「務める」は役目・任務を果たす場合、「勤める」は会社などに雇われて働く場合、「努める」は努力する・励む場合に使います。熟語で覚えると分かりやすく、「義務・職務」→務める、「通勤・勤務」→勤める、「努力」→努めるとなります。「司会を務める」「会社に勤める」「改善に努める」が正しい使い分けです。
| 項目 | 務める | 勤める | 努める |
|---|---|---|---|
| 基本的な意味 | 役目・任務を果たす | 会社などで働く | 努力する・励む |
| 代表的な熟語 | 義務、職務、任務 | 通勤、勤務、勤続 | 努力 |
| 対象 | 役割、役目、任務 | 会社、職場、組織 | 目標、改善、向上 |
| 使用例 | 司会を務める | 会社に勤める | 改善に努める |
「務める」の意味と使い方
「務める」は、役目や任務を引き受けて果たす場合に使います。与えられた役割を担うイメージです。
熟語で言えば「義務」「職務」「任務」「業務」「公務」の「務」です。
「務める」を使う主な対象
- 司会を務める
- 主役を務める
- 委員長を務める
- 議長を務める
- 幹事を務める
- 社長を務める
- 弁護を務める
「務める」は「○○を務める」という形で、役職や役割が目的語になることが多いです。一時的な役目から長期的な職務まで幅広く使えます。
- 結婚式で司会を務めることになった。
- 彼は創業者であり、現在も代表取締役を務めている。
- 息子が学芸会で主役を務めることになった。
- 今回の裁判で弁護人を務めさせていただきます。
「勤める」の意味と使い方
「勤める」は、会社や組織に雇われて働く場合に使います。通勤して働くイメージです。
熟語で言えば「通勤」「勤務」「勤続」「出勤」「勤労」の「勤」です。
「勤める」を使う主な対象
- 会社に勤める
- 銀行に勤める
- 病院に勤める
- 学校に勤める
- 役所に勤める
「勤める」は「○○に勤める」という形で、職場や組織が目的語になることが多いです。継続的に雇用されて働くことを表します。
- 私は都内のIT企業に勤めています。
- 父は銀行に30年勤めて定年退職した。
- 彼女は大学病院に勤める医師だ。
- どちらの会社にお勤めですか?
「努める」の意味と使い方
「努める」は、目標に向かって努力する、励む場合に使います。力を尽くして頑張るイメージです。
熟語で言えば「努力」の「努」です。
「努める」を使う主な対象
- 改善に努める
- 向上に努める
- 理解に努める
- 再発防止に努める
- 健康維持に努める
- 問題解決に努める
「努める」は「○○に努める」という形で、目標や取り組みが目的語になることが多いです。ビジネス文書やフォーマルな場面でよく使われます。
- 品質の向上に努めてまいります。
- 再発防止に努める所存です。
- 相互理解に努めることが大切だ。
- 健康維持に努めている。
「委員長をつとめる」はどの漢字?
「委員長をつとめる」は「務める」が正しいです。
委員長は役職・役目なので、役目を果たす意味の「務める」を使います。「委員長に勤める」「委員長に努める」とは言いません。
役職名 + を + 務める
- 委員長を務める
- 議長を務める
- 部長を務める
- リーダーを務める
- キャプテンを務める
役職や役割を担う場合は、すべて「務める」です。
助詞で見分ける使い分け
3つの「つとめる」は、前に来る助詞で使い分けを判断できます。
「を」+ つとめる → 務める
役目を務める、司会を務める、主役を務める
「に」+ つとめる(場所)→ 勤める
会社に勤める、銀行に勤める、病院に勤める
「に」+ つとめる(目標)→ 努める
改善に努める、向上に努める、理解に努める
「に」の場合は、場所なら「勤める」、目標なら「努める」と覚えましょう。
ビジネスでの使い分け
ビジネスシーンでは3つの「つとめる」がすべてよく使われます。
「務める」を使うビジネス表現
- プロジェクトリーダーを務める
- 本日の司会を務めさせていただきます
- 取締役を務める
- 責任者を務める
「勤める」を使うビジネス表現
- どちらにお勤めですか?
- 弊社に勤めて10年になります
- 前職では○○社に勤めておりました
「努める」を使うビジネス表現
- 品質向上に努めてまいります
- 再発防止に努める所存です
- お客様満足度の向上に努めます
- 迅速な対応に努めます
特に「努める」はビジネス文書の定型表現として頻出します。
熟語で覚える使い分け
3つの「つとめる」の使い分けは、熟語と結びつけて覚えるのが効果的です。
「務」を使う熟語 → 務める
- 義務(果たすべき役目)
- 職務(仕事上の役目)
- 任務(任された役目)
- 業務(仕事の内容)
- 公務(公の役目)
「勤」を使う熟語 → 勤める
- 通勤(職場に通う)
- 勤務(職場で働く)
- 勤続(続けて働く)
- 出勤(職場に出る)
- 勤労(労働する)
「努」を使う熟語 → 努める
- 努力(力を尽くす)
「勤務」という熟語がありますが、「勤」は場所、「務」は役目と覚えておくと混同しません。
よくある質問
「社長をつとめる」はどの漢字?
「社長を務める」が正しいです。社長は役職なので、役目を果たす意味の「務める」を使います。「彼は10年間社長を務めた」のように使います。
「銀行につとめる」はどの漢字?
「銀行に勤める」が正しいです。銀行という組織で雇われて働くことを表すので「勤める」を使います。「通勤」の「勤」と覚えましょう。
「問題解決につとめる」はどの漢字?
「問題解決に努める」が正しいです。目標に向かって努力するという意味なので「努める」を使います。「努力」の「努」と覚えましょう。
「お勤め先」の「勤」はなぜ?
「お勤め先」は「働いている場所」という意味なので「勤」を使います。「どちらにお勤めですか?」は相手の職場を尋ねる丁寧な表現です。
「勉める」という漢字もある?
「勉める」も「つとめる」と読み、「努める」とほぼ同じ意味です。ただし現代ではあまり使われず、「努める」を使うのが一般的です。