目次
  1. 「刺身」の意味と特徴
  2. 「お造り」の意味と特徴
  3. 語源と歴史
  4. 関東と関西の食文化の違い
  5. 現代での使い分け
  6. 刺身の「あしらい」について
  7. よくある質問
結論

もともと関東で「刺身」、関西で「お造り」と呼ばれていた同料理です。現代では地域差は薄れ、「刺身」は切り身全般(魚・肉・こんにゃくなど)を指し、「お造り」は魚介類を華やかに盛り付けたものを指す傾向があります。どちらも生の魚を薄く切った料理という点では同じです。

刺身

さしみ
関東発祥の呼び方
切り身全般を指す

お造り

おつくり
関西発祥の呼び方
華やかな盛り付けを指す
項目 刺身 お造り
発祥 関東 関西
語源 魚の尾頭を「刺して」添えた 魚を「造る(切る)」
対象(現代) 魚・肉・こんにゃくなど幅広い 主に魚介類
盛り付け(現代) シンプル 華やか・一手間加えたもの
使用例 馬刺し、レバ刺し、こんにゃく刺身 舟盛り、尾頭付き、盛り合わせ

「刺身」の意味と特徴

「刺身」は、生の食材を薄く切って、醤油やわさびで食べる料理です。もともとは関東で使われていた呼び方で、現在では全国的に使われています。

魚だけでなく、馬刺し・レバ刺し・こんにゃく刺身など、肉類や加工品にも「刺身」という言葉が使われます。

刺身の特徴

  • 関東発祥の呼び方
  • 魚に限らず、肉や加工品にも使える
  • シンプルな盛り付けのものを指すことが多い
  • 「○○刺し」という形で使われる(馬刺し、鯛刺しなど)
「刺身」を使った例
  • 居酒屋で刺身の盛り合わせを注文した。
  • 熊本名物の馬刺しを食べた。
  • こんにゃく刺身は夏にぴったりだ。

「お造り」の意味と特徴

「お造り」は、生の魚介類を薄く切って、華やかに盛り付けた料理です。もともとは関西(大阪・京都)で使われていた呼び方です。

造る」に丁寧語の「お」がついた言葉で、一手間加えて「造った」料理というニュアンスがあります。

お造りの特徴

  • 関西発祥の呼び方
  • 主に魚介類に使われる
  • 華やかな盛り付けや、一手間加えたものを指す
  • 舟盛り、尾頭付き、昆布締めなど
「お造り」を使った例
  • 旅館の夕食に豪華なお造りが出てきた。
  • 宴会で鯛のお造りを注文した。
  • 船盛りのお造りは見た目も華やかだ。

語源と歴史

「刺身」と「お造り」は、もともと「切り身」と呼ばれていました。室町時代には、生の魚を切って食べる習慣が広まっていましたが、武家社会では「切る」という言葉が縁起が悪いとされていました。

「刺身」の語源(関東)

何の魚か区別がつくように、切り身の近くに魚の尾頭やヒレを「刺して」添えていたことから「刺身」と呼ばれるようになりました。また、「切る」より「刺す」の方が縁起が良いとされた説もあります。

「お造り」の語源(関西)

関西では「刺す」も縁起が悪いとされ、魚を切ることを「造る」と表現しました。そこから「造り身」→「お造り」へと変化しました。

関東と関西の食文化の違い

興味深いことに、江戸時代には関東と関西で盛り付けの文化が現代とは逆でした。

江戸時代

  • 関東(刺身):会席料理の文化。様々な種類の魚を華やかに盛り付け
  • 関西(お造り):懐石料理の文化。1種類の魚をシンプルに盛り付け

現代

  • 刺身:シンプルな切り身全般を指す
  • お造り:華やかに盛り付けた魚介類を指す

時代の流れとともに、「造る」という言葉のイメージから「お造り」は華やかなものを指すようになり、意味逆転しました。

現代での使い分け

現代では地域差は薄れ、以下のような使い分けが一般的です。

「刺身」を使う場面

  • 魚以外(肉・こんにゃくなど)の生の切り身
  • シンプルな盛り付けの切り身
  • 日常的な呼び方として
  • 「○○刺し」という形で使うとき

「お造り」を使う場面

  • 魚介類を華やかに盛り付けた料理
  • 舟盛りや尾頭付きなど、一手間加えたもの
  • 料亭や旅館など、フォーマルな場面
  • おもてなしの料理として

ただし、厳密な使い分けがあるわけではなく、同じ料理を「刺身」と呼んでも「お造り」と呼んでも間違いではありません。

刺身の「あしらい」について

刺身やお造りには、大根やさびなどの添え物が付きます。これらを総称して「あしらい」と呼びます。

けん(剣)

大根やきゅうりを細く千切りにしたもの。細く尖った形から「剣」と呼ばれます。

つま(褄)

切り身に添える添え物の総称。大葉(敷きづま)、紫芽じそ(芽づま)、花穂じそ(立てづま)などがあります。

薬味

わさび、おろし生姜、おろし大根など。魚の臭みを消し、殺菌効果もあります。

よくある質問

Q
刺身とお造りは同じもの?
A
基本的には同じ料理です。もともとは関東で「刺身」、関西で「お造り」と呼ばれていました。現代では、シンプルな切り身を「刺身」、華やかに盛り付けたものを「お造り」と呼ぶ傾向があります。
Q
馬刺しは「馬お造り」とは言わない?
A
言いません。「お造り」は主に魚介類に使われる言葉で、肉類には「刺身」「○○刺し」を使います。馬刺し、レバ刺し、鶏刺しなどが例です。
Q
なぜ「切り身」と言わなくなった?
A
武家社会では「切る」という言葉が縁起が悪いとされたためです。関東では「刺す」に変え「刺身」に、関西では「造る」に変え「お造り」になりました。
Q
「お造り」の方が高級なイメージがあるのはなぜ?
A
「造る」という言葉に「一手間加えて作る」というニュアンスがあり、丁寧語の「お」もついているためです。また、現代では華やかな盛り付けのものを指すことが多いことも理由です。
Q
メニューで「刺身」と「お造り」があったら何が違う?
A
お店によりますが、「お造り」の方が盛り付けが華やかだったり、尾頭付きや舟盛りになっていたりすることが多いです。ただし、同じ内容でも店によって呼び方が違う場合もあります。