目次
  1. 「演歌」の意味と特徴
  2. 「歌謡曲」の意味と特徴
  3. 語源・由来
  4. 演歌と歌謡曲の歴史的関係
  5. よくある質問
結論

「歌謡曲」は昭和時代を中心に日本で作られた大衆音楽全般を指す大きなカテゴリです。「演歌」は歌謡曲の一ジャンルで、ヨナ抜き音階や「こぶし」を効かせた歌唱法、情念や別れをテーマにした歌詞が特徴です。つまり、演歌は歌謡曲に含まれる関係にあります。

演歌

えんか
歌謡曲の一ジャンル
こぶし・ヨナ抜き音階が特徴

歌謡曲

かようきょく
日本の大衆音楽全般
演歌・ポップス等を含む
項目 演歌 歌謡曲
範囲 歌謡曲の一ジャンル 日本の大衆音楽全般
音階 ヨナ抜き音階が多い 様々
歌唱法 こぶし・ビブラートを多用 様々
曲調 短調が多い 様々
歌詞のテーマ 海・酒・涙・別れ・北国など 様々
衣装 和服が多い 特に決まりなし
全盛期 1960〜1980年代 1960〜1980年代

「演歌」の意味と特徴

「演歌」日本独自の大衆音楽ジャンルの一つです。1960年代半ばに歌謡曲から派生して人気となりました。

演歌の最大の特徴は、その音楽的特徴にあります。

ヨナ抜き音階

演歌のメロディには「ヨナ抜き音階」がよく使われます。これは西洋音楽の7音階(ドレミファソラシ)から4番目の「ファ」と7番目の「シ」を抜いた5音階(ドレミソラ)のことです。「ヨナ」は昔の数え方で「4(よ)」と「7(な)」を意味します。

この音階は日本の民謡にも使われており、日本語の響きやリズムによく合うため、哀愁漂う日本的なメロディが生まれます。

こぶしとビブラート

演歌の歌唱法で特徴的なのが「こぶし」です。こぶしとは、一つの音を瞬間的に上げて元に戻す装飾的な歌い方で、歌に情感を込める技法です。

また、ビブラート(音を継続的に揺らす技法)も深く入れることが多く、この2つが演歌独特の情緒を生み出しています。

歌詞のテーマ

演歌の歌詞には「海・酒・涙・女・雨・北国・雪・別れ」といったテーマがよく登場します。男女間の切ない愛や悲恋、情念や義理人情を歌ったものが多く、切なさを表すため短調の曲が多いです。

「演歌」を使った例文
  • 紅白歌合戦では演歌歌手の出番が恒例だ。
  • 祖父は演歌が好きで、よくカラオケで歌っている。
  • この曲はこぶしが効いていて、いかにも演歌らしい。

「歌謡曲」の意味と特徴

「歌謡曲」は、昭和時代を中心に日本で作られた商業的な大衆音楽全般を指す言葉です。演歌、ポップス、ロック、フォークなど様々なジャンルを含む上位概念です。

もともと「歌謡曲」は、明治以降に日本に入ってきた西洋音楽の影響を受けた歌を指していました。一方、放送される大衆音楽は「流行歌」と呼ばれていましたが、1960年代以降、これらをまとめて「歌謡曲」と呼ぶようになりました。

1970年代にニューミュージックが登場すると、従来の「歌謡曲」のうち、ヨナ抜き音階やこぶしを効かせたものは「演歌」と呼ばれるようになり、ジャンルが分化していきました。

1990年代以降は「J-POP」という呼び方が主流になり、「歌謡曲」という言葉は昭和の音楽を指すレトロなニュアンスで使われることが多くなっています。

「歌謡曲」を使った例文
  • 昭和の歌謡曲を集めたコンピレーションアルバムを買った。
  • 父は懐かしの歌謡曲番組を楽しみにしている。
  • この喫茶店では昭和歌謡曲が流れている。

語源・由来

「演歌」の語源

「演歌」は、「演説歌」の略語です。

明治時代、自由民権運動の活動家たちが、政府の言論弾圧を避けるため、主義主張を歌に乗せて街頭で歌い広めました。これが「演説歌」と呼ばれ、やがて「演歌」と略されるようになりました。

その後、政治色は薄れ、悲恋や人情を歌う大衆歌謡へと変化しました。「艶歌」「怨歌」という当て字が使われたこともありましたが、1970年代にレコード会社のプロモーションなどをきっかけに「演歌」の表記が定着しました。

「歌謡曲」の語源

「歌謡曲」は、「歌謡」+「曲」で「歌われる曲」を意味します。「歌謡」は古くから歌い継がれる歌を指す言葉で、それに西洋音楽の影響を受けた「曲」が加わった形です。

演歌と歌謡曲の歴史的関係

演歌と歌謡曲は、時代とともにその関係性が変化してきました。

  • 1920〜1930年代 – レコード歌謡が誕生。「流行歌」と呼ばれる
  • 1940〜1950年代 – 戦後、様々なジャンルが混在した「歌謡曲」が発展
  • 1960年代 – ヨナ抜き音階やこぶしを使う曲が「演歌」と呼ばれ始める
  • 1970年代 – ニューミュージックの台頭で「演歌」と「歌謡曲」が分化
  • 1990年代以降 – 「J-POP」が主流になり、「歌謡曲」はレトロな呼称に

よくある質問

Q
「演歌」と「歌謡曲」はどちらが広い意味?
A
「歌謡曲」の方が広い意味です。歌謡曲は日本の大衆音楽全般を指し、演歌はその中の一ジャンルです。
Q
「こぶし」と「ビブラート」の違いは?
A
「こぶし」は一つの音を瞬間的に上げて戻す技法で、「ビブラート」は音を継続的に揺らす技法です。どちらも演歌でよく使われますが、別の歌唱技術です。
Q
「ヨナ抜き音階」とは?
A
7音階(ドレミファソラシ)から4番目の「ファ」と7番目の「シ」を抜いた5音階(ドレミソラ)のことです。日本的な哀愁のあるメロディを生み出します。
Q
「歌謡曲」と「J-POP」の違いは?
A
時代による呼び方の違いです。「歌謡曲」は主に昭和時代の大衆音楽を指し、「J-POP」は1990年代以降の日本のポピュラー音楽を指すことが多いです。