「製品」は原料を加工して作った物で、メーカー(生産者)視点の言葉。「商品」は販売を目的とした物で、販売者・消費者視点の言葉。「品物」は物全般を指す日常的な言葉で、製品や商品を含む広い概念です。同じ物でも、工場にあれば「製品」、店頭に並べば「商品」と呼び方が変わります。
| 項目 | 製品 | 商品 | 品物 |
|---|---|---|---|
| 基本的な意味 | 原料を加工して作った物 | 販売目的で所有する物 | 物全般 |
| 視点 | メーカー(生産者) | 販売者・消費者 | 一般的・日常的 |
| 会計上の扱い | 製造原価 | 仕入原価 | - |
| サービスを含む | |||
| 英語 | product | goods, merchandise | item, article |
| 使用場面 | 製造業、技術報告書 | 小売業、マーケティング | 日常会話 |
「製品」の意味と使い方
「製品」は原料を加工して作った物を意味します。「製」には「つくる」という意味があり、工場や生産施設で製造された完成品を指します。
製品はメーカー(生産者)の視点から見た言葉で、技術や品質に焦点を当てた表現です。自動車メーカーが「当社の製品」と言うとき、それは自社で製造した車を指しています。
会計上、製品は製造原価として扱われます。原材料費、人件費、製造経費などを含めて原価計算を行います。製造業では「製品」「半製品」「仕掛品」「原材料」などの勘定科目が使われます。
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「商品」の意味と使い方
「商品」は販売を目的とした物を意味します。「商」には「あきない(商売)」という意味があり、売買の対象となる品物を指します。
商品は販売者・消費者の視点から見た言葉で、市場価値や販売に焦点を当てた表現です。同じテレビでも、メーカーにあるときは「製品」、電気店に並んでいるときは「商品」になります。
重要なポイントとして、商品には形のないサービスも含まれます。旅行ツアー、保険、美容院のメニューなど、顧客に提供される価値全般が「商品」です。
会計上、商品は仕入原価として扱われます。小売業や卸売業など、加工せずにそのまま販売する業種では「商品」という勘定科目を使います。
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「品物」の意味と使い方
「品物」は人が使ったり食べたりする物全般を指す日常的な言葉です。製品や商品を含む、より広い概念です。
「品物」はビジネス用語ではなく日常語であり、会計上の定義はありません。「商品」や「製品」のような専門的なニュアンスがないため、気軽に使える表現です。
ただし、ビジネス文書やフォーマルな場面では「商品」や「製品」を使う方が適切です。「品物」はややカジュアルな印象を与えます。
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語源・由来
「製品」の「製」は「衣」と「制」を組み合わせた漢字で、もともと「衣服を裁断して作る」という意味でした。そこから「材料を加工して物を作る」という意味に広がりました。「製造」「製作」「製本」など、物を作る行為を表す熟語に使われています。
「商品」の「商」は、古代中国の「商(殷)」王朝の人々が商売を得意としていたことに由来するとされています。そこから「あきない」「売買」という意味になりました。「商売」「商店」「商談」など、ビジネスに関する熟語に使われています。
「品物」の「品」は、器が3つ並んだ形を表す象形文字で、「多くの物」という意味があります。「物」と合わせて、広く物全般を指す言葉として使われています。
ビジネスでの使い分け
ビジネスシーンでは、場面に応じて適切な言葉を選ぶことが重要です。
「製品」を使う場面
- 製造業の技術報告書や品質管理の文書
- メーカーが自社で製造した物について話すとき
- 開発段階や製造段階の物を指すとき
- 技術力や品質を強調したいとき
「商品」を使う場面
- 販売計画書やマーケティング資料
- 小売店やECサイトで販売する物について話すとき
- 顧客向けの説明やプレゼンテーション
- サービスを含む提供物全般を指すとき
「品物」を使う場面
- 日常会話やカジュアルな場面
- 贈り物や買い物について話すとき
- フォーマルさを求められない場面
会計上の違い
簿記・会計の分野では、「製品」と「商品」は明確に区別されます。
| 項目 | 製品 | 商品 |
|---|---|---|
| 定義 | 自社で製造した物 | 仕入れて販売する物 |
| 原価の種類 | 製造原価 | 仕入原価 |
| 主な業種 | 製造業 | 小売業、卸売業 |
| 棚卸資産の分類 | 製品、半製品、仕掛品 | 商品 |
例えば、電機メーカーが自社工場で作ったテレビは「製品」として製造原価で計上します。一方、電気店がメーカーから仕入れたテレビは「商品」として仕入原価で計上します。同じテレビでも、立場によって会計上の扱いが異なるのです。
よくある質問
同じ物なのに「製品」と「商品」で呼び方が変わるのはなぜ?
視点や流通段階によって呼び方が変わります。工場で製造された直後は「製品」、店頭に並んで販売可能な状態になると「商品」です。メーカーが話すときは「製品」、販売店や消費者が話すときは「商品」を使うのが自然です。
サービスは「製品」「商品」どちらで呼ぶ?
サービスは「商品」と呼びます。「製品」は原料を加工して作った物を指すため、形のないサービスには使いません。旅行ツアーや保険、美容院のメニューなどは「商品」として扱われます。
「新製品」と「新商品」はどう使い分ける?
メーカーが開発・製造した新しい物を発表するときは「新製品」、販売店が新しく取り扱う物や消費者向けに紹介するときは「新商品」を使います。技術力をアピールしたいなら「新製品」、購買意欲を刺激したいなら「新商品」が適切です。
英語では「製品」と「商品」をどう区別する?
「製品」は「product」、「商品」は「goods」や「merchandise」と訳すのが一般的です。ただし、英語でも文脈によって使い分けがあり、製造業では「product」、小売業では「merchandise」がよく使われます。
「品物」はビジネス文書で使ってもいい?
フォーマルなビジネス文書では「商品」や「製品」を使う方が適切です。「品物」はややカジュアルな印象があるため、契約書や公式文書には向きません。日常会話や社内のくだけた場面では問題なく使えます。