「○○弱」は○○より少し小さい(少ない)という意味、「○○強」は○○より少し大きい(多い)という意味です。「1時間弱」は約50〜55分、「1時間強」は約65〜70分を表します。「弱=少しオーバー」と勘違いしている人が多いので注意が必要です。
| 項目 | ○○弱 | ○○強 |
|---|---|---|
| 意味 | ○○より少し小さい・少ない | ○○より少し大きい・多い |
| 端数の処理 | 切り上げた結果 | 切り捨てた結果 |
| 1時間の場合 | 約50〜55分 | 約65〜70分 |
| 100人の場合 | 約95〜99人 | 約101〜105人 |
| 1万円の場合 | 約9,500〜9,900円 | 約10,100〜10,500円 |
「○○弱」の意味と使い方
「○○弱」は、○○より少し小さい数・少ない量を表す表現です。端数を切り上げたときに使います。
たとえば「1時間弱」は、実際には1時間に少し足りない時間、つまり50分〜55分程度を指します。「100人弱」なら95〜99人程度、「1万円弱」なら9,500〜9,900円程度という意味です。
辞書では「ある数の端数を切り上げたとき、示す数よりは少し不足があることを表す」と説明されています。
- ここから駅まで歩いて10分弱です。(8〜9分程度)
- 参加者は100人弱だった。(95〜99人程度)
- この作業は1時間弱で終わります。(50〜55分程度)
「○○強」の意味と使い方
「○○強」は、○○より少し大きい数・多い量を表す表現です。端数を切り捨てたときに使います。
たとえば「1時間強」は、実際には1時間を少し超える時間、つまり65分〜70分程度を指します。「100人強」なら101〜105人程度、「1万円強」なら10,100〜10,500円程度という意味です。
辞書では「ある数の端数を切り捨てたとき、示す数字よりは少し余りがあることを表す」と説明されています。
- 会場までは電車で1時間強かかる。(65〜70分程度)
- 来場者数は1,000人強だった。(1,010〜1,050人程度)
- 予算は10万円強を見込んでいます。(10.1〜10.5万円程度)
語源・由来
「弱」と「強」は、数量を表す語につけて「少し足りない」「少し超える」を表す接尾語として使われています。
「弱」の由来
「弱」は本来「力が弱い」「勢いが弱い」という意味の漢字です。数量表現では「示した数値に対して弱い=届いていない」というニュアンスで使われます。つまり、その数値に「少し足りない」ことを表します。
「強」の由来
「強」は本来「力が強い」「勢いが強い」という意味の漢字です。数量表現では「示した数値に対して強い=超えている」というニュアンスで使われます。つまり、その数値を「少し超えている」ことを表します。
よくある勘違い
「○○弱」と「○○強」は、非常に勘違いされやすい表現です。
勘違いのパターン
多くの人が「1時間弱」を「1時間+少し」(約65〜70分)と勘違いしています。これは「弱」を「少しだけオーバー」、「強」を「大きくオーバー」と誤解しているためです。
- 1時間弱 = 1時間+少し(65〜70分)← 間違い
- 1時間弱 = 1時間−少し(50〜55分)← 正しい
調査データ
NHK放送文化研究所の調査によると、「1時間弱」を「1時間より長い」と勘違いしている人の割合は以下の通りです。
- 10代:43%
- 20代:28%
- 30代:18%
また、2021年のねとらぼ調査隊の調査では、約4人に1人が「1時間弱」を「約70分」の意味で使っていることが分かりました。
ビジネスでは要注意
この勘違いが原因で、仕事の納期や待ち合わせ時間などで認識のズレが生じる可能性があります。重要な場面では「約50分」「約70分」のように具体的な数字で伝える方が安全です。
震度の「弱・強」は別の意味
地震の震度で使われる「震度5弱」「震度5強」などの「弱・強」は、数量表現の「○○弱」「○○強」とは意味が異なります。
震度の「弱・強」の仕組み
気象庁の震度階級では、震度5と震度6がそれぞれ「弱」と「強」に細分化されています。これは計測震度の範囲を表しています。
- 震度5弱:計測震度 4.5以上〜5.0未満
- 震度5強:計測震度 5.0以上〜5.5未満
- 震度6弱:計測震度 5.5以上〜6.0未満
- 震度6強:計測震度 6.0以上〜6.5未満
混同に注意
震度の場合、「震度5弱」は「震度5より少し弱い」という意味ではなく、「震度5の中で弱い方の範囲」という意味です。数量表現の「○○弱」とは考え方が異なるので、混同しないように注意しましょう。
よくある質問
「1時間弱」は1時間より長い?短い?
1時間より短いです。「1時間弱」は約50〜55分を指します。「弱」は「少し足りない」という意味なので、1時間に少し足りない時間を表します。
「○○弱」「○○強」の範囲はどこまで?
明確な基準はありません。一般的には「少し」の範囲なので、1時間に対して5〜10分程度と考える人が多いですが、人によって解釈が異なります。重要な場面では具体的な数字で伝えましょう。
「約」「およそ」との違いは?
「約」「およそ」は大きくても小さくてもどちらでも使えますが、「弱」「強」は方向が決まっています。「弱」は必ず小さい側、「強」は必ず大きい側を指すので、より正確な表現と言えます。
ビジネスで「○○弱」「○○強」を使っていい?
使えますが、勘違いしている人が多いため注意が必要です。納期や金額など重要な情報は「約50分」「10万1000円」のように具体的に伝える方が誤解を防げます。