibachi本来は炭を入れて暖を取る・湯を沸かす日本の伝統的な暖房具。英語では卓上の鉄板焼き料理器具を指す。北米英語では卓上の鉄板焼き料理器具を指す。日本語の『火鉢(暖房具)』とは別物。1960〜70年代にBenihanaが鉄板焼き実演を『hibachi-style』と宣伝したことから定着した。
神風 かみかぜkamikaze本来は神道の風神に関する語、後に第二次大戦末期の特攻隊員を指した。英語では転じて『無謀な行動・自殺行為』全般を指す。『無謀な行動・自殺行為』全般を指す英語。日本語の原義(神道の風神、第二次大戦の特攻隊員)から比喩的に意味が広がった。『kamikaze attack』『kamikaze driver』のように使われる。
大君 たいくんtycoon本来は江戸時代の将軍の称号『大君』。現代英語では『大物実業家』の意味。大物実業家を意味する。江戸時代の将軍称号『大君』が語源だが、現代英語では完全に意味がずれ、メディア王・石油王などを指す。
班長 ほんちょうhoncho本来は日本軍の『班長』。現代英語では『責任者・親分』全般。責任者・親分を指す。日本軍の『班長』が語源だが、現代英語では『head honcho(最高責任者)』として完全に意味が広がった。
本町通り ほんちょうどおりhunky-dory順調、万事良好。語源には日本の本町通り由来説と無関係説がある。順調、万事良好。語源には横浜の本町通り由来説と無関係説で論争中だが、興味深い日本語起源候補として知られる。
アニメ あにめanimeアニメーション全般を指す日本語。英語では『日本のアニメ』に意味が限定される。日本のアニメを指す。日本語の『アニメ』はディズニーなど西洋作品も含む広い概念だが、英語では『日本のアニメ』に意味が限定される。
オタク おたくotakuアニメ・マンガ等のマニア。日本では蔑称的、英語では肯定的・中立的に使われる。アニメ・マンガ等の熱狂的なファンを指す。日本では蔑称的だが、英語圏では『情熱的なファン』のポジティブな意味で使われる。
変態 へんたいhentai本来は『変態・性的逸脱』全般。英語では『アニメ・マンガのポルノ』に意味が限定される。アニメ・マンガのポルノを指す。日本語の『変態(性的逸脱全般)』とは異なり、英語では『アニメ・マンガのポルノ』に意味が限定される。
エッチ えっちecchi性的にやや露骨な内容。性的にやや露骨な内容。『hentai』より穏やかな性的表現を指す英語化された用語。
ハーレム はーれむharem一人の主人公(多くは男性)が複数の異性に好かれる物語ジャンル。一人の主人公が複数の異性に好かれる物語ジャンル。英語の『harem(後宮)』とは別の現代用法として確立。
ファンサービス ふぁんさーびすfan-serviceファンを喜ばせるための内容、特にアニメでは性的な要素を指す。アニメ・マンガで『露骨な性的描写』を指す。日本語の『ファンサ』は中立的だが、英語では性的なニュアンスに意味が絞られている。
アイドル あいどるidolファンに愛される若いタレント・芸能人。日本のアイドル文化におけるタレント。英語の『idol(宗教偶像)』とは意味が異なる。

食文化

日本語英語表記意味・由来
寿司 すし sushi
OED,M-W,Collins,Cambridge 初出 1893
酢飯に魚介などをのせた、または巻いた日本料理。英語圏でも日本語と同じ意味で通じる。
OEDが1893年を初出と記録する、英語圏で最も普及した日本語の一つ。19世紀末の開国期に英語圏に伝わり、20世紀後半のカリフォルニアロール(1960年代に米国西海岸で考案)以降世界的に大衆化した。現代英語では『sushi roll』『sushi bar』など派生表現も多数。
刺身 さしみ sashimi
OED,M-W,Collins 初出 1880年
新鮮な魚介を薄く切って生で食べる日本料理。英語圏でも日本語と同じ意味で通じる。
OED初出は1880年(James Murray時代の初版前)。英語圏では1970年代以降、寿司ブームと共に普及した。『sashimi-grade fish』(刺身用の鮮度を持つ魚)という英語表現は寿司レストラン業界で定着している。
天ぷら てんぷら tempura
OED,M-W,Collins 初出 1920
魚介・野菜に衣をつけて揚げた日本料理。英語圏でも日本語と同じ意味で通じる。
ポルトガル語『tempero(味付け)』または『têmporas(四旬節の精進日)』が語源とされる。16世紀のポルトガル宣教師から伝わった調理法が日本で独自進化し、現代では逆に世界へ広まった。OEDは1920年を英語での初出として記録している。
ラーメン らーめん ramen
OED,M-W 初出 1962
中華麺をスープで食べる日本の麺料理。英語圏でも日本語と同じ意味で通じる。
中国の拉麺(lā miàn)が日本で独自進化した料理。OED初出は1962年。1958年の安藤百福によるインスタントラーメン『チキンラーメン』発売(日清食品)が世界普及の決定打となった。現代では地域ごとの『tonkotsu ramen』『shoyu ramen』『miso ramen』なども英語で通用する。
うどん うどん udon
OED,M-W 初出 1769
小麦粉から作る太めの日本の麺。英語圏でも日本語と同じ意味で通じる。
OED初出は1769年と日本食関連語のなかで古い部類。江戸時代に英国船員らが日本で食した記録が初出とされる。蕎麦と並ぶ日本の伝統的な麺料理で、温・冷・釜揚げ・ぶっかけなど多様な食べ方も英語圏で認知が広がっている。
蕎麦 そば soba
OED 初出 1896
そば粉から作る細長い麺料理。英語圏でも日本語と同じ意味で通じる。
OED初出1896年。蕎麦粉の英語『buckwheat flour』に対し、料理としては『soba』が定着。グルテンフリーへの関心が高まる現代の欧米で、健康食としても再注目されている。
味噌 みそ miso
OED,M-W,Collins 初出 1727
大豆を発酵させた日本の調味料。英語圏でも日本語と同じ意味で通じる。
OED初出は1727年と非常に古い。17世紀の日本貿易記録に登場。『miso soup(味噌汁)』『miso paste』『white miso/red miso』などの派生表現も英語で完全に定着している。
豆腐 とうふ tofu
OED,M-W,Collins 初出 1771
大豆から作る白く柔らかい食品。英語圏でも日本語と同じ意味で通じる。
元は中国語『豆腐 dòufu』だが、英語圏には主に日本経由で伝わったため『tofu』の表記が定着。OED初出は1771年。1960年代の米国ヒッピー文化とベジタリアン運動と共に欧米に広まった。
さけ sake
OED,M-W,Collins 初出 1687
米を発酵させて作る日本酒、特に清酒を指す。英語圏では清酒に限定して使われる。
OED初出は1687年。英語では『sake』が特に『清酒』を指し、日本語の『酒(あらゆる酒)』より意味が狭まっている。発音は『サキ』に近い形で英語化。近年の純米酒・大吟醸ブームと共に欧米のレストラン文化に定着した。
抹茶 まっちゃ matcha
OED 初出 1880年代
細かく粉末にした緑茶。英語圏でも日本語と同じ意味で通じる。
OEDには19世紀末に登場。2010年代後半のスターバックス『マッチャラテ』展開や『matcha latte』のインスタ映え文化で英語圏に爆発的に普及した。健康効果(カテキン)への注目も普及を後押し。
わさび わさび wasabi
OED,M-W,Collins 初出 1903
辛味のある日本の緑色の薬味。英語圏でも日本語と同じ意味で通じる。
OED初出は1903年。英語圏では『wasabi peas(わさび豆)』『wasabi mayo』など派生商品も多数。なお欧米の寿司店で出される『わさび』の多くは本わさびではなく西洋わさび(horseradish)に着色したものという事実も知られている。
海苔 のり nori
OED 初出 1893年
海藻を乾燥させた食用のシート。寿司を巻くのに使う。英語圏でも日本語と同じ意味で通じる。
OEDには1893年頃に登場。寿司の世界普及と共に『nori sheet』『nori roll』として英語化。現代では『nori snacks(海苔スナック)』『seasoned nori』が欧米のスーパーで定番化している。
枝豆 えだまめ edamame
OED,M-W 初出 1951
未熟な大豆をさやごと茹でた料理。英語圏でも日本語と同じ意味で通じる。
OED初出は1951年。21世紀に入って欧米の居酒屋・寿司レストランの定番前菜として爆発的に普及した。米国では冷凍枝豆がスーパーで一般販売されるほど一般的な食材となっている。
弁当 べんとう bento
OED,M-W,Collins 初出 1616
一食分の料理を詰めた箱型の食事。英語圏でも日本語と同じ意味で通じる。
OED初出はなんと1616年。最古級の日本語英語化語の一つ。現代では『bento box』として日本食文化の象徴になっており、欧米の学校給食やオフィスランチでも『bento style』が浸透している。キャラ弁は『kyaraben』として個別に英語化しつつある。
もち mochi
OED,M-W 初出 1616
もち米をついて作る餅。英語圏でも日本語と同じ意味で通じる。
OED初出1616年。21世紀に入って『mochi ice cream』(餅で包んだアイスクリーム)の世界的ヒットで再注目され、英語圏のスーパーでもMochi製品が一般化した。「Bubbies」「My/Mo」などの北米ブランドが定着している。
おにぎり おにぎり onigiri
OED 初出 1943
ご飯を握って三角形などに成形し、海苔で巻いた携帯食。英語圏でも日本語と同じ意味で通じる。
2024年3月にOEDが正式追加(初出1943年)。サブカル経由でじわじわ広まっていた語が、コンビニ文化の海外進出と日本食ブームで一気に主流化した。米国では『rice ball』と呼ぶことも多いが『onigiri』も並行使用されている。
出汁 だし dashi
OED 初出 1961
昆布や鰹節から取る日本料理の基本的なスープストック。英語圏でも日本語と同じ意味で通じる。
OED初出は1961年と意外と新しい。英語圏では『umami(旨味)』概念と共に2000年代以降に普及。現代の高級レストランでは『dashi-based broth』が一つのジャンルとして確立されている。
旨味 うまみ umami
OED,M-W,Collins 初出 1979
第5の基本味とされる、肉や昆布などに感じる旨味。英語圏でも日本語と同じ意味で通じる。
1908年に池田菊苗が命名したが、英語圏で『第5の基本味』として科学的に承認されたのは2002年(Nelson et al. および Li et al. の論文でT1R1+T1R3受容体が同定)以降。OED追加は1979年だが、世界的な普及は2000年代以降。現代の料理界では『umami bomb』『umami-rich』が一般語化している。
焼肉 やきにく yakiniku
OED 初出 1947
肉を炭火などで焼いて食べる日本式の料理。韓国焼肉とは区別される。
2024年3月にOEDが正式追加(初出1947年)。元は朝鮮半島の食文化が戦後日本で独自進化した。在日コリアン経営の焼肉店から発展した『焼肉』スタイルは韓国焼肉(Korean BBQ)とは区別される日本独自のものとして英語圏で認知されている。
照り焼き てりやき teriyaki
OED,M-W,Collins 初出 1962
醤油・みりん・砂糖などの甘辛いタレで焼く日本の調理法。英語圏でも日本語と同じ意味で通じる。
OED初出は1962年。1960〜70年代の米国で『Teriyaki Sauce』として商品化され、欧米の家庭料理に深く浸透した。米国の鶏肉料理店『Teriyaki Madness』『Teriyaki Experience』などのチェーンも存在する。
すき焼き すきやき sukiyaki
OED,M-W 初出 1920
薄切りの牛肉と野菜を甘辛い割り下で煮ながら食べる鍋料理。
OED初出は1920年。1963年に坂本九『上を向いて歩こう』が米国で『Sukiyaki』のタイトルでBillboard全米1位を獲得(曲とは無関係な題名だがレコード会社が日本語題と判断したため)したことで、語が広く知られた歴史を持つ。
しゃぶしゃぶ しゃぶしゃぶ shabu-shabu
M-W 初出 1970
薄切りの肉を沸騰した出汁にくぐらせて食べる鍋料理。
1952年に大阪のスエヒロ本店が命名。肉を湯にくぐらせる擬音『しゃぶしゃぶ』を商標化した。Merriam-Websterに収録されているが、OED未収録。1970年代以降、米国・カナダの日本食レストランで普及した。
豚カツ とんかつ tonkatsu
OED 初出 2024年OED追加
豚肉に衣をつけて揚げた日本の洋食。
2024年3月OED追加。明治時代に西洋のカツレツ(cotelette)を日本人向けにアレンジして生まれた『洋食』の代表で、現代では『katsu curry』『chicken katsu』として欧米のフードコート定番メニューになっている。
カツ かつ katsu
OED 初出 1976
衣をつけて揚げた肉のカツレツ。特にカツカレーが英国で国民食レベルに普及。
2024年3月OED追加。『katsu curry』として1976年が英語初出。英国では『katsu curry』がCoCo壱番屋やWagamamaの展開で国民食レベルに普及している。
豚骨 とんこつ tonkotsu
OED 初出 1907
豚骨を煮込んだラーメンスープのベース。博多発祥の白濁スープとして知られる。
2024年3月OED追加。実はOEDには2つの『tonkotsu』が収録されており、1907年初出の『豚骨(喫煙具)』と1977年初出の『豚骨ラーメン』。後者は博多発祥の白濁スープで、Ippudoなど世界展開のラーメンチェーンと共に普及した。
どんぶり donburi
OED 初出 1922
丼ぶりにご飯を盛り、その上に具材をのせた料理。
2024年3月OED追加(1922年Railway Magazine初出)。『gyudon』『katsudon』『oyakodon』『unadon』など個別の丼物も英語圏で認知が広がっている。日本のチェーン『すき家』『吉野家』の海外展開も普及を後押しした。
唐揚げ からあげ karaage
OED 初出 1967
鶏肉に下味をつけて片栗粉などをまぶし揚げた料理。日本式フライドチキンとして韓国式と区別される。
2024年3月OED追加(1967年初出)。2010年代以降、『karaage chicken』として米国・オーストラリアで急速に普及。日本式フライドチキンとして韓国式(dakgangjeong)と区別される独自カテゴリを確立した。
お好み焼き おこのみやき okonomiyaki
OED 初出 1958
小麦粉の生地に好みの具材を混ぜて鉄板で焼く料理。英語圏では『Japanese pizza』とも説明される。
2024年3月OED追加(1958年初出)。関西風(大阪風)と広島風があり、英語圏ではしばしば『Japanese pizza』『Japanese pancake』と説明される。地域版(広島は『hiroshima-yaki』)も英語で言及されることがある。
たこ焼き たこやき takoyaki
OED 初出 2024年OED追加
小麦粉の生地に蛸を入れて球状に焼いたスナック。『octopus balls』として強い印象を持つ。
2024年3月OED追加。1935年に大阪の遠藤留吉が考案。専用の鉄板(たこ焼き器)で焼く独特の調理法と球形が、英語圏でも『octopus balls』として強い印象を持つストリートフードとして定着している。
餃子 ぎょうざ gyoza
OED,M-W 初出 1955
薄い皮で具材を包んで焼いた・蒸した・揚げた料理。中国式(dumplings)と区別される日本のgyoza。
中国の『餃子(jiǎozi)』が満州経由で戦後日本に伝わり、独自進化したものを英語圏では『gyoza』と呼ぶ。中国式(dumplings)と区別される。米国・欧州ではTrader Joe'sなどスーパーの冷凍食品でも定着している。
パン粉 ぱんこ panko
OED,M-W 初出 1973
パンを粗く砕いた西洋風の衣材料。西洋のbreadcrumbsより軽く仕上がる衣として欧米シェフに評価されている。
ポルトガル語『pão(パン)』+ 日本語『粉(こ)』の混成語。OED初出は1973年。欧米の料理番組やシェフが『パン粉の方が西洋のbreadcrumbsより軽く仕上がる』と評価し、家庭料理にも浸透。スーパーで『panko』表記の商品が普通に並ぶ。
柚子 ゆず yuzu
OED 初出 1922
香りが特徴的な日本の柑橘類。高級食材として欧米レストランで多用される。
OED初出は1922年。2010年代以降、ミシュランレベルの欧米シェフが『yuzu』を多用し、カクテル・デザート・ドレッシングなどで普及。日本以外で栽培が難しいため、輸入品が高級食材として扱われる傾向がある。
椎茸 しいたけ shiitake
OED,M-W,Collins 初出 1877
日本原産のキノコ。乾燥または生で食用にする健康食材。
OED初出は1877年。日本食ブームと健康志向で『shiitake mushroom』として欧米のスーパーで一般的な食材に。乾燥shiitakeは長期保存可能な健康食品としても認知されている。
舞茸 まいたけ maitake
OED 初出 1971
房状に育つ日本のキノコ。『hen-of-the-woods』とも呼ばれる。
OED初出は1971年。英語圏では『hen-of-the-woods』とも呼ばれるが、日本食レストランや高級スーパーでは『maitake』の表記が標準。健康食品(免疫力サポート)としても注目されている。
えのき えのき enoki
OED 初出 1972
細長く白い日本のキノコ。鍋料理や和食の食材として認知されている。
OED初出は1972年。鍋料理や和食の食材として英語圏のアジア食材店で一般的。長い形状から『golden needle mushroom』とも呼ばれることがある。
大根 だいこん daikon
OED,M-W 初出 1899
白く大きい日本の根菜。生でサラダにしたり煮物・漬物として使う。
OED初出は1899年。欧米の市場では『daikon radish』として大型スーパーでも入手可能。生でサラダにしたり、煮物・漬物として使われる日本食の基本食材として認知が広がっている。
小豆 あずき azuki
OED 初出 1880年代
小さく赤い日本の豆。和菓子の餡などに使う。
OEDに19世紀末に登場。和菓子・あんパン・大福・かき氷の小豆あんと共に欧米でも認知。『azuki bean paste』『red bean paste』が併用される。
味醂 みりん mirin
OED 初出 1888
料理に使う甘い米の酒。料理用と本みりんの区別が日本食通の間で知られる。
OED初出は1888年。日本料理が世界化する中で、英語圏のスーパーや料理本でも『mirin』が標準表記として定着。料理用みりん(mirin-like seasoning)と本みりん(true mirin)の区別も日本食通の間で知られる。
昆布 こんぶ kombu
OED 初出 1880
出汁を取るのに使う海藻。和食の基本食材。
OED初出は1880年。『kombu dashi(昆布出汁)』として和食の基本食材。コストコなどの大型量販店でも乾燥昆布が販売されるほど普及している。
昆布茶 こんぶちゃ 意味ずれ kombucha
OED,M-W 初出 1944
日本語:本来は昆布を使った日本の飲み物。英語では発酵紅茶を指す。
英語圏:発酵させた紅茶を使った酸味のある飲料を指す。日本語の『昆布茶』とは別物。日本人がkombuchaを注文すると別物が出るため要注意。
OED初出は1944年。日本語『昆布茶』が英語に入る過程で意味が完全にずれた典型例。英語の『kombucha』は紅茶を菌(SCOBY)で発酵させた酸味のある飲料を指し、昆布は使わない。日本人が英語圏でkombuchaを注文すると別物が出てくるため要注意の代表例。
擂り身 すりみ surimi
OED 初出 1908
魚をすり潰して練った加工食品。カニカマの原料として世界中で使われる。
OED初出は1908年。英語圏で『surimi』は主に『imitation crab(カニカマの原料)』として認知されている。1970年代に日本の水産加工技術が世界に広まり、世界中のサラダ・寿司ロールに使われる素材となった。
河豚 ふぐ fugu
OED,M-W 初出 1883
毒を持つフグ。日本料理の高級食材で、致命的な毒に注意が必要な珍味として知られる。
OED初出は1883年。英語圏では『刺身として食べる際に致命的な毒(テトロドトキシン)に注意が必要な日本の珍味』として知られる。免許制度(fugu license)も英語のニュースでよく取り上げられる。
甘酒 あまざけ amazake
OED 初出 1968
米麹で発酵させた甘い日本の飲み物。アルコール度数が低いか無アルコール。
OED初出は1968年。アルコールフリーまたは微量アルコールの発酵飲料として、近年の発酵食品ブーム・腸活ブームで英語圏でも『amazake』の認知が広がりつつある。
煎茶 せんちゃ sencha
OED 初出 1888
日本の最も一般的な緑茶。
OED初出は1888年。欧米のティーショップ・カフェメニューで『sencha』『genmaicha』『hojicha』が個別の品目として表記されることが増えている。
ほうじ茶 ほうじちゃ hojicha
茶葉を焙煎した日本の緑茶。『hojicha latte』としてカフェメニューに広がっている。
OED未収録だが、カフェ業界では世界的に知られる。『hojicha latte』としてマッチャラテに続く2010年代後半〜2020年代のカフェメニューの新定番となっている。
和牛 わぎゅう wagyu
OED,Oxford Learner's 初出 1963
日本固有の食用牛。脂肪の霜降りで知られる高級牛肉ブランド。
Oxford Learner's辞典に『Japanese, from wa Japanese + gyu cattle, beef』として収録。NYT・BBCなど主要メディアで頻出する高級牛肉ブランド。神戸牛・松阪牛などの『地域 + 牛』表記も世界共通の高級ブランド名として定着している。
神戸牛 こうべぎゅう kobe-beef
兵庫県神戸産の高級牛肉。世界で最も知名度の高い日本の食材ブランドの一つ。
OED未収録だが、世界的に最も知名度の高い日本の食材ブランドの一つ。米国では『Kobe beef』を名乗る偽物が問題になるほど普及した。本物は厳格な認証制度(神戸ビーフ協議会)で管理されている。
ポン酢 ぽんず ponzu
OED 初出 1962
柑橘類の果汁と醤油を合わせた日本の調味料。
OED初出は1962年。語源はオランダ語『pons(柑橘飲料、英語のpunchと同源)』に日本語『酢』を合わせた混成語。欧米の日本食レストランでも『ponzu sauce』が標準メニューに。
納豆 なっとう natto
OED 初出 1903
大豆を納豆菌で発酵させた日本独特の食品。独特の匂いと粘りで知られる。
OED初出は1903年。独特の匂い・粘りで『最も挑戦的な日本食』として欧米メディアによく取り上げられる。健康効果(ナットウキナーゼ)への注目で受け入れが進む傾向にある。
ふりかけ ふりかけ furikake
ご飯にかける乾燥した調味料・トッピング。
OED未収録だが、欧米の家庭料理愛好家・シェフコミュニティで認知が広がっている。米国の食品メーカー『Trader Joe's』が独自の『furikake』ブレンドを発売したことも普及に貢献した。
火鉢 ひばち 意味ずれ hibachi
OED,M-W,Collins 初出 1863
日本語:本来は炭を入れて暖を取る・湯を沸かす日本の伝統的な暖房具。英語では卓上の鉄板焼き料理器具を指す。
英語圏:北米英語では卓上の鉄板焼き料理器具を指す。日本語の『火鉢(暖房具)』とは別物。1960〜70年代にBenihanaが鉄板焼き実演を『hibachi-style』と宣伝したことから定着した。
OED初出は1863年で本来は『火鉢』。しかし1960〜70年代に米国の日本食レストランチェーン『Benihana』が鉄板焼きの実演を『hibachi-style』と宣伝したことから、北米英語では『teppanyaki』ではなく『hibachi』が卓上鉄板焼きの意味で完全に定着した。日本語の原義との完全な意味ずれ。
煎餅 せんべい senbei
OED 初出 1888
米粉から作る日本の煎り菓子。日本のお土産菓子・和菓子の代表として認知されている。
2025年12月OED追加(初出1888年)。日本のお土産菓子・和菓子の代表として欧米でも『rice cracker』『Japanese rice cracker』と並んで『senbei』の表記が広がりつつある。
鉄板焼き てっぱんやき teppanyaki
M-W 初出 1970
鉄板で焼く日本料理のスタイル。北米では『hibachi』と呼ばれることも多いが、本格派・高級店では『teppanyaki』が標準。
Merriam-Webster収録。米国では『Benihana』式の劇場型鉄板焼きが『hibachi』と呼ばれるため、teppanyakiは主に高級店・本格派の表記として使われる傾向がある。日本料理の本来の用語として認知されている。
味噌汁 みそしる miso-soup
味噌で味付けした日本の汁物。寿司レストランの定番メニューとして英語圏で広く認知。
『miso』+ 英語『soup』の半英訳語。OED未収録だが、寿司レストランの定番メニューとして英語圏で広く認知。『miso soup』の表記が定着しており、自宅で作るための即席味噌汁パックも輸出されている。
握り にぎり nigiri
ご飯を手で握り、ネタをのせた寿司。寿司レストランの専門用語として標準化。
寿司レストランの専門用語として欧米で標準化。『nigiri』『maki』『temaki』を区別して注文できることが寿司通の証とされる。OED未収録だが、寿司業界の実用語として確立している。
巻き寿司 まき maki
海苔で巻いた寿司。寿司の基本カテゴリとして英語圏で通用する。
寿司業界で『nigiri』と並ぶ基本カテゴリ。『futomaki(太巻き)』『hosomaki(細巻き)』『temaki(手巻き)』など派生表現も英語で通用する。
手巻き てまき temaki
海苔で円錐状に巻いた寿司。家庭で作る『手巻き寿司パーティー』も『temaki party』として認知。
寿司レストランで『temaki』として注文できる料理形態。家庭で手軽に作れる『手巻き寿司パーティー』スタイルが欧米にも広まり、『temaki party』が一つの食文化として認知されている。
お任せ おまかせ omakase
OED 初出 2004
シェフが選んだコース料理を客が任せて食べる注文方式。NYTimesなど主要メディアで頻出する高級寿司店の標準用語として定着。
OED初出は2004年。ニューヨーク・東京・ロンドンの高級寿司店で『omakase course』『omakase dinner』として標準的に使われる用語。価格設定の上限を示さず、シェフの即興と判断に料理を任せる日本独自の信頼関係に基づく食文化として欧米に紹介された。
イクラ いくら ikura
OED 初出 1976
鮭の卵を塩漬けまたは醤油漬けにした寿司・丼の食材。
OED初出は1976年。語源はロシア語『икра(魚卵)』が日本語経由で英語化したと考えられる珍しい例。寿司ネタの定番として欧米の寿司レストランで完全に定着。『ikura sushi』『ikura don』として通用する。
ウニ うに uni
OED 初出 1962
ウニの生殖巣を生で食べる高級寿司ネタ。
OED初出は1962年。英語の『sea urchin roe』に対して日本語の『uni』が高級寿司レストランで標準呼称。北米・地中海産も含めて『uni』で総称されることが多い。Michelin店のテイスティングメニューで頻出する高級食材。
マグロ まぐろ maguro
寿司・刺身の主要ネタとなるマグロ。英語の『tuna』と区別して使われる。
寿司レストランで『tuna』ではなく『maguro』が使われるのは、より高い品質を示唆するシグナルとして機能している。『akami maguro(赤身)』『chu-toro』『o-toro』などの部位呼称もそのまま英語化している。
トロ とろ toro
OED 初出 1962
マグロの脂が乗った腹身。寿司の最高級部位。
OED初出は1962年。『chu-toro(中トロ)』『o-toro(大トロ)』として部位の格付けがそのまま英語化。欧米の寿司通の間では本マグロの『o-toro』が最高峰とされ、NYTimesのフード記事でも頻出する高級寿司用語。
うなぎ unagi
OED 初出 1893
蒲焼きにして食べる淡水産の鰻。
OED初出は1893年。『unagi don(鰻丼)』『unagi sushi』として寿司・丼物の食材として認知。絶滅危惧種問題と共に英語環境保護記事でも頻出。海産の穴子(anago)と区別される。
焼き鳥 やきとり yakitori
OED 初出 1962
鶏肉を串に刺して炭火で焼いた料理。
OED初出は1962年。『yakitori bar』『yakitori restaurant』として欧米の主要都市に進出。鶏肉の部位別注文(momo、tsukune、kawa、negimaなど)もそのまま英語化し、本格的な焼き鳥文化が世界に広まっている。
懐石 かいせき kaiseki
OED 初出 1969
茶会の前の軽食を起源とする、季節の食材を活かした多皿コース料理。
OED初出は1969年。NYTimes・Bon Appétit等の高級料理メディアで『kaiseki dinner』として頻出。京都の老舗料亭文化と共に世界の美食家コミュニティで認知されている。フランス料理のコースとは異なる季節感・余白の美学として論じられる。
梅干し うめぼし umeboshi
OED 初出 1880年代
梅の実を塩漬けして干した日本の漬物。
OED収録。健康食品ブームと和食ブームと共に欧米のヘルスフード愛好家コミュニティで認知。『umeboshi paste』『umeboshi plum』として商品化されている。
焼酎 しょうちゅう shochu
OED 初出 1976
米・芋・麦などから作る日本の蒸留酒。
OED初出は1976年。日本酒(sake)の世界化に続いて2010年代以降、欧米のクラフトカクテルシーンで『shochu cocktail』として注目されている。芋焼酎・米焼酎・麦焼酎の区別もそのまま英語化。
蒟蒻 こんにゃく konnyaku
OED 初出 1846
コンニャク芋から作る低カロリーの食品。
OED初出は1846年と非常に古い。健康食品・ダイエット食品として『konnyaku jelly』『konnyaku noodle』として欧米のヘルスフード愛好家に認知。糖質制限ブームと相性が良い食材として注目されている。
白滝 しらたき shirataki
OED 初出 1973
コンニャクを糸状に成形した低カロリー食品。
OED初出は1973年。糖質制限・グルテンフリーダイエットとの相性が良いことから、『shirataki noodles』『miracle noodles』として欧米のスーパーで一般販売されている。パスタの代替品としても人気。
羊羹 ようかん yokan
OED 初出 1880
餡を寒天で固めた日本の伝統的な和菓子。
OED初出は1880年。和菓子の代表として欧米の日本食材店・ティーショップで認知。緑茶との組み合わせで『yokan with matcha』として紹介されることが多い。
どら焼き どらやき dorayaki
二枚のカステラ生地で餡を挟んだ和菓子。
アニメ『ドラえもん』の主人公が好物とすることで世界的に有名になった和菓子。英語圏のアニメファン・日本食愛好家の間で『Doraemon's favorite』として認知され、海外の和菓子店でも定番メニュー。
たい焼き たいやき taiyaki
鯛の形をした、餡入りの焼き菓子。
OED未収録だが、欧米主要都市に『taiyaki』専門店が次々と開店している。アイスクリームを挟んだ『taiyaki ice cream』が2010年代後半のSNS映え文化と共に世界的ブームとなった。
餡子 あんこ anko
小豆を煮て砂糖で甘く煮詰めた和菓子の餡。
和菓子の主要素材として英語圏の製菓業界・日本食愛好家コミュニティで認知。『red bean paste』『sweet bean paste』とも訳されるが、専門書では『anko』が使われる傾向がある。粒あん・こしあんの区別もそのまま英語化している。
ちらし寿司 ちらし chirashi
酢飯の上に魚介や錦糸卵などを散らした寿司料理。
寿司レストランで『chirashi bowl』『chirashi don』として標準メニュー化。欧米では新鮮な魚介を贅沢に乗せた『chirashi』が、握り寿司と並ぶ寿司の主要形態として認知されている。
稲荷寿司 いなり inari
甘く煮た油揚げに酢飯を詰めた寿司。
寿司レストランの定番メニュー。『inari sushi』『inari roll』として欧米でも完全に定着。神道の稲荷神社の使いである狐の好物とされる伝承が、英語圏の日本文化愛好家にも知られている。
ハマチ はまち hamachi
OED 初出 1962
ブリの若魚。寿司ネタとして人気。
OED初出は1962年。寿司レストランで定着しており、特に北米では『hamachi』が『yellowtail』よりも高級な印象を与える呼称として使われる。寿司シェフのSushi Nakazawaなど米国の寿司スターレストランでも頻出。
穴子 あなご anago
海産の穴子。蒸して甘いタレで食べる寿司ネタ。
寿司レストランで『anago』として完全に定着。『freshwater eel(unagi)』と区別される海産種として、寿司通の間で重要な区別が認知されている。
海老 えび ebi
寿司ネタとしての海老。
寿司レストランで『shrimp』ではなく『ebi』が使われるのは、より日本的・本格的な印象を与えるため。『amaebi(甘海老)』『botan ebi』などの種類別呼称もそのまま英語化している。
イカ いか ika
寿司ネタとしてのイカ。
寿司レストランで『squid』ではなく『ika』が使われる傾向。『sumi ika(墨イカ)』『aori ika(アオリイカ)』など種類別呼称もそのまま英語化している。
たこ tako
寿司ネタとしての蛸。
寿司レストランで『octopus』ではなく『tako』が使われる傾向。『tako sushi』『tako salad』など派生メニューも英語化している。たこ焼き(takoyaki)と区別される素材としての呼称。
串カツ くしかつ kushikatsu
串に刺した食材を衣で揚げた料理。
大阪の郷土料理として英語圏に紹介された。『kushiage』とも表記される。欧米の日本食レストランで居酒屋メニューの定番として認知が広がっている。
大福 だいふく daifuku
餅で甘い餡を包んだ和菓子。
和菓子の代表として欧米のスーパー・カフェでも認知が広がっている。『strawberry daifuku(いちご大福)』『yomogi daifuku(よもぎ大福)』などのバリエーションもそのまま英語化。Trader Joe'sなどの大型スーパーでも冷凍商品として販売されている。
ぶり buri
成魚としてのブリ。寿司ネタとして高級。
寿司レストランで『yellowtail』とも訳されるが、本格的な店ではburiが使われる。日本では成長段階で名前が変わる出世魚で、Phase 1収録のhamachi(若魚)と区別される最終段階。

武道・武術

日本語英語表記意味・由来
空手 からて karate
OED,M-W,Collins,Cambridge 初出 1955
手足を使った打撃中心の日本の武道。ハリウッド映画で世界的に普及した。
沖縄発祥で本土に伝わった武道。1950年代の米国駐留軍経由で米本土に伝わり、ハリウッド映画『Karate Kid』(1984年)で世界的に普及した。OED初出は1955年。2020年東京オリンピックで正式競技に。
柔道 じゅうどう judo
OED,M-W,Collins 初出 1889
1882年嘉納治五郎が創始した日本の武道。投げ技中心で、五輪正式競技。
1882年に嘉納治五郎が講道館柔道として体系化。OED初出は1889年。1964年東京オリンピックで正式競技となり、世界の武道の中で最も国際化が進んだ。現在世界200以上の国・地域で実践される。
柔術 じゅうじゅつ jujitsu
OED,M-W,Collins 初出 1875
投げ技・関節技を主体とする日本の古武道。BJJ(ブラジリアン柔術)として再普及。
OED初出は1875年。20世紀後半にブラジルへ伝わったものが『ブラジリアン柔術(Brazilian Jiu-Jitsu / BJJ)』として総合格闘技(MMA)の主流技術となり、英語圏で『jiu-jitsu』として再普及した経緯がある。
合気道 あいきどう aikido
OED,M-W 初出 1957
植芝盛平が創始した、相手の力を利用する日本の武道。
植芝盛平(うえしば もりへい)が大正・昭和期に創始。OED初出は1957年。攻撃を受け流し、円運動で相手を制する哲学的な武道として欧米の精神性志向のファンを獲得。Steven Seagalの映画でも知名度が上がった。
剣道 けんどう kendo
OED 初出 1923
竹刀を使って行う日本の剣術。武士道精神を継承する剣の道。
OED初出は1923年。武士道精神を継承する剣の道として英語圏でも認知されている。防具(men、do、kote、tare)の用語もそのまま英語化している。
相撲 すもう sumo
OED,M-W,Collins 初出 1880
土俵で力士が組み合う日本の国技。神事に起源を持つ伝統競技。
OED初出は1880年。神事に起源を持ち、現代も神道的な儀式と一体化した独特の競技として世界的に認知。横綱(yokozuna)、力士(rikishi)、巡業(jungyō)などの専門用語も英語化している。
道場 どうじょう dojo
OED,M-W,Collins 初出 1942
武道の練習場。比喩的に『集中して何かを学ぶ場所』全般を指す用法も発達している。
OED初出は1942年。武道以外にも『coding dojo(プログラミング道場)』『yoga dojo』など、英語では『集中して何かを学ぶ場所』の意で比喩的に広く使われる用法も発達している。
先生 せんせい sensei
OED 初出 1881
教師、武道の師範。英語では主に武道の師範を指す意味で定着した。
2025年12月OED追加(初出1881年)。日本語の『先生』は教師全般・医師・弁護士など広く使えるが、英語では主に武道の師範を指す意味で定着した。なお『senpai(先輩)』も2025年12月OED追加。
かたな katana
OED,M-W,Collins 初出 1613
片刃で反りのある日本の刀剣。武士道精神の象徴として認識されている。
OED初出は1613年と非常に古い。江戸初期の英国人ウィリアム・アダムスの記録などから英語化。武士道精神の象徴として『Last Samurai』『Kill Bill』などハリウッド映画で世界的に認知。
忍者 にんじゃ ninja
OED,M-W,Collins 初出 1964
戦国〜江戸時代に諜報・暗殺などを行った特殊な戦闘員。比喩的に『何かに長けた人』の意でも使われる。
OED初出は1964年。1960年代の小説・映画ブーム(Ian Fleming『007は二度死ぬ』1964など)で英語化。現代では『ninja』が『何かに長けた人』の比喩としても使われる(例:'coding ninja')。
忍術 にんじゅつ ninjutsu
OED 初出 1964
忍者の使う武術・諜報技術の総称。
OED初出は1964年。忍者ブームと共に英語化した。現代の武道団体『Bujinkan』などが世界各地に道場を持ち、ninjutsuを継承している。
さむらい samurai
OED,M-W,Collins 初出 1727
日本の武士階級。新渡戸稲造『Bushido』英訳などで西洋に広く紹介された。
OED初出は1727年。19世紀の開国期、新渡戸稲造『Bushido』英訳(1900年)などで西洋に広く紹介された。黒澤明監督の『七人の侍』(1954年)以降、世界映画文化の重要な要素となった。
武士道 ぶしどう bushido
OED 初出 1898
侍が守るべきとされた倫理・行動規範。新渡戸稲造の英文著作で世界に紹介された。
新渡戸稲造『Bushido: The Soul of Japan』(1900年英訳出版)が決定的契機。OED初出は1898年。米国セオドア・ルーズベルト大統領も愛読し、日本理解の古典として位置づけられた。
神風 かみかぜ 意味ずれ kamikaze
OED,M-W,Collins 初出 1896
日本語:本来は神道の風神に関する語、後に第二次大戦末期の特攻隊員を指した。英語では転じて『無謀な行動・自殺行為』全般を指す。
英語圏:『無謀な行動・自殺行為』全般を指す英語。日本語の原義(神道の風神、第二次大戦の特攻隊員)から比喩的に意味が広がった。『kamikaze attack』『kamikaze driver』のように使われる。
OED初出は1896年(元寇の神風)。第二次大戦末期の特攻隊で英語に定着。日本語の音読み『しんぷう』ではなく訓読み『かみかぜ』が英語化し、戦後日本にも逆輸入された。現在は『kamikaze attack』『kamikaze driver』のように『無謀な』の比喩で広く使われる。
万歳 ばんざい banzai
OED,M-W 初出 1893
祝意・歓喜を表す掛け声。戦中の『banzai charge』で英語化したが、戦後は祝賀の意味で使われる。
OED初出は1893年。元来は『天皇の長寿を祝う声』だったが、第二次大戦の『banzai charge(バンザイ突撃)』で英語化。戦後は祝賀の掛け声として平和な文脈でも使われている。
薙刀 なぎなた naginata
OED 初出 1822
長柄に刃をつけた日本の伝統武器。特に女子武道として継承されている。
2025年12月OED追加(初出1822年)。現代では女子武道の代表として続いており、英語圏の武道愛好家コミュニティで認知されている。
かた kata
OED 初出 1955
武道や芸事における一連の決まった動作。ビジネス・プログラミング分野でも『反復練習の単位』の意で使われる。
OED初出は1955年。武道用語として英語化したが、現代では『型にはまる』のような比喩的用法も生まれている。ビジネス・プログラミング分野でも『kata』が『反復練習の単位』の意で使われる。
弓道 きゅうどう kyudo
OED 初出 1936
日本の伝統的な弓術・弓道。心身一如の修練として精神性志向の武道愛好家に支持されている。
OED初出は1936年。心身一如の修練として欧米の精神性志向の武道愛好家に支持されている。アーチェリーとは異なる、より儀礼的・哲学的な性格が特徴。
切腹 せっぷく seppuku
OED,M-W 初出 1871
刀で腹を切って行う武士の自害。『hara-kiri』とも呼ばれる。
OED初出は1871年。日本では音読み『せっぷく』だが、英語では『hara-kiri(腹切り)』の方が一般的だった時代もある。現在は『seppuku』が正式名称として認知されている。
ki
OED 初出 1962
東洋思想における生命エネルギー、気力。中国語の『気(qi/chi)』と並んで英語化。
OED初出は1962年。中国語『気(qi/chi)』と並んで英語化。合気道・空手など武道の文脈で『ki』表記が使われ、中医学の文脈では『qi』が使われる傾向がある。
脇差 わきざし wakizashi
OED 初出 1613
武士が刀(katana)と共に帯刀した短い刀。
OED初出は1613年と非常に古い。江戸初期の英国人記録に登場。武士の二本差し(katana + wakizashi)の文化として英語圏に伝わり、現代では刀剣収集家・ゲーム・映画で標準用語化している。
短刀 たんとう tanto
OED 初出 1859
短い日本刀。
OED初出は1859年。武士の補助武器・自害の道具として歴史的役割を持つ。現代では刀剣収集家・武道家コミュニティ、サバイバルナイフ愛好家の間で『tanto blade』として認知されている。
手裏剣 しゅりけん shuriken
OED 初出 1963
忍者が使った投擲武器。星型・棒状などがある。
OED初出は1963年。忍者ブームと共に英語化。『throwing star』『ninja star』として米国のおもちゃ業界でも商品化された。アニメ・ゲーム文化を通じて世代を超えて認知されている。
はかま hakama
OED 初出 1899
武道・正装で着用する、ひだの入ったスカート状の伝統衣装。
OED初出は1899年。剣道・合気道・弓道など武道家コミュニティで世界共通の専門用語として定着。卒業式・結婚式の伝統衣装としても英語圏で認知されている。
浪人 ろうにん ronin
OED 初出 1860
主君を持たない武士。転じて、所属組織を離れた者の比喩でも使われる。
OED初出は1860年。1962年三船敏郎主演『用心棒』『椿三十郎』、1980年代以降の数多くの『ronin』を冠したハリウッド作品で世界化。受験浪人の意味も含めて、組織を離れた個人の比喩として英語の小説・映画タイトルに頻出する。
大名 だいみょう daimyo
OED 初出 1839
戦国・江戸時代の領主。各藩を治めた武家。
OED初出は1839年。19世紀の開国期に欧米外交官の記録に頻出。James Clavellの『将軍』、近年の『SHŌGUN』ドラマシリーズで再注目された日本史の基本用語として英語圏で完全に定着している。
かぶと kabuto
OED 初出 1860年代
武士が頭部を守るために被った日本の伝統的な甲冑の頭部。
OED収録。日本の伝統工芸品としてのkabutoは欧米の博物館・美術館にも所蔵されている。アニメ・ゲームのファンタジー作品で頻出する武具として、若い世代の英語話者にも認知されている。
よろい yoroi
日本の伝統的な甲冑全体。
kabutoと並ぶ日本の伝統甲冑として、武具研究・歴史考証・アニメ・ゲーム愛好家の間で広く認知されている。『samurai yoroi』として欧米の博物館展示でも頻出する用語。
横綱 よこづな yokozuna
OED 初出 1934
相撲の最高位。
OED初出は1934年。相撲報道で世界的に通用する用語。終身位(降格なし)として君臨する横綱は、相撲文化を象徴する存在として英語圏でも認知されている。
力士 りきし rikishi
OED 初出 1908
相撲取り。プロの相撲選手。
OED初出は1908年。『sumo wrestler』とも訳されるが、相撲報道では『rikishi』が正式呼称。海外の相撲ファン・研究者の間で完全に定着している専門用語。
場所 ばしょ basho
OED 初出 1972
相撲の本場所。年6回開催される公式トーナメント。
OED初出は1972年。一月場所(初場所)・三月場所(大阪場所)・五月場所(夏場所)・七月場所(名古屋場所)・九月場所(秋場所)・十一月場所(九州場所)の年6回。英語の相撲報道でそのまま『basho』が使われる。
ちゃんこ鍋 ちゃんこ chanko
OED 初出 1971
力士が食べる伝統的な鍋料理。
OED初出は1971年。元力士が独立して経営する『chanko restaurant』が東京観光の名物となっており、英語の日本旅行ガイドで頻出する。
廻し まわし mawashi
OED 初出 1893
力士が腰に巻く伝統的な廻し(褌)。
OED初出は1893年。相撲の伝統的な勝負着として英語圏の相撲ファンに完全に認知されている。
やり yari
OED 初出 1614
刃を長柄の先につけた日本の伝統武器。
OED初出は1614年と非常に古い。戦国時代の主要武器として、槍術(sojutsu)の流派も多く生まれた。現代では槍術愛好家コミュニティ・武具研究者の間で世界共通用語として使われる。
ゆみ yumi
OED 初出 1880年代
日本の伝統的な弓。世界の他の弓と比べて非常に長く、上下非対称の独特の形状を持つ。
OED収録。日本独自の長弓(約2.2m)で、握りが下から1/3の位置にある非対称形状が特徴。世界の弓の中で最大級の長さを誇る。弓道(kyudo)の道具として英語圏の武道家コミュニティで認知されている。
大関 おおぜき ozeki
OED 初出 1908
相撲の番付で横綱に次ぐ第二位。
OED初出は1908年。横綱(yokozuna)に次ぐ最高位の力士で、相撲報道で世界的に頻出する用語。優勝経験豊富な力士が務める格付け。
関脇 せきわけ sekiwake
OED 初出 1908
相撲の番付で大関に次ぐ第三位の階級。
OED初出は1908年。三役(大関・関脇・小結)の一つ。相撲の番付システムの主要構成要素として英語相撲報道で標準的に使われる。
小結 こむすび komusubi
OED 初出 1908
相撲の番付で関脇に次ぐ三役の最下位。
OED初出は1908年。三役の最下位で、関脇昇進の登竜門。相撲の番付システムを語る上で欠かせない専門用語として英語相撲ファンに認知されている。
前頭 まえがしら maegashira
OED 初出 1908
相撲の幕内力士のうち三役以外の階級。
OED初出は1908年。幕内力士の大多数を占める階級で、番付の上から下まで複数の枚数に分かれる。英語相撲報道で『Maegashira No.1』『Maegashira No.15』のように使われる。
幕内 まくうち makuuchi
OED 初出 1908
相撲の力士で最上位グループ。横綱・大関・関脇・小結・前頭を含む。
OED初出は1908年。テレビ中継される『幕内取組』として、相撲のメインステージ。英語の相撲ファンコミュニティで『makuuchi division』『top division』として認知されている。
十両 じゅうりょう juryo
OED 初出 1908
相撲の力士の階級で、幕内に次ぐ第二の階級。
OED初出は1908年。十両以上が関取(sekitori)として認められ、給与・待遇が大きく向上する。相撲界のサラリーマンとアマチュアの境界線として英語相撲ファンコミュニティで論じられる。
行司 ぎょうじ gyoji
OED 初出 1908
相撲の取組を裁く審判。独特の装束と軍配が特徴。
OED初出は1908年。独特の装束(直垂・烏帽子)と軍配を持つ姿は相撲を象徴する光景。階級制があり、最高位は『立行司』。海外の相撲報道でもそのまま『gyoji』として紹介される。
本場所 ほんばしょ honbasho
OED 初出 1908
相撲の公式トーナメント。年6回開催される15日間の興行。
OED初出は1908年。Phase 1の『basho』を正式名称化した語。英語相撲報道では『basho』が短縮形として使われ、『honbasho』は正式名称として併用される。
部屋 へや heya
OED 初出 1908
相撲の力士が所属する団体・寄宿施設。
OED初出は1908年。『相撲部屋』として親方(師匠)が経営する力士の寄宿団体。『stable』とも訳されるが、相撲愛好家は『heya』を使う。海外出身力士が日本の heya 生活に適応する物語は英語メディアでも頻出。

伝統文化・芸術

日本語英語表記意味・由来
折り紙 おりがみ origami
OED,M-W,Collins 初出 1948
紙を折って様々な形を作る日本の伝統芸術。戦後米国で日本文化の象徴として普及した。
OED初出は1948年。戦後米国で日本文化の象徴として爆発的に普及。広島の佐々木禎子(折り鶴)の物語が世界に伝えられ、平和の象徴ともなった。STEM教育でも『origami engineering』として注目されている。
生け花 いけばな ikebana
OED 初出 1901
花や枝を活ける日本の伝統芸術。空間と余白を重視する哲学が魅力。
OED初出は1901年。池坊・草月流・小原流などの流派が海外進出し、欧米でも教室が普及している。西洋のフラワーアレンジメントとは異なる、空間と余白を重視する哲学が魅力。
盆栽 ぼんさい bonsai
OED,M-W,Collins 初出 1900
鉢の中で樹木を小さく育てる日本の伝統芸術。欧米にも専門ブリーダーが多数存在する。
OED初出は1900年。中国の盆景(pénjǐng)が日本で独自進化したものを世界に広めた形。欧米の盆栽愛好家コミュニティは強固で、世界大会も定期開催されている。
俳句 はいく haiku
OED,M-W,Collins 初出 1899
5・7・5の17音から成る日本の短詩。英語俳句(English haiku)も独自のジャンルとして確立。
OED初出は1899年。20世紀のエズラ・パウンドらイマジズム詩人の影響で、英語圏の現代詩にも大きな影響を与えた。英語俳句(English haiku)も独自のジャンルとして確立している。
短歌 たんか tanka
OED 初出 1899
5・7・5・7・7の31音から成る日本の短詩。英語tanka愛好家コミュニティも存在する。
OED初出は1899年。俳句より長い形式で、和歌の現代的呼称。英語tanka愛好家コミュニティも存在し、独自の英語tankaが書かれている。
和歌 わか waka
OED 初出 1877
古典的な日本の詩歌、特に短歌。古今和歌集・万葉集が英訳され研究されている。
OED初出は1877年。日本古典文学研究の文脈で英語化。『古今和歌集』『万葉集』などの和歌集が英訳され、英語圏で日本古典詩として研究されている。
歌舞伎 かぶき kabuki
OED,M-W,Collins 初出 1899
江戸時代に発達した日本の伝統演劇。『派手で大げさな茶番』の比喩でも使われる。
OED初出は1899年。現代英語では『kabuki theater』として演劇の意味だけでなく『派手で大げさな茶番』の比喩でも使われる(例:政治の世界での『political kabuki』)。
のう noh
OED 初出 1871
室町時代に確立された日本の伝統的な仮面音楽劇。前衛演劇人にも影響を与えた。
OED初出は1871年。世阿弥・観阿弥が大成。能面(noh mask)、能舞台(noh stage)も英語化している。20世紀の前衛演劇人(イェイツ、ブレヒトら)に大きな影響を与えた。
芸者 げいしゃ geisha
OED,M-W,Collins 初出 1887
歌舞音曲で客をもてなす日本の伝統的な女性芸能者。
OED初出は1887年。19世紀末の西洋ではエキゾチックな日本の象徴として広く紹介された。Arthur Goldenの小説『Memoirs of a Geisha』(1997年、邦訳『さゆり』)と2005年映画化で再度世界的に注目された。
将軍 しょうぐん shogun
OED,M-W,Collins 初出 1727
鎌倉〜江戸時代の日本の軍事政権の長。2024年FXドラマ『Shōgun』で再度世界的注目。
OED初出は1727年。James Clavellの小説『将軍』(1975年)とTVドラマ化(1980年)、最近では2024年のFXドラマ『Shōgun』(エミー賞18部門受賞)で再度世界的注目を集めた。
ぜん zen
OED,M-W,Collins 初出 1727
禅宗、または比喩的に『心静かな・悟りに近い』状態。『zen attitude』『zen garden』など形容詞的にも広く使われる。
OED初出は1727年。1950〜60年代のビートニク世代(ケルアック、スナイダーら)の禅への傾倒で英語圏に深く浸透。現代英語では『zen attitude』『zen garden』『zen-like』など比喩的・形容詞的に広く使われる。
悟り さとり satori
OED 初出 1727
禅における悟り、突然の開眼。鈴木大拙の英文著作で西洋に紹介された。
OED初出は1727年。禅仏教の中心概念として西洋哲学・心理学にも影響。鈴木大拙(D.T. Suzuki)の英文著作で広く西洋に紹介された。
公案 こうあん koan
OED 初出 1946
禅で悟りのために使う問答・問い。『隻手の声を聞け』のような禅の公案として知られる。
OED初出は1946年。『隻手の声を聞け(What is the sound of one hand clapping?)』のような禅の公案は西洋哲学・現代美術にも影響を与えた。
着物 きもの kimono
OED,M-W,Collins 初出 1886
日本の伝統的な民族衣装。西洋風の前合わせのガウンも『kimono-style robe』と呼ばれる。
OED初出は1886年。19世紀末のジャポニスムで西洋に紹介され、ファッション・装飾デザインに大きな影響を与えた。現代英語では西洋風の前合わせのガウンも『kimono-style robe』と呼ばれることがある。
おび obi
OED 初出 1876
着物を着るときに腰に巻く帯。
OED初出は1876年。着物文化と共に英語化。帯結びの種類(taiko musubi など)も日本文化愛好家の間で認知されている。
浴衣 ゆかた yukata
OED 初出 1822
夏に着る木綿の単衣の着物。夏祭りのイメージと共に認知されている。
OED初出は1822年。夏祭り・花火大会のイメージと共に英語圏でも認知。日本旅行者が温泉旅館で『yukata』を着る体験は重要な観光要素となっている。
たたみ tatami
OED,M-W 初出 1614
藁を編んで作る日本の伝統的な床材。日本家屋の象徴として広く認知。
OED初出は1614年と非常に古い。日本家屋の象徴として英語圏で広く認知。部屋の広さを『6 tatami mats』のように畳数で表現することも英語圏の日本文化愛好家には通じる。
障子 しょうじ shoji
OED 初出 1880年代
和紙を貼った日本の引き戸。日本建築の特徴的要素として英語化。
OED初出は19世紀末。日本建築の特徴的要素として英語化。フランク・ロイド・ライトなど近代建築家にも影響を与えた。現代では『shoji-style screen』として欧米のインテリアでも採用されている。
布団 ふとん 意味ずれ futon
OED,M-W,Collins 初出 1876
日本語:本来は床に敷く日本の伝統的な寝具。英語ではソファベッドの一種を指す。
英語圏:木枠の上にマットレスを乗せたソファベッドの一種を指す。日本の敷布団とは別の家具で、1980年代に米国で大流行した。
OED初出は1876年で本来の意味(敷布団)。1980年代に米国で『futon』という名前で木枠+マットレスのソファベッドが大流行し、北米英語では『futon』はこのソファベッドを指すようになった。日本の敷布団とは別物で、典型的な意味ずれの代表例。
炬燵 こたつ kotatsu
ヒーターと布団を組み合わせた日本の暖房付きテーブル。アニメ・マンガで描かれる『冬の家庭シーン』として認知されている。
OED未収録だが、日本文化を紹介するメディア・ネット界隈で知名度が高い。日本のアニメ・マンガでよく描かれる『冬の家庭シーン』として、英語圏でも認知が広がっている。海外でも輸入販売される独特の家具。
ひらがな ひらがな hiragana
OED 初出 1822
日本語の表音文字の一つ。日本語学習者にとって最初に学ぶ文字体系。
OED初出は1822年。日本語学習者にとって最初に学ぶ文字体系として英語の言語学教科書でも標準的に紹介される。
カタカナ かたかな katakana
OED 初出 1727
外来語などに使う日本語の表音文字。
OED初出は1727年。ひらがなと共に日本語学習の基本。英語圏の言語学者の間では『kana』(hiragana + katakana の総称)として研究対象となっている。
漢字 かんじ kanji
OED 初出 1920年代
日本語で使われる中国由来の表意文字。タトゥー文化で一時期ブームになった。
OED初出は20世紀初頭。日本語学習の象徴的概念として英語圏で広く認知。タトゥー文化で『kanji tattoo』が一時期ブームになったが、誤訳の事例も多く話題になった。
仮名 かな kana
OED 初出 1727
ひらがな・カタカナの総称。日本語IT入力での『kana conversion』としても使われる。
OED初出は1727年。言語学・日本学の専門用語として英語化。ローマ字日本語入力での『kana conversion(仮名変換)』としてIT文脈でも使われる。
こい koi
OED 初出 1727
観賞用に飼育される色鮮やかな鯉。錦鯉(nishikigoi)は『泳ぐ宝石』として世界中で愛好される。
OED初出は1727年。錦鯉(nishikigoi)は『泳ぐ宝石』として世界的に愛好され、欧米にも専門ブリーダーが多数存在する。タトゥーデザインとしても人気のモチーフ。
金継ぎ きんつぎ kintsugi
OED 初出 2008
割れた陶磁器を金漆で継ぐ日本の伝統技法。『傷を隠さず美しさに変える』哲学として自己啓発書でも比喩的に使われる。
2024年3月OED追加(2008年Nikkei Weekly初出)。『傷を隠さず美しさに変える』哲学が世界に響き、2010年代以降、自己啓発書・メンタルヘルス・組織論などで比喩的にも使われるようになった。
切り紙 きりがみ kirigami
OED 初出 1958
紙を切って模様や形を作る日本の伝統工芸。米国のSTEM教育やナノ工学にも応用される。
2024年3月OED追加(1958年初出)。origamiとの違いは『切る』を含むこと。米国のSTEM教育やナノ工学(kirigami metamaterials)でも応用される現代技術用語にもなっている。
絞り しぼり shibori
OED 初出 1903
布を絞って染める日本の伝統的な染色技法。藍染めと共にテキスタイル愛好家に認知されている。
2024年3月OED追加(1903年初出)。インディゴ染め(藍染め)と共に欧米のテキスタイル愛好家コミュニティで認知されている。
和紙 わし washi
OED 初出 2024年OED追加
日本の伝統的な手漉き和紙。『washi tape』として文房具・クラフト文化に定着。
2024年3月OED追加(『washi tape』として)。マスキングテープ(masking tape)が日本のmtブランドから『washi tape』として世界に広まり、英語圏の文房具・クラフト文化に定着した。
編みぐるみ あみぐるみ amigurumi
OED 初出 2006
毛糸で編んで作る小さな縫いぐるみ。英語圏のハンドメイド愛好家コミュニティで定番化。
OED初出2006年と新しい。OEDに収録された最も新しい日本語の一つ。Etsy・Pinterestなどのクラフト文化と共に世界に広まり、英語圏のハンドメイド愛好家コミュニティで定番化している。
楽焼 らく raku
OED 初出 1875
低温焼成による日本の伝統的な陶芸技法。茶道具として発達した。
OED初出は1875年。茶道具として発達し、欧米の陶芸家にも影響を与えた。Bernard Leach等英国陶芸家経由で20世紀に西洋陶芸界に深く浸透した。
伊万里 いまり imari
OED 初出 1696
佐賀県有田で作られ伊万里港から輸出された磁器。17世紀以来の歴史的な日本語。
OED初出は1696年と非常に古い。17世紀の蘭印会社経由でヨーロッパに渡り、西洋陶磁器の発展に大きな影響を与えた歴史的な日本語。
根付 ねつけ netsuke
OED,M-W 初出 1857
印籠などを帯から下げるための小さな彫刻品。美術品コレクター市場で高く評価される。
OED初出は1857年。江戸時代の精緻な工芸品として欧米の美術品コレクター市場で高く評価されている。Edmund de Waal『The Hare with Amber Eyes』(2010年)で文学的にも注目された。
浮世絵 うきよえ ukiyo-e
OED 初出 1896
江戸時代の日本の木版画。葛飾北斎・歌川広重らの作品が印象派絵画に影響を与えた。
OED初出は1896年。葛飾北斎・歌川広重らの作品が19世紀後半に欧州に渡り、印象派絵画(モネ、ゴッホ、マネ)に決定的な影響を与えた。ジャポニスムの中核。
漫画 まんが 意味ずれ manga
OED,M-W,Collins 初出 1951
日本語:日本の漫画。日本語では漫画全般を指すが、英語では『日本様式の漫画』に意味が限定される。
英語圏:日本のマンガを指す。日本語の『マンガ』は西洋のコミックも含む広い概念だが、英語では『日本様式の漫画』に意味が限定される。
OED初出は1951年。日本語では『マンガ』は西洋のコミックも含む広い概念だが、英語の『manga』は『日本のマンガ』に限定される。フランスでは独自進化した『manga francais』も存在し、世界的なジャンルになっている。
墨絵 すみえ sumi-e
墨で描く日本の伝統絵画。東洋美術の文脈で英語化。
OED未収録だが、東洋美術の文脈で英語化。中国の水墨画(shuǐmòhuà)が日本で独自進化したものとして、欧米のアート愛好家コミュニティで認知されている。
霊気 れいき reiki
OED,M-W 初出 1975
手をかざして気を伝えるとされる日本発祥の代替療法。1980年代以降米国で広く普及した。
OED初出は1975年。臼井甕男(1865-1926)が大正期に創始。1980年代以降、米国・カナダで代替医療・スピリチュアル文脈で広く普及。現在は世界中でreiki masterが活動している。
坊主 ぼうず bonze
OED 初出 1577
仏教の僧侶。OED最古の日本語語(1577年初出)として歴史的に重要だが現代英語ではほぼ使われない。
OEDに収録された最も古い日本語語(1577年、Richard Willes『The History of Trauayle in the West and East Indies』)。ポルトガル語・スペイン語経由で英語化。現代英語ではほとんど使われない歴史的語彙。
神道 しんとう shinto
OED,M-W 初出 1727
日本固有の民族宗教。古代から続く自然崇拝・祖先崇拝に基づく宗教として研究されている。
OED初出は1727年。日本古代から続く自然崇拝・祖先崇拝に基づく宗教として英語圏の宗教学・人類学で研究対象となっている。
鳥居 とりい torii
OED 初出 1727
神社の入り口に立つ伝統的な門。広島の厳島神社・京都の伏見稲荷が世界的観光資源。
OED初出は1727年。神社の象徴として日本旅行・日本文化を表すアイコン的な存在。広島の厳島神社の海中鳥居、京都の伏見稲荷の千本鳥居は世界的観光資源。
さくら sakura
OED 初出 1880
桜の花。1912年に東京市からワシントンDCに贈られた桜以降、米国でも国民的イベントに。
OED初出は1880年。1912年にワシントンDCに東京市から3000本の桜が贈られて以降、米国でも『cherry blossom season』として国民的イベントに。現代では『sakura season』『hanami』が世界共通の春の風物詩。
花見 はなみ hanami
OED 初出 1891
桜の花を眺めて楽しむ日本の風習。外国人観光客の来日目的の上位を占める文化体験。
OED初出は1891年。21世紀に入って外国人観光客の来日目的の上位を占める文化体験となり、英語圏でも『hanami party』『hanami picnic』として認知されている。
おもてなし おもてなし omotenashi
OED 初出 1980
心からのもてなしの精神を表す日本語。2013年五輪招致プレゼンの滝川クリステル氏の発音で世界的に有名に。
2024年3月OED追加(1980年初出)。2013年9月の東京五輪招致プレゼンで滝川クリステル氏が一語ずつ区切って『お・も・て・な・し』と発音し世界的に有名になった。ホスピタリティ業界の世界共通用語化が進んでいる。
掛物 かけもの kakemono
OED 初出 1898
床の間などに掛ける軸装の書画。美術品取引の専門用語。
OED初出は1898年。茶室や日本家屋の文化と共に英語化。美術品取引・骨董の世界で使われる専門用語として認知されている。
文楽 ぶんらく bunraku
OED 初出 1920年代
三人遣いの人形劇と義太夫節による日本の伝統人形浄瑠璃。
OED収録。ユネスコ無形文化遺産(2003年)。海外公演も多く、フランス・米国の劇場・大学で研究対象となっている。歌舞伎と並ぶ日本の伝統芸能として英語圏で認知されている。
落語 らくご rakugo
OED 初出 1891
一人の演者が複数の登場人物を演じ分ける日本の伝統的な話芸。
OED初出は1891年。海外公演も増加しており、英語落語(English rakugo)として桂三輝など海外活動する落語家もいる。BBCドキュメンタリーなどでも紹介された。
三味線 しゃみせん shamisen
OED 初出 1610
三本の弦と猫皮を張った胴を持つ日本の伝統弦楽器。
OED初出は1610年と非常に古い。歌舞伎・文楽の伴奏楽器として、また津軽三味線(Tsugaru shamisen)として欧米のワールドミュージック愛好家に認知されている。
尺八 しゃくはち shakuhachi
OED 初出 1822
竹製の縦笛。禅宗虚無僧の修行楽器として発達した日本の伝統管楽器。
OED初出は1822年。禅の修行楽器としての精神性が西洋のニューエイジ・瞑想音楽愛好家を魅了し、世界各地に尺八奏者・流派が存在する。
こと koto
OED 初出 1880年代
13本(または17本)の弦を持つ日本の伝統的な箏。
OED収録。中国の古筝を起源とするが、日本で独自進化した。欧米の音楽学校・大学にもkoto奏者・教師が在籍し、現代音楽との融合作品も多く生まれている。
太鼓 たいこ taiko
OED 初出 1960年代
日本の伝統的な打楽器。海外では『taiko group』として演奏団体が世界各地に存在する。
OED収録。鼓童(Kodo)の世界ツアーなどを通じて、米国・カナダ・欧州に『taiko group』が多数存在する。サンフランシスコ太鼓道場(1968年)が北米最初の組太鼓グループとされる。
琵琶 びわ biwa
OED 初出 1893
梨形の胴を持つ日本の伝統的な弦楽器。
OED初出は1893年。平家物語の語りに使われる楽琵琶・薩摩琵琶・筑前琵琶など複数の流派があり、欧米の世界音楽研究の対象となっている。
舞踏 ぶとう butoh
OED 初出 1965
1959年に土方巽が創始した、白塗りと前衛的な身体表現を特徴とする日本の現代舞踊。
OED初出は1965年。1980年代以降、ヨーロッパ・北米の現代舞踊界に大きな影響を与えた。土方巽・大野一雄・山海塾などのカンパニーが世界各地で公演し、現在も愛好家コミュニティが多数存在する。
演歌 えんか enka
OED 初出 1972
日本の伝統的歌謡曲のジャンル。哀愁と情念を特徴とする。
OED初出は1972年。美空ひばり・北島三郎などの楽曲と共に英語化。日本の歌謡文化を象徴するジャンルとして、英語の音楽研究・日本文化論で論じられる。
うるし urushi
OED 初出 1881
ウルシの樹液から作る塗料。日本の伝統的な工芸技術。
OED初出は1881年。日本の漆工芸は世界の美術史で『japanning』という英語動詞を生み出すほど影響力があった。現代でも『urushi lacquer』として高級工芸品の代名詞となっている。
すみ sumi
OED 初出 1880年代
書道や水墨画に使う、煤と膠を練り固めた黒色の顔料。
OED収録。書道家・東洋美術愛好家の間で世界共通の専門用語として定着。『sumi ink』『sumi-e painting』として欧米のアート教育でも標準的に教えられる。
蒔絵 まきえ maki-e
OED 初出 1881
漆地に金粉・銀粉を蒔いて模様を描く日本の伝統的な漆工芸技法。
OED初出は1881年。マリー・アントワネット、英国王室なども蒔絵のコレクターとして知られ、ヨーロッパの王侯貴族の所蔵品として日本工芸の代表例。欧米の美術館でも独立した工芸ジャンルとして展示される。
屏風 びょうぶ byobu
OED 初出 1880年代
折りたたみ式の日本の伝統的な装飾衝立。
OED収録。江戸時代の屏風絵は欧米の美術館の重要コレクションとして展示されている。狩野派・琳派の名品が西洋美術史にも大きな影響を与えた。
ふすま fusuma
OED 初出 1880年代
和紙を貼った日本の伝統的な引き戸。
OED収録。障子(shoji)と並ぶ日本建築の特徴的要素として認知。狩野派の襖絵などは欧米の美術史でも論じられる。
九谷焼 くたに kutani
OED 初出 1880年代
石川県加賀地方で生産される、五彩の絵付けで知られる磁器。
OED収録。17世紀後半の古九谷から続く伝統で、九谷五彩(赤・黄・緑・紫・紺青)の鮮やかな色彩が欧米の陶磁器愛好家に高く評価されている。
有田焼 ありた arita
OED 初出 1880年代
佐賀県有田町で生産される日本最古級の磁器。
OED収録。17世紀以降オランダ東インド会社経由でヨーロッパに輸出され、マイセン窯など欧州陶磁器の発展に大きな影響を与えた。伊万里港から輸出されたため『imari』とも呼ばれる。
絵巻物 えまき emaki
OED 初出 1880年代
巻物形式に絵と詞書を交互に描いた日本の伝統絵画ジャンル。
OED収録。『源氏物語絵巻』『鳥獣戯画』など平安・鎌倉時代の名品が美術史の重要研究対象。欧米の日本美術コレクション・大学の東洋美術史で必修テーマとなっている。
縁側 えんがわ engawa
OED 初出 1880年代
日本家屋の外側に張り出した、屋根のある板敷きの通路。
OED収録。日本建築の内外を緩やかにつなぐ独特の空間として、欧米の建築誌でも頻出する用語。フランク・ロイド・ライトなどモダニズム建築家にも影響を与えた。
床の間 とこのま tokonoma
OED 初出 1880年代
日本家屋の和室にある、掛軸や花を飾る一段高くなった空間。
OED収録。日本家屋の精神的中心として、茶道・華道・書道の文化と一体化した独特の空間。欧米の建築・インテリア誌で『tokonoma alcove』として紹介される。
玄関 げんかん genkan
靴を脱ぐ場所として一段低くなった、日本家屋の入口。
OED未収録だが、日本旅行ガイド・建築誌で頻出する用語。『靴を脱ぐ文化』の象徴として、近年の欧米でも『genkan-style entryway』として住宅設計に取り入れる例が増えている。
銭湯 せんとう sento
OED 初出 1900年代
公衆浴場。料金を払って入る日本の伝統的な共同浴場。
OED収録。日本独自の入浴文化として観光ガイド・社会学文献で紹介される。温泉(onsen)と区別される、都市部の庶民文化を象徴する施設として認知されている。
枯山水 かれさんすい karesansui
OED 初出 1935
水を使わず、白砂と石で山水を表現する日本の禅庭園様式。
OED初出は1935年。京都の龍安寺石庭が世界的に有名で、欧米のランドスケープデザイン・モダニズム建築に大きな影響を与えた。『Zen garden』とも訳される。
川柳 せんりゅう senryu
OED 初出 1899
5・7・5の17音から成る、滑稽や風刺を主題とする日本の短詩。
OED初出は1899年。江戸時代の柄井川柳に由来する。俳句が自然・季節を詠むのに対し、川柳は人間社会の風刺・滑稽を詠む。英語俳句愛好家コミュニティで『English senryu』のジャンルとして認知されている。
連歌 れんが renga
OED 初出 1899
複数の人が交互に5・7・5と7・7の句を詠み連ねる、日本の古典詩歌。
OED初出は1899年。室町時代に大成された日本独自の連作詩形式。20世紀以降、欧米の詩人(オクタビオ・パスら)の間で実験的な共同詩作の手法として研究・実践された経緯がある。
連句 れんく renku
OED 初出 1899
近世以降の連歌の発展形。芭蕉らが完成させた俳諧の連歌。
OED初出は1899年。松尾芭蕉の『連句』が世界文学史上の重要ジャンルとして英訳・研究されている。英語renku愛好家のグループも存在し、実験的な共同詩作の現代版として継承されている。
季語 きご kigo
OED 初出 1907
俳句に必ず含めるべき、季節を表す言葉。
OED収録。英語俳句愛好家コミュニティでは『kigo』の概念が文化的に翻訳されており、英語圏の自然・季節を反映した独自のkigoリスト(saijiki)も編纂されている。
切れ字 きれじ kireji
OED 初出 1907
俳句で句の切れ目を示す助詞。『や』『かな』『けり』など。
OED収録。英語俳句では母語に該当する助詞がないため、ダッシュ・コロン・改行などで代替表現する技法が発達した。英語俳句理論で重要な概念として論じられる。
かみ kami
OED 初出 1727
神道における神。自然・祖先・万物に宿るとされる聖なる存在。
OED初出は1727年と非常に古い。神道の根幹概念として宗教学・人類学で英語化。アニメ・ゲーム文化の浸透により、若い世代の英語話者にも『kami』として認知されている。
神社 じんじゃ jinja
OED 初出 1872
神道の神を祀る建物。
OED初出は1872年。日本旅行の主要観光資源として英語圏で広く認知。観光ガイドでは『shrine』とも訳されるが、専門的な文脈では『jinja』が使われる。
巫女 みこ miko
OED 初出 1962
神社で神事に奉仕する女性。
OED初出は1962年。アニメ・マンガで描かれる『巫女キャラ』として若い世代の英語話者にも広く認知されている。神道の宗教学・日本文化研究で論じられる。
座禅 ざぜん zazen
OED 初出 1727
禅宗の瞑想法。坐って心を統一する修行。
OED初出は1727年。1950-60年代のビートニク文化と1970年代以降の欧米のマインドフルネス・瞑想ブームを通じて、世界的に実践される瞑想法として完全に定着した。
おみくじ おみくじ omikuji
神社で引く、運勢を占うくじ。
日本旅行・観光体験として英語圏で認知。大吉・中吉・小吉・凶などの段階もそのまま英語化することがある。海外の神社・寺院でも英訳版のおみくじが用意されている例がある。
絵馬 えま ema
OED 初出 1894
神社で願い事を書いて奉納する木の板。
OED初出は1894年。日本旅行の体験コンテンツとして英語圏で認知。観光地の有名神社では英語の願い事が書かれた絵馬が大量に奉納される光景も日常化している。
仏壇 ぶつだん butsudan
OED 初出 1880年代
家庭に置く小型の仏教祭壇。
OED収録。日本独自の家庭内宗教施設として、宗教学・日本文化研究で論じられる。海外の日系コミュニティでは継承されている。
浄瑠璃 じょうるり joruri
OED 初出 1880
三味線伴奏で語られる日本の語り物芸能。文楽人形浄瑠璃の音楽。
OED初出は1880年。文楽(bunraku)の語りと音楽として一体化した日本独自の語り物芸能。義太夫節を中心に、河東節・常磐津節・清元節など複数の流派が存在する。海外公演も多く、英語圏の音楽学・演劇学で研究対象となっている。
狂言 きょうげん kyogen
OED 初出 1880年代
能と一緒に演じられる、滑稽さを主題とする日本の伝統演劇。
OED収録。能の幕間に演じられる滑稽劇として発達した。野村萬斎・野村萬作らの海外公演を通じて欧米の演劇界でも認知されている。シェイクスピアの喜劇との比較研究も活発で、世界の比較演劇学で重要なジャンル。
雅楽 ががく gagaku
OED 初出 1922
宮中で演奏される日本最古の合奏音楽。世界最古の現存合奏音楽とされる。
OED初出は1922年。奈良時代に確立した世界最古の現存合奏音楽として、ユネスコ無形文化遺産に登録(2009年)。宮内庁式部職楽部の海外公演で英語化し、武満徹など現代作曲家にも影響を与えた。
舞楽 ぶがく bugaku
OED 初出 1880年代
雅楽に合わせて舞われる日本の宮中舞踊。
OED収録。雅楽と一体化した日本の宮中舞踊で、左方の舞(唐楽系)と右方の舞(高麗楽系)に分かれる。古代アジア大陸の舞踊を保存する貴重な文化財として国際的に評価されている。
益子焼 ましこ mashiko
OED 初出 1907
栃木県益子町で生産される素朴な民芸陶器。Mashiko wareとして国際的に知られる。
OED収録。19世紀末から発展し、20世紀には濱田庄司らの民芸運動の中心地として世界的に知られた。バーナード・リーチも益子に滞在し、英国陶芸との交流の拠点となった。海外の陶芸家・コレクターが訪れる『Mashiko pottery town』として認知されている。
萩焼 はぎ hagi
OED 初出 1880年代
山口県萩市で生産される茶陶。Hagi wareとして茶の湯で珍重される。
OED収録。茶人の間で『一楽、二萩、三唐津』と並び称される茶陶の名品。使い込むほどに色合いが変化する『萩の七化け』が特徴。欧米の茶道愛好家・陶磁器コレクターの間で『Hagi ware』として認知されている。
志野 しの shino
OED 初出 1880年代
美濃地方で生まれた、白色釉薬を特徴とする伝統陶器。
OED収録。室町時代末期から桃山時代に美濃(現岐阜県)で生まれた茶陶。日本初の白い陶器として陶磁器史上重要な存在。長石釉の温かみのある白さが欧米の陶芸家にも影響を与えた。
織部 おりべ oribe
OED 初出 1880年代
緑釉と幾何学的文様を特徴とする日本の伝統陶器。
OED収録。茶人・古田織部(1544-1615)の好みから名付けられた美濃焼の一種。鮮やかな緑釉と斬新な歪んだ形状・幾何学文様が特徴で、現代美術にも通じる前衛性が欧米の現代陶芸家に再評価されている。
町家 まちや machiya
京都など伝統的な日本の商家・町屋建築。
京都観光・建築誌で頻出する用語。間口が狭く奥行きが深い『鰻の寝床』構造、坪庭、格子戸など独自の意匠が特徴。近年は古民家リノベーション・ゲストハウス文化と共に英語圏でも『machiya stay』が観光商品として定着している。
民家 みんか minka
OED 初出 1900年代
農家・町家・漁師の家など、庶民が住んだ伝統的な日本家屋。
OED収録。日本建築史の重要カテゴリで、合掌造り(白川郷の minka がユネスコ世界遺産)・茅葺き屋根など地域ごとに多様な様式を持つ。欧米の建築誌で『minka architecture』として論じられる。
茶室 ちゃしつ chashitsu
OED 初出 1881
茶道のために作られる小規模な特別な部屋。
OED初出は1881年。千利休が完成させた『四畳半』『二畳台目』などの形式は、世界の建築デザインに大きな影響を与えた。フランク・ロイド・ライト、ル・コルビュジエなどモダニズム建築家も研究対象とした空間。
神主 かんぬし kannushi
OED 初出 1893
神社で神事を執り行う神道の神職。
OED初出は1893年。神道の宗教学・人類学研究で英語化。新郎新婦の前で祝詞を上げるkannushiの姿は、海外の日本式結婚式の中継などで国際的に知られている。
浄土 じょうど jodo
OED 初出 1727
浄土宗・浄土真宗の教義における、阿弥陀仏が在る清浄な世界。
OED初出は1727年。法然が開いた浄土宗、親鸞が開いた浄土真宗は日本仏教の最大勢力。『Pure Land Buddhism』として欧米の宗教学で重要なジャンルとなっており、特に米国では浄土真宗のテンプルが多数存在する。
真言 しんごん shingon
OED 初出 1727
空海が開いた日本仏教の密教宗派。
OED初出は1727年。空海(弘法大師)が9世紀初頭に唐から伝えた密教を独自に発展させた宗派。曼荼羅・護摩・印・真言など視覚的・身体的な実践が、欧米の宗教学・密教研究で注目されている。
天台 てんだい tendai
OED 初出 1727
最澄が開いた日本仏教の宗派。比叡山延暦寺を本山とする。
OED初出は1727年。最澄(伝教大師)が9世紀初頭に開いた宗派で、比叡山延暦寺は日本仏教各派の祖師たち(法然・親鸞・道元・日蓮など)が修行した『日本仏教の母山』として国際的に知られる。
臨済 りんざい rinzai
OED 初出 1727
臨済義玄を祖とする禅宗の一派。
OED初出は1727年。中国の臨済義玄(?-867)を祖とし、日本では栄西が伝えた。公案(koan)を用いる修行法が特徴で、武家社会と結びついて発展した。鈴木大拙が西洋に紹介した禅の中心は主に臨済系。
曹洞 そうとう soto
OED 初出 1727
道元を祖とする日本禅宗の一派。座禅を重視する。
OED初出は1727年。道元が宋から伝えた禅で、只管打坐(しかんたざ、ただひたすら座る)を重視する。米国では1960年代に鈴木俊隆がサンフランシスコ禅センターを設立し、米国の禅文化の中心の一つとなった。
みかど mikado
OED 初出 1727
日本の天皇を指す古語。
OED初出は1727年。ギルバート&サリヴァンの英国オペレッタ『The Mikado』(1885年)が大ヒットし、19世紀末の西洋人にとって日本=Mikadoの国というイメージを決定づけた。現代英語では古めかしい印象だが、歴史的文脈で頻出する。
幕府 ばくふ bakufu
OED 初出 1859
鎌倉・室町・江戸時代の武家政権。
OED初出は1859年。日本史の基本用語として英語の歴史書・教科書で頻出。『Tokugawa bakufu』『Kamakura bakufu』のように時代別に語られる。Phase 1収録『shogun』の派生語として一緒に学ばれる。
足軽 あしがる ashigaru
OED 初出 1875
戦国時代の歩兵。下級武士。
OED初出は1875年。戦国期の主要戦力で、織田信長の鉄砲足軽隊が特に有名。Total War: Shogun 2など歴史シミュレーションゲームを通じて、欧米の歴史ファン・ゲーマーの間で広く認知されている。
あい ai
OED 初出 1880年代
藍色を染め出す植物染料。日本の伝統的な深い青色。
OED収録。徳島県の阿波藍が特に有名。明治期に来日した英国人化学者R・W・アトキンソンが『Japan blue』と命名し、世界に紹介した。現代ではジーンズのインディゴ染めとの関係でも注目され、サステナビリティの観点から再評価されている。
べに beni
OED 初出 1880年代
紅花から取れる赤色染料・口紅。日本の伝統的な赤色。
OED収録。山形県最上地方が産地として有名。京都の老舗『伊勢半本店』の小町紅は世界最高級品として欧米のメイクアップアーティストにも知られる。日本独自の色彩文化の象徴として英語化。
言霊 ことだま kotodama
OED 初出 1894
言葉に宿るとされる霊的な力。
OED初出は1894年。万葉集に既に登場する古代日本の言語観で、『言葉には神霊が宿り、発した言葉は実現する』とする思想。スピリチュアル・ニューエイジ文化、言語哲学、神道研究の文脈で英語化した。

自然・気象・地理

日本語英語表記意味・由来
津波 つなみ tsunami
OED,M-W,Collins,Cambridge 初出 1897
地震などで発生する大きな海洋波。2004年スマトラ沖地震を機に英語圏で爆発的に普及し、『tidal wave』をほぼ駆逐した。
OED初出は1897年。2004年12月のスマトラ沖地震・インド洋大津波で爆発的に普及。それ以前主流だった『tidal wave』を英語圏でほぼ駆逐した。Geosphere誌2015年論文によれば専門家16名は全員『tsunami』のみを使用。
台風 たいふう typhoon
OED,M-W,Collins 初出 1588
太平洋・インド洋で発生する熱帯低気圧。語源には諸説あり、日本語『台風』が唯一の起源とは断定できない。
OED初出は1588年と非常に古い。語源は諸説あり、ギリシア語Typhon、アラビア語tufan、中国南方語『大風(daai-fung)』、日本語『台風』のどれを起源とするか論争中。日本語起源と言い切るのは慎重に。
富士リンゴ ふじりんご fuji-apple
OED 初出 1962
青森県藤崎町で開発されたリンゴの品種。世界のリンゴ生産量で首位を占める。
1962年に青森県藤崎町の農業試験場で品種登録。命名は地名『藤崎』と『富士山』のダブルミーニング。世界のリンゴ生産量で長く首位を占める品種となり、『Fuji apple』として欧米のスーパーで標準商品に。
里山 さとやま satoyama
OED 初出 1985年頃
山と農地の間にある、人が手を入れた自然環境。生物多様性・持続可能性の文脈で国際学術界に広まった。
OEDには近年追加された。日本の伝統的な人と自然の共生空間として、生物多様性・持続可能性の文脈で国際学術界に広まった。国連の『SATOYAMA Initiative』(2010年)として国際的環境保全運動にも発展している。
くず kudzu
M-W 初出 1876
つる性の植物。1876年フィラデルフィア万博で米国に紹介され、後に米南東部で侵略的外来種に。
Merriam-Webster収録。1876年フィラデルフィア万博で米国に紹介されたものが、土壌保全のため南東部に大量植栽され、結果として侵略的外来種になった歴史を持つ。米国南部では『The vine that ate the South』と呼ばれる。
薩摩 さつま satsuma
OED 初出 1882
薩摩地方原産の温州みかんの一種。米国南東部・地中海で『satsuma orange』として栽培される。
OED初出は1882年。米国南東部・地中海地域で栽培される柑橘品種として『satsuma orange』『satsuma mandarin』が定着。日本の薩摩国から世界に広まったが、現代の日本人には『温州みかん』の方が一般的。
柴犬 しばいぬ shiba-inu
OED 初出 1955
日本原産の小型犬種。
OED収録。日本最古の犬種の一つで、6種の日本犬の中で最小。2010年代の『doge』ミーム(柴犬かぼすちゃんが基となった)で世界的にさらに人気が爆発し、英語圏でペットとしても急速に普及した。
秋田犬 あきたいぬ akita-inu
OED 初出 1937
日本原産の大型犬種。忠犬ハチ公で世界的に有名。
OED初出は1937年。ヘレン・ケラーが1937年に来日時に贈られたカミカゼ号を米国に連れ帰ったことで米国に紹介された。映画『HACHI』(2009年、リチャード・ギア主演)で忠犬ハチ公の物語が世界的に広まった。
鹿 しか sika-deer
OED 初出 1838
東アジア原産の鹿の一種。
OED初出は1838年と古い。日本語『鹿(しか)』が学名『Cervus nippon』の英語通称として定着。19世紀以降、欧米の動物園・狩猟場に導入され、現在は欧州各地で野生化している地域もある。
うめ ume
OED 初出 1880年代
梅の木・果実。日本独特の柑橘類に近い扱いの果物。
OED収録。学名『Prunus mume』。欧米では『Japanese apricot』とも訳されるが、専門書・健康食品では『ume』が標準。梅干し(umeboshi)・梅酒(umeshu)の原料として認知されている。
なし nashi
OED 初出 1894
日本原産の梨。果実は球形で、白く水分が多い。
OED初出は1894年。欧米では『Asian pear』『nashi pear』『apple pear』として販売される。西洋の洋梨(pear)とは異なる、より球形で水分の多い独特の食感を持つ品種として高級スーパーで定着している。
銀杏 いちょう ginkgo
OED,M-W,Collins,Cambridge 初出 1712
化石種として知られる落葉樹。扇形の葉と秋の黄葉が特徴。欧米でも街路樹・庭園樹として定着している。
英語名『ginkgo』は、漢字『銀杏』の長崎方言読み『ぎんきょう』に由来する。1690〜1692年に長崎・出島に滞在したドイツ人医師エンゲルベルト・ケンペル(Engelbert Kaempfer、オランダ東インド会社所属)が、通訳の今村源右衛門から聞き取った長崎方言の発音を、1712年の著書『Amoenitatum Exoticarum(廻国奇観)』に記録した。本来は『ginkjo』または『ginkio』と綴られるべきところを、印刷時の誤植かKaempferの手書き字の『j』が『g』に読み違えられて『ginkgo』として印刷されてしまった。これを1771年にカール・リンネが学名『Ginkgo biloba』として採用したため、誤記がそのまま現代まで全世界の植物学用語として使われている植物学史上最も有名な綴りミス。漢字自体は中国語『銀杏(yínxìng、銀色の杏)』が起源だが、英語に入った経路は完全に日本経由で、OED公式の語源欄でも明確に『Japanese』と明記されている。1億7000万年前から姿をほとんど変えない『生きた化石』としてダーウィンも研究対象とした植物学上の重要種で、現代日本人は『銀杏』を木は『いちょう』、実は『ぎんなん』と読むのが一般的で、『ぎんきょう』という読みはほぼ使われない。
蜜柑 みかん mikan
OED 初出 1899
温州みかん。日本産の小型柑橘類。
OED初出は1899年。既存収録の『satsuma(薩摩)』も同じ温州みかんを指すが、satsumaは欧米輸出向けの呼称、mikanは日本国内の一般呼称として区別される。近年は日本国内呼称『mikan』も英語圏で並行使用されている。
土佐犬 とさいぬ tosa-inu
OED 初出 1937
高知県原産の闘犬。世界最大級の日本犬。
OED収録。明治期に四国犬と西洋犬種(マスティフ・ブルドッグなど)を交配して作出された闘犬。柴犬・秋田犬と並ぶ日本犬の一つとして、英語圏のドッグショー・闘犬研究で認知されている。
かつら katsura
OED 初出 1893
日本原産の落葉樹。秋に黄葉し、独特の甘い香りを放つ。
OED初出は1893年。学名『Cercidiphyllum japonicum』。欧米でも『katsura tree』として庭園樹・公園樹に植栽される。秋に放つカラメル・綿菓子に似た甘い香り(メチオニン由来)が世界の樹木愛好家を魅了している。
枇杷 びわ biwa-fruit
OED 初出 1880年代
枇杷の実。日本・中国原産の果実。楽器の琵琶(biwa)と同じ字。
OED収録。学名『Eriobotrya japonica』として欧米でも栽培される。楽器の『琵琶(biwa、Phase 1収録)』と同綴り・同読みで紛らわしいが、漢字が同じため日本語上の混同はない。英語では『loquat』と訳されることが多いが、専門書では『biwa』も使われる。
アケビ あけび akebia
OED 初出 1842
つる性の落葉低木。果実は食用、つるは工芸品の材料。
OED初出は1842年と古い。学名『Akebia quinata』。日本語『あけび』が学名となった珍しい例。欧米では『chocolate vine』とも呼ばれ、観賞用つる植物として庭園で栽培される。

ビジネス・経営

日本語英語表記意味・由来
改善 かいぜん kaizen
OED,M-W 初出 1986
継続的な改善を目指す日本の経営哲学。今井正明の英語本で世界のビジネス用語になった。
1986年今井正明『Kaizen: The Key to Japan's Competitive Success』英語版で世界のビジネス用語に。トヨタ生産方式の中核概念で、現代のリーン経営・アジャイル開発に至るまで広範に影響を与え続けている。
看板 かんばん kanban
OED 初出 1977
トヨタ生産方式の在庫管理・工程指示の仕組み。現代ではソフトウェア開発のKanbanボードとしても普及。
OED初出は1977年。元の意味は『看板』だが、トヨタ生産方式での『工程指示カード』の意で英語化。現代のソフトウェア開発のKanbanボード(Trello等)として再普及し、IT業界の標準用語となっている。
過労死 かろうし karoshi
OED 初出 1985
働きすぎが原因で死亡すること。日本の長時間労働問題を象徴する語として英語メディアに広まった。
OED初出は1985年。日本の長時間労働問題を象徴する語として英語圏メディアに広まった。労働社会学・産業医学の専門用語として国際的に通用する。日本の労働環境問題を語る際の必須語。
サラリーマン さらりーまん salaryman
OED 初出 1962
企業に勤める日本のホワイトカラー労働者。和製英語が英語圏に逆輸入された代表例。
OED初出は1962年。和製英語が英語圏に逆輸入された代表例。日本の企業文化・終身雇用の象徴として欧米メディアでよく使われる。スーツ姿の通勤風景は『salaryman lifestyle』として国際的イメージを確立した。
財閥 ざいばつ zaibatsu
OED 初出 1937
戦前の日本における家族支配型の巨大企業グループ。三井・三菱・住友・安田など。
OED初出は1937年。三井・三菱・住友・安田など戦前の四大財閥を指す。戦後の財閥解体(zaibatsu dissolution)も歴史用語として英語化している。
系列 けいれつ keiretsu
OED 初出 1989
企業間で株式持ち合いなどによる結びつきを持つ企業集団。1980年代日米貿易摩擦の文脈で英語化。
OED初出は1989年。戦後の財閥解体後に再編された日本の企業グループ(三菱グループ、三井グループなど)を指す。1980年代の日米貿易摩擦の文脈で英語経済用語として定着した。
ジャストインタイム じゃすといんたいむ just-in-time
OED 初出 1970年代
必要なものを必要なときに必要なだけ生産する方式。JITとして物流・サプライチェーン管理の基本用語に。
OED収録。トヨタ生産方式の在庫削減手法として1970年代に英語ビジネス用語化。JIT(じっと)として略され、現代の物流・サプライチェーン管理の基本用語となっている。
ポカヨケ ぽかよけ poka-yoke
初出 1985年頃
うっかりミスを防ぐ仕組み。新郷重夫が体系化したトヨタ生産方式の概念。
新郷重夫が体系化したトヨタ生産方式の概念。OED未収録だが、リーン製造・品質管理(QC)の専門書で頻出。米国の製造業エンジニアコミュニティで標準用語化している。
無駄 むだ muda
初出 1986
リーン製造における『価値を生まない活動』。『mura(斑)』『muri(無理)』とセットで3Mと呼ばれる。
今井正明『Kaizen』で英語ビジネス用語化。『mura(斑、ばらつき)』『muri(無理、負荷過多)』とセットで3Mと呼ばれる。リーン経営の基本概念として米国MBA教育で標準的に教えられる。
現場 げんば gemba
初出 1990年代
現場、価値が生まれる実際の場所。『Gemba walk』として米国のリーン関連書籍で頻出。
リーン経営用語として英語化。『Gemba walk(現場巡回)』は経営者が現場を歩いて問題を発見する手法として、米国のリーン関連書籍で頻出する用語。
根回し ねまわし nemawashi
初出 1980年代
正式な会議の前に関係者と非公式に合意を作っておくこと。日本のビジネス意思決定の特徴的プロセス。
日本のビジネス意思決定の特徴的プロセスとして英語経営書で紹介される。元の意味は『木を移植する前に根を回す』ことで、その比喩が『事前準備』の意で英語化した。
報連相 ほうれんそう ho-ren-so
報告・連絡・相談を徹底するビジネスコミュニケーション原則。
OED未収録。山崎富治氏が提唱した日本独特の組織コミュニケーション原則として、英語のビジネス書・組織論で紹介されることがある。語呂が『ほうれん草(spinach)』と同じことも英語話者に紹介されるトリビア。
ペチャクチャ ぺちゃくちゃ pechakucha
OED 初出 2003
20枚のスライドを各20秒で発表するプレゼン形式。世界の都市で『PechaKucha Nights』が開催される。
2025年12月OED追加(2003年初出)。建築家のAstrid Klein と Mark Dythamが2003年に東京で考案。世界の都市で『PechaKucha Nights』が開催されるグローバル現象に。語源は日本語『ぺちゃくちゃ(おしゃべり)』の擬音。
5S ごえす 5s
初出 1990年代
整理・整頓・清掃・清潔・躾の5つの頭文字。米国製造業では『Sort, Set in order, Shine, Standardize, Sustain』として英訳される。
トヨタ生産方式のワークプレイス整理術として英語ビジネス用語化。米国製造業では『Sort, Set in order, Shine, Standardize, Sustain』として英訳されつつも、頭文字Sを残して『5S methodology』と呼ばれる。
ものづくり ものづくり monozukuri
初出 1990年代
ものを作ることに対する日本独特の職人精神・哲学。『craftsmanship』に近いが日本独特の精神性を含む。
経済産業省が国家ブランド戦略の一環として2000年代に世界発信。日本のものづくり大賞などの政策と共に英語経営誌に登場。『craftsmanship』に近いが、日本独特の精神性を含む概念として区別される。
トヨタ生産方式 とよたしき toyotism
OED 初出 1980年代
トヨタが体系化した生産・経営方式。『Fordism』に対する『Toyotism』として用語化。
『Fordism(フォード主義)』に対する『Toyotism(トヨタ主義)』として20世紀後半の経営学・産業社会学で用語化。世界の製造業のスタンダードを変えた20世紀最大の経営イノベーションの一つ。
サラ金 さらきん sarakin
初出 1980年代
サラリーマン向けの消費者金融。日本の消費者金融業界を指す業界用語。
『サラリーマン金融』の略。日本の消費者金融業界を指す業界用語として英語経済記事で使われる。武富士事件(2003年)など日本の社会問題報道で英語メディアに登場した。
フリーター ふりーたー freeter
OED 初出 1991
定職を持たず、アルバイトで生計を立てる若者。和製英語『フリーアルバイター』の略。
OED初出は1991年。日本の若者の労働形態を象徴する語として英語の社会学・労働経済学で用語化。NEETと並んで、現代日本の若年層の雇用問題を論じる際の重要キーワード。
ニート にーと neet
OED 初出 1999
就業も就学も職業訓練も行っていない若者。英国発の頭字語『Not in Education, Employment, or Training』が日本で広まり英語に逆輸入された。
OED初出は1999年。元は英国政府の用語『NEET (Not in Education, Employment, or Training)』だが、日本での社会問題化を経て国際的なニュアンスを獲得した経緯がある。日本の社会学文献を経由して国際比較研究に取り入れられた語。

アニメ・マンガ・ゲーム

日本語英語表記意味・由来
アニメ あにめ 意味ずれ anime
OED,M-W,Collins 初出 1985
日本語:アニメーション全般を指す日本語。英語では『日本のアニメ』に意味が限定される。
英語圏:日本のアニメを指す。日本語の『アニメ』はディズニーなど西洋作品も含む広い概念だが、英語では『日本のアニメ』に意味が限定される。
英語『animation』からの逆輸入和製語。OED初出は1985年。日本語の『アニメ』は西洋のディズニー作品も含む広い概念だが、英語の『anime』は『日本のアニメ』に限定される典型的な意味ずれ。
漫画家 まんがか mangaka
OED 初出 2024年OED追加
漫画を描く職業の人。日本独自の職業として英語圏でも認知されている。
2024年3月OED追加。『manga』の作者の意で、日本独自の職業として英語圏でも認知。Crunchyroll・Anime News Network等の英語アニメメディアで標準的に使われる。
オタク おたく 意味ずれ otaku
OED,M-W 初出 1988
日本語:アニメ・マンガ等のマニア。日本では蔑称的、英語では肯定的・中立的に使われる。
英語圏:アニメ・マンガ等の熱狂的なファンを指す。日本では蔑称的だが、英語圏では『情熱的なファン』のポジティブな意味で使われる。
OED初出は1988年。日本では1980年代の宮崎勤事件などで蔑称色が強まったが、英語圏では『情熱的なファン』のポジティブな意味で受容された。日本語と英語で語のニュアンスが逆転した珍しい例。
コスプレ こすぷれ cosplay
OED,M-W 初出 1990年代
キャラクターの衣装で扮装する活動。和製英語が世界へ逆輸入された代表例。
英語『costume play』から作られた和製英語が世界へ逆輸入。1980年代に高橋信之が命名。OED 2008年収録。コミコン(Comic Con)等の世界的サブカルイベントで定番化。
可愛い かわいい kawaii
OED,Collins 初出 1980年代
可愛らしい、愛らしいの意。Hello Kitty文化・原宿ファッションと共に世界化。
OED 2010年、Collins 2014年、フランスLe Petit Robert 2018年収録。Gwen Stefaniの2004年『Love.Angel.Music.Baby.』『Harajuku Lovers』が米国主流文化への入り口。Hello Kitty文化と共に世界化。
ちび ちび chibi
アニメ・マンガでキャラクターを小さく可愛らしく描いた様式。
OED未収録だが、アニメ・マンガファン界隈で完全に定着。『chibi style』『chibi version』として欧米のファンアートで普通に使われる。
変態 へんたい 意味ずれ hentai
M-W 初出 1990年代
日本語:本来は『変態・性的逸脱』全般。英語では『アニメ・マンガのポルノ』に意味が限定される。
英語圏:アニメ・マンガのポルノを指す。日本語の『変態(性的逸脱全般)』とは異なり、英語では『アニメ・マンガのポルノ』に意味が限定される。
Merriam-Webster収録。日本語の『変態』は性的逸脱全般を指す広い概念だが、英語の『hentai』は『アニメ・マンガのポルノ』に意味が完全に絞られている。意味ずれの典型例。
エッチ えっち 意味ずれ ecchi
日本語:性的にやや露骨な内容。
英語圏:性的にやや露骨な内容。『hentai』より穏やかな性的表現を指す英語化された用語。
OED未収録だが、アニメ業界で『hentai』より穏やかな性的表現の意で英語化。日本語の元の意味(『H』=Hentaiの頭文字)からさらに意味が変化した二次的な英語化。
少年 しょうねん shonen
初出 1980年代
少年向けのマンガ・アニメのジャンル。ドラゴンボール、ナルト、ワンピース等。
ジャンプ系作品(ドラゴンボール、ナルト、ワンピース、進撃の巨人など)と共に英語化。『shonen anime』『shonen manga』のサブジャンル区分として欧米でも定着している。
少女 しょうじょ shojo
初出 1980年代
少女向けのマンガ・アニメのジャンル。セーラームーン、カードキャプターさくら等。
セーラームーン、カードキャプターさくら、フルーツバスケット等と共に英語圏で普及。恋愛・友情をテーマにした作品ジャンルとして『shojo』のカテゴリが確立している。
青年 せいねん seinen
青年向けのマンガ・アニメのジャンル。Berserk、Vagabond、Monster等のシリアスな成人向け作品。
Berserk、Vagabond、Monster等のシリアスな成人向け作品ジャンルとして英語化。shonen より大人向けの内容で、社会派・哲学的テーマも扱う。
女性 じょせい josei
成人女性向けのマンガ・アニメのジャンル。shojoより成熟したテーマを扱う。
Nodame Cantabile、Princess Jellyfish等の作品と共に英語化。shojoより成熟したテーマ(仕事、結婚、家族)を扱うジャンルとして区別される。
子供 こども kodomo
子供向けのマンガ・アニメのジャンル。ドラえもん、アンパンマン等。
ドラえもん、アンパンマン等の作品ジャンルとして英語化。日本のマンガ・アニメのデモグラフィック区分として欧米でも認知されている。
メカ めか mecha
初出 1980年代
巨大ロボットを題材とするアニメ・マンガのジャンル。ガンダム、エヴァンゲリオン等。
ガンダム、エヴァンゲリオン、マクロス等の巨大ロボットアニメと共に英語化。『mech』とも略され、ハリウッド映画『Pacific Rim』(2013年)等にも影響を与えた。
ツンデレ つんでれ tsundere
初出 2000年代
表面的にはツンツンしているが内面は照れている性格類型。英語Wikipedia等で正式キャラタイプ分類として確立。
2000年代初頭にネット文化から生まれた性格類型。『ツンツン』+『デレデレ』の合成。英語Wikipedia・MyAnimeList等で正式キャラタイプ分類として確立。
ヤンデレ やんでれ yandere
初出 2000年代
病的なほど執着的に愛する性格類型。School Days、Future Diary等の作品で描かれる。
『病んでる』+『デレ』の合成。tsundereと並ぶ性格類型として英語圏で認知。School Days、Future Diary等の作品で代表的キャラとして描かれる。
クーデレ くーでれ kuudere
初出 2000年代
クールだが徐々に好意を見せる性格類型。Rei Ayanami(綾波レイ)が代表例。
『クール(cool)』+『デレ』の合成。Rei Ayanami(エヴァンゲリオン綾波レイ)が代表例として英語圏で参照される。
ダンデレ だんでれ dandere
初出 2000年代
無口だが内面では好意を持っている性格類型。
『だんまり』+『デレ』の合成。Hyouka『千反田える』等が代表例。dere系類型の一つとして英語圏で認知されている。
ワイフ わいふ waifu
OED 初出 2000年代
創作上の好きな女性キャラクター、自分の『嫁』。アニメオタクコミュニティで使われるミーム語。
2025年3月OED追加。英語『wife』を日本語っぽく発音したものが英語に逆輸入されたミーム語。アニメオタクコミュニティで『my waifu is the best』のような使い方で広まった。
ハズバンド はずばんど husbando
初出 2000年代
創作上の好きな男性キャラクター、『旦那』。waifuの男性版。
waifuの男性版。英語『husband』を日本語訛りで発音したもので、女性ファン・腐女子コミュニティで使われる。
先輩 せんぱい senpai
OED 初出 1953
学校や職場で先輩格の人を呼ぶ語。『notice me, senpai』のミームで2010年代に英語圏で爆発的に普及。
2025年12月OED追加(1953年初出)。『notice me, senpai(先輩、私に気づいて)』のインターネットミームで2010年代に英語圏で爆発的に普及。senseiと並ぶ日本式人間関係の象徴語。
後輩 こうはい kouhai
学校や職場で後輩格の人を呼ぶ語。senpaiの対義語。
senpaiの対義語。OED未収録だが、senpaiとセットで英語圏のアニメ・マンガ愛好家コミュニティで認知されている。
異世界 いせかい isekai
OED 初出 2018
別の世界に転移するアニメ・マンガのジャンル。『Re:ゼロ』『この素晴らしい世界に祝福を!』等で世界的ジャンルに。
2024年3月OED追加(2018年初出)。2010年代後半に『Re:ゼロ』『この素晴らしい世界に祝福を!』『無職転生』等の作品で世界的ジャンルに。Netflix等で『isekai』カテゴリが設けられるほど主流化。
馬鹿 ばか baka
愚かな人、ばか。アニメから英語化したミーム語。
アニメから英語化したミーム語。『baka!』『urusai baka!』のように、英語圏の若者がアニメのセリフを真似て使うことで広まった。
凄い すごい sugoi
驚くべき、すばらしい。アニメミームから英語化。
『sugoi!』『nani kore sugoi!』のようにアニメミームから英語化。日本語学習者・アニメファンの間で気軽な感嘆詞として使われる。
なに nani
なに、何。北斗の拳の『お前はもう死んでいる』に対する『Nani?!』のミームで爆発的に普及。
アニメ・マンガから英語化。特に北斗の拳の『お前はもう死んでいる』に対する『Nani?!』のミームで爆発的に普及。英語圏の若者文化で驚きの表現として使われる。
萌え もえ moe
初出 1990年代
アニメ・マンガのキャラクターに対する強い愛情・好意。アニメ批評の専門用語。
OED未収録だが、アニメ業界で専門用語化。『moe character』『moe trope』等として英語のアニメ批評・研究で使われる。
ハーレム はーれむ 意味ずれ harem
初出 1990年代
日本語:一人の主人公(多くは男性)が複数の異性に好かれる物語ジャンル。
英語圏:一人の主人公が複数の異性に好かれる物語ジャンル。英語の『harem(後宮)』とは別の現代用法として確立。
英語『harem(後宮)』からの逆輸入だがアニメジャンルとしての意味が独自化。元の英語の意味(イスラム圏の後宮)とは別の現代用法として、アニメ業界では確固たるジャンル名。
アホ毛 あほげ ahoge
初出 2000年代
アニメキャラの頭から立ち上がる一房の毛。アニメ・マンガキャラの記号として標準用語化。
アニメ・マンガキャラの記号として英語圏ファン界隈で標準用語化。『ahoge wiggle』のような派生表現も生まれている。
美少年 びしょうねん bishonen
美しい少年。中性的な美しさを持つ若い男性。マンガ研究・ジェンダー研究でも使われる学術用語。
少女漫画・BL文脈で英語化。『bishonen archetype』として英語のマンガ研究・ジェンダー研究でも使われる学術的にも認知された用語。
美少女 びしょうじょ bishojo
アニメ・マンガで美しい少女・若い女性のキャラクター。『bishojo game(ギャルゲー)』としても英語化。
『bishojo game(ギャルゲー)』としても英語化。アニメ・マンガ・ゲームの『美少女系』として欧米でも認知されているサブジャンル。
ロリコン ろりこん lolicon
初出 1980年代
幼い少女キャラへの好意。論争的なサブジャンル。
『Lolita complex(ロリータコンプレックス)』の略。サブカル領域で英語化したが、欧米では児童保護の観点から批判の対象となっている語。
ショタコン しょたこん shotacon
初出 1990年代
幼い少年キャラへの好意。論争的なサブジャンル。
鉄人28号の正太郎に由来する『正太郎コンプレックス』の略。lolicon同様、欧米では批判的に論じられることが多い。
妖怪 ようかい yokai
OED 初出 1915
日本の伝統的な怪物・妖精・幽霊。妖怪ウォッチ(Yo-kai Watch)と共に英語圏の子供文化に浸透。
2025年12月OED追加(1915年初出)。妖怪ウォッチ(Yo-kai Watch、2014年世界展開)と共に英語圏の子供文化にも浸透。河童・天狗・鬼などの個別妖怪も英語化している。
おに oni
OED 初出 1894
日本の伝説に登場する怪物。『鬼滅の刃』(Demon Slayer)の世界的ヒットで再度注目された。
OED初出は1894年。アニメ・ゲーム経由で広まり、桃太郎の伝承・節分の文化と共に英語圏で認知されている。最近では『鬼滅の刃』(Demon Slayer)の世界的ヒットで再度注目された。
きつね kitsune
化けるとされる狐の妖怪。Naruto(九尾の狐)、稲荷神社の伝承で紹介された。
OED未収録だがアニメ・マンガ・ゲーム経由で広く認知。『Naruto』のナルト(九尾の狐)、稲荷神社の伝承などで英語圏に紹介された。
たぬき tanuki
日本のたぬき。化けるとされる動物。Super Mario Bros.のTanooki Suitでも知られる。
OED未収録。ジブリ映画『平成狸合戦ぽんぽこ』(Pom Poko、1994年)等で英語圏に紹介された。Super Mario Bros.の『Tanooki Suit』も世代を超えた認知ポイント。
死神 しにがみ shinigami
初出 1990年代
日本の死を司るとされる神・存在。Death Note・Bleach等で世界的に有名に。西洋のGrim Reaperとは別の存在。
OED未収録だが、Death Note・Bleach等のアニメ作品で世界的に有名な概念になった。西洋のGrim Reaperとは別の存在として認識される。
怪獣 かいじゅう kaiju
OED 初出 1958
巨大な怪物。特に日本の怪獣映画のもの。Godzilla以降のジャンルの代名詞。
OED初出は1958年。ゴジラ(Godzilla、1954年)以降の特撮怪獣映画ジャンルの代名詞。Pacific Rim(2013年)等のハリウッド大作で世界的に再認知された。
特撮 とくさつ tokusatsu
OED 初出 2004
怪獣・ヒーローものを中心とする日本の特殊効果作品ジャンル。ゴジラ、ウルトラマン、仮面ライダー等の総称。
2024年3月OED追加(2004年初出)。ゴジラ、ウルトラマン、仮面ライダー、戦隊シリーズ等の総称として英語圏で確立。Power Rangers(米国版スーパー戦隊)も特撮文化の国際的展開例。
ファンサービス ふぁんさーびす 意味ずれ fan-service
OED 初出 1990年代
日本語:ファンを喜ばせるための内容、特にアニメでは性的な要素を指す。
英語圏:アニメ・マンガで『露骨な性的描写』を指す。日本語の『ファンサ』は中立的だが、英語では性的なニュアンスに意味が絞られている。
2024年3月OED追加。日本では『ファンサ』として広く使われる中立的な概念だが、英語の『fan service』はアニメ文脈で『露骨な性的描写』の意に意味が絞られている。
癒し系 いやしけい iyashikei
初出 2000年代
心を癒すゆったりした雰囲気のアニメ・マンガサブジャンル。『chill anime』『comfy anime』の同義語として使われる。
ジブリ映画、Aria、Yokohama Kaidashi Kikou等の作品ジャンルとして英語化。英語圏のアニメコミュニティで『chill anime』『comfy anime』の同義語として用いられる。
中二病 ちゅうにびょう chunibyo
初出 2000年代
中学2年生頃に見られる、大げさな自己イメージや空想を抱む態度。アニメ作品名としても英語化。
伊集院光のラジオが起源とされる和製語。『Chuunibyou Demo Koi ga Shitai!』(中二病でも恋がしたい!)等の作品で英語化。
ポケモン ぽけもん pokemon
OED 初出 1996
ポケットモンスター。任天堂のゲーム・アニメ作品。世界累計売上1兆円超の巨大コンテンツ。
OED初出は1996年。1996年発売以降、ゲーム・アニメ・グッズで世界累計売上1兆円超の巨大コンテンツに。『Pokémon GO』(2016年)で再度世界的ブームを起こした。
たまごっち たまごっち tamagotchi
初出 1996
バンダイ発売の携帯型仮想ペットデバイス。1996年以降世界的ブームになった商品。
OED未収録だが、1996年バンダイ発売で世界的ブームになった商品。現在も新世代品が発売され続けており、レトロブームと共に再評価されている。
ウォークマン うぉーくまん walkman
OED,M-W,Collins 初出 1979
ソニー製の携帯カセットプレーヤー。商標が一般名詞化した代表例。
OED初出は1979年。ソニーの登録商標が一般名詞化した代表例として、米国の辞書編纂史でも有名な事例。1979年発売の初代モデル『TPS-L2』が音楽消費の革命を起こした。
同人誌 どうじんし doujinshi
初出 1990年代
アマチュアが自主制作する漫画・雑誌。Comiket等の同人イベントを通じて認知された専門用語。
OED未収録だが、Comiket(コミックマーケット)等の同人イベントを通じて英語圏のアニメ・マンガファンに認知された専門用語。
ライトノベル らいとのべる light-novel
初出 1990年代
イラスト付きの日本の若者向け小説。Sword Art Online、Re:Zero等のアニメ原作として市場が確立。
和製英語『ライトノベル』が英語に逆輸入されたもの。Sword Art Online、Re:Zero、Konosuba等のアニメ原作として英語圏でも市場が確立されている。
ビジュアルノベル びじゅあるのべる visual-novel
初出 1990年代
アニメ調のグラフィックとテキストで進行するノベルゲーム。Steamで『Visual Novel』カテゴリが確立。
和製英語の逆輸入。Steamで『Visual Novel』カテゴリが確立しているほど英語圏ゲーマーに定着。日本以外でも独自のVNが制作されている。
Jポップ ジェイぽっぷ j-pop
OED 初出 1990
1990年代以降の日本のポピュラー音楽の総称。
OED収録。1988年にJ-WAVEの番組プロデューサーが造語したとされる。Spotify・Apple Music等の国際的音楽配信サービスで独立ジャンルとして『J-Pop』が確立しており、世界のZ世代に広く認知されている。
ボーカロイド ぼーかろいど vocaloid
OED 初出 2003
ヤマハ開発の音声合成技術と、それを使うキャラクター(特に初音ミク)。
OED収録。2003年ヤマハが開発、2007年クリプトン・フューチャー・メディアが『初音ミク』を発売。初音ミクは世界的なバーチャルアーティストとなり、Lady Gagaのオープニングアクトを務めるなど、世界のポップカルチャーに大きな影響を与えた。
バーチャルYouTuber ばーちゃるゆーちゅーばー vtuber
OED 初出 2016
2D・3Dのアバターを使って活動するYouTuber。日本発のエンターテイメント形式。
2016年12月の『キズナアイ』のデビューが起源。ホロライブ・にじさんじなど日本企業が世界をリード。Calliope MoriなどEnglish-speaking VTubersも多数存在し、英語圏のZ世代に浸透した。
シティポップ してぃぽっぷ city-pop
初出 1980年代
1970-80年代の日本の都市的・洗練されたポピュラー音楽。
竹内まりや、山下達郎、松原みき、大貫妙子らの楽曲。2020年代にYouTubeアルゴリズムがきっかけとなり、欧米Z世代の間で『vaporwave』『lofi』ブームと結びついて世界的に大流行した。
Jロック ジェイろっく j-rock
OED 初出 1996
1990年代以降の日本のロック音楽。
OED収録。j-pop(Phase 1収録)と対をなす。X JAPAN、L'Arc〜en〜Ciel、LUNA SEA、GLAY、ラルク、ONE OK ROCKなどが世界ツアーを通じて英語圏で認知。Visual-keiと結びついて欧米の若者文化に深く浸透している。
アイドル あいどる 意味ずれ idol
OED 初出 1980年代
日本語:ファンに愛される若いタレント・芸能人。
英語圏:日本のアイドル文化におけるタレント。英語の『idol(宗教偶像)』とは意味が異なる。
英語『idol』は本来『宗教偶像・崇拝対象』の意。日本では1970年代の山口百恵・ピンクレディー以降に独自の『アイドル文化』が発達し、英語圏ではこの日本式アイドル文化を指す場合『Japanese idol』『J-pop idol』として明確に区別される意味ずれの典型例。AKB48、嵐、BTS(K-pop idolも同系列)など世界的に認知されている。
壁ドン かべどん kabedon
初出 2014
男性が女性を壁に追い詰め、壁に手をついてキスを迫る、少女漫画・アニメ的なロマンチック行為。
2014年に日本で社会的に注目された語。少女漫画・少女アニメで定番化したシチュエーションがアニメファンを通じて英語圏に広まり、英語Wikipediaにも独立記事が存在する。BuzzFeed等の英語メディアでも紹介された日本のロマンスポップカルチャーの象徴。
プリクラ ぷりくら purikura
初出 1995
コインを入れて自分の写真を撮影・印刷できる機械。和製英語『プリント倶楽部』の略。
1995年にアトラス社が『プリント倶楽部』として発売(共同開発はセガ)。和製英語『print club』を略した日本語が、さらに英語圏に逆輸入された珍しい例。女子高生文化の象徴として1990年代後半の日本サブカルを世界に発信した。海外にも『purikura booth』『purikura machine』が進出している。

ファッション・若者文化

日本語英語表記意味・由来
原宿 はらじゅく harajuku
初出 1980年代
東京の若者ファッション発信地。Gwen Stefani『Harajuku Lovers』が米国主流文化への入り口に。
原宿系ファッションが世界の若者文化のアイコンに。Gwen Stefani『Harajuku Lovers』(2004年)が米国主流文化への入り口となり、『Harajuku style』が形容詞として英語化した。
ロリータ ろりーた 意味ずれ lolita
初出 2000年代
日本語:ヴィクトリア朝・ロココ調から発展した日本独自のファッション。
英語圏:ヴィクトリア朝・ロココ調から発展した日本独自のファッション。Nabokov原作の小説とは無関係に独自進化した。
Nabokov原作『Lolita』の語が日本で独自進化したファッションサブカルチャー。文学原典とは無関係に、フリル・レース・パステルカラーのドレス文化として世界に広まった。
ギャル ぎゃる gyaru
初出 1990年代
派手なメイクやファッションを好む日本の若者文化。1990年代の渋谷109が発信地。
英語『gal』の和製読みからのサブカル独自進化。1990年代の渋谷109を中心に発達し、コギャル・ガングロ等の派生を生んだ。和製英語の逆輸入の側面もある。
コギャル こぎゃる kogal
初出 1990年代
1990年代の女子高生ファッション文化。ルーズソックス、ミニスカ制服、茶髪等が象徴。
『高校生ギャル』の略。ルーズソックス、ミニスカ制服、茶髪等の象徴的スタイル。1990年代日本サブカルの代表として英語圏のファッション史研究でも参照される。
ガングロ がんぐろ ganguro
初出 1990年代
黒く日焼けし金髪に脱色する若者ファッション。1990年代後半に流行。
1990年代後半に渋谷を中心に流行。『顔黒』の意。極端なスタイルは欧米メディアでも『extreme Japanese fashion』として取り上げられた。
ヴィジュアル系 ヴィジュアルけい visual-kei
初出 1990年代
派手なメイクや中性的な装いを特徴とする日本のロック音楽サブジャンル。X JAPAN・LUNA SEA等と共に英語化。
X JAPAN・LUNA SEA・GLAY等のバンドと共に英語化。欧米のメタル・ゴシック文化との接点もあり、世界的なサブカル現象として研究対象となっている。
デコラ でこら decora
初出 2000年代
大量の装飾品で身を飾るストリートファッション。FRUiTS誌で世界に紹介された原宿系。
FRUiTS誌(1997-2017)で世界に紹介された原宿ストリートファッションの一つ。カラフルな小物・ヘアクリップを大量に使う独特のスタイル。
森ガール もりがーる mori-girl
初出 2000年代後半
森にいるような素朴で自然なファッション。アースカラー・レイヤード・ナチュラルスタイル。
2000年代後半に発祥。アースカラー・レイヤード・素朴なナチュラルスタイル。Pinterest・Tumblrを通じて英語圏ファッションコミュニティに広まった。
病みかわいい やみかわいい yami-kawaii
初出 2010年代
可愛さと病み・闇の要素を組み合わせたファッション。Tumblr・Instagramで広まった。
menhera-chan(病みかわキャラ)等と共に2010年代に英語圏のTumblr・Instagramで広まった日本発の独自のファッション・アート様式。
ハローキティ はろーきてぃ hello-kitty
初出 1974
1974年サンリオ発売の可愛さ文化の象徴的キャラクター。世界100以上の国と地域で展開。
1974年デザイナー清水侑子による発表以降、世界100以上の国と地域で展開される日本ポップカルチャーの最大級アイコン。kawaii文化の世界普及の象徴。
スタジオジブリ すたじおじぶり studio-ghibli
初出 1985
宮崎駿・高畑勲・鈴木敏夫が設立したアニメスタジオ。『千と千尋の神隠し』『君たちはどう生きるか』が米アカデミー賞受賞。
1985年設立。『千と千尋の神隠し』(2001年)が米アカデミー賞長編アニメ部門受賞、『君たちはどう生きるか』(2023年)も同賞受賞。世界アニメ史の中核的存在として英語圏で固有名詞化。
羽織 はおり haori
OED 初出 1880年代
着物の上に羽織る丈の短い和装ジャケット。
OED収録。着物文化と共に英語圏に紹介された。近年の欧米のファッションでは『haori-style jacket』として、和テイストを取り入れたデザイナーズアイテムが多数生まれている。
足袋 たび tabi
OED 初出 1880年代
親指と他の指が分かれた、日本の伝統的な靴下。
OED収録。Maison Margiela(メゾン・マルジェラ)の『tabi shoes』(1988年発表)が世界のハイファッション界に大きな影響を与えた。日本の伝統履物の現代的解釈として欧米のファッション史でも論じられる。
甚平 じんべい jinbei
夏に着る、半袖・半ズボンの和装。
OED未収録だが、日本旅行ガイド・夏祭り文化と共に英語圏で認知されつつある。男性用の夏のカジュアル和装として『男性版yukata』のような位置づけで紹介されることが多い。
法被 はっぴ happi
OED 初出 1880年代
祭で着用する、印染めの伝統的な短い上着。
OED収録。日本の祭文化を象徴する衣装として観光客向け商品として世界中で販売されている。企業のプロモーションイベント・スポーツチームのオリジナル法被としても英語圏で活用されている。
風呂敷 ふろしき furoshiki
OED 初出 1881
物を包んで運ぶための日本の伝統的な四角い布。
OED初出は1881年。エコバッグ・サステナビリティ・ゼロウェイスト運動の文脈で2010年代以降に再注目され、欧米のエコ意識の高い層で『furoshiki gift wrapping』として実用されている。
打掛 うちかけ uchikake
OED 初出 1880年代
婚礼などで着物の上に羽織る長く豪華な掛け着物。
OED収録。日本の伝統婚礼衣装の代表として、海外の和装結婚式でも採用される。白無垢(shiromuku)と並ぶ婚礼の正装で、刺繍や絞り染めの華やかな意匠が国際的に高く評価されている。
草鞋 わらじ waraji
OED 初出 1880年代
藁を編んで作った日本の伝統的な草履。
OED収録。古来の日本人の労働・旅行の標準履物として、巡礼者・修験者・忍者の象徴的存在。現代では祭・武道・神事で着用される伝統履物として、英語圏の日本文化愛好家にも認知されている。
かんざし kanzashi
OED 初出 1880年代
和装の女性の髪に挿す装身具。
OED収録。芸者・舞妓文化を象徴する装身具として英語圏で認知。京都の老舗職人による精巧な工芸品は美術品としても評価され、欧米の博物館コレクションにも収蔵されている。
もん mon
OED 初出 1900年代
日本の家紋。家系を表す紋章。
OED収録。日本独自の紋章学の体系として、欧州の紋章学(heraldry)との比較研究が活発。日本企業のロゴデザイン(三菱、丸亀製麺など)にも家紋の伝統が活きており、グラフィックデザイン史でも論じられる。

哲学・ライフスタイル

日本語英語表記意味・由来
生き甲斐 いきがい ikigai
初出 2001
生きる理由・生きる甲斐となるもの。2017年Penguin英訳版が世界累計500万部超のベストセラーに。
エクトル・ガルシア/フランセスク・ミラージェスの『Ikigai: The Japanese Secret to a Long and Happy Life』Penguin Books英訳版(2017年8月29日刊)が世界累計500万部超のベストセラーに。自己啓発書の必須語彙となった。
侘び寂び わびさび wabi-sabi
初出 1989
不完全さや無常を受け入れる日本の美意識。Leonard Korenの著作で世界化した美学概念。
Leonard Koren『Wabi-Sabi: for Artists, Designers, Poets & Philosophers』(1994年)が決定的契機。インテリア・デザイン・ライフスタイル誌で頻出する世界的に通用する美学概念。
物の哀れ もののあはれ mono-no-aware
物事の移ろいに対する繊細な感受性。本居宣長が確立した日本の美意識。
本居宣長が確立した日本の美意識を表す概念。OED未収録だが、日本文学・美学研究の文脈で英語化。『The Garden of Words』等のアニメ作品の解説でも英語圏に紹介された。
勿体無い もったいない mottainai
OED 初出 1901
資源・努力等を無駄にすることへの惜しみの感情。ワンガリ・マータイ氏が世界に紹介し環境保護のキーワードに。
2025年12月OED追加(1901年間投詞、1976年名詞)。2005年ケニアのワンガリ・マータイ氏(ノーベル平和賞受賞者)が国連環境計画で『MOTTAINAI』を世界に紹介し、環境保護のキーワードとなった。
引きこもり ひきこもり hikikomori
OED,M-W 初出 1998
社会的接触を避け家に長期間こもる状態。精神科医・斎藤環氏の著作で英語化、世界的社会問題として議論されている。
OED初出は1998年。精神科医・斎藤環氏の著作(1998年)で英語化。日本固有の社会現象として注目され、現在は世界的な社会問題として議論されている。
建前と本音 たてまえほんね tatemae-honne
初出 1980年代
公の場での表向きの態度と本当の気持ちの区別。異文化コミュニケーション論で英語化。
OED未収録。異文化コミュニケーション論・日本人論で英語化。Edwin Reischauerらの日本研究で広く解説された日本文化の特徴。
仕方ない しょうがない shoganai
どうしようもない、仕方がないという諦観。福島原発事故報道など外国メディアの日本論で頻出。
OED未収録だが、日本人論・ライフスタイル誌で英語化。『shikata ga nai』とも書く。福島原発事故報道など外国メディアの日本論で頻出する語となった。
我慢 がまん gaman
初出 1990年代
我慢、忍耐の美徳。日系米国人収容所の文脈で紹介され日本文化の重要概念として伝わった。
OED未収録。日本人論・ライフスタイル誌で英語化。第二次大戦中の日系米国人収容所の文脈で『gaman』が紹介され、日本文化の重要概念として英語圏に伝わった。
頑張れ がんばれ ganbare
初出 2000年代
頑張れ、最善を尽くせという励まし。アニメ・スポーツ漫画から英語化。
アニメ・スポーツ漫画から英語化。『ganbatte!』とも表記される。日本式の応援表現として英語圏のアニメファン・日本語学習者の間で広く使われる。
一期一会 いちごいちえ ichi-go-ichi-e
初出 1980年代
今この出会いは二度とないという茶道由来の心得。千利休の茶の湯から生まれた言葉。
千利休の茶の湯から生まれた言葉。OED未収録だが、自己啓発書・スピーチで英語圏に紹介される頻度が増えている。
森林浴 しんりんよく shinrin-yoku
初出 1990年代
森林の中で過ごし健康効果を得る日本発祥のウェルネス活動。1982年に林野庁長官が提唱、医学的に研究されている。
1982年に林野庁長官・秋山智英氏が提唱。英語では『forest bathing』とも訳されるが、『shinrin-yoku』も並行使用される。健康効果が医学的に研究されている分野。
思いやり おもいやり omoiyari
他人を思いやる心、思慮深さ。異文化コミュニケーション論で日本人の対人関係の特徴的概念として論じられる。
OED未収録だが、異文化コミュニケーション論で英語化。日本人の対人関係の特徴的概念として英語の組織心理学・社会学で論じられる。
ma
初出 1970年代
間(あいだ)、余白、空白の美学。建築家・磯崎新が世界発信したデザイン・建築・音楽の重要美学概念。
建築家・磯崎新が1978-79年のパリ展『MA: Space-Time in Japan』で世界発信。デザイン・建築・音楽の重要美学概念として英語学術界で論じられる。
和み なごみ nagomi
心が穏やかに和む感覚。ストレス社会への対応として自己啓発書でも紹介される。
OED未収録。日本のウェルネス・ライフスタイル誌で英語化。ストレス社会への対応として英語圏の自己啓発書でも紹介される。
桜梅桃李 おうばいとうり oubaitori
初出 2010年代
桜・梅・桃・李がそれぞれの時期に咲くように、人もそれぞれの個性を持つ。自己啓発書のキーワード。
日蓮宗の経典の言葉が現代日本で自己啓発のキーワードに。2010年代後半に英語圏の自己啓発書で『個性の尊重』を表す日本語として紹介されるようになった。
守破離 しゅはり shu-ha-ri
初出 1990年代
守る・破る・離れるという習得の3段階。リーン経営・アジャイル開発の文脈で米国に取り入れられた。
茶道・武道・芸道の修行の3段階。OED未収録だが、リーン経営・アジャイル開発の文脈で米国の組織論・教育論に取り入れられている。
幽玄 ゆうげん yugen
OED 初出 1899
言葉では表しきれない、深遠で神秘的な美しさ。
OED初出は1899年。能楽論で世阿弥が完成させた日本美学の中核概念。Donald Keene、Ruth Benedictらの英訳・解説で20世紀の英語圏に紹介され、現代美学・東洋哲学の重要概念となっている。
いき iki
OED 初出 1930年代
江戸時代後期の日本の美意識。洗練された都会的な粋さ。
九鬼周造『「いき」の構造』(1930年)の英訳によって英語化。江戸の遊郭文化に発達した独特の美意識として、東洋美学・文化人類学の研究対象となっている。
渋い しぶい shibui
OED 初出 1881
派手さのない、抑制された美しさ。
OED初出は1881年。1960年代のHouse Beautiful誌が日本美学を欧米のデザイン界に紹介した特集で広まった。インテリア・プロダクトデザインの分野で『shibui aesthetic』として論じられる。
義理 ぎり giri
OED 初出 1939
日本社会における、人間関係上の社会的義務。
OED初出は1939年。Ruth Benedict『菊と刀』(1946年)以降、日本人論の必須キーワードとして英語化。『giri-ninjo』のセットで論じられることが多い。
人情 にんじょう ninjo
OED 初出 1880年代
人としての自然な感情・思いやり。義理(giri)と対をなす概念。
OED収録。Ruth Benedict『菊と刀』以来、giriと対をなす日本人論の必須概念として英語学術界で論じられる。日本文化の二元論(giri vs ninjo)の理解に欠かせない用語。
甘え あまえ amae
OED 初出 1973
他者の好意を期待し依存する、日本人特有の心理機制とされる感情。
OED初出は1973年。土居健郎『甘えの構造』英訳版(1973年)で英語化。日本独特の心理機制として、心理学・社会学・精神医学の国際研究で論じられる。比較文化論の重要概念。
見性 けんしょう kensho
OED 初出 1727
禅における悟りの体験。本来の自己の本性を見ること。
OED初出は1727年。禅宗の重要概念として鈴木大拙の英文著作で西洋に紹介された。『satori(悟り)』が瞬間の体験を指すのに対し、『kensho』はより深い継続的な気付きとして区別される。
おん on
OED 初出 1946
他者から受けた恩義。日本社会の人間関係の重要概念。
OED収録。Ruth Benedict『菊と刀』(1946年)で日本社会の核心概念として紹介された。giri(義理)・ninjo(人情)と並んで日本人論の必須キーワードとして英語学術界で論じられる。
遠慮 えんりょ enryo
OED 初出 1959
他者への配慮から控えめにふるまうこと。日本人特有の心理機制とされる。
OED初出は1959年。amae(甘え、Phase 1収録)と対をなす日本人の対人心理として、異文化コミュニケーション論・社会心理学で論じられる。日本人特有の謙譲表現として英語の日本人論で頻出する。
こころ kokoro
OED 初出 1727
心、精神、感情。日本独特の概念として英語化。
OED初出は1727年。夏目漱石『こころ』(1914年)の英訳『Kokoro』(1957年、Edwin McClellan訳)以来、日本文学を代表する語として英語学術界で論じられる。西洋の『heart』『mind』『spirit』のいずれにも完全には対応しない日本独特の概念として研究対象となっている。

技術・現代用語

日本語英語表記意味・由来
絵文字 えもじ emoji
OED,M-W,Collins,Cambridge 初出 1997
電子メッセージで使われる絵記号。1999年栗田穣崇がi-modeで設計、2011年iOS 5で世界化。
1999年に栗田穣崇がNTTドコモのi-modeで176字を設計。OED初出は1997年(Nikkei Weekly)。Appleが2008年iPhone OS 2.2で導入(日本限定)、2011年iOS 5で世界化。現代英語の最重要日本語語の一つ。
カラオケ からおけ karaoke
OED,M-W,Collins,Cambridge 初出 1977
伴奏に合わせて歌うエンターテイメント。1971年井上大佑が考案。『karaoke night』『karaoke bar』として認知。
1971年に井上大佑が考案。『空(から)+ オーケストラ』の和製合成語。OED初出は1977年(Japan Times)。世界中で『karaoke night』『karaoke bar』として認知される。
数独 すうどく sudoku
OED,M-W 初出 2000
9x9のマスに数字を入れる論理パズル。Wayne Gould経由でTimes Londonで世界化。
1984年ニコリが命名(数字は独身に限る)。実は元はアメリカ生まれの『Number Place』が日本で名前を得たもの。Wayne Gould(NZ出身、香港勤務)がTimes Londonに持ち込み2004年11月12日初掲載、世界的ブームへ。
ボケ ぼけ bokeh
OED 初出 1997
写真や映像で焦点外領域のぼけ味の美しさ。デジタルカメラ・スマホカメラの主要セールスポイント。
OED初出は1997年。日本語の『暈け(ぼけ)』を語源とし、写真用語として1997年にPhotoTechniques誌に登場後、世界的に定着した。デジタルカメラ・スマホカメラの主要セールスポイントとなっている。
ウォシュレット うぉしゅれっと washlet
OED 初出 1982
便座にビデ機能が組み込まれた製品。元はTOTOの商標だが日本の代表的輸出技術として一般名詞化。
2025年12月OED追加(1982年初出)。1980年にTOTO発売の『ウォシュレット(Wash + Toilet)』が一般名詞化。和製英語『ウォシュレット』が逆輸入された珍しい例として日本の代表的輸出技術になった。
ラブホテル らぶほてる love-hotel
OED 初出 1962
カップル向けの短時間利用ホテル。日本独自の宿泊業態として英語圏で認知。
2025年12月OED追加(1962年初出)。日本独自の宿泊業態として英語圏で認知。観光ガイドブック・サブカルメディアで日本の特異な業態として紹介される。
駅伝 えきでん ekiden
OED 初出 1963
数人で長距離を分担して走るリレー競走。欧州の都市でも『ekiden』の名でレースが増加。
2025年12月OED追加(1963年初出)。江戸時代の宿駅制度『駅伝』が陸上競技の名称になったもの。1917年に日本で初開催。近年は欧州の都市でも『ekiden』の名で同形式のレースが増加している。
ホワイトデー ほわいとでー white-day
OED 初出 1984
バレンタインデーで贈り物を受けた人がお返しをする日(3月14日)。日本起源で東アジアに逆輸入された記念日。
2025年12月OED追加(1984年初出)。1978年に全国飴菓子工業協同組合が制定。日本起源で東アジア(韓国・中国・台湾)に逆輸入された珍しい記念日。
筆ペン ふでぺん brush-pen
OED 初出 2025年OED追加
毛筆のような筆先を持つペン。書道・カリグラフィー・イラスト分野で文房具愛好家に定着。
2025年12月OED追加。日本のぺんてる『Sign Pen』(1963年)以降の文房具技術。書道・カリグラフィー・イラスト分野で世界に広まり、英語圏の文房具愛好家コミュニティで完全に定着した。

その他

日本語英語表記意味・由来
さようなら さようなら sayonara
OED,M-W 初出 1875
別れの挨拶。英語では『say sayonara to ~』のような比喩的用法で別れ全般に使われる。
OED初出は1875年。James Michenerの小説『Sayonara』(1954年)と1957年映画化で米国民の知る日本語に。現代英語では『say sayonara to ~(〜にさようならを告げる)』のような比喩的用法が広く使われる。
ありがとう ありがとう arigato
初出 1900年頃
感謝の表現。Styxの『Mr. Roboto』で米国大衆文化に深く浸透。
Styxの1983年大ヒット『Mr. Roboto』の『Domo arigato, Mr. Roboto』で米国大衆文化に深く浸透。現代でも英語圏で『arigato』と気軽に使う場面がある。
こんにちは こんにちは konnichiwa
日中の挨拶。最も知られた日本語挨拶の一つ。
アニメ・日本語学習を通じて英語化。最も知られた日本語挨拶の一つとして、英語圏でも誰もが知る言葉になった。
どうもありがとう どうもありがとう domo-arigato
初出 1983
丁寧な感謝の表現。Styxの『Mr. Roboto』のサビで世代を超えて浸透。
Styxの1983年大ヒット『Mr. Roboto』のサビ『Domo arigato, Mr. Roboto』で世代を超えて英語圏に浸透した代表的フレーズ。
もしもし もしもし moshi-moshi
電話に出るときの挨拶。日本独特の電話マナーとして認知されている。
アニメや日本旅行ガイドで英語化。日本独特の電話マナーとして英語圏でも認知されている。
おはよう おはよう ohayou
朝の挨拶。アニメ経由で英語化、日本語学習者に広く知られる。
アニメ経由で英語化。『ohayou gozaimasu』の丁寧版も含めて日本語学習者・アニメファンに広く知られる。
人力車 じんりきしゃ rickshaw
OED,M-W,Collins 初出 1887
人が引く二輪の乗り物。19世紀末のアジア観光の象徴として英語化した最も古い日本語語の一つ。
『jinrikisha(人力車)』の略から派生。OED初出は1887年。19世紀末のアジア観光の象徴として英語化。現代英語の最も古く完全に定着した日本語語の一つ。発祥は東京(明治2年、和泉要助ら)。
大君 たいくん 意味ずれ tycoon
OED,M-W,Collins 初出 1857
日本語:本来は江戸時代の将軍の称号『大君』。現代英語では『大物実業家』の意味。
英語圏:大物実業家を意味する。江戸時代の将軍称号『大君』が語源だが、現代英語では完全に意味がずれ、メディア王・石油王などを指す。
1857年タウンゼント・ハリスが将軍家定の称号『タイクン』を英訳に採用したのが最初。リンカーンが閣僚の愛称でも使ったエピソードがある。現代英語では完全に意味がずれ、メディア王・石油王などの『大物実業家』を指す。
班長 ほんちょう 意味ずれ honcho
OED,M-W 初出 1945
日本語:本来は日本軍の『班長』。現代英語では『責任者・親分』全般。
英語圏:責任者・親分を指す。日本軍の『班長』が語源だが、現代英語では『head honcho(最高責任者)』として完全に意味が広がった。
第二次大戦末期〜朝鮮戦争時の米兵経由で英語化(1945年頃)。日本軍捕虜収容所の『班長』を米兵が口にしたことから広まり、現代では『head honcho(最高責任者)』として完全に英語化した。日本語の原義から意味が広がった例。
少し すこし skosh
M-W 初出 1952
少し、ほんの少しを意味する米国英語スラング。朝鮮戦争時の米兵が日本駐留中に覚えた日本語が英語化したもの。
Merriam-Webster収録(1952年初出)。朝鮮戦争時の米兵が日本駐留中に覚えた日本語『少し』を英語化したもの。『a skosh of...』として現代米国英語で口語的に使われる。
本町通り ほんちょうどおり 意味ずれ hunky-dory
OED,M-W 初出 1866
日本語:順調、万事良好。語源には日本の本町通り由来説と無関係説がある。
英語圏:順調、万事良好。語源には横浜の本町通り由来説と無関係説で論争中だが、興味深い日本語起源候補として知られる。
OED初出は1866年。語源は諸説あり、横浜の本町通り(Honcho-dori)にあった船員向け接待所が起源という説と、無関係とする説で論争中。日本語起源と断定はできないが、興味深い候補として知られる。
草履 ぞうり zori
OED 初出 1823
鼻緒のついた日本の伝統的なサンダル。現代の『flip-flops』『thongs』の原型として日本文化の影響を象徴する。
OED初出は1823年。日本の伝統的な履物として認知。現代の『flip-flops』『thongs』の原型として日本文化が世界の履物文化に与えた影響を象徴する語。
下駄 げた geta
OED 初出 1880年代
底に二枚の歯がついた日本の伝統的な木製サンダル。マンガ・アニメで侍・忍者キャラの履物として視覚的に知られる。
OEDに19世紀末収録。zoriと共に日本の伝統履物として認知。マンガ・アニメで侍・忍者キャラの履物として英語圏でも視覚的に知られる。
えん yen
OED,M-W,Collins 初出 1875
日本の通貨単位。1871年制定。日本経済の規模拡大と共に世界の基軸通貨の一つに。
OED初出は1875年。1871年の新貨条例で制定された日本の通貨。日本経済の規模拡大と共に世界の基軸通貨の一つとなり、英語圏でも完全に定着した。
お風呂 おふろ ofuro
日本の伝統的な深い湯船と入浴。『ofuro tub』『Japanese soaking tub』として高級浴槽として販売される。
OED未収録だが、日本旅行・温泉文化を紹介する英語ガイドで使われる。海外で『ofuro tub』『Japanese soaking tub』として高級浴槽として販売されている。
温泉 おんせん onsen
初出 1960年代
天然の湯が湧き出る温泉。日本旅行の主要観光資源として『onsen experience』『onsen town』が定型表現に。
観光ガイドを通じて英語化。日本旅行の主要観光資源として『onsen experience』『onsen town』が英語観光記事の定型表現となっている。
旅館 りょかん ryokan
OED 初出 1907
畳の部屋や温泉などを備えた日本の伝統的な宿。Booking.com等でも『Ryokan』カテゴリが設けられている。
OED初出は1907年。日本独特の宿泊形態として英語観光業界で標準用語化。Booking.com・Expedia等でも『Ryokan』カテゴリが設けられている。
居酒屋 いざかや izakaya
OED 初出 1987
酒と簡単な料理を提供する日本式の大衆酒場。2000年代以降、欧米主要都市に『izakaya』が次々開店。
OED初出は1987年。2000年代以降、日本食ブームと共に欧米の主要都市に『izakaya』が次々開店。日本の居酒屋文化として英語圏に定着した。
まつり matsuri
OED 初出 1880年代
日本の伝統的な祭。神社の祭礼・地域の祭などを総称する。
OED収録。日本の各地の祭文化は外国人観光客の主要な目的の一つで、青森ねぶた祭・徳島阿波踊り・京都祇園祭などが世界的に知られる。海外の日系コミュニティでも『matsuri』が継承されている。
お盆 おぼん obon
OED 初出 1893
祖先の霊を迎える日本の伝統的な仏教行事。8月中旬。
OED初出は1893年。日本の年中行事の中でも盆踊り(bon odori)と共に世界の日系コミュニティで継承されている。ハワイ・ロサンゼルスの日系人コミュニティでは大規模なObon festivalが毎年開催される。
七夕 たなばた tanabata
OED 初出 1900年代
7月7日の星祭。短冊に願いを書いて竹に飾る。
OED収録。中国の七夕伝説が日本で独自進化したものとして、英語圏の日本文化紹介で頻出する行事。仙台七夕まつりが世界的に知られる。
節分 せつぶん setsubun
OED 初出 1900年代
立春の前日。豆まきで邪気を払う日本の伝統行事。
OED収録。鬼(oni)に豆を投げる行事として、英語圏の日本文化愛好家・日系コミュニティで継承されている。『Oni wa soto, fuku wa uchi(鬼は外、福は内)』の掛け声もそのまま英語化することがある。
正月 しょうがつ shogatsu
OED 初出 1880年代
日本の伝統的な新年祝い。1月1日からの数日間。
OED収録。日本独自の正月行事(お雑煮・お節料理・初詣・お年玉など)と共に英語圏で認知される。海外の日系コミュニティでは『Oshogatsu』として継承されている。
神輿 みこし mikoshi
OED 初出 1893
祭で担いで運ぶ、神様が乗ると考えられる移動式の神社。
OED初出は1893年。海外の日系コミュニティでも夏祭りで本格的なmikoshiを担ぐイベントが多数行われており、英語圏の祭文化として認知されている。
将棋 しょうぎ shogi
OED 初出 1860
日本のチェス類似ボードゲーム。取った駒を再利用できる独自ルール。
OED初出は1860年。チェスとの最大の違いは『取った駒を自分の駒として再利用できる』点で、これがゲームを格段に複雑にしている。欧米のボードゲーム愛好家・AI研究者の研究対象としても重要。
囲碁 go
OED 初出 1908
黒白の石を交互に置いて陣地を囲い合う、東洋発祥のボードゲーム。日本語『囲碁』の音読み『碁(ご)』が英語化した。
中国発祥のゲームだが、英語名『go』は日本語『碁(ご)』の音読みが定着したもの。明治期に日本経由で欧米に紹介された経緯から、国際的にも『go』が標準呼称となっている。2016年AlphaGoがプロ棋士イ・セドルに勝利したことで世界的に再注目された。
パチンコ ぱちんこ pachinko
OED 初出 1953
鋼球を弾いて遊ぶ、日本独自のギャンブルゲーム機。
OED初出は1953年。日本独自のギャンブル業態として観光客の関心を集める。Min Jin Leeの小説『Pachinko』(2017年、Netflix・Appleドラマ化)で世界的に再注目された。
花札 はなふだ hanafuda
OED 初出 1907
12ヶ月の植物が描かれた48枚の日本の伝統的なカードゲーム。
OED収録。任天堂は1889年に花札製造業として創業した会社で、ゲーム機メーカーになる前の原点。世界中の任天堂ファンの間では『hanafuda』が任天堂のルーツとして知られている。
じゃんけん じゃんけん janken
OED 初出 1959
石・紙・鋏で勝敗を決める手遊び。英語では『rock-paper-scissors』。
OED初出は1959年。英語の『rock-paper-scissors』とは別に『janken』『jan ken pon』として国際的に通用する。アジア圏で広く遊ばれる類似ゲームの総称としても使われる。
けん玉 けんだま kendama
OED 初出 1979
木製の柄と球をひもでつないだ日本の伝統玩具。
OED初出は1979年。2010年代以降、欧米でブームとなり『kendama tricks』として若者の間で大流行した。米国にはプロのkendamaプレイヤー、競技大会、専門ブランドが多数存在する。
外人 がいじん gaijin
OED 初出 1956
外国人を指す日本語の俗称。
OED初出は1956年。在日外国人コミュニティ・英語の日本旅行ガイドで頻出。日本人による外国人扱いの諸現象を語る『gaijin syndrome』『gaijin smash』などの派生表現も生まれている。
ハーフ はーふ hafu
OED 初出 2009
日本人と外国人の親を持つ人。英語の『half』からの和製語が英語に逆輸入されたもの。
OED初出は2009年。和製英語が英語圏に逆輸入された珍しい例。Megumi Nishikura監督のドキュメンタリー『Hafu』(2013年)で世界的に話題に。多文化共生・アイデンティティの議論で英語学術論文でも使われる。
コンビニ こんびに konbini
OED 初出 1989
24時間営業の小型店舗。日本独自の進化を遂げたコンビニエンスストア。
OED収録。和製英語『コンビニエンスストア』の略がさらに英語に逆輸入された珍しい例。日本のコンビニは欧米の『convenience store』とは品質・サービスが全く異なるとして、英語圏の日本旅行ガイドで絶賛される存在となった。
日系 にっけい nikkei
OED 初出 1929
日本人の血統を持つ海外移民とその子孫。
OED初出は1929年。ブラジル・米国・カナダ・ペルーなどの日系人コミュニティを指す世界共通用語。『Japanese American』『Japanese Brazilian』と並んで使われる。日系移民研究の学術用語としても定着している。
七五三 しちごさん shichi-go-san
OED 初出 1880年代
3歳・5歳・7歳の子供の成長を祝う日本の年中行事。
OED収録。11月15日に神社で子供の成長を祝う日本独自の通過儀礼。海外の日系コミュニティでも継承されており、晴れ着姿の子供たちと千歳飴の写真は日本文化を象徴する光景として英語メディアで紹介される。
屋台 やたい yatai
OED 初出 1881
祭などで出る移動式の屋外飲食店。または引いて回す山車。
OED初出は1881年。『yatai food』『yatai stall』として日本の祭文化・観光文化の象徴として英語観光ガイドで頻出。福岡の博多yataiは特に英語圏のフード雑誌で紹介される頻度が高い。
月見 つきみ tsukimi
OED 初出 1880年代
秋の満月を観賞する日本の伝統行事。
OED収録。中秋の名月(旧暦8月15日)にススキを飾り月見団子を供える。花見(hanami)と対をなす日本の季節行事として、英語圏の日本文化愛好家に認知されている。
紅葉狩り もみじがり momijigari
OED 初出 1900年代
秋の紅葉を観賞する日本の伝統的な行楽。
OED収録。京都の嵐山・東福寺・永観堂など紅葉名所への観光が外国人観光客の主要な目的となっており、『momijigari season』『autumn leaves viewing in Japan』として英語観光記事で頻出する。
婚活 こんかつ konkatsu
OED 初出 2008
結婚相手を探すための活動。
OED収録(2010年代)。2008年に山田昌弘・白河桃子の共著『「婚活」時代』で社会語化。少子化対策・結婚問題の文脈で欧米の社会学・人口学研究で英語化した。日本独自の社会現象として国際的に注目されている。
就活 しゅうかつ shukatsu
OED 初出 2000年代
新卒大学生の就職活動。
日本独特の新卒一括採用システムを象徴する語。リクルートスーツ(和製英語DB収録)と並んで、欧米の労働社会学研究で日本特有の現象として論じられる。海外メディアの日本特集でも頻出する用語。
合コン ごうこん gokon
初出 2000年代
男女の出会いを目的とした合同コンパ。
和製英語『合同コンパニー(compania)』の略を縮めた語。日本独特の出会いシステムとして文化人類学・社会学の研究で英語化。マチアプ(和製英語DB収録)の前身的な出会いの場として論じられる。
キャバクラ きゃばくら kyabakura
OED 初出 1985
ホステスが接客する日本特有の飲食店。
OED収録。和製英語『キャバレー(cabaret)+ クラブ(club)』の合成。日本独自の風俗業態として、Anne Allisonら米国の人類学者の研究で英語化した。

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