目次
  1. 「ウイルス」の意味と特徴
  2. 「細菌」の意味と特徴
  3. 「バイ菌」の意味と特徴
  4. 抗生物質が効くのはどっち?
  5. 大きさの違い
  6. よくある質問
結論

「ウイルス」は細胞を持たない非生物で、他の生物の細胞に寄生して増殖します(抗生物質効かない)。「細菌」は単細胞の生物で、自分で増殖できます(抗生物質が効く)。「バイ菌」は科学用語ではなく、ウイルス・細菌・カビなど有害な微生物全般を指す俗称です。

ウイルス

ういるす
非生物(細胞なし)
抗生物質が効かない

細菌

さいきん
生物(単細胞)
抗生物質が効く

バイ菌

ばいきん
俗称(科学用語ではない)
有害な微生物の総称
項目 ウイルス 細菌 バイ菌
分類 非生物(生物と物質の中間) 生物(単細胞生物) 俗称(科学用語ではない)
大きさ 20〜300nm(細菌の1/10〜1/100) 1〜10μm
細胞 なし あり
増殖方法 他の細胞に寄生して増殖 自分で分裂して増殖
抗生物質 効かない 効く
主な感染症 風邪、インフル、コロナ 食中毒、結核、膀胱炎

「ウイルス」の意味と特徴

「ウイルス」は、細胞を持たない非生物です。生物と非生物の中間的な存在とされ、自分だけでは増殖できません。

ウイルスの特徴

  • 構造:遺伝子(DNAまたはRNA)とそれを包むタンパク質の殻だけ
  • 大きさ:20〜300nm(ナノメートル)で、電子顕微鏡でしか見えない
  • 増殖方法:他の生物の細胞に入り込み、その細胞の仕組みを借りて増殖
  • 治療:抗生物質は効かない。一部に抗ウイルス薬がある

ウイルスが原因の主な感染症

  • 風邪(ライノウイルスなど)
  • インフルエンザ
  • 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)
  • ノロウイルス胃腸炎
  • 麻疹(はしか)、風疹
「ウイルス」を使った例文
  • 風邪の原因の多くはウイルスなので、抗生物質は効かない。
  • 新型コロナウイルスのワクチン接種が始まった。
  • ウイルスは細胞を持たないため、生物とは言い切れない。

「細菌」の意味と特徴

「細菌」は、単細胞の生物です。自分自身で栄養を取り込み、分裂して増殖できます。「バクテリア」とも呼ばれます。

細菌の特徴

  • 構造:細胞壁、細胞膜、細胞質、DNAなどを持つ完全な細胞
  • 大きさ:1〜10μm(マイクロメートル)で、光学顕微鏡で見える
  • 増殖方法:栄養と水があれば、自分で分裂して増殖できる
  • 治療:抗生物質(抗菌薬)が効く

細菌が原因の主な感染症

  • 食中毒(サルモネラ菌、O-157など)
  • 結核
  • 膀胱炎
  • 肺炎(細菌性)
  • 破傷風

なお、細菌にはヨーグルトを作る乳酸菌や、腸内環境を整える腸内細菌など、人間に有益なものも多くあります。

「細菌」を使った例文
  • 細菌による感染症には抗生物質が有効だ。
  • 腸内細菌のバランスが健康に影響する。
  • 細菌は自分で分裂して増殖できる生物だ。

「バイ菌」の意味と特徴

「バイ菌」は科学用語ではなく、日常で使われる俗称です。漢字では「黴菌」と書き、「黴(カビ)」の「バイ」と「菌」を組み合わせた言葉です。

バイ菌の特徴

  • 意味:人体に有害な微生物全般を指す俗称
  • 含まれるもの:ウイルス、細菌、カビ(真菌)など
  • 使用場面:日常会話や子ども向けの説明で使用
  • 科学的定義:なし(正式な学術用語ではない)

「手を洗ないとバイ菌がついているよ」のように、「汚いもの」「病気の原因になるもの」という意味で広く使われています。

「バイ菌」を使った例文
  • 外から帰ったらバイ菌を落とすために手を洗おう。
  • 傷口からバイ菌が入らないように消毒した。
  • バイ菌は科学用語ではなく、俗称である。

抗生物質が効くのはどっち?

風邪をひいたときに「抗生物質をください」と言う人がいますが、抗生物質(抗菌薬)はウイルスには効きません

抗生物質が効く理由・効かない理由

抗生物質は、細菌の細胞壁や細胞膜を攻撃して増殖を抑える薬です。細菌は細胞を持っているため、この攻撃が有効です。

一方、ウイルスは細胞を持っていないため、抗生物質が攻撃する「ターゲット」がありません。そのため、ウイルスには抗生物質が効かないのです。

薬の種類 ウイルス 細菌
抗生物質(抗菌薬) (効かない) (効く)
抗ウイルス薬 (一部に効く) (効かない)
ワクチン (予防に有効) (予防に有効)

風邪に抗生物質は不要

風邪の原因の80〜90%はウイルスです。そのため、風邪に抗生物質を飲んでも効果がありません。むしろ、不必要な抗生物質の使用は薬剤耐性菌を生み出す原因になるため、医師の判断なしに使用するのは避けましょう。

大きさの違い

ウイルスと細菌は大きさが全く違います。

  • 細菌:1〜10μm(マイクロメートル)→ 光学顕微鏡で見える
  • ウイルス:20〜300nm(ナノメートル)→ 電子顕微鏡でしか見えない

ウイルスは細菌の約1/10〜1/100の大きさしかありません。野口英世が黄熱病の病原体を発見できなかったのは、原因がウイルスだったため、当時の光学顕微鏡では見えなかったからです。

大きさのイメージ

  • 人間の細胞:約10〜30μm
  • 細菌:約1〜10μm(人間の細胞の1/10程度)
  • ウイルス:約20〜300nm(細菌のさらに1/10〜1/100)

よくある質問

Q
風邪に抗生物質は効く?
A
風邪の原因の80〜90%はウイルスなので、抗生物質は効きません。抗生物質は細菌にしか効かないため、ウイルス性の風邪には無効です。医師の判断で細菌感染が疑われる場合のみ処方されます。
Q
ウイルスは生物?
A
ウイルスは「生物と非生物の中間的な存在」とされています。細胞を持たず、自分だけでは増殖できないため、一般的には生物とは言えません。ただし、遺伝子を持ち、進化することから、完全な非生物とも言い切れません。
Q
「バイ菌」の「バイ」は何?
A
「バイ菌」は漢字で「黴菌」と書きます。「黴」は「カビ」を意味し、音読みで「バイ」と読みます。カビや細菌など、有害な微生物を総称して「黴菌(バイキン)」と呼ぶようになりました。
Q
インフルエンザに抗生物質は効く?
A
効きません。インフルエンザはウイルスが原因なので、抗生物質は無効です。インフルエンザにはタミフルやリレンザなどの抗ウイルス薬が使われます。
Q
新型コロナウイルスは細菌?ウイルス?
A
名前のとおり「ウイルス」です。そのため、抗生物質は効きません。治療には抗ウイルス薬(レムデシビルなど)が使用されます。予防にはワクチン接種が有効です。