目次
  1. 「内定」の意味と使い方
  2. 「内々定」の意味と使い方
  3. 語源・由来
  4. 法律上の定義
  5. よくある質問
結論

「内定」は労働契が成立した状態を指し、「内々定」は正式な内定の前段階で、採用予定を伝える口約束のようなものです。内々定は10月1日より前に出され、10月1日以降に正式な内定となるのが一般的です。法的には、内定は契約成立、内々定は契約未成立という違いがあります。

内定

ないてい
労働契約が成立した状態
法的拘束力あり

内々定

ないないてい
採用予定の通知
原則として法的拘束力なし
項目 内定 内々定
基本的な意味 採用が正式に決まった状態 採用予定を事前に伝えること
法的性質 始期付解約権留保付労働契約 契約未成立(口約束)
通知時期 10月1日以降 10月1日より前
通知方法 内定通知書などの書面 電話・メールが多い
法的拘束力 あり(取り消しは解雇と同等) 原則なし

「内定」の意味と使い方

「内定」と、企業と求職者の間で正式な労働契約が成立した状態を指します。法律上は「始期付解約権留保付労働契約」と呼ばれ、入社日を始期として、一定の取消事由がある場合に限り解約できる契約です。

新卒採用では、政府の要請により「正式な内定日は10月1日以降」とされています。10月1日前後に内定式が行われ、内定通知書の交付と内定承諾書の提出によって契約が成立するのが一般的です。

「内定」は就職活動だけでなく、人事や方針が非公式に決まった状態を表す場面でも使われます。「閣僚人事が内定した」「次期社長が内定した」のように、正式発表前に決定している状態を指します。

「内定」を使った例文
  • 第一志望の企業から内定をいただきました。
  • A社は今年、新卒50名に内定を出した。
  • 次期部長の人事が内定したらしい。

「内々定」の意味と使い方

「内々定」とは、正式な内定を出す前の段階で、企業が求職者に採用の意思を伝えることです。「10月に内定を出します」という口約束のようなものとイメージするとわかりやすいでしょう。

政府の要請で「正式な内定は10月1日以降」とされているため、それより前に採用が決まった場合は「内々定」という形で通知されます。書面を交わすケースは少なく、最終面接後に電話やメールで伝えられることが多いです。

法的には、内々定の段階ではまだ労働契約は成立していないと解されています。ただし、企業の対応によっては、内々定でも労働契約が成立したと判断される場合があります。

「内々定」を使った例文
  • 最終面接の翌日、内々定の連絡をいただいた。
  • その企業は6月から内々定を出し始めた。
  • 内々定の段階では、まだ正式な契約は成立していない。

語源・由来

「内定」の「内」は「内々に」「非公式に」という意味で、「定」は「決まる」を意味します。つまり「内定」は「正式発表の前に、内々に決まっている」という状態を表す言葉です。

もともと「内定」は政治や行政の場面で使われていた言葉で、閣僚人事などが正式発表前に固まっている状態を指していました。これが就職活動の文脈でも使われるようになり、「採用が内々に決まった状態」を意味するようになりました。

「内々定」は「内定」の前段階を表すために生まれた造語です。「正式な内定は10月1日以降」というルールができたことで、それ以前の採用意思の通知を区別する必要が生じ、「内々定」という言葉が広まりました。

法律上の定義

「内定」と「内々定」の最も重要な違いは、労働契約が成立しているかどうかです。

「内定」は、1979年の最高裁判決(大日本印刷事件)で「始期付解約権留保付労働契約」と定義されました。これは、入社日(就労の始期)が決まっており、一定の取消事由がある場合に限り企業が契約を解除できるという契約形態です。内定が出た段階で労働契約が成立しているため、企業による内定取り消しは「解雇」と同等の扱いになります。

一方「内々定」は、一般的に労働契約が成立していないと解されています。そのため、原則として企業も求職者も自由に取り消し・辞退ができます。ただし、企業が採用を確約して他社への就職活動を禁じていた場合などは、内々定でも労働契約が成立したと判断される可能性があります。

よくある質問

Q
「内定をいただいた」と「内定をもらった」どちらが正しい?
A
どちらも正しい表現です。ただし、「いただいた」の方が丁寧な表現のため、ビジネスシーンや目上の人に報告する場面では「内定をいただいた」を使うのが一般的です。
Q
「内定」と「採用」の違いは?
A
「内定」は入社前の労働契約が成立した状態、「採用」は実際に入社して雇用関係が始まった状態を指します。内定者は「入社予定者」であり、入社日を迎えて初めて正式に「採用」となります。
Q
「内定取り消し」と「内定辞退」の違いは?
A
「内定取り消し」は企業側が内定を取り消すこと、「内定辞退」は求職者側が内定を断ることです。主語が企業か求職者かという違いがあります。
Q
「内々定」はなぜ「内定」と言わないの?
A
政府の要請で「正式な内定日は10月1日以降」とされているため、それより前に採用の意思を伝える場合は「内々定」と呼んで区別しています。10月1日以降に正式な「内定」となります。