一言でまとめると、「空手」は沖縄発祥の突き・蹴り主体の武道で、「テコンドー」は韓国発祥の華麗な足技を特徴とする武道です。
「空手」は琉球王国で中国武術と融合して生まれた打撃系武道で、突き(手技)と蹴りをバランスよく使います。「テコンドー」は1955年に韓国で体系化された武道で、空手の影響を受けつつも独自に発展し、多彩な蹴り技を最大の特徴としています。試合ルールやオリンピックでの扱いにも大きな違いがあります。
| 項目 | 空手 | テコンドー |
|---|---|---|
| 基本的な意味 | 沖縄発祥の打撃系武道・武術 | 韓国発祥の足技主体の武道 |
| 発祥 | 琉球王国(現・沖縄県) | 韓国(1955年に命名) |
| 技術の特徴 | 突き(手技)と蹴りのバランス型 | 蹴り技が中心(足技重視) |
| 試合形式 | 伝統派:寸止め / フルコンタクト:直接打撃 | フルコンタクト・電子防具で判定 |
| オリンピック | 2020年東京大会のみ実施 | 2000年シドニー大会から正式種目 |
| 使用例 | 空手道場、空手の型、フルコンタクト空手 | テコンドーの蹴り、テコンドー選手権 |
「空手」の意味と使い方
「空手」は、琉球王国(現在の沖縄県)で独自に発展した打撃系の武道・武術です。素手と素足を主な武器とし、突き・蹴り・打ち・受けの技を体系化しています。
もともと沖縄で「手(ティー)」と呼ばれていた土着の格闘技が、中国から伝わった武術と融合して発展しました。大正時代に船越義珍が本土に紹介し、「唐手」から「空手」へと表記が改められました。「空」には「武器を持たない(空の手)」という意味が込められています。
空手には大きく分けて「伝統派(ノンコンタクト)」と「フルコンタクト」の二つの競技スタイルがあります。伝統派は技を当てる直前で止める「寸止め」ルールで試合を行い、2020年東京オリンピックではこのスタイルが採用されました。一方、フルコンタクト空手は直接打撃制で、相手を倒す威力が重視されます。
- 子どもの頃から空手を習い、黒帯を取得した。
- オリンピックの空手競技には「型」と「組手」の2種目がある。
- 沖縄は空手発祥の地として、世界中から修行者が訪れる。
- フルコンタクト空手の試合では、直接打撃で勝敗を決する。
「テコンドー」の意味と使い方
「テコンドー」は、1955年に韓国の崔泓熙(チェ・ホンヒ)将軍によって命名された打撃系の武道です。漢字では「跆拳道」と書き、「跆」は踏む・蹴る、「拳」は突く、「道」は道・精神を意味します。
崔泓熙は日本留学中に松濤館空手を学び、帰国後に空手の技術を基盤としつつ、韓国の古武術であるテッキョンの要素や独自の研究を加えて新しい武道を創始しました。特に蹴り技を大幅に発展させ、回し蹴りや後ろ回し蹴り、跳び蹴りなど華麗な足技がテコンドーの最大の特徴となっています。
テコンドーの国際組織は大きく二つに分かれています。オリンピック競技として採用されているのはWT(ワールドテコンドー、旧WTF)のルールで、電子防具を着用しポイント制で勝敗を競います。もう一つのITF(国際テコンドー連盟)は崔泓熙が設立した組織で、より武道的な側面を重視しています。
- テコンドーは2000年のシドニー大会からオリンピック正式種目になっている。
- 彼女はテコンドーの華麗な回し蹴りでポイントを奪った。
- テコンドーは世界206か国以上に普及している国際的な武道だ。
- 韓国では子どもの習い事としてテコンドーが非常に人気がある。
語源・由来
「空手」は、もともと沖縄で「唐手(とうで・からて)」と書かれていました。「唐」は中国を指し、中国から伝わった武術という意味です。1929年頃、船越義珍らが「唐」を「空」に改め、「空手」の表記が定着しました。「空手」には「素手(武器を持たない手)」という意味と、仏教の「空」の思想を込めたとされています。
「テコンドー」は韓国語で「跆拳道(たいけんどう)」と書きます。1955年4月11日、名称制定委員会で崔泓熙が提案し、この名前が正式に採用されました。「跆」は足で踏む・蹴る、「拳」は拳で突く、「道」は精神的な道を表し、足技と手技を備えた武道の道という意味が込められています。
試合ルールの違い
空手とテコンドーは試合の進め方が大きく異なり、見ている印象もまったく違います。
空手(伝統派・オリンピックルール)
伝統派の空手は「寸止め」と呼ばれるルールで行われます。技をクリーンに決めた瞬間に審判が試合を止め、ポイントを判定します。突きは1ポイント、蹴りは2ポイント、上段蹴りは3ポイントなど、技の難易度によって得点が異なります。フルコンタクト空手では直接打撃でダウンを奪うノックダウン制が採用されます。
テコンドー(WTルール)
テコンドーはフルコンタクトで行われ、電子防具(プロテクター)に内蔵されたセンサーが打撃を感知して自動的にポイントを加算します。胴への蹴りは2ポイント、頭部への蹴りは3ポイント、回転技にはさらにボーナスポイントが加わります。蹴り技の得点が高いため、試合では華麗な蹴りの応酬が繰り広げられます。
オリンピックでの扱い
テコンドーは1988年ソウル大会と1992年バルセロナ大会で公開競技として実施された後、2000年のシドニー大会から正式競技に採用され、以降すべての大会で継続的に実施されています。
一方、空手は長年オリンピック入りを目指してきましたが、正式に実施されたのは2020年東京大会が初めてでした。しかし、2024年パリ大会以降の実施は見送られており、東京大会限りの実施にとどまっています。この違いには、テコンドーが早くから国際的な競技組織を整備し、世界的な普及活動を進めてきたことが背景にあるとされています。
よくある質問
テコンドーは空手から派生した武道ですか?
テコンドーの創始者・崔泓熙は日本で松濤館空手を学んでおり、空手の技術が基盤の一つになったことは広く認められています。ただし、テコンドーは空手をそのまま受け継いだものではなく、韓国古来の武術の要素や独自の研究を加えて体系化された武道です。
「空手」と「テコンドー」の技術的な最大の違いは?
最大の違いは「手技と足技のバランス」です。空手は突き(手技)と蹴り(足技)をバランスよく使いますが、テコンドーは蹴り技に大きな比重を置いています。テコンドーでは頭部への蹴りが高得点になるため、回転蹴りや跳び蹴りなどの華やかな足技が発達しました。
「空手」の「型」と「テコンドー」の「トゥル」は同じもの?
どちらも仮想の敵に対して決められた動作を行う一人稽古の演武形式で、基本的な概念は共通しています。ただし、空手の型が比較的低い姿勢で重心の安定を重視するのに対し、テコンドーのトゥルは高い蹴りやダイナミックな動きが多い傾向にあります。
「跆拳道」と「テコンドー」は同じ意味ですか?
はい、同じものです。「跆拳道」は漢字表記で、日本語では「テコンドー」とカタカナで書くのが一般的です。韓国語の発音は「テクォンド」に近いですが、日本では「テコンドー」の表記が定着しています。