「抑える」は、勢いを止める、ある限度を超えないようにする、感情をこらえるという意味の動詞です。「抑制」「抑止」の「抑」を使い、送りがなは「抑える」で「さ」は入りません。
「抑える」の意味
「抑える」には主に以下の意味があります。
勢いを止める・食い止める
増えようとするもの、広がろうとするものを食い止めることを表します。「反撃を抑える」「病気の流行を抑える」のように、マイナスの事態を防ぐニュアンスで使います。
ある限度を超えないようにする
数量や金額などが一定の水準を超えないようにするときに使います。「出費を抑える」「カロリーを抑える」のように、量を低く保つニュアンスです。
感情をこらえる
怒りや涙など、込み上げてくる感情を表に出さないようにすることを表します。「怒りを抑える」「涙を抑える」のように、内側から湧き上がるものを押しとどめるニュアンスです。
相手を打ち負かす
競争相手に勝つ、他を上回ることを表します。「ライバルを抑えて優勝する」「新人を抑えて当選した」のように使います。
読み方・表記
「抑える」の読み方は「おさえる」です。送りがなは「抑える」で、「さ」は入りません。
「抑」の音読みは「ヨク」で、「抑制」「抑止」「抑圧」「抑揚」などの熟語で使われます。
「そもそも」という読み方
「抑」には「そもそも」という読み方もあります。「抑々(そもそも)」と書き、物事の発端や根本を説き起こすときに使う接続詞です。
使い方と例文
- 怒りを抑えて冷静に対応した。
- 今月は食費を抑えるように心がけている。
- エースが相手打線を完封に抑えた。
- 有力候補を抑えて見事に優勝した。
- 感染拡大を抑える対策が急務だ。
語源・由来
「抑」は会意文字で、「手」と「卬」から成り立っています。
「卬」は人を上から手でおさえる形を表し、「手でおさえつけてとめる」という意味を持ちます。興味深いことに、「抑」と「仰」は対の関係にあります。「抑」が上からおさえる側を、「仰」が下から見上げる側を表し、「抑揚」という熟語はこの対比から生まれた言葉です。
「抑」を使った熟語には「抑制(勢いを抑えること)」「抑止(抑えて止めること)」「抑圧(抑えつけること)」「抑留(拘束して留めること)」などがあります。
類語・関連語
よくある質問
「抑える」と「抑さえる」どちらが正しい?
「抑える」が正しく、「さ」は入りません。同じ「おさえる」でも「押さえる」は「さ」が入りますが、「抑える」は「抑」+「える」です。
「抑」を「そもそも」と読むのはなぜ?
「抑(そもそも)」は、話の発端や根本を説き起こすときに使う接続詞です。本来の「おさえる」という意味から転じて、話を根本から押さえ直す、という意味で使われるようになったとされています。
「抑揚」の意味は?
「抑揚(よくよう)」は、声や音の高低・強弱の変化のことです。「抑」は下げる・低くする、「揚」は上げる・高くすることを表し、話し方や演奏における起伏を意味します。