「就く」は、ある職業や地位に身を置く、またはある動作・状態を始めるという意味の言葉です。「就職」「就任」「就寝」などの熟語で使われる「就」と同じ意味です。
「就く」の意味
「就く」には以下の意味があります。
職業・地位に身を置く
ある仕事や役職を担うことを表します。「職に就く」「任に就く」「管理職に就く」などがこの意味です。「就職」「就任」という熟語がこの用法に当たります。王位や帝位に就く場合は「即く」と書くこともあります。
ある動作・状態を始める
これから何かを始める、ある状態に入ることを表します。「眠りに就く」「帰途に就く」「床(とこ)に就く」などがこの意味です。「就寝」「就航」という熟語がこの用法に当たります。
師に従う
誰かを師として従い、教えを受けることを表します。「先生に就いて学ぶ」「名人に就いて修行する」などがこの意味です。
「…について」「…につき」
「…に関して」という意味で使われることもあります。「この件について」「一件につき」などの表現がありますが、この場合は通常ひらがなで書きます。
読み方・表記
「就く」の読み方は「つく」です。他動詞の場合は「就ける(つける)」となります。
音読みでは「シュウ」または「ジュ」と読みます。
- 就職(しゅうしょく)- 職業に就くこと
- 就任(しゅうにん)- 役職に就くこと
- 就寝(しゅうしん)- 眠りに就くこと
- 就航(しゅうこう)- 航路に就くこと
- 成就(じょうじゅ)- 物事が成し遂げられること
同じ「つく」と読む漢字には「付く」「着く」「点く」「突く」などがありますが、「就く」は職業や地位、動作の開始といった場面で使います。
使い方と例文
- 大学卒業後、地元の銀行に就職した。
- 来月から新しい部長が就任する予定だ。
- 疲れがたまっていたので、いつもより早く眠りに就いた。
- 彼女は有名なピアニストに就いて10年間師事した。
- 長年の研究がようやく緒に就いた。
語源・由来
「就」という漢字は、「京」と「尤」から成る会意文字です。
「京」は高い丘の上に楼閣が建っている様子を表し、古代中国では高台に都市を造営していたことに由来します。「尤」は手を表すとされています。この二つを組み合わせ、「大きな丘に設けられた都に人々が寄せ集まる様子」を示すという説があります。
中国の字書『説文解字』には「高い土地に向かう」と記されており、「ある方向に進む」「ある状態に近づく」という意味が通底しています。ここから「ある場所や役割につく」という意味が派生し、日本語で「つく」という訓読みが当てられました。
類語・関連語
よくある質問
「就く」と「即く」の違いは?
「即く」は王位や帝位など特に高い地位に就く場合に使われる表記です。「天皇の位に即く」「帝位に即く」のように使います。一般的な職業や役職には「就く」を使います。
「就く」の反対語は?
職業・地位の意味では「退く」「辞する」「離れる」が反対語になります。「就任」の反対は「退任」「辞任」、「就職」の反対は「退職」「離職」です。
「成就」はなぜ「じょうじゅ」と読む?
「成就」は仏教用語として日本に伝わった言葉で、呉音読みの「ジュ」が使われています。「就」の音読みには漢音の「シュウ」と呉音の「ジュ」があり、仏教関連の語では呉音が用いられることが多いです。