「湖」は四方を陸地に囲まれ、海から離れた場所にある水域です。「潟」は海の一部が砂州によって外海から分離されてできた水域で、海と密接な関わりを持ちます。ただし、サロマ湖や浜名湖のように「湖」と名付けられていても成因としては「潟」に該当するケースが多く、名称と分類は必ずしも一致しません。
| 項目 | 湖 | 潟 |
|---|---|---|
| 海との関係 | 海から離れている | 海から分離してできた |
| 成因 | 火山活動、断層運動など | 砂州による外海からの分離 |
| 水質 | 主に淡水 | 汽水(海水と淡水が混合)が多い |
| 水深 | 深いものも多い(5m以上) | 一般に浅い |
| 別名 | 湖沼 | 潟湖(せきこ)、ラグーン |
| 代表例 | 琵琶湖、田沢湖、摩周湖 | 八郎潟、河北潟 |
「湖」の意味と使い方
「湖」は、四方を陸地に囲まれ、海から離れた場所にある水域を指します。池や沼よりも大きく、水深5メートル以上のものを指すことが多いとされます。
「湖」の成因はさまざまで、火山活動によってできたカルデラ湖(田沢湖、摩周湖、十和田湖など)、断層運動によってできた断層湖(琵琶湖、諏訪湖など)、川がせき止められてできた堰止湖などがあります。
水質は主に淡水ですが、塩分を含む塩水湖(塩湖)も存在します。世界最大のカスピ海は、海から完全に切り離されているため地理学的には「湖」に分類されます。
- 琵琶湖は日本最大の湖として知られている。
- 火山の噴火によってカルデラ湖が形成された。
- この湖は透明度が高く、湖底まで見渡せる。
「潟」の意味と使い方
「潟」は、海の一部が砂州(砂が堆積してできた細長い地形)によって外海から分離されてできた水域を指します。「潟湖(せきこ)」「ラグーン」「海跡湖」とも呼ばれます。
潟は海と密接な関わりを持ち、狭い水路(潮口)で外海とつながっていることが多いです。そのため、海水と淡水が混じり合った汽水をたたえ、潮の満ち引きの影響を受けることもあります。
日本では太平洋側より日本海側やオホーツク海沿岸に多く分布します。これは、海底が比較的緩やかな傾斜で潮差が小さい沿岸に潟ができやすいためです。
なお、「潟」には「干潟(ひがた)」の意味もあり、潮が引くと現れる遠浅の砂泥地を指すこともあります。
- 八郎潟はかつて琵琶湖に次ぐ日本第2位の広さだった。
- 新潟県には多くの潟が点在している。
- 河北潟は砂州によって日本海と隔てられた汽水湖だ。
語源・由来
「湖」の訓読み「みずうみ」は、「水海(みずうみ)」に由来します。古くは広い水面のことを「み」や「うみ」と呼び、海水の「潮海」に対して淡水の水域を「淡海(あわうみ)」と呼んでいました。「淡海」はもともと琵琶湖を指した言葉で、滋賀県の旧国名「近江(おうみ)」もここから来ているとされます。
「潟」は万葉集にも登場する古い言葉で、塩気のある浅瀬や干潟を意味していました。漢字の「潟」は「流れる水」と「かささぎ」の象形から成り、「かささぎが飛来する干潟」を表す字として成り立ったとされます。
名前と分類が一致しないケース
「湖」と「潟」の名称は、実際の成因や分類と必ずしも一致しません。地名は古くからの呼び名がそのまま使われることが多いためです。
「湖」と名付けられているが潟(潟湖)に分類されるもの
- サロマ湖(北海道):日本最大の汽水湖。オホーツク海の湾が砂州で分離されてできた潟湖
- 浜名湖(静岡県):もともと淡水湖だったが、地震で砂州が切れて海とつながり汽水湖に
- 宍道湖(島根県):しじみ漁で有名な汽水湖。成因は海跡湖
- 風蓮湖(北海道):根室半島の付け根にある汽水湖
「潟」と名付けられた代表例
- 八郎潟(秋田県):干拓前は琵琶湖に次ぐ日本第2位の面積を誇った。現在は大部分が陸地化し大潟村に
- 河北潟(石川県):日本海沿岸にある典型的な潟湖
このように、日本で面積が大きい湖沼の多くは、成因としては潟湖(海跡湖)に該当します。「湖」という名称がついていても、海から分離してできた水域であれば、地理学的には「潟」の仲間といえます。
よくある質問
「潟湖」と「海跡湖」は同じ意味?
ほぼ同じ意味で使われます。どちらも海の一部が砂州などで分離されてできた湖を指します。「潟湖」は「せきこ」または「かたこ」と読み、英語では「ラグーン(lagoon)」といいます。
「新潟」の「潟」は何を指している?
新潟という地名は、信濃川河口付近にあった「新しい潟」に由来するとされます。越後平野には古くから多くの潟が存在し、地域の暮らしや文化に深く関わってきました。
「汽水湖」と「潟」の違いは?
「汽水湖」は水質による分類で、海水と淡水が混じった水をたたえる湖を指します。「潟」は成因による分類で、海から分離してできた湖を指します。潟の多くは汽水湖ですが、長い年月が経って淡水化した例(霞ヶ浦など)もあります。
「湖」と「沼」と「池」の違いは?
一般に水深5m以上で大きいものを「湖」、5m以下で底に水草が生えているものを「沼」、それより小さく人工的に作られたものも含むのが「池」とされます。ただし厳密な基準はなく、地名は慣例で決まっていることが多いです。