「預金」は銀行・信用金庫・信用組合などに預けたお金を指し、「貯金」はゆうちょ銀行・JAバンク(農協)・JFマリンバンク(漁協)に預けたお金を指します。預け先の金融機関によって呼び方が異なりますが、保護される金額(元本1,000万円とその利息)は同じです。日常会話では「お金を貯める」という意味で「貯金」を使うことが多いですが、金融用語としては厳密に使い分けられています。
| 項目 | 預金 | 貯金 |
|---|---|---|
| 対象となる金融機関 | 銀行、信用金庫、信用組合、労働金庫など | ゆうちょ銀行、JAバンク(農協)、JFマリンバンク(漁協) |
| 根拠法 | 銀行法、長期信用銀行法など | 郵便貯金法、農業協同組合法など |
| 保険制度 | 預金保険制度(預金保険機構) | 貯金保険制度(農水産業協同組合貯金保険機構) |
| 保護される金額 | 元本1,000万円とその利息 | 元本1,000万円とその利息 |
| 商品例 | 普通預金、定期預金、当座預金 | 普通貯金、定期貯金、定額貯金 |
「預金」の意味と使い方
「預金」とは、銀行や信用金庫、信用組合、労働金庫などの金融機関にお金を預けることを指します。銀行法や長期信用銀行法といった法律でも「預金」という表現が使われています。
歴史的には、「預金」はもともと商人や企業が事業資金を管理・運用するために利用してきたものでした。そのため、企業向けの決済手段である「当座預金」のような商品があるのも「預金」の特徴です。
現在では、メガバンクや地方銀行、ネット銀行など、ゆうちょ銀行以外の銀行に預けたお金はすべて「預金」と呼びます。
- 毎月の給料は会社から銀行の普通預金口座に振り込まれる。
- 金利が上がったので、定期預金に預け替えることにした。
- 預金保険制度により、万が一銀行が破綻しても元本1,000万円までは保護される。
「貯金」の意味と使い方
「貯金」とは、ゆうちょ銀行(旧郵便局)、JAバンク(農業協同組合)、JFマリンバンク(漁業協同組合)にお金を預けることを指します。郵便貯金法や農業協同組合法で「貯金」という表現が使われています。
「貯金」という言葉の由来は、イギリスの郵便局で使われていた「savings(貯蓄)」を日本語に訳したものとされています。明治時代に郵便貯金制度が始まった際、一般庶民がコツコツとお金を貯める目的で設計されたため、「貯める」という意味を込めて「貯金」と呼ばれるようになりました。
なお、日常会話では「貯金箱」「貯金する」のように、金融機関に関係なく「お金を貯める行為」全般を「貯金」と表現することも多いです。
- 子どもの頃から郵便局に貯金をしていた。
- 農協の定額貯金は長期間預けると金利が有利になる。
- 毎月少しずつ貯金して、旅行資金を貯めている。
語源・由来
「預金」の「預」は「あずける」「あずかる」という意味を持つ漢字です。お金を金融機関に「預ける」という行為をそのまま表しています。銀行制度が日本に導入された明治時代から使われてきた言葉です。
一方「貯金」の「貯」は「たくわえる」「ためる」という意味を持ちます。明治8年(1875年)に郵便貯金制度が始まった際、イギリスの郵便貯金で使われていた「savings」を訳して「貯金」という言葉が生まれたとされています。
つまり、「預金」は「お金を預ける」という行為に、「貯金」は「お金を貯める」という目的に重点を置いた言葉といえます。
保険制度の違い
「預金」と「貯金」では、万が一金融機関が破綻した場合に預けたお金を保護する制度が異なります。
預金保険制度
銀行・信用金庫・信用組合・労働金庫などに預けた「預金」は、預金保険機構が運営する「預金保険制度」によって保護されます。ゆうちょ銀行も2007年の民営化以降、この制度の対象となっています。
貯金保険制度
JAバンク(農協)やJFマリンバンク(漁協)に預けた「貯金」は、農水産業協同組合貯金保険機構が運営する「貯金保険制度」によって保護されます。
どちらの制度も、1金融機関につき預金者1人あたり元本1,000万円とその利息までが保護される点は同じです。また、決済用預金(無利息の普通預金など)は全額保護されます。
「貯金箱」が「預金箱」と呼ばれない理由
自宅でお金を貯めるための「貯金箱」は、なぜ「預金箱」と呼ばれないのでしょうか。
これは「貯金」と「預金」の本来の意味の違いによります。「貯金」には「お金をコツコツ貯める」という意味があり、自分でお金をためる目的にぴったり合います。一方「預金」は金融機関に「預ける」という行為を前提とするため、自分で管理する箱には「預金」という言葉はなじみません。
また「貯金」という言葉は子どもにもなじみやすく、金銭教育の一環としても使われてきたため、「貯金箱」という名称が広く定着したと考えられています。
よくある質問
ゆうちょ銀行は「預金」と「貯金」どちらですか?
ゆうちょ銀行では「貯金」と呼びます。ただし、2007年の民営化以降、預金保険制度の対象にもなっているため、保護の仕組みは銀行の「預金」と同じです。商品名は「普通貯金」「定期貯金」「定額貯金」などとなっています。
日常会話で「貯金する」と言っても間違いではない?
間違いではありません。金融用語としては預け先で使い分けますが、日常会話では「お金を貯める」という意味で「貯金」を使うのが一般的です。「銀行に貯金する」という表現も広く使われています。
「預貯金」とはどういう意味ですか?
「預貯金」は「預金」と「貯金」を合わせた言葉で、金融機関に預けたお金全般を指します。法律や金融の文書では、銀行・ゆうちょ銀行・農協などすべてを含める場合に「預貯金」という表現がよく使われます。
「貯蓄」と「貯金」の違いは何ですか?
「貯蓄」は「貯金」や「預金」よりも広い概念で、金融機関に預けたお金だけでなく、株式・投資信託・保険・不動産などの金融資産全般を含みます。一方「貯金」は、主にゆうちょ銀行や農協に預けたお金を指す狭い意味の言葉です。