「不起訴」は検察が裁判にかけないと判断した処分で、「無罪」は裁判で罪を犯したと認められなかった判決です。どちらも前科はつきませんが、不起訴は「裁判が行われない」、無罪は「裁判の結果」という点で大きく異なります。
| 項目 | 不起訴 | 無罪 |
|---|---|---|
| 決定する機関 | 検察 | 裁判所 |
| 裁判の有無 | 行われない | 行われる |
| 処分のタイミング | 起訴前 | 裁判後 |
| 前科 | つかない | つかない |
| 前歴 | 残る | 残る |
| 「犯人ではない」の意味 | 必ずしも意味しない | 罪を犯したと認められない |
「不起訴」の意味と使い方
「不起訴」は、検察官が被疑者を裁判にかけないと判断した処分です。不起訴になると、刑事裁判は行われず、前科もつきません。
不起訴にはさまざまな理由があり、「犯人ではない」と認められた場合だけでなく、「犯罪は認められるが諸事情を考慮して起訴しない」という場合もあります。
不起訴の主な理由
- 嫌疑なし:被疑者が犯人ではないことが明らかな場合
- 嫌疑不十分:証拠が不十分で犯罪を証明できない場合
- 起訴猶予:犯罪は認められるが、情状を考慮して起訴しない場合
- 罪とならず:行為が犯罪に該当しない、または正当防衛などの場合
- 示談が成立し、不起訴処分となった。
- 証拠不十分で不起訴になった。
- 不起訴になれば前科はつかない。
「無罪」の意味と使い方
「無罪」は、刑事裁判で「被告人が罪を犯したとは認められない」と判断された判決です。起訴された後、裁判所が証拠を検討した結果として言い渡されます。
日本の刑事裁判では、起訴されると99%以上が有罪になるとされており、無罪判決は極めて稀です。これは、検察官が「確実に有罪にできる」と判断した事件だけを起訴しているためです。
- 裁判の結果、無罪判決が言い渡された。
- 証拠が不十分で無罪を勝ち取った。
- 再審で無罪が確定し、冤罪が晴れた。
前科と前歴の違い
不起訴と無罪の違いを理解するには、「前科」と「前歴」の違いも押さえておく必要があります。
前科とは
有罪判決が確定した履歴のことです。懲役、禁錮、罰金など、刑罰を受けた記録が前科として残ります。不起訴の場合も無罪の場合も、前科はつきません。
前歴とは
捜査機関から被疑者として捜査を受けた履歴のことです。逮捕された記録、取り調べを受けた記録などが前歴として残ります。不起訴でも無罪でも、前歴は残ります。
なぜ「不起訴」を目指すのか
刑事事件では、「無罪」よりも「不起訴」を目指す方が現実的とされています。その理由を解説します。
有罪率99%以上の壁
日本の刑事裁判では、起訴されると99%以上が有罪になります。一度起訴されてしまうと、無罪を勝ち取ることは極めて困難です。
不起訴率は約7割
一方、送検された事件のうち約7割は不起訴になっています。示談の成立、証拠不十分、起訴猶予など、さまざまな理由で不起訴になる可能性があります。
裁判の負担回避
不起訴になれば、裁判を受ける精神的・経済的負担を避けられます。無罪を勝ち取るには長期間の裁判が必要で、その間の負担は大きなものになります。
語源・由来
「不起訴」は「起訴しない」という意味で、「不」は否定を表す接頭語、「起訴」は裁判にかけることを意味します。検察官が裁判を起こさないと決定した状態を指します。
「無罪」は「罪が無い」という意味です。「無」は「ない」を意味し、「罪」は犯罪を意味します。裁判で罪を犯したと認められなかった、という判決を表します。
よくある質問
不起訴と無罪、どちらが良いですか?
一般的には不起訴の方が良いとされています。どちらも前科はつきませんが、不起訴は裁判を受けずに済むため、精神的・経済的負担が軽く済みます。また、日本の有罪率は99%以上なので、起訴後に無罪を勝ち取ることは極めて困難です。
不起訴になったら「犯人ではない」と認められたことになりますか?
必ずしもそうではありません。不起訴の理由には「嫌疑なし」のほか、「起訴猶予(犯罪は認められるが起訴しない)」も含まれます。起訴猶予の場合、犯罪を行ったことは認められています。
不起訴でも前歴は残りますか?
はい、残ります。前歴とは捜査機関から被疑者として捜査を受けた履歴のことで、不起訴でも無罪でも前歴は残ります。ただし、前歴は一般に公開されるものではなく、日常生活に直接影響することは少ないです。
無罪判決が出る確率はどのくらいですか?
日本の刑事裁判の有罪率は99%以上とされており、無罪判決が出る確率は1%未満です。これは、検察官が確実に有罪にできると判断した事件だけを起訴しているためです。