「浄瑠璃」は、三味線の伴奏に合わせて物語を語る日本の伝統芸能です。人形劇と組み合わせた「人形浄瑠璃」は「文楽」として知られています。
「浄瑠璃」の意味
「浄瑠璃」には主に2つの意味があります。
1. 語り物音楽の一種
三味線を伴奏楽器として、太夫(たゆう)と呼ばれる語り手が物語を「語る」芸能です。単に「歌う」のではなく、登場人物のセリフや情景描写、心情表現などを含めて語る点が特徴です。義太夫節、常磐津節、清元節など、現在8つの流派が存在します。
2. 人形浄瑠璃(文楽)
浄瑠璃の語りに合わせて人形を操る演劇形式です。大阪で発展し、2003年にユネスコの無形文化遺産に登録されました。「文楽」という名称は、江戸時代後期の興行主・植村文楽軒に由来します。
読み方・表記
「浄瑠璃」の読み方は「じょうるり」です。
「浄」は「きよい」、「瑠璃」は青い宝石を意味し、仏教で極楽浄土を象徴する言葉です。この美しい響きは、元となった物語のヒロインの名前に由来します。
使い方と例文
- 大阪の国立文楽劇場で浄瑠璃を鑑賞した。
- 近松門左衛門は浄瑠璃作者として数々の名作を残した。
- 三味線と太夫の掛け合いが浄瑠璃の醍醐味だ。
- 義太夫節は浄瑠璃の中でも最も有名な流派である。
語源・由来
「浄瑠璃」という名称は、室町時代に語られた『浄瑠璃物語』(浄瑠璃姫物語)に由来します。
この物語は、三河国矢矧(やはぎ)の宿の長者の娘・浄瑠璃姫と、若き日の源義経(牛若丸)との恋物語です。浄瑠璃姫の名は、彼女が薬師如来の申し子であることから、薬師如来の住む「浄瑠璃世界」にちなんで付けられました。
この物語が三味線の伴奏で語られるようになり、やがて同様の語り物全般を「浄瑠璃」と呼ぶようになりました。江戸時代初頭に三味線と人形操りが結びつき、人形浄瑠璃として発展していきます。
浄瑠璃の歴史
古浄瑠璃の時代
江戸時代初期、京都や江戸で多くの太夫が活躍しました。この時期の浄瑠璃を「古浄瑠璃」と呼びます。江戸では金平浄瑠璃(坂田金平の武勇談)が大流行し、荒々しい演出で人気を博しました。
義太夫節の誕生
貞享元年(1684年)頃、竹本義太夫が大阪・道頓堀に竹本座を開設し、義太夫節を確立しました。作者・近松門左衛門との提携により、『曽根崎心中』『国性爺合戦』などの名作が生まれ、浄瑠璃は芸術として大きく発展しました。
現代への継承
明治以降、人形浄瑠璃は「文楽」として継承され、現在も大阪の国立文楽劇場を中心に上演されています。
類語・関連語
よくある質問
「浄瑠璃」と「文楽」の違いは何ですか?
「浄瑠璃」は三味線伴奏で物語を語る芸能全般を指し、「文楽」は浄瑠璃に人形劇を組み合わせた人形浄瑠璃の別名です。文楽は大阪で発展した人形浄瑠璃を指すことが多いです。
「義太夫節」とは何ですか?
浄瑠璃の流派の一つで、竹本義太夫が創始しました。重厚で劇的な語り口が特徴で、人形浄瑠璃(文楽)で用いられる浄瑠璃として最も有名です。
浄瑠璃はどこで見られますか?
大阪の国立文楽劇場や東京の国立劇場で定期的に公演されています。また、歌舞伎の劇中音楽として常磐津節や清元節などの浄瑠璃が演奏されることもあります。