目次
  1. 「作る」の意味と使い方
  2. 「造る」の意味と使い方
  3. 「創る」の意味と使い方
  4. 語源・由来
  5. 迷ったときは「作る」を使おう
  6. 英語での表現
  7. よくある質問
結論

「作る」は小規模なものや無形のものをこしらえる最も一般的な表記、「造る」は大規模なものや工業的なものをつくるとき、「創る」は新しいものを初めて生み出すときに使います。迷ったら「作る」を使えばほぼ間違いありません

作る

つくる
小規模・無形のもの
最も一般的な表記

造る

つくる
大規模・工業的なもの
船・建物・酒など

創る

つくる
新しいものを生み出す
ゼロからの創造
項目 作る 造る 創る
基本的な意味 こしらえる・なす 大きなものをつくる 新しく生み出す
対象の規模 小規模・無形 大規模・有形 規模を問わない
代表的な熟語 作品、作成、創作 製造、造船、醸造 創造、創業、創刊
英語 make build, manufacture create
使用例 料理を作る、詩を作る 船を造る、酒を造る 未来を創る、文化を創る

「作る」の意味と使い方

「作る」「つくる」の最も一般的な表記です。小規模なものをこしらえたり、形のないもの・抽象的なものを生み出したりするときに使います。

公用文や教科書でも「作る」が一般的な表記とされており、迷ったときは「作る」を使えば間違いありません。料理、工作、文章、規則、記録など、幅広い対象に使えます。

また、「作物」「稲作」のように農作物を育てる意味や、「作り笑い」「顔を作る」のように表情を整える意味でも使われます。

「作る」を使った例文
  • 今夜は手料理を作るつもりだ。
  • 子どもたちが紙で人形を作った
  • 新しい規則を作る必要がある。
  • 彼は世界記録を作った
  • 畑で野菜を作っている

「造る」の意味と使い方

「造る」は大規模なもの工業的なものをつくるときに使います。船、建物、自動車、道路など、設備や機械を使って製造するものが対象です。

また、酒類をつくるときは「造る」を使うのが慣例です。「醸造」「酒造」などの熟語からもわかるように、酒・ビール・味噌・醤油などの発酵食品には「造る」が使われます。

庭園や宅地など、土地を整備してつくるものにも「造る」が適しています。「造園」「造成」「造幣」などの熟語で使われます。

「造る」を使った例文
  • この工場では自動車を造っている
  • 江戸時代に造られたお寺を訪ねた。
  • 地元の蔵元で日本酒を造っている
  • 新しい住宅地を造る計画が進んでいる。
  • 客船を造るのに3年かかった。

「創る」の意味と使い方

「創る」は新しいものを初めて生み出すときに使います。これまで存在しなかったものをゼロから創造する、という意味合いがあります。

「創造」「創業」「創刊」「創始」などの熟語に見られるように、「創」には「はじめて」「新しく」という意味が込められています。芸術作品や新しい文化、未来など、創造性や独創性を強調したいときに使われます。

なお、2010年(平成22年)の常用漢字表改定で「創」に「つくる」の読みが追加されました。現在は常用漢字として認められていますが、公用文では「作る」を使うのが一般的です。

「創る」を使った例文
  • 新しい時代を創るのは若者だ。
  • 彼は独自の芸術世界を創り上げた。
  • 未来を創るのは私たち自身だ。
  • この地域に新しい文化を創りたい
  • 神が世界を創ったと言われている。

語源・由来

「作」は「人」と「乍(サ)」を組み合わせた会意形声文字です。「乍」は刀で素材に切れ目を入れる様子を表しており、人が手を加えて何かをつくるという意味を持ちます。手作業で何かをこしらえるイメージです。

「造」は「しんにょう(辶)」と「告」を組み合わせた形声文字です。「告」は牛の角に木の枠をはめて固定する様子を表し、「くっつける」という意味があります。足の動作を表すしんにょうと合わせて、材料をくっつけ合わせて大きなものをつくる、という意味になりました。

「創」は「倉」と「刂(りっとう=刀)」を組み合わせた形声文字です。もともとは刀で切りつけてできた「傷」を意味していました。「刀で素材に切れ目を入れることは工作の最初の段階」という解釈から、「はじめてつくり出す」という意味が生まれました。「絆創膏」の「創」が「傷」を意味するのはこのためです。

迷ったときは「作る」を使おう

「作る」「造る」「創る」の使い分けに厳密なルールはありません。実際、「お作り」と「お造り」、「生け作り」と「生け造り」のように、どちらも使われる例があります。

公用文や教科書では「作る」が一般的な表記とされています。「造る」は「酒造」「造船」など慣用的な表現に使われ、「創る」は創意工夫が感じられるものに限定的に使われます。

また、「人づくり」「体力づくり」「まちづくり」のように、どちらの漢字も当てにくい場合はひらがなで「つくる」と書くのが一般的です。

英語での表現

「作る」「造る」「創る」は英語ではそれぞれ異なる単語で表現できます。

「作る」= make

最も一般的な「つくる」を表します。

  • make dinner(夕食を作る)
  • make a plan(計画を作る)

「造る」= build / manufacture / produce

建造や製造を表します。

  • build a house(家を建てる)
  • manufacture cars(自動車を製造する)
  • produce beer(ビールを造る)

「創る」= create

新しく創造することを表します。

  • create a new culture(新しい文化を創る)
  • God created the world(神が世界を創った)

よくある質問

Q
「お刺身」は「お作り」「お造り」どちら?
A
どちらも使われます。辞書や用語集によってどちらも認められており、地域や店舗によって表記が異なります。関西では「お造り」が多い傾向があります。
Q
「酒をつくる」はなぜ「造る」?
A
酒類の製造は「醸造」という工業的なプロセスで、大規模な設備を使うためです。「酒造」「醸造」「造り酒屋」など、酒に関する言葉は「造」が使われる慣例があります。
Q
「創る」は公用文で使える?
A
2010年の常用漢字表改定で「創」に「つくる」の読みが追加されたため、使用可能です。ただし、公用文では「作る」が一般的で、「創る」は「未来を創る」「時代を創る」など限定的に使われます。
Q
「まちづくり」はなぜひらがな?
A
「まち」が市町村の「町」でも市街地の「街」でもなく、人々が暮らす地域全体を指すためです。「作」も「造」も当てにくい場合は、ひらがなで表記するのが一般的です。
Q
「絆創膏」の「創」は「つくる」の意味?
A
いいえ、「傷」の意味です。「創」はもともと刀で切りつけてできた傷を意味していました。「絆創膏」は「傷をつなぎ合わせる薬」という意味です。