「開ける」は閉じていたものを開く場合、「明ける」は時間・期間が終わって次に移る場合、「空ける」は中身をなくして空っぽにする場合に使います。対義語で覚えると分かりやすく、「開ける」⇔「閉める」、「明ける」⇔「暮れる」、「空ける」⇔「塞ぐ・満たす」となります。迷ったときは、ひらがなで「あける」と書けば間違いありません。
| 項目 | 開ける | 明ける | 空ける |
|---|---|---|---|
| 基本的な意味 | 閉じていたものを開く | 期間が終わり次へ移る | 中身をなくして空にする |
| 対義語 | 閉める・閉じる | 暮れる | 塞ぐ・満たす |
| 使用例 | ドアを開ける、店を開ける | 夜が明ける、年が明ける | 家を空ける、席を空ける |
「開ける」の意味と使い方
「開ける」は、閉じていたものを開いた状態にする場合に使います。対義語は「閉める」「閉じる」です。
「開ける」が使われる主な場面は以下の通りです。
1. 出入り口を開く
ドア・窓・門・蓋など、閉じていたものを開く場合。
例:ドアを開ける、窓を開ける、蓋を開ける
2. 体の部位を開く
目・口・手など、閉じていた体の部位を開く場合。
例:目を開ける、口を開ける
3. 鍵を解除する
錠前やロックを解除する場合。
例:鍵を開ける、金庫を開ける
4. 営業・活動を始める
店や施設の営業を開始する場合。
例:店を開ける、幕を開ける
5. 包みを開く
封筒や包装を開く場合。
例:手紙を開ける、プレゼントを開ける
- 暑いので窓を開けてください。
- 金庫の鍵を開けるのに手間取った。
- この店は朝9時から開けています。
- 大きく口を開けて歯を見せてください。
- 誕生日プレゼントを開けるのが楽しみだ。
「明ける」の意味と使い方
「明ける」は、ある期間・時間・状態が終わって、次の期間・状態に移る場合に使います。対義語は「暮れる」です。
「明ける」が使われる主な場面は以下の通りです。
1. 夜が終わり朝になる
夜が明けて明るくなる場合。
例:夜が明ける、夜明け
2. 年が改まる
新しい年になる場合。「明けましておめでとう」の「明け」です。
例:年が明ける、新年明けて
3. ある期間が終わる
梅雨・喪・年季などの期間が終わる場合。
例:梅雨が明ける、喪が明ける、シーズン明け
4. 内容がはっきりする
隠していたことを明らかにする場合。
例:秘密を打ち明ける、埒が明かない
- 夜が明けて、空が白んできた。
- 明けましておめでとうございます。
- 今年は梅雨明けが遅かった。
- 喪が明けてから旅行に行く予定だ。
- 友人に悩みを打ち明けた。
「空ける」の意味と使い方
「空ける」は、中身をなくして空っぽにする、その場所からいなくなる、隙間を作る場合に使います。対義語は「塞ぐ」「満たす」です。
「空ける」が使われる主な場面は以下の通りです。
1. 中身を空にする
容器の中身を出して空っぽにする場合。
例:箱を空ける、グラスを空ける(飲み干す)
2. その場所を離れる・留守にする
建物や場所から離れて不在にする場合。
例:家を空ける、席を空ける
3. 間隔・隙間を作る
距離や時間の間隔を取る場合。
例:間隔を空ける、時間を空ける、行間を空ける
4. 空き状態にする
空きスペースや空き時間を作る場合。
例:予定を空ける、部屋を空ける(退去する)
- 出張で1週間ほど家を空ける。
- ワインを1本空けて語り合った。
- 前の人との間隔を空けてください。
- 来週の午後は予定を空けておきます。
- 荷物を移動して棚を空けた。
「穴をあける」はどの漢字?
「穴をあける」は特に迷いやすい表現です。結論から言うと、場合によって異なります。
具体的な物に穴をあける場合 → 「穴を開ける」
- ドリルで壁に穴を開ける
- ベルトに穴を開ける
- 看板に穴を開ける
物理的に何かを貫通させたり、開口部を作ったりする場合は「開ける」を使います。
抽象的な表現の場合 → 「穴をあける」(ひらがな推奨)
- 舞台に穴をあける(出演者が欠ける)
- 予定に穴があく(スケジュールに空白ができる)
- 家計に穴をあける(赤字を出す)
新聞社の用字用語集(記者ハンドブック)では、抽象的な表現の場合はひらがなで「あける」と書くことを推奨しています。
迷いやすい表現の使い分け
日常でよく使う表現の正しい漢字をまとめました。
「店をあける」
- 開店する → 店を開ける
- 留守にする → 店を空ける
「目をあける」
- まぶたを開く → 目を開ける
- 目を覚ます → 目が明ける(古い表現)
「席をあける」
- 席から離れる → 席を空ける
「口をあける」
- 口を開く → 口を開ける
- 秘密を話す → 口を明ける(打ち明ける)※古い表現
「ワインをあける」
- 栓を抜く → ワインを開ける
- 飲み干す → ワインを空ける
迷ったときは「あける」(ひらがな)を使おう
「開ける」「明ける」「空ける」の使い分けに迷ったときは、ひらがなで「あける」と書けば間違いありません。
覚え方のコツは対義語で考えることです。
- 「閉める」の反対 → 開ける
- 「暮れる」の反対 → 明ける
- 「塞ぐ」「満たす」の反対 → 空ける
また、英語に置き換えてみるのも有効です。
- open → 開ける
- dawn / end → 明ける
- empty / vacate → 空ける
よくある質問
「家をあける」はどの漢字?
「家を空ける」が正しいです。留守にする、不在にするという意味で、建物から人がいなくなる状態を表します。「家を開ける」だと玄関のドアを開けるという意味になってしまいます。
「間隔をあける」はどの漢字?
「間隔を空ける」が正しいです。距離や時間に隙間を作る意味なので「空ける」を使います。コロナ禍で「ソーシャルディスタンスを空ける」という表現が広まりました。
「明けましておめでとう」はなぜ「明ける」?
年が改まる、新しい年になるという意味で「明ける」を使います。「夜が明ける」と同じように、古い期間が終わって新しい期間が始まるニュアンスです。
「瓶をあける」と「瓶を空ける」の違いは?
「瓶を開ける」は蓋や栓を開けること、「瓶を空ける」は中身を全部出して空っぽにすることです。「ワインを1本空けた」は飲み干したという意味になります。
「打ち明ける」はなぜ「明ける」?
「打ち明ける」の「明ける」は、隠れていたものを明らかにする、はっきりさせるという意味です。「明るみに出す」と同じ「明」の字を使い、秘密や本心を相手に伝えることを表します。