「上る」は下から上へ移動する全般に使える基本的な表記です。「登る」は山や木など努力して高い所へ移動する場合、「昇る」は太陽や月が空高く上がる場合に使います。熟語で覚えると分かりやすく、「登山・登頂」→登る、「昇天・上昇」→昇る、「上り下り」→上るとなります。迷ったときは「上る」を使えば間違いありません。
| 項目 | 上る | 登る | 昇る |
|---|---|---|---|
| 基本的な意味 | 下から上へ移動する | 努力して高所へ移動 | 空中を高く上がる |
| ニュアンス | 一般的・中立的 | 労力・意志を伴う | 自然に・垂直に上がる |
| 対義語 | 下る・下りる | 下りる・降りる | 沈む・降りる |
| 代表的な熟語 | 上り下り、川上 | 登山、登頂、登板 | 昇天、上昇、昇進 |
| 使用例 | 階段を上る、坂を上る | 山に登る、木に登る | 日が昇る、煙が昇る |
「上る」の意味と使い方
「上る」は、下から上へ移動すること全般に使える最も基本的な表記です。緩やかに高度を上げていく場合や、物理的な移動以外の意味でも幅広く使えます。
「上る」が使われる主な場面は以下の通りです。
1. 緩やかな場所を移動する
階段・坂道・斜面など、比較的緩やかな場所を上に移動する場合。
例:階段を上る、坂を上る
2. 川を遡る
川の下流から上流へ向かって進む場合。
例:川を上る、鮭が川を上る
3. 地方から都へ行く
地方から中央・都会へ向かう場合。「上り列車」「お上りさん」もこの意味。
例:京へ上る、上り列車
4. 話題になる・取り上げられる
何かが話題として現れる場合。
例:話題に上る、食卓に上る、日程に上る
5. 数量が達する
数や金額が相当な量に達する場合。
例:被害額は1億円に上る、来場者数は1万人に上る
「登る」の意味と使い方
「登る」は、努力や労力を伴って高い所へ移動する場合に使います。手足を使ってよじのぼるイメージで、山や木、崖などが典型的な対象です。
「登る」が使われる主な場面は以下の通りです。
1. 山・崖をのぼる
登山や崖をよじのぼるなど、体を使って高い場所を目指す場合。
例:山に登る、崖を登る、頂上まで登る
2. 木・はしごをのぼる
手足を使ってよじのぼる場合。
例:木に登る、はしごを登る
3. 壇・舞台にのぼる
演説や競技のために高い場所に上がる場合。
例:演壇に登る、マウンドに登る
4. 勢いよく上がる
急激に上昇する様子を表す場合。
例:うなぎ登り、人気がうなぎ登り
「登る」は熟語で考えると覚えやすいです。「登山」「登頂」「登板」「登壇」など、「登」を使う熟語と結びつけて覚えましょう。
- 週末に高尾山に登る予定だ。
- 子どもが木に登って降りられなくなった。
- 選手がマウンドに登った。
- ロッククライミングで崖を登る。
- 彼の人気はうなぎ登りだ。
「昇る」の意味と使い方
「昇る」は、空中を高く上がる、垂直に上昇する場合に使います。太陽や月などの自然現象、煙や気球などが空へ上がる様子、エレベーターでの移動などが典型的です。
「昇る」が使われる主な場面は以下の通りです。
1. 太陽・月が空に上がる
天体が地平線から空高く上がる場合。
例:日が昇る、太陽が昇る、月が昇る
2. 煙・気球が空に上がる
空中を上方へ移動する場合。
例:煙が昇る、気球が昇る
3. エレベーター・エスカレーターで上がる
機械を使って垂直に上昇する場合。
例:エレベーターで昇る
4. 地位・位が上がる
社会的な地位や役職が上がる場合。
例:地位が昇る、位が昇る
5. 天に関する表現
天国や神聖な場所へ上がる場合。
例:天に昇る、天にも昇る気持ち
「昇る」も熟語で覚えるのがおすすめです。「昇天」「上昇」「昇進」「昇格」など、「昇」を使う熟語と結びつけましょう。
- 東の空から日が昇ってきた。
- 煙突から煙が昇っている。
- エレベーターで10階まで昇った。
- 合格発表を見て、天にも昇る気持ちだった。
- 彼は着実に地位を昇っていった。
「階段をのぼる」はどの漢字?
「階段をのぼる」は、状況によって使い分けるのが一般的です。
普通に階段を上がる場合 → 「階段を上る」
日常的にビルや駅の階段を上り下りする場合は「上る」を使います。
苦労して階段をのぼる場合 → 「階段を登る」
高層ビルの非常階段を息を切らしながらのぼる場合、重い荷物を持ってのぼる場合など、努力を伴う場合は「登る」も使えます。
エスカレーターで上がる場合 → 「昇る」
機械を使って垂直に上昇する場合は「昇る」が使えます。ただし、「上る」でも間違いではありません。
迷ったときは「階段を上る」を使えば間違いありません。新聞や公用文でも「上る」が一般的です。
熟語で覚える使い分け
「上る」「登る」「昇る」の使い分けは、熟語と結びつけて覚えるのが最も効果的です。
「登」を使う熟語 → 登る
- 登山(山に登る)
- 登頂(頂上に登る)
- 登板(マウンドに登る)
- 登壇(壇に登る)
- 登校(学校へ行く)
「昇」を使う熟語 → 昇る
- 昇天(天に昇る)
- 上昇(空中を昇る)
- 昇進(地位が昇る)
- 昇格(格が昇る)
- 昇降(昇ったり降りたり)
「上」を使う熟語 → 上る
- 上り下り(上ったり下りたり)
- 川上(川の上流)
- 上り列車(都会へ向かう列車)
- 値上がり(値段が上がる)
迷ったときは「上る」を使おう
「上る」「登る」「昇る」の使い分けに迷ったときは、「上る」を使えば間違いありません。
理由は以下の通りです。
- 「上る」は最も広い意味を持ち、ほとんどの場面で使える
- 新聞や公用文でも「上る」が基本とされている
- 「登る」「昇る」は「上る」で書き換え可能な場合が多い
ただし、以下の場合は漢字を使い分けた方が適切です。
- 山・木・崖をのぼる → 登る(登山のイメージ)
- 太陽・月がのぼる → 昇る(空高く上がるイメージ)
- 天にものぼる気持ち → 昇る(昇天のイメージ)
よくある質問
「坂をのぼる」は「上る」と「登る」どちら?
一般的には「坂を上る」を使います。緩やかな坂道を普通にのぼる場合は「上る」です。ただし、非常に急な坂を苦労してのぼる場合は「登る」を使うこともあります。
「エレベーターでのぼる」はどの漢字?
「エレベーターで昇る」が一般的です。機械を使って垂直に上昇する場合は「昇る」が適しています。「昇降機」という言葉も「昇る」と「降りる」の組み合わせです。
「太陽が登る」は間違い?
間違いです。太陽や月が空に上がる場合は「昇る」を使います。「日が昇る」「月が昇る」「太陽が昇る」が正しい表記です。「登る」は山や木など、努力してのぼる場合に使います。
「出世の階段をのぼる」はどの漢字?
「出世の階段を登る」が適切です。努力して地位を上げていくニュアンスがあるため「登る」を使います。一歩一歩踏みしめて高みを目指すイメージです。
「うなぎのぼり」はなぜ「登り」?
「うなぎ登り」は、うなぎが水中をまっすぐ上へ移動する様子から来た言葉です。勢いよく急激に上昇する様子を表し、「登る」を使います。「人気がうなぎ登り」のように使います。