現代仮名遣いでは「ずつ」が正しい表記です。「づつ」は歴史的仮名遣い(旧仮名遣い)ですが、1986年の改定で許容されるようになりました。教科書・新聞・公文書では「ずつ」を使い、個人的な文書では「づつ」を使っても間違いではありません。迷ったら「ずつ」を使えば問題ありません。
| 項目 | ずつ | づつ |
|---|---|---|
| 意味 | 同じ(等分に割り当てる・一定量を繰り返す) | |
| 仮名遣い | 現代仮名遣い | 歴史的仮名遣い |
| 正式な場面 | 使用可 | 避けるべき |
| 個人的な文書 | 使用可 | 使用可(許容) |
| 漢字表記 | 宛 | |
| 例 | 少しずつ、一人ずつ | 少しづつ、一人づつ |
「ずつ」と「づつ」は同じ意味
「ずつ」と「づつ」は書き方が違うだけで、意味と発音は全く同じです。以下のような意味があります。
主な意味・用法
- 等分に割り当てる:一人ずつ配る、3個ずつ分ける
- 一定量を繰り返す:一歩ずつ進む、少しずつ増える
漢字では「宛」と書きます。「一人宛」「三個宛」のように使いますが、主に法的な書類や契約書で見られる表記です。
「ずつ」が正しい理由
「ずつ」が正しいとされるのは、1946年(昭和21年)に制定された「現代かなづかい」で定められたからです。
仮名遣いの歴史
- 終戦前まで:「づつ」が一般的(歴史的仮名遣い)
- 1946年(昭和21年):「現代かなづかい」制定、「ずつ」が正しいとされる
- 1986年(昭和61年):「現代仮名遣い」改定、「づつ」も許容される
1946年の制定では、従来の仮名遣いが複雑で使用上の困難が大きかったため、現代の発音に基づいて整理されました。「ちょうちょ」を「てふてふ」、「今日」を「けふ」と書いていたものが、発音通りに改められたのと同じ流れです。
「づつ」も許容されている
1986年の「現代仮名遣い」改定では、歴史的仮名遣いを使う方々や、歴史的な文献への配慮から、「づつ」も許容されるようになりました。
文化庁の「現代仮名遣い」には、以下のように記載されています。
「現代語の意識では一般に二語に分解しにくいもの等として、それぞれ『じ』『ず』を用いて書くことを本則とし、『ぢ』『づ』を用いて書くこともできるものとする」
つまり、「ずつ」が基本だが、「づつ」も使ってよいということです。
場面による使い分け
「ずつ」を使う場面
- 教科書
- 新聞・雑誌
- 公文書
- ビジネス文書
- 履歴書・エントリーシート
- 試験の解答
NHKなど公共放送でも「ずつ」が使用されています。正式な場面では「ずつ」を使うのが無難です。
「づつ」を使ってもよい場面
- 個人的な手紙・メモ
- SNS・ブログ
- 創作・文学作品(意図的に使う場合)
個人的な文書であれば「づつ」を使っても間違いではありません。ただし、現代仮名遣いの中に一部だけ歴史的仮名遣いが混ざると違和感を与える可能性があります。
語源・由来
「ずつ(づつ)」の語源は、「一つ」「二つ」などの「つ」が重なって「つつ」となり、連濁して「づつ」に変化したものとされています。
歴史的仮名遣いでは「づつ」と書かれていましたが、現代仮名遣いでは「一語として認識される言葉」は「ず」で書くことになったため、「ずつ」に改められました。
覚え方のポイント
「ずつ」と「づつ」で迷ったときの覚え方をいくつか紹介します。
覚え方1:二語に分解できるかどうか
現代仮名遣いでは、二語に分解できない言葉には「ず」を使うのが原則です。「ずつ」は「ず」と「つ」に分解しても意味をなさないので、「ず」を使います。
覚え方2:画数の多い方
「ず」は4画、「づ」は3画です。画数の多い「ず」が正しいと覚える方法もあります。
覚え方3:五十音順で先に来る方
「す」は「つ」より五十音順で先に来ます。先に来る「す」に濁点をつけた「ず」が正しいと覚える方法です。
よくある質問
「少しずつ」と「少しづつ」どちらが正しい?
現代仮名遣いでは「少しずつ」が正しい表記です。ただし「少しづつ」も許容されており、個人的な文書では使っても間違いではありません。
テストや履歴書ではどちらを書くべき?
「ずつ」を書いてください。教育現場や公式な場面では、現代仮名遣いの本則である「ずつ」が正解とされます。
「づつ」は間違いなの?
間違いではありません。1986年の「現代仮名遣い」改定で許容されています。ただし「ずつ」が本則(基本)なので、公式な場面では「ずつ」を使う方が無難です。
なぜ「づつ」から「ずつ」に変わったの?
1946年に現代かなづかいが制定され、発音と表記を一致させる方針で整理されたためです。「てふてふ→ちょうちょ」と同じ流れで、「づつ→ずつ」に改められました。