辺境伯
へんきょうはく
かんたんに言うと
「辺境伯」は、中世ヨーロッパで国境地帯の防衛を任された領主の称号です。通常の伯爵より高い権限を持ち、五等爵では侯爵に相当します。
「辺境伯」の意味
「辺境伯」は、フランク王国・神聖ローマ帝国において、国境地帯(辺境)の防衛と統治を任された領主の称号です。
異民族との境界にあたる危険地帯を任されるため、軍事指揮権・裁判権・徴税権など、通常の伯爵を超える大きな権限が与えられました。その権限は公爵に匹敵するほどで、爵位の序列としては侯爵相当とされます。
ブランデンブルク辺境伯やオーストリア辺境伯のように、後に大国の基盤となった辺境伯領も多くあります。
読み方・表記
「辺境伯」の読み方は「へんきょうはく」です。
ドイツ語では「Markgraf(マルクグラーフ)」と呼ばれます。英語では「Margrave(マーグレイヴ)」です。フランス語・英語の「Marquis」と同語源ですが、ドイツ史では「辺境伯」、他のヨーロッパ史では「侯爵」と訳し分けられます。
使い方と例文
「辺境伯」を使った例文
- ブランデンブルク辺境伯はスラブ人との国境を守った。
- オーストリアはもともと辺境伯領から発展した国である。
- その小説では主人公が辺境伯の娘と恋に落ちる。
語源・由来
ドイツ語「Markgraf」の訳語です。「Mark」は「境界・辺境」、「Graf」は「伯爵」を意味します。
8世紀のカール大帝の時代に、イスラム勢力と接するスペイン辺境(マルク)や、東方のスラブ人と接する地域に設置されたのが始まりです。国境防衛という重要任務のため、他の伯爵より大きな権限が必要とされました。
類語・関連語
よくある質問
Q
辺境伯は本当に辺境にいた?
辺境伯は本当に辺境にいた?
A
当初は国境地帯でしたが、時代が進むと領地が「辺境」でなくなったり、相続で称号だけ引き継がれたりするケースもありました。バーデン辺境伯領は交易の要所として栄えた先進地域でした。
当初は国境地帯でしたが、時代が進むと領地が「辺境」でなくなったり、相続で称号だけ引き継がれたりするケースもありました。バーデン辺境伯領は交易の要所として栄えた先進地域でした。
Q
なぜファンタジー作品で人気?
なぜファンタジー作品で人気?
A
「国境を守る強力な領主」「中央から離れた独立性」「外敵との戦い」という設定が物語の舞台として魅力的だからです。ただし実際の辺境伯は皇帝の信任を得た要職であり、「辺境の閑職」ではありませんでした。
「国境を守る強力な領主」「中央から離れた独立性」「外敵との戦い」という設定が物語の舞台として魅力的だからです。ただし実際の辺境伯は皇帝の信任を得た要職であり、「辺境の閑職」ではありませんでした。