目次
  1. 「貴族」の意味と使い方
  2. 「華族」の意味と使い方
  3. 語源・由来
  4. 華族制度の構成
  5. よくある質問
結論

「貴族」は特権を持つ上流階級を指す一般的な言葉で、時代や国を問ず使えます。「華族」は1869年から1947年まで日本に存在した特定の身分階級で、公爵・侯爵・伯爵・子爵・男爵の五等爵を持つ人々を指します。つまり、華族は日本の近代における「貴族」のことです。

貴族

きぞく
特権を持つ上流階級
時代・国を問わず使える一般語

華族

かぞく
近代日本の特定身分
1869〜1947年に存在
項目 貴族 華族
基本的な意味 特権を持つ上流階級の総称 明治〜昭和初期の日本の身分制度
使用範囲 時代・国を問わず広く使用 日本限定(1869〜1947年)
具体例 平安貴族、ヨーロッパ貴族 旧公家・旧大名・功臣
爵位 国や時代により異なる 公・侯・伯・子・男の五等爵
現在の使用 歴史用語・比喩として使用 歴史用語としてのみ使用

「貴族」の意味と使い方

「貴族」は、血統や家柄によって特権的な地位を持つ上流階級を指す言葉です。時代や国を問わず、世襲制で特別な身分を持つ人々に対して広く使われます。

日本では平安時代の公卿(くぎょう)を「貴族」と呼ぶことが多く、「平安貴族」「貴族文化」といった表現でよく使われます。藤原道長に代表される摂関家などがその典型です。

ヨーロッパでは公爵・侯爵・伯爵・子爵・男爵といった爵位を持つ人々を貴族と呼び、王室とともに特権階級を形成していました。現代でもイギリスやスペインなどには貴族制度が残っています。

「貴族」を使った例文
  • 平安時代の貴族たちは和歌や雅楽を楽しんだ。
  • ヨーロッパの貴族は広大な領地を持っていた。
  • 彼女の立ち居振る舞いに貴族的な気品がある。

「華族」の意味と使い方

「華族」は、1869年(明治2年)から1947年(昭和22年)まで存在した、近代日本における特権的な身分階級です。皇族に次ぐ地位を持ち、貴族院議員になる資格や、学習院への優先入学などの特権が与えられていました。

華族制度は、明治維新後に旧来の公家(公卿)と大名を統合して新たに作られました。1884年(明治17年)の華族令により、公爵・侯爵・伯爵・子爵・男爵の五等爵が定められ、さらに国家に功労のあった者も華族に加えられました。

第二次世界大戦後、日本国憲法の施行により「華族その他の貴族の制度は、これを認めない」と定められ、華族制度は廃止されました。

「華族」を使った例文
  • 祖父は旧華族の家柄だったと聞いている。
  • 華族の子女は学習院で教育を受けることが多かった。
  • 日本国憲法により華族制度は廃止された。

語源・由来

「貴族」は「貴い(とうとい)」と「族(やから・一族)」を組み合わせた言葉で、「身分の高い一族」を意味します。中国でも古くから使われていた漢語で、日本でも奈良時代頃から使用されていました。

「華族」は明治政府が新たに作った言葉です。「華」は「華やか」「栄える」という意味で、「華やかな一族」というニュアンスが込められています。1869年の版籍奉還の際、公卿と諸侯(大名)の称を廃止して「華族」という新しい身分名が与えられました。

「華族」という名称には、新しい時代にふさわしい、栄えある身分であるという意味合いが込められていたとされています。

華族制度の構成

華族は大きく分けて以下の3つの出身に分類されます。

堂上華族(旧公家)

江戸時代まで朝廷に仕えていた公家出身の華族です。五摂家(近衛・九条・二条・一条・鷹司)は公爵、清華家は侯爵というように、旧来の家格に応じて爵位が与えられました。

大名華族(旧諸侯)

江戸時代の大名家出身の華族です。石高(領地の収入)に応じて爵位が決まり、15万石以上は侯爵、5万石以上は伯爵、それ以下は子爵が基準とされました。

勲功華族(功臣)

明治維新や国家発展に功績のあった人物に与えられた華族です。伊藤博文や大山巌は公爵、大隈重信や板垣退助は伯爵など、功績に応じて叙爵されました。渋沢栄一のような実業家も男爵に叙されています。

よくある質問

Q
「貴族」と「華族」、どちらを使えばいい?
A
明治〜昭和初期の日本の身分制度について話す場合は「華族」、それ以外の時代や外国の上流階級については「貴族」を使います。「平安貴族」「ヨーロッパ貴族」と言いますが、「平安華族」とは言いません。
Q
華族は今でも存在する?
A
制度としての華族は1947年に廃止されました。ただし、旧華族の家系は現在も存続しており、「旧華族」「元華族」として言及されることがあります。特権は一切なくなりましたが、家系としての歴史は引き継がれています。
Q
公家と貴族の違いは?
A
「公家(くげ)」は朝廷に仕える官人の家系を指す日本独自の言葉で、「貴族」はより広い概念です。平安時代の公家は貴族の一種と言えますが、武士(武家)と対比する場合に「公家」という言葉が使われます。
Q
士族と華族の違いは?
A
どちらも明治時代に定められた身分ですが、「華族」は旧公家・旧大名・功臣の上流階級、「士族」は旧武士階級を指します。華族が数百家だったのに対し、士族は数十万戸にのぼりました。