「収める」は中に入れる・良い結果を得る、「納める」は渡すべき相手に届ける・終わりにする、「治める」は統治する・乱れを鎮める、「修める」は学問を身につけるという意味です。迷ったら熟語を思い浮かべると使い分けやすくなります。
| 項目 | 収める | 納める | 治める | 修める |
|---|---|---|---|---|
| 基本的な意味 | 中に入れる | 届けて渡す | 統治する | 学んで身につける |
| イメージ | 自分の側に取り込む | 相手の側に届ける | 乱れを整える | 自分を磨く |
| 代表的な熟語 | 収入、収穫、収集 | 納税、納品、納得 | 政治、統治、治安 | 修行、修業、修学 |
| 使用例 | 勝利を収める | 税金を納める | 国を治める | 学業を修める |
「収める」の意味と使い方
「収める」は一定の範囲の中にきちんと入れること、または良い結果を自分のものにすることを表します。
「収入」「収穫」「収集」などの熟語からわかるように、何かを自分の側に取り込むイメージがあります。「勝利を収める」「成功を収める」のように、良い結果を手に入れるときにも使います。
また、「争いが収まる」「丸く収める」のように、混乱した事態を落ち着かせる・解決するという意味でも使われます。
- 大切な書類を金庫に収めた。
- 彼はオリンピックで金メダルを収めた。
- 新製品は大きな成功を収めた。
- この騒動を丸く収める方法を考えよう。
- 写真に思い出を収める。
「納める」の意味と使い方
「納める」は渡すべき相手に届けて渡すこと、または終わりにすることを表します。
「納税」「納品」「納入」などの熟語からわかるように、相手の側に届けるイメージがあります。税金や会費、注文の品など、支払いや引き渡しの義務があるものに使われます。
また、「仕事納め」「見納め」「歌い納め」のように、何かを終わりにする・最後にするという意味でも使われます。
- 毎年きちんと税金を納めている。
- 注文の品を期日までに納めた。
- 今日で今年の仕事納めだ。
- 刀をさやに納める。
- 故人を棺に納めた。
「治める」の意味と使い方
「治める」は国や組織を統治すること、または乱れた状態を鎮めて安定させることを表します。
「政治」「統治」「自治」などの熟語からわかるように、権力や力で乱れを整えるイメージがあります。国家の統治から、痛みや怒りを鎮めることまで幅広く使われます。
なお、「治める」と「収める」はどちらも「騒ぎをおさめる」のように使えますが、「治める」は権力で鎮圧するニュアンス、「収める」は穏やかに解決するニュアンスがあります。
- 王は長年この国を治めた。
- 乱世を治めるのは容易ではない。
- 怒りを治めて冷静に話し合おう。
- 薬を飲んで痛みを治めた。
- ようやく天下が治まった。
「修める」の意味と使い方
「修める」は学問や技芸を学んで身につけること、または品行を正しくすることを表します。
「修行」「修業」「修学」などの熟語からわかるように、自分自身を磨いて成長させるイメージがあります。学校で学ぶことや、技術を習得すること、人格を磨くことなどに使われます。
「身を修める」は、品行を正しくして立派な人間になることを意味する慣用表現です。
- 大学で法律を修めた。
- 茶道を修めるために師匠に弟子入りした。
- 身を修めて立派な人間になりたい。
- 海外で語学を修めてきた。
- 武道を修めるには長い年月がかかる。
語源・由来
「収」は、旧字体では「收」と書き、「丩(きゅう)」と「攴(ぼく)」を組み合わせた形声文字です。縄をなうように巻きつけて締め上げる様子を表し、「すべてのものを収束する」という意味が生まれました。「収入」「収穫」など、取り集めて自分のものにするイメージです。
「納」は「糸」と「内」を組み合わせた形声文字です。糸を束ねて中に入れる様子を表し、「中に入れる」「届け入れる」という意味があります。「納税」「納品」など、相手に届けて渡すイメージです。
「治」は「水(さんずい)」と「台」を組み合わせた形声文字です。河川の氾濫を抑えて水を整えることを表し、「乱れを整えておさめる」という意味が生まれました。「政治」「治安」など、秩序を保つイメージです。
「修」は「攸(ゆう)」と「彡(さんづくり)」を組み合わせた会意文字です。人の背中に水を注いで禊(みそぎ)をし、心身を清めて美しく整える様子を表します。「修行」「修学」など、自分を磨くイメージです。
使い分けのポイント
4つの「おさめる」の使い分けに迷ったら、代表的な熟語を思い浮かべると判断しやすくなります。
- 「収」→「収入」「収穫」:自分の側に取り込むイメージ
- 「納」→「納税」「納品」:相手の側に届けるイメージ
- 「治」→「政治」「治安」:乱れを整えるイメージ
- 「修」→「修行」「修学」:自分を磨くイメージ
なお、「刀をさやにおさめる」「騒ぎをおさめる」のように、複数の漢字が使える場合もあります。厳密な決まりはなく、文脈によって使い分けることになります。
よくある質問
「成功をおさめる」はどの漢字?
「成功を収める」です。良い結果を自分のものにするという意味なので「収める」を使います。同様に「勝利を収める」「効果を収める」も「収」です。
「税金をおさめる」はどの漢字?
「税金を納める」です。渡すべき相手(国)に届けて渡すという意味なので「納める」を使います。「納税」という熟語を思い浮かべるとわかりやすいです。
「学業をおさめる」はどの漢字?
「学業を修める」です。学問を学んで身につけるという意味なので「修める」を使います。「修学旅行」の「修」と同じです。
「丸くおさめる」はどの漢字?
「丸く収める」または「丸く治める」のどちらも使われます。穏やかに解決するニュアンスなら「収める」、問題を鎮めるニュアンスなら「治める」が適切です。
「仕事おさめ」はどの漢字?
「仕事納め」です。終わりにする・最後にするという意味なので「納める」を使います。「見納め」「歌い納め」なども同様です。