目次
  1. 「逮捕」の意味と使い方
  2. 「検挙」の意味と使い方
  3. 「摘発」の意味と使い方
  4. 3語の関係を図で理解する
  5. ニュースでの使い分け
  6. 語源・由来
  7. よくある質問
結論

「逮捕」被疑者の身柄を拘束する法的手続き、「検挙」は被疑者を特定して捜査対象にすること、「摘発」は犯罪や不正を発見して公表することです。逮捕は法律用語ですが、検挙・摘発は法律用語ではありません。意味の範囲は「逮捕<検挙<摘発」の順に広くなります。

逮捕

たいほ
身柄を拘束する強制処分
法律で定められた手続き

検挙

けんきょ
被疑者を特定し捜査対象に
逮捕を含む警察用語

摘発

てきはつ
犯罪・不正を発見し公表
最も広い一般用語
項目 逮捕 検挙 摘発
法律用語か はい いいえ(警察用語) いいえ(一般用語)
身柄拘束 必ず伴う 必ずしも伴わない 関係ない
意味の範囲 狭い 中程度 広い
主な主体 警察・検察 警察 警察・報道・市民など
重点 身柄の拘束 捜査の開始 発覚・公表

「逮捕」の意味と使い方

「逮捕」は、犯罪の被疑者の身柄を拘束する強制処分です。刑事訴訟法に定められた正式な法律用語で、厳格な要件のもとで行われます。

逮捕が認められるのは、「逃亡のおそれ」または「証拠隠滅のおそれ」がある場合に限られます。罪を犯した疑いがあっても、これらのおそれがなければ逮捕はできず、在宅のまま捜査が進められます。

逮捕には「通常逮捕」「現行犯逮捕」「緊急逮捕」の3種類があります。通常逮捕には裁判官が発行する逮捕状が必要です。

「逮捕」を使った例文
  • 容疑者窃盗の疑いで逮捕された。
  • 警察は逮捕状を請求し、裁判所の許可を得た。
  • 目撃者の通報により、犯人は現行犯逮捕された。

「検挙」の意味と使い方

「検挙」は、警察が犯罪の被疑者を特定し、捜査の対象とすることです。法律用語ではなく、主に警察内部で使われる用語です。

検挙の範囲は逮捕より広く、身柄を拘束する場合だけでなく、在宅のまま任意で取り調べを行う場合も含みます。つまり、「検挙」は「逮捕」を含む上位概念といえます。

警察の統計で「検挙件数」「検挙人員」「検挙率」という言葉が使われますが、これには逮捕された人も、逮捕されずに書類送検された人も含まれています。

「検挙」を使った例文
  • 警察は容疑者を詐欺の疑いで検挙した。
  • 昨年の窃盗事件の検挙率は約30%だった。
  • 共犯者が検挙されたことで、組織の全容が明らかになった。

「摘発」の意味と使い方

「摘発」は、犯罪や不正行為を発見して世間に公表することです。法律用語ではなく、一般的に使われる言葉です。

「摘発」は3語の中で最も意味の範囲が広く、必ずしも逮捕や検挙を伴いません。違法行為を発見して報道したり、不正を暴いて公表したりすることも「摘発」に含まれます。

報道では「違法風俗店を摘発」「闇バイトグループを摘発」のように、組織や店舗に対して使われることが多いです。

「摘発」を使った例文
  • 警察は違法カジノ店を摘発した。
  • 国税局が脱税企業を摘発した。
  • 内部告発により、会社の不正が摘発された。

3語の関係を図で理解する

逮捕・検挙・摘発の関係は、以下のように整理できます。

意味の範囲の違い

3語の意味の範囲を図で表すと、入れ子構造になっています。

  • 摘発(最も広い):犯罪・不正の発覚・公表全般
  • 検挙(中程度):被疑者を特定して捜査対象にすること
  • 逮捕(最も狭い):被疑者の身柄を拘束すること

具体例で比較

「違法風俗店」を例にとると、以下のような使い分けになります。

  • 摘発:違法風俗店の存在が発覚し、公表された
  • 検挙:経営者が被疑者として特定され、捜査が始まった
  • 逮捕:経営者の身柄が拘束され、留置場に収容された

ニュースでの使い分け

報道では、事件の段階や内容に応じて3語が使い分けられています。

「逮捕」が使われる場面

個人の被疑者が身柄を拘束された場合に使われます。「○○容疑で逮捕」という表現が典型的です。

「検挙」が使われる場面

複数の被疑者をまとめて捜査対象にした場合や、警察の統計・発表で使われます。「振り込め詐欺グループを検挙」などの表現があります。

「摘発」が使われる場面

組織的な犯罪や違法な店舗・施設を対象にする場合に多く使われます。「違法カジノを摘発」「闇営業店を摘発」などの表現があります。

語源・由来

「逮捕」は「逮(追いつく・とらえる)」と「捕(つかまえる)」を組み合わせた言葉です。逃げる者を追いかけて捕らえるという意味から、被疑者の身柄を拘束することを指すようになりました。

「検挙」は「検(しらべる)」と「挙(あげる・とりあげる)」を組み合わせた言葉です。犯人を調べ上げて取り上げる、という意味から、被疑者を特定して捜査対象にすることを指すようになりました。

「摘発」は「摘(つまむ・あばく)」と「発(あらわす)」を組み合わせた言葉です。隠れた悪事をつまみ出して明らかにする、という意味から、犯罪や不正を発見して公表することを指すようになりました。

よくある質問

Q
検挙されたら必ず逮捕されますか?
A
いいえ、必ずしも逮捕されるわけではありません。逃亡や証拠隠滅のおそれがある場合は逮捕されますが、そのおそれがなければ在宅のまま捜査が進められます。統計上、検挙された人の約6〜7割は逮捕されていません。
Q
「摘発」されたら前科がつきますか?
A
摘発されただけでは前科はつきません。前科がつくのは、起訴されて裁判で有罪判決が確定した場合です。摘発は犯罪の発覚・公表を意味するだけで、その後の刑事手続きとは別の問題です。
Q
「摘発」と「告発」の違いは何ですか?
A
「摘発」は犯罪や不正を発見して公表すること、「告発」は犯罪を捜査機関に申告する法的手続きです。告発は刑事訴訟法に定められた正式な手続きで、被害者以外の第三者が行います。
Q
3語のうち、法律用語はどれですか?
A
法律用語は「逮捕」だけです。「検挙」は主に警察内部で使われる用語で、「摘発」は一般的に使われる言葉です。いずれも刑事訴訟法などの法律には出てきません。