目次
  1. 「台風」の意味と基準
  2. 「タイフーン」の意味と基準
  3. なぜ日本は独自の基準を使う?
  4. スーパータイフーンとは
  5. 具体例で理解する
  6. 語源・由来
  7. 間違いやすいケース
  8. よくある質問
結論

「台風」と「タイフーン」は発生地域は同じですが、風速の基準が異なります。「台風」日本独自の基準で風速17m/s以上、「タイフーン(Typhoon)」は国際基準で風速33m/s以上です。つまり、すべての台風がタイフーンではありません。日本の「強い台風」以上がタイフーンに相当します。

台風

たいふう
日本独自の基準
風速17m/s以上

タイフーン

Typhoon
国際基準(WMO)
風速33m/s以上
項目 台風 タイフーン
発生地域 北西太平洋・南シナ海 北西太平洋・南シナ海
最大風速の基準 約17m/s(34ノット)以上 約33m/s(64ノット)以上
基準を定める機関 日本の気象庁 世界気象機関(WMO)
風速の測定方法 10分間平均 10分間平均(国際標準)
使用される場面 日本国内の報道・天気予報 国際的な報道・英語圏
相互の関係 タイフーンを含む広い概念 台風の一部(強いもの)

「台風」の意味と基準

「台風」は、北西太平洋および南シナ海で発生する熱帯低気圧のうち、最大風速が約17m/s(34ノット)以上になったものを指します。これは日本の気象庁が定める独自の基準です。

日本では台風を強さによって4段階に分類しています。

日本の分類 最大風速 国際分類
台風 17m/s以上〜33m/s未満 トロピカル・ストーム/シビア・トロピカル・ストーム
強い台風 33m/s以上〜44m/s未満 タイフーン
非常に強い台風 44m/s以上〜54m/s未満 タイフーン
猛烈な台風 54m/s以上 タイフーン(スーパータイフーン級)

この表からかるように、日本で「台風」と呼ばれるものが、国際的には「タイフーン」とは限らないのです。

「台風」を使った例文
  • 今週末、台風12号が関東に接近する見込みだ。
  • 台風の影響で飛行機が欠航になった。
  • 台風一過で秋晴れの空が広がった。

「タイフーン」の意味と基準

「タイフーン(Typhoon)」は、世界気象機関(WMO)が定める国際基準で、北西太平洋および南シナ海で発生する熱帯低気圧のうち、最大風速が約33m/s(64ノット)以上になったものを指します。

国際的な熱帯低気圧の分類は以下のとおりです。

国際分類 最大風速 日本の分類
トロピカル・デプレッション
(Tropical Depression)
17m/s未満 熱帯低気圧
トロピカル・ストーム
(Tropical Storm)
17m/s以上〜25m/s未満 台風
シビア・トロピカル・ストーム
(Severe Tropical Storm)
25m/s以上〜33m/s未満 台風
タイフーン
(Typhoon)
33m/s以上 強い台風〜猛烈な台風

つまり、日本で「台風」と呼ばれていても、最大風速が33m/s未満であれば、国際的には「タイフーン」ではなく「トロピカル・ストーム」や「シビア・トロピカル・ストーム」に分類されるのです。

「タイフーン」を使った例文
  • この台風は国際基準ではタイフーンに分類される強さだ。
  • 英語のニュースではTyphoonとして報道されている。
  • スーパータイフーン級の猛烈な勢力に発達した。

なぜ日本は独自の基準を使う?

日本が国際基準より低い風速17m/sから「台風」として扱う理由は、防災上の観点にあります。

1. 早期の警戒が可能

風速17m/sは「強い風」レベルで、傘がさせない、看板が飛ぶなどの影響が出始める風速です。この段階から「台風」として扱うことで、より早い段階から警戒を呼びかけることができます。

2. 台風被害が多い国

日本は世界で最も台風の被害を受けやすい国の一つです。年間約11個の台風が接近し、約3個が上陸します。そのため、細かい分類で段階的に警戒レベルを伝える必要があります。

3. 歴史的な経緯

日本の台風観測は明治時代から始まり、独自の基準が確立されました。国際基準が整備された後も、国内の防災体制との整合性から日本独自の基準が維持されています。

スーパータイフーンとは

「スーパータイフーン(Super Typhoon)」は、米国の合同台風警報センター(JTWC)が定める分類で、最大風速が約67m/s(130ノット)以上の台風を指します。

日本の気象庁には「スーパータイフーン」という公式な分類はありませんが、「猛烈な台風」(風速54m/s以上)とほぼ同等の強さです。

注意点:風速の測定方法の違い

日本の気象庁は10分間平均の風速を使用しますが、米国のJTWCは1分間平均を使用します。1分間平均の方が高い数値が出やすく、一般的に10分間平均の約1.14倍になると言われています。そのため、同じ台風でも日米で発表される風速に差が出ることがあります。

スーパータイフーン級の台風の例

  • 2013年 台風30号(ハイエン):フィリピンで甚大な被害
  • 2016年 台風14号(ムーランティ)
  • 2019年 台風19号(ハギビス):令和元年東日本台風

具体例で理解する

実際の台風を例に、「台風」と「タイフーン」の違いを見てみましょう。

例1:最大風速25m/sの熱帯低気圧

  • 日本:「台風」として報道される
  • 国際:「シビア・トロピカル・ストーム」に分類(タイフーンではない)

例2:最大風速40m/sの熱帯低気圧

  • 日本:「強い台風」として報道される
  • 国際:「タイフーン」に分類される

例3:最大風速70m/sの熱帯低気圧

  • 日本:「猛烈な台風」として報道される
  • 国際:「タイフーン」(JTWC基準では「スーパータイフーン」)

語源・由来

「台風」と「タイフーン(Typhoon)」は語源的にも関連があります。

語源の諸説

  • 中国語説:中国語の「大風(ダイフン/タイフン)」または「颱風(タイフン)」が起源
  • ギリシャ神話説:ギリシャ神話に登場する怪物「テュポン(Typhon)」が起源
  • アラビア語説:アラビア語で嵐を意味する「トゥーファーン(tufan)」が起源

これらの語が相互に影響し合って、現在の「Typhoon」という英語と「台風」という日本語が形成されたと考えられています。日本では明治時代に「颱風」の字が使われ始め、後に「台風」に統一されました。

間違いやすいケース

間違い:「台風」を英語で「Typhoon」と訳せばOK

日常会話では問題ありませんが、気象用語としては厳密に異なります。風速33m/s未満の台風は、正確には「Tropical Storm」または「Severe Tropical Storm」と訳すべきです。

間違い:タイフーンは台風より強い別の現象

「タイフーン」は「台風」とは別の現象ではありません。同じ北西太平洋の熱帯低気圧を、異なる基準で分類しているだけです。

正しい理解

  • 「台風」は日本独自の広い定義(風速17m/s以上)
  • 「タイフーン」は国際的な狭い定義(風速33m/s以上)
  • すべてのタイフーンは台風だが、すべての台風がタイフーンではない

よくある質問

Q
日本の天気予報で「タイフーン」と言わないのはなぜ?
A
日本国内では気象庁の基準に基づいて「台風」という用語が使われるためです。国際的な報道や英語のニュースでは「Typhoon」が使われますが、日本国内向けの報道では「台風」で統一されています。
Q
「強い台風」は必ずタイフーン?
A
はい。日本の「強い台風」は最大風速33m/s以上なので、国際基準のタイフーンに相当します。「強い台風」「非常に強い台風」「猛烈な台風」はすべてタイフーンです。
Q
ハリケーンとタイフーンの違いは?
A
風速の基準は同じ(33m/s以上)ですが、発生地域が異なります。タイフーンは北西太平洋・南シナ海、ハリケーンは北大西洋・北東太平洋で発生した熱帯低気圧を指します。
Q
なぜ国際基準と日本基準で風速が違う?
A
各国・地域で気象観測の歴史や防災体制が異なるためです。日本は台風被害が多い国であり、より早い段階から警戒できるよう、低い風速から「台風」として扱っています。
Q
「スーパータイフーン」は日本の用語?
A
いいえ。「スーパータイフーン」は米国の合同台風警報センター(JTWC)が使う用語で、風速67m/s以上の台風を指します。日本の気象庁には公式な「スーパータイフーン」という分類はなく、「猛烈な台風」がほぼ相当します。