目次
  1. 「資産」の意味と使い方
  2. 「資本」の意味と使い方
  3. 語源・由来
  4. 貸借対照表での関係
  5. よくある質問
結論

「資産」は企業や個人が保有する財産全般を指し、「資本」は事業活動の元手となる資金を指します。会計上では、「資産」は集めた資金の使い道(運用形態)を、「資本」は資金の出どころ(調達源泉)を表します。貸借対照表では、左側が「資産」、右側が「負債」と「純資産(自己資本)」で構成されています。

資産

しさん
保有する財産全般
資金の運用形態を表す

資本

しほん
事業活動の元手となる資金
資金の調達源泉を表す
項目 資産 資本
基本的な意味 保有する財産全般 事業活動の元手となる資金
貸借対照表の位置 左側(借方) 右側(貸方)
表すもの 資金の運用形態(何に使ったか) 資金の調達源泉(どこから集めたか)
具体例 現金、預金、建物、土地、有価証券など 資本金、利益剰余金、借入金など
英語 Assets Capital / Equity

「資産」の意味と使い方

「資産」とは、企業や個人が保有する経済的価値のある財産全般を指します。会計上は「将来、経済的利益をもたらすと期待される資源」と定義されます。

貸借対照表では左側(借方)に記載され、企業が集めた資金をどのような形で保有しているかを示します。資産は以下の3つに分類されます。

  • 流動資産:1年以内に現金化できる資産(現金、預金、売掛金、棚卸資産など)
  • 固定資産:長期間保有する資産(土地、建物、機械、特許権など)
  • 繰延資産:支出の効果が将来にわたる費用(創立費、開業費など)

日常会話では「財産」とほぼ同じ意味で使われることが多く、「資産家」「資産運用」「不動産資産」などの表現で広く用いられます。

「資産」を使った例文
  • 会社の総資産は10億円を超えている。
  • 老後に備えて資産運用を始めた。
  • 不動産重要な資産のひとつだ。

「資本」の意味と使い方

「資本」とは、事業活動を行うための元手となる資金を指します。会計上は、企業がどこから資金を調達したかを示す概念です。

「資本」という言葉は文脈によって意味が異なるため注意が必要です。

会計上の「資本」の種類

  • 自己資本(純資産):株主からの出資金や利益の蓄積。返済義務がない
  • 他人資本(負債):銀行借入や社債など。返済義務がある
  • 総資本:自己資本と他人資本の合計

現在の会計基準では、貸借対照表の右下部分は「純資産」と呼ばれますが、以前は「資本」と呼ばれていました。そのため「資本」と「純資産」は同じ意味で使われることがあります。

また、経済学では「資本」を「生産活動に投入される財」という広い意味で使います。「資本主義」「資本論」などの表現がこれに当たります。

「資本」を使った例文
  • 会社設立にあたり、資本金を1,000万円に設定した。
  • 自己資本比率が高いほど経営が安定しているといえる。
  • 人材は企業にとって重要な資本である。

語源・由来

「資産」と「資本」は、どちらも「資」という漢字を含んでいます。「資」は「たから」「もとで」「助ける」という意味を持ち、財産や元手を表す言葉に使われます。

「資産」の「産」は「うむ」「つくりだす」という意味で、「財を生み出すもの」「持っている財産」というニュアンスがあります。英語の「assets」に相当します。

「資本」の「本」は「もと」「根本」という意味で、「事業の元手となる資金」を表します。英語の「capital」に相当し、これはラテン語の「caput(頭)」に由来し、「主要なもの」「元本」という意味から来ています。

貸借対照表での関係

「資産」と「資本」の関係を理解するには、貸借対照表(バランスシート)を見ると分かりやすいでしょう。

貸借対照表は、企業の財政状態を示す決算書で、以下の等式が成り立ちます。

資産 = 負債 + 純資産(自己資本)

つまり、左側の「資産」は企業が保有する財産の総額を示し、右側の「負債」と「純資産」は、その財産を得るための資金をどこから調達したかを示しています。

  • 左側(資産):集めた資金の「使い道」
  • 右側(負債+純資産):資金の「出どころ」

例えば、1,000万円を銀行から借りて(負債)、その資金で機械を購入した(資産)場合、左側の資産(機械)1,000万円と、右側の負債(借入金)1,000万円が一致します。

よくある質問

Q
「資本金」と「資産」は同じですか?
A
異なります。「資本金」は株主から出資された資金で、貸借対照表の右側(純資産の部)に記載されます。一方「資産」は企業が保有する財産全般で、左側に記載されます。資本金は資産を得るための「元手」、資産はその元手で得た「財産」と考えると分かりやすいでしょう。
Q
「純資産」と「資本」の違いは何ですか?
A
現在の会計基準では「純資産」が正式な用語ですが、以前は「資本」と呼ばれていました。そのため、両者はほぼ同じ意味で使われます。ただし「資本」は「総資本(負債+純資産)」を指す場合もあるため、文脈に注意が必要です。
Q
「自己資本」と「他人資本」の違いは何ですか?
A
「自己資本」は返済義務のない資金(株主からの出資金や利益の蓄積)で、「純資産」とほぼ同義です。「他人資本」は返済義務のある資金(銀行借入や買掛金など)で、「負債」を指します。自己資本の比率が高いほど、経営が安定しているといえます。
Q
「人的資本」とはどういう意味ですか?
A
従業員が持つ知識・スキル・経験などを、企業価値を生み出す「資本」として捉えた表現です。会計上の資本とは異なり、経済学や経営学で使われる概念です。近年は「人的資本経営」として、人材への投資を重視する経営手法が注目されています。