「主婦年金」(しゅふねんきん)は、会社員や公務員の配偶者である専業主婦・主夫が、自分で保険料を払わなくても国民年金(基礎年金)を受け取れる仕組みのことを指す通称です。正式名称は「国民年金第3号被保険者制度」といい、1985年に創設されました。
「主婦年金」の意味
「主婦年金」は、国民年金第3号被保険者制度を分かりやすく言い表した通称・俗称です。法律や行政の正式な用語ではなく、メディアや日常会話で使われる呼び名です。
具体的には、会社員や公務員(国民年金第2号被保険者)に扶養されている20歳以上60歳未満の配偶者で、年収130万円未満(かつ配偶者の年収の2分の1未満)の人が対象となります。該当者は自分で国民年金保険料を納めなくても、加入期間とみなされ、将来は老齢基礎年金を受け取れるのが特徴です。
1. 「主婦」と呼ばれる理由
制度上は性別を問わず、専業主夫や、扶養範囲内で働くパートタイマーの男性も対象になります。ただし実際の加入者は約98%が女性であるため、通称として「主婦年金」と呼ばれるようになりました。
2. 廃止議論の対象となっている言葉
近年、「主婦年金」は廃止や見直しの議論で頻繁に登場する言葉です。労働組合の中央組織である連合は2024年10月に廃止を求める方針を決定し、ニュースや国会審議でも「主婦年金」「3号」といった呼び方で取り上げられています。
読み方・表記
「主婦年金」の読み方は「しゅふねんきん」です。
正式名称は「国民年金第3号被保険者制度」(こくみんねんきんだいさんごうひほけんしゃせいど)で、報道やSNSでは「3号」「3号制度」と略されることもあります。
使い方と例文
- ニュースで主婦年金の廃止議論が取り上げられていた。
- 主婦年金は1985年に作られた制度だ。
- パートで年収130万円を超えると、主婦年金の対象から外れてしまう。
- 主婦年金は不公平だという意見と、家事や育児を支える制度として必要だという意見がある。
「主婦年金」という呼び方は通称のため、公式な書類や年金事務所では「第3号被保険者」という正式名称が使われます。日本年金機構や厚生労働省の文書でも「主婦年金」の表記は用いられていません。
語源・由来
「主婦年金」という呼び方は、1985年(昭和60年)の年金制度改正で第3号被保険者制度が創設されたことに由来します。
それ以前の専業主婦は国民年金への加入が任意でした。しかし「夫の死亡や離婚で年金を受け取れなくなる主婦が出る」という問題があったため、サラリーマンの妻も独自に基礎年金を受け取れるよう制度化されました。当時は専業主婦世帯が標準的なモデルだったため、「主婦の年金権を保障する制度」として整備された経緯から「主婦年金」と呼ばれるようになりました。
その後、共働き世帯の増加や働き方の多様化に伴い、「不公平ではないか」「女性の就労を抑制している」といった指摘が出るようになり、2020年代以降は廃止・縮小の議論で頻繁に使われる言葉となっています。