目次
  1. 「増資」の意味と使い方
  2. 「借入」の意味と使い方
  3. 語源・由来
  4. 直接金融と間接金融
  5. よくある質問
結論

「増資」株式を発行して資本金を増やす資金調達方法で、返済義務がありません。「借入」は銀行などからお金を借りる方法で、返済義務があります。増資は返済不要ですが経営権に影響し、借入は経営権を維持できますが利息を支払う必要があります。

増資

ぞうし
株式を発行して資本金を増やす
返済不要・経営権に影響あり

借入

かりいれ
銀行などからお金を借りる
返済必要・経営権に影響なし
項目 増資 借入
資金調達の方法 株式を発行して出資を受ける 金融機関からお金を借りる
返済義務 なし あり(元本+利息)
貸借対照表での扱い 純資産の部(資本金) 負債の部(借入金)
経営権への影響 あり(株式持分が変動) なし
調達にかかる時間 長い(手続きが複雑) 比較的短い
金融の分類 直接金融 間接金融

「増資」の意味と使い方

「増資」とは、会社が新たに株式を発行し、投資家からの出資を受けて資本金を増やすことです。「エクイティファイナンス」とも呼ばれる資金調達方法で、株式会社特有の仕組みです。

増資で調達した資金は返済する必要がありません。株式を購入した投資家は「株主」となり、会社の所有者の一部になります。株主は配当を受け取る権利や、株主総会での議決権を持ちます。

増資の方法には、既存株主に新株を割り当てる「株主割当増資」、特定の第三者に新株を発行する「第三者割当増資」、広く一般投資家から募る「公募増資」などがあります。

「増資」を使った例文
  • 事業拡大のため、10億円の増資を実施した。
  • ベンチャーキャピタルから増資を受け、シリーズAの資金調達を完了した。
  • 増資によって自己資本比率が改善し、財務基盤が強化された。
  • 第三者割当増資で取引先との関係を強化する。

「借入」の意味と使い方

「借入」とは、銀行などの金融機関からお金を借りることです。「デットファイナンス」とも呼ばれ、決められた期日までに元本と利息を返済する義務があります。

借入は株式を発行しないため、経営権に影響を与えません。金融機関は貸したお金が返ってくるかどうかにのみ関心があり、会社の経営に口を出すことは基本的にありません。

借入には、運転資金に使う「短期借入」と、設備投資などに使う「長期借入」があります。また、担保の有無によって「有担保借入」と「無担保借入」に分けられます。

「借入」を使った例文
  • 設備投資のために銀行から5,000万円を借入した。
  • 借入金の返済が毎月の資金繰りを圧迫している。
  • 日本政策金融公庫から創業資金を借入した。
  • 無担保で借入できる上限額を確認した。

語源・由来

「増資」は「増」(増やす)+「資」(資本)で、「資本を増やす」という意味です。株式会社制度とともに使われるようになった近代的な用語で、会社法では「募集株式の発行」という表現が使われます。

「借入」は「借り」(借りる)+「入れ」(入れる)で、「借りて手元に入れる」という意味です。金銭の貸借を表す日本語として古くから使われており、「借入金」「借入先」などの複合語でも用いられます。

直接金融と間接金融

「増資」と「借入」は、金融の分類において「直接金融」と「間接金融」という対照的な位置づけにあります。

直接金融(増資)

資金を必要とする企業が、投資家から直接お金を調達する方法です。株式の発行による増資のほか、社債の発行もこれに含まれます。投資家は企業の成長によるリターン(株価上昇や配当)を期待して資金を提供します。

間接金融(借入)

銀行などの金融機関を介してお金を調達する方法です。預金者が銀行に預けたお金を、銀行が企業に貸し出す形になります。金融機関がリスクを負う代わりに、企業は利息を支払います。

よくある質問

Q
「増資」と「出資」の違いは何ですか?
A
「増資」は資金を調達する企業側から見た言葉で、「出資」はお金を出す投資家側から見た言葉です。「A社が増資を行い、B氏が出資した」のように使い分けます。
Q
「借入」と「融資」の違いは何ですか?
A
「借入」はお金を借りる側から見た言葉で、「融資」はお金を貸す側から見た言葉です。「銀行が融資を行い、企業が借入した」のように使い分けます。
Q
「第三者割当増資」とは何ですか?
A
特定の第三者(取引先、ベンチャーキャピタルなど)を対象に新株を発行して出資を受ける増資方法です。既存株主以外から資金を調達でき、資本提携を伴うことも多いです。
Q
「減資」とは何ですか?
A
「減資」は増資の反対で、資本金を減らすことです。累積赤字の解消や株主への払い戻しなどを目的に行われます。株主総会の特別決議が必要です。