目次
  1. 「逮捕」の意味と使い方
  2. 「勾留」の意味と使い方
  3. 「拘留」の意味と使い方
  4. 「勾留」と「拘留」の見分け方
  5. 刑事手続きの流れ
  6. よくある質問
結論

「逮捕」は最大72時間の短期的な身柄拘束です。「勾留」は逮捕に続く長期の身柄拘束(最大20日間)で、捜査のための措置であり刑罰でありません。「拘留」は1日以上30日未満の刑罰(自由刑)です。「勾留」と「拘留」は同じ読みですが、全く別物です。

逮捕

たいほ
短期的な身柄拘束
最大72時間

勾留

こうりゅう
長期の身柄拘束
捜査のための措置

拘留

こうりゅう
刑罰の一種
1〜29日間の自由刑
項目 逮捕 勾留 拘留
性質 身柄拘束(捜査) 身柄拘束(捜査) 刑罰(自由刑)
期間 最大72時間 最大20日間 1日〜29日間
決定する人 警察官・検察官 裁判官 裁判官(判決)
前科 つかない つかない つく
タイミング 捜査の初期 逮捕後〜起訴前後 有罪判決後

「逮捕」の意味と使い方

「逮捕」とは、罪を犯した疑いのある人(被疑者)の身柄を、比較的短時間拘束する手続きです。

逮捕は通常、裁判官が発付する逮捕令状に基づいて行われます。ただし、犯行の現場を目撃した場合などは、令状なしで逮捕できる「現行犯逮捕」も認められています。

逮捕による身柄拘束の期間

  • 警察による拘束:最大48時間
  • 検察への送致後:最大24時間
  • 合計:最大72時間(3日間)

この72時間以内に、検察官は「勾留請求」をするか「釈放」するかを判断します。

「逮捕」の使用例
  • 容疑者が窃盗の疑いで逮捕された。
  • 警察は令状を取得し、被疑者逮捕した。
  • 犯行現場で現行犯逮捕された。

「勾留」の意味と使い方

「勾留」(かぎこうりゅう)とは、逮捕に続いて行われる長期の身柄拘束です。逃亡や証拠隠滅を防ぐために、検察官が裁判官に請求し、裁判官が許可した場合に行われます。

重要なのは、勾留は刑罰ではないということです。まだ有罪と決まっていない段階で、捜査を進めるために身柄を拘束する措置にすぎません。

勾留の種類と期間

  • 被疑者勾留:起訴前の勾留、最大20日間(10日+延長10日)
  • 被告人勾留:起訴後の勾留、原則2か月(更新あり)

逮捕から勾留まで含めると、起訴不起訴が決まるまで最大23日間身柄を拘束される可能性があります。

「勾留」の使用例
  • 検察官が裁判所に勾留を請求した。
  • 勾留期間が10日間延長された。
  • 弁護士が勾留取消しを申し立てた。

「拘留」の意味と使い方

「拘留」(てこうりゅう)とは、刑法で定められた刑罰の一種です。有罪判決を受けた人を、1日以上30日未満の期間、刑事施設に収容する「自由刑」にあたります。

「勾留」との決定的な違いは、「拘留」は刑罰であるということです。裁判で有罪判決が下されて初めて科されるものであり、前科がつきます。

拘留の特徴

  • 期間:1日以上30日未満
  • 執行猶予がつかない(必ず実刑)
  • 懲役と異なり、労働義務がない
  • 前科がつく

拘留が科される主な犯罪

  • 公然わいせつ罪
  • 暴行罪
  • 侮辱罪

ただし、拘留刑が実際に科されるケースは非常に少なく、多くは罰金刑などで処理されています。

「拘留」の使用例
  • 被告人に拘留15日の判決が下された。
  • 侮辱罪で拘留刑を言い渡された。

「勾留」と「拘留」の見分け方

「勾留」と「拘留」は同じ「こうりゅう」と読むため、非常に混同されやすい言葉です。専門家の間では、漢字の形で区別することがあります。

漢字による呼び分け

  • 勾留→「かぎこうりゅう」(「勾」が鉤(かぎ)のような形)
  • 拘留→「てこうりゅう」(「拘」に手偏がある)

簡単な見分け方

  • ニュースで「逮捕後、勾留」→ 判決前の勾留(刑罰ではない)
  • 裁判で「拘留15日の判決」→ 刑罰としての拘留

刑事手続きの流れ

逮捕から判決までの流れを整理すると、以下のようになります。

1. 逮捕(最大72時間)

警察が被疑者の身柄を拘束。48時間以内に検察官に送致。

2. 勾留請求(送致から24時間以内)

検察官が裁判官に勾留を請求するか、釈放するかを判断。

3. 勾留(最大20日間)

裁判官が勾留を許可した場合、被疑者勾留が開始。

4. 起訴または不起訴

検察官が起訴するか不起訴にするかを決定。

5. 裁判・判決

起訴された場合、裁判が行われ、有罪なら刑罰(拘留など)が科される。

よくある質問

Q
逮捕されると必ず勾留される?
A
いいえ、必ずではありません。軽微な事件では逮捕後48時間以内に釈放されることもあります。ただし実務上は90%以上が勾留されています。
Q
勾留されたら前科がつく?
A
いいえ、勾留だけでは前科はつきません。勾留はあくまで捜査のための措置であり、有罪判決が確定して初めて前科がつきます。
Q
拘留と懲役の違いは?
A
どちらも自由刑ですが、拘留は1〜29日間と短期で労働義務がありません。懲役は1か月以上の長期で刑務作業が義務付けられています。また、拘留には執行猶予がつきません。
Q
「留置」との違いは?
A
「留置」は身柄拘束の状態を指す一般的な言葉です。逮捕後に警察署の留置場に収容されることを「留置される」と言います。勾留は留置よりも法的に厳密な手続きを経て行われる長期の拘束です。
Q
保釈とは?
A
保釈とは、起訴後の被告人勾留中に、保釈金を納付することで一時的に身柄を解放してもらう制度です。裁判が終わるまでの間、自宅で過ごすことができます。