同じ「とめる」でも漢字によって意味が異なります。「止める」は動きを停止する、「停める」は乗り物を一時停車する、「駐める」は長時間駐車する、「泊める」は人を宿泊させる、「留める」は固定する・関心を向けるという意味です。ただし「停める」「駐める」は常用漢字の表外読み・当て字のため、迷ったら「止める」か「とめる」(ひらがな)を使うのが無難です。
| 項目 | 止める | 停める | 駐める | 泊める | 留める |
|---|---|---|---|---|---|
| 主な意味 | 動きを停止 | 一時停車 | 長時間駐車 | 宿泊させる | 固定する |
| 対象 | 動くもの全般 | 乗り物 | 車 | 人・車 | 物・心 |
| 時間 | ― | 短時間 | 長時間 | 一晩以上 | ― |
| 常用漢字 | 表外読み | 当て字 | |||
| 使用例 | 車を止める | 路肩に停める | 駐車場に駐める | 友人を泊める | ピンで留める |
「止める」の意味と使い方
「止める」は、動いているものを動かなくする、継続しているものを中断させるという意味で、「とめる」の中で最も汎用的に使える漢字です。
常用漢字表にも「とめる」の読みが載っているため、どの「とめる」を使うか迷ったら「止める」を選べば間違いありません。
なお、「止める」は「やめる」とも読めます。「やめる」と読む場合は「物事を中止する」という意味になりますが、紛らわしいため新聞ではひらがな表記にしています。
- タクシーを止めて乗り込んだ。
- エンジンを止めてから降りてください。
- けんかを止めに入った。
- 痛みを止める薬を飲んだ。
「停める」の意味と使い方
「停める」は、乗り物を一時的に停車させるという意味です。「停車」「停留所」の「停」で、比較的短時間その場にとどめておくニュアンスがあります。
ただし、「停」の「とめる」という読みは常用漢字の表外読みです。常用漢字表に載っている読みは「テイ」のみのため、公用文や新聞では「止める」か「とめる」(ひらがな)を使います。
- コンビニの前に車を停めて買い物をした。
- 駅前で友人を待つため車を停めた。
- 路肩にバイクを停めて地図を確認した。
「駐める」の意味と使い方
「駐める」は、車を駐車場などに比較的長時間置いておくという意味です。「駐車」「駐車場」の「駐」で、運転手が車から離れてしばらく戻らないような場面に使います。
ただし、「駐める」は当て字です。「駐」の読みに「とめる」は含まれておらず、IMEの変換候補に出てくることもありますが、正式な表記ではありません。使う場合は「駐車」との関連を意識した意図的な表現として使いましょう。
- ショッピングモールの駐車場に車を駐めた。
- 月極駐車場に車を駐めている。
- ここに車を駐めるのは禁止されている。
「泊める」の意味と使い方
「泊める」は、人を自宅などに宿泊させるという意味です。「宿泊」「一泊」の「泊」で、一晩以上滞在させるニュアンスがあります。
また、車や船を長時間(一晩以上)置いておく場合にも使われることがあります。「車中泊」「停泊」などの言葉からの連想で、「道の駅に車を泊める」のような表現も見られます。
- 友人を一晩泊めてあげた。
- 終電を逃した同僚を泊めることにした。
- 道の駅に車を泊めて車中泊をした。
「留める」の意味と使い方
「留める」は、固定して動いたり離れたりしないようにする、関心を向けるという意味です。「とどめる」とも読み、その場にとどまらせるニュアンスがあります。
物を固定する場合(「ピンで留める」「ボタンを留める」)や、心理的に注意を向ける場合(「心に留める」「目を留める」)に使います。
- 書類をクリップで留めた。
- シャツのボタンを留める。
- 彼の言葉を心に留めておこう。
- ふと目を留めた広告が気になった。
語源・由来
「止」の成り立ち
「止」は足の形を表した象形文字です。足を止めることから「とまる」「とめる」という意味が生まれました。
「停」の成り立ち
「停」は「人」と「亭(あずまや)」を組み合わせた形声文字です。人が亭(休憩所)にとどまることから「とまる」「とどまる」という意味が生まれました。
「駐」の成り立ち
「駐」は「馬」と「主」を組み合わせた形声文字です。馬をつなぎ止めておくことから「とどまる」「駐在する」という意味が生まれました。
「泊」の成り立ち
「泊」は「水」と「白」を組み合わせた形声文字です。船が水辺に停泊することから「とまる」「宿泊する」という意味が生まれました。
「留」の成り立ち
「留」は「田」と「卯」を組み合わせた形声文字です。その場にとどまる、固定するという意味があります。
迷ったときの判断基準
「とめる」をどの漢字で書くか迷ったときは、以下の基準で判断できます。
- 動きを停止する → 「止める」
- 乗り物を短時間停車 → 「停める」または「止める」
- 車を長時間駐車 → 「駐める」(当て字)または「止める」
- 人を宿泊させる → 「泊める」
- 物を固定する・心を向ける → 「留める」
「停める」「駐める」は常用漢字の表外読み・当て字のため、公用文では使えません。一般の文章でも、迷ったら「止める」か「とめる」(ひらがな)を使うのが無難です。
よくある質問
「駐車場に車をとめる」はどの漢字を使いますか?
「止める」「停める」「駐める」いずれも使われます。ただし「駐める」は当て字、「停める」は表外読みのため、正式な文書では「止める」か「とめる」(ひらがな)が無難です。駐車の意味を強調したい場合は「駐車する」と言い換える方法もあります。
「自転車をとめる」はどの漢字を使いますか?
駐輪場に置く場合は「停める」または「止める」が一般的です。走行中の自転車の動きを止める場合は「止める」を使います。
「駐める」は間違いですか?
「駐める」は正式には当て字であり、常用漢字表に「とめる」の読みはありません。ただし「駐車」のニュアンスを出すために意図的に使われることも多く、IMEの変換候補にも出てきます。使う場合は当て字であることを理解した上で使いましょう。
「止める」は「やめる」とも読みますか?
はい、「止める」は「とめる」「やめる」両方の読み方があります。「やめる」と読む場合は「物事を中止する」という意味です。紛らわしいため、新聞では「やめる」の意味ではひらがな表記にしています。