助詞の「は」は「わ」と発音しますが、「は」と書きます。一方、単語の中の「わ」はそのまま「わ」と書きます。「こんにちは」は「今日は〜」の省略形なので「は」が正しく、「こんにちわ」は間違いです。「食うわ飲むわ」のように文末につく終助詞は「わ」と書きます。
| 項目 | は | わ |
|---|---|---|
| 発音 | 同じ(「わ」と発音) | |
| 役割 | 助詞(くっつき言葉) | 単語の一部・終助詞 |
| 位置 | 言葉と言葉の間 | 単語の中・文末 |
| 例 | 私は、こんにちは | わたし、いいわ |
「は」と「わ」の基本ルール
「は」と「わ」の使い分けは、次の2つのルールで判断できます。
ルール①:単語の中は「わ」
単語の中にある「わ」の音は、そのまま「わ」と書きます。
- わたし(私)
- わに(鰐)
- こわい(怖い)
- かわいい
- さわる(触る)
ルール②:言葉をつなぐ助詞は「は」
言葉と言葉をつなぐ助詞は、「わ」と発音しても「は」と書きます。
- 私は学生です。
- 今日は暑い。
- これは本です。
「こんにちは」が「は」である理由
「こんにちは」を「こんにちわ」と書く人がいますが、正しくは「こんにちは」です。
「こんにちは」は、もともと「今日は良いお天気ですね」「今日はご機嫌いかがですか」などの挨拶文が省略されたものです。「今日は〜」の「は」は助詞なので、「は」と書きます。
同様に「こんばんは」も「今晩は〜」の省略形なので、「は」が正しい表記です。
「わ」を使う場合
単語の中の「わ」
単語の一部として使われる「わ」は、そのまま「わ」と書きます。
- わたし、わに、わさび
- こわい、かわいい、さわる
- おわり、かわ(川・皮)
終助詞の「わ」
文末につけて感情を表す終助詞は「わ」と書きます。
- 食うわ飲むわで大変だった。
- いいわ。
- 知らないわ。
- 嫌いわ。
これらの「わ」は、文末に感情や詠嘆を添える終助詞であり、助詞の「は」とは異なります。
間違いやすいケース
よくある間違い
- こんにちわ → こんにちは
- こんばんわ → こんばんは
- 私わ → 私は
- これわ → これは
正しく「わ」を使う例
- わたし(私)
- 食うわ飲むわ(終助詞)
- いいわ(終助詞)
「いまわの際」は例外
「いまわの際(きわ)」は、語源的には「今は(これまで)」から来ていますが、現代仮名遣いでは例外的に「いまわ」と書きます。
文化庁の「現代仮名遣い」では、「こんにちは」は「は」、「いまわの際」は「わ」と例示されています。
語源・由来
平安時代、「は行」の文字は語頭では「ハ・ヒ・フ・ヘ・ホ」、語中では「ワ・イ・ウ・エ・オ」と発音されていました。つまり、「母」は「ファファ」から「ハワ」を経て「ハハ」に変化したのです。
この発音の変化により、「は」と「わ」の表記が混乱するようになりました。1946年の「現代かなづかい」で整理され、現在のルールが定められました。
助詞の「は」「へ」「を」は使用頻度が高く、発音通り「わ」「え」「お」に変えると混乱が大きいため、表記はそのまま残されました。
子どもへの教え方
子どもに「は」と「わ」の使い分けを教えるときは、「くっつき言葉」という考え方が有効です。
教え方のポイント
- 単語の中は「わ」:「わたし」「かわいい」など
- 言葉をくっつけるときは「は」:「私は」「これは」など
「言葉と言葉をくっつける役割をするときは『は』を使う」と教えると、理解しやすくなります。
よくある質問
「こんにちは」と「こんにちわ」どちらが正しい?
「こんにちは」が正しいです。「今日は〜」の省略形で、「は」は助詞なので「は」と書きます。「こんにちわ」は間違いです。
「食うわ飲むわ」の「わ」はなぜ「は」ではないの?
この「わ」は文末につける終助詞で、言葉をつなぐ助詞「は」とは別物です。感情や詠嘆を表す終助詞なので「わ」と書きます。
なぜ「は」を「わ」と発音するの?
平安時代の発音の変化が原因です。かつて語中の「は」は「わ」と発音されるようになり、その発音が現代まで残っています。表記は歴史的経緯から「は」のままになりました。
「へ」と「え」、「を」と「お」も同じルール?
はい、同じルールです。助詞の「へ」「を」は「え」「お」と発音しますが、「へ」「を」と書きます。単語の中は発音通り「え」「お」と書きます。