目次
  1. 「勧める」の意味と使い方
  2. 「薦める」の意味と使い方
  3. 「奨める」の意味と使い方
  4. 語源・由来
  5. 「おすすめ」はどの漢字で書く?
  6. 迷ったときの判断基準
  7. よくある質問
結論

「勧める」「薦める」「奨める」はすべて「すすめる」と読みますが、意味が異なります。「勧める」は行動をするよう促す(勧誘)、「薦める」は人や物を推薦する、「奨める」は励ます・奨励するという意味です。「おすすめ」を漢字で書くとき、行動を促すなら「お勧め」、人や物を選ぶよう促すなら「お薦め」を使います。ただし「奨」の「すすめる」は常用漢字の表外読みのため、迷ったらひらがなで「おすすめ」と書くのが無難です。

勧める

すすめる
行動をするよう促す
勧誘・勧告

薦める

すすめる
人や物を推薦する
選んでもらう

奨める

すすめる
励ます・奨励する
※表外読み
項目 勧める 薦める 奨める
主な意味 行動を促す 人・物を推薦 励ます
対象 行動・行為 人・物 行動・努力
関連熟語 勧誘・勧告 推薦・自薦 奨励・推奨
常用漢字 表外読み
使用例 入会を勧める 本を薦める 貯蓄を奨める

「勧める」の意味と使い方

「勧める」は、相手に何かの行動をするよう促す・誘いかけるという意味です。「勧誘」「勧告」の「勧」で、自分も一緒にやろうというニュアンスを含むこともあります。

また、食べ物や飲み物、物品などを差し出して使ってもらおうとする場合にも使います。「お茶を勧める」「椅子を勧める」などがこの用法です。

「勧める」を使った例文
  • 友人にサークルへの入会を勧めた
  • 健康のためにウォーキングを勧める
  • 来客にお茶を勧めた
  • 医師が禁煙を強く勧めている。

「薦める」の意味と使い方

「薦める」は、人や物を褒めて、採用・選択するよう説くという意味です。「推薦」「自薦・他薦」の「薦」で、複数の選択肢の中から「これがいいですよ」と特定のものを推す場面で使います。

商品やサービス、本、映画など具体的な「もの」をすすめる場合や、人を役職などに推す場合に使います。

「薦める」を使った例文
  • この本は初心者に薦めたい一冊だ。
  • 彼をリーダーに薦める
  • 店員がワインを薦めてくれた。
  • 友人に旅行先として京都を薦めた

「奨める」の意味と使い方

「奨める」は、良いこととして積極的に行うよう励ますという意味です。「奨励」「推奨」の「奨」で、相手の努力や行動を後押しするニュアンスがあります。

ただし、「奨」の「すすめる」という読みは常用漢字の表外読みです。そのため、公用文や新聞では使えず、一般的な文章でも「勧める」で代用するか、ひらがなで書くことが多いです。

「奨める」を使った例文
  • 政府が省エネを奨めている。
  • 若者に読書を奨める
  • 資格取得を奨める制度がある。

語源・由来

「勧」「薦」「奨」はそれぞれ異なる成り立ちを持つ漢字です。

「勧」の成り立ち

「勧」は「雚(かん)」と「力」を組み合わせた形声文字です。「力」は力強い腕を表し、「力を添えて行わせる」「働きかける」という意味が生まれました。「勧誘」「勧告」など、行動を促す熟語に使われます。

「薦」の成り立ち

「薦」は「艸(草)」と「廌(鹿の一種)」を組み合わせた会意文字です。草の上に鹿を載せて神に捧げる様子を表し、「良いものを選んで差し出す」という意味が生まれました。「推薦」「自薦」など、人や物を推す熟語に使われます。

「奨」の成り立ち

「奨」は「將(しょう)」と「大」を組み合わせた形声文字です。「將」には「手で持って助ける」という意味があり、「励まし助ける」「応援する」という意味が生まれました。「奨励」「奨学金」など、励ます・後押しする熟語に使われます。

「おすすめ」はどの漢字で書く?

「おすすめ」を漢字で書くときは、以下のように使い分けます。

表記 意味・ニュアンス 使用例
お勧め 行動を促す
「一緒にやりましょう」
ジョギングがお勧めです
お薦め 人・物を推薦
「これを選んでください」
この本がお薦めです
お奨め 励ます
「頑張ってください」
資格取得がお奨めです
おすすめ 汎用的・柔らかい 本日のおすすめ

実際には厳密に使い分けられていないことも多く、迷ったら「おすすめ」とひらがなで書くのが無難です。新聞や公用文でもひらがな表記が一般的です。

迷ったときの判断基準

どの漢字を使うか迷ったときは、以下の熟語に置き換えられるかで判断できます。

  • 勧誘・勧告に置き換えられる → 「勧める」
  • 推薦に置き換えられる → 「薦める」
  • 奨励・推奨に置き換えられる → 「奨める」(または「勧める」で代用)

なお、「勧める」と「奨める」は意味が近く、辞書でも「勧める・奨める」と並記されていることがあります。「奨」が表外読みであることを考慮すると、迷った場合は「勧める」を使うのが安全です。

よくある質問

Q
「本日のおすすめ」はどの漢字で書きますか?
A
料理や商品を推薦する意味なので「本日のお薦め」が適切です。ただし、飲食店のメニューなどでは「おすすめ」「オススメ」とひらがな・カタカナで書くことが一般的です。
Q
「奨める」は使わない方がいいですか?
A
「奨」の「すすめる」という読みは常用漢字の表外読みのため、公用文や新聞では使えません。一般的な文章でも「勧める」で代用するか、ひらがなで書くことが多いです。
Q
「酒を勧める」と「酒を薦める」の違いは?
A
「酒を勧める」は相手に酒を飲むよう促すこと、「酒を薦める」は複数の飲み物の中から酒を選ぶよう推すことです。宴席で「まあ一杯」と促す場面では「勧める」、「何を飲みますか?」と聞かれて「日本酒がいいですよ」と答える場面では「薦める」を使います。
Q
「侑める」という漢字もありますか?
A
あります。「侑める」は「そばにいて食事などをすすめる」という意味で、接待・もてなしのニュアンスがあります。ただし常用漢字外で、現代ではほとんど使われない古風な表現です。