目次
  1. 「開ける」の意味と使い方
  2. 「明ける」の意味と使い方
  3. 「空ける」の意味と使い方
  4. 「穴をあける」はどの漢字?
  5. 迷いやすい表現の使い分け
  6. 迷ったときは「あける」(ひらがな)を使おう
  7. よくある質問
結論

「開ける」は閉ていたものを開く場合、「明ける」は時間・期間が終って次に移る場合、「空ける」は中身をなくして空っぽにする場合に使います。対義語で覚えると分かりやすく、「開ける」⇔「閉める」、「明ける」⇔「暮れる」、「空ける」⇔「塞ぐ・満たす」となります。迷ったときひらがなで「あける」と書けば間違いありません

開ける

あける
閉じていたものを開く
⇔ 閉める

明ける

あける
時間・期間が終わる
⇔ 暮れる

空ける

あける
中身をなくす・空にする
⇔ 塞ぐ・満たす
項目 開ける 明ける 空ける
基本的な意味 閉じていたものを開く 期間が終わり次へ移る 中身をなくして空にする
対義語 閉める・閉じる 暮れる 塞ぐ・満たす
使用例 ドアを開ける、店を開ける 夜が明ける、年が明ける 家を空ける、席を空ける

「開ける」の意味と使い方

「開ける」は、閉じていたものを開いた状態にする場合に使います。対義語は「閉める」「閉じる」です。

「開ける」が使われる主な場面は以下の通りです。

1. 出入り口を開く

ドア・窓・門・蓋など、閉じていたものを開く場合。

例:ドアを開ける、窓を開ける、蓋を開ける

2. 体の部位を開く

目・口・手など、閉じていた体の部位を開く場合。

例:目を開ける、口を開ける

3. 鍵を解除する

錠前やロックを解除する場合。

例:鍵を開ける、金庫を開ける

4. 営業・活動を始める

店や施設の営業を開始する場合。

例:店を開ける、幕を開ける

5. 包みを開く

封筒や包装を開く場合。

例:手紙を開ける、プレゼントを開ける

「開ける」を使った例文
  • 暑いので窓を開けてください。
  • 金庫の鍵を開けるのに手間取った。
  • この店は朝9時から開けています。
  • 大きく口を開けて歯を見せてください。
  • 誕生日プレゼントを開けるのが楽しみだ。

「明ける」の意味と使い方

「明ける」は、ある期間・時間・状態が終わって、次の期間・状態に移る場合に使います。対義語は「暮れる」です。

「明ける」が使われる主な場面は以下の通りです。

1. 夜が終わり朝になる

夜が明けて明るくなる場合。

例:夜が明ける、夜明け

2. 年が改まる

新しい年になる場合。「明けましておめでとう」の「明け」です。

例:年が明ける、新年明けて

3. ある期間が終わる

梅雨・喪・年季などの期間が終わる場合。

例:梅雨が明ける、喪が明ける、シーズン明け

4. 内容がはっきりする

隠していたことを明らかにする場合。

例:秘密を打ち明ける、埒が明かない

「明ける」を使った例文
  • 夜が明けて、空が白んできた。
  • 明けましておめでとうございます。
  • 今年は梅雨明けが遅かった。
  • 喪が明けてから旅行に行く予定だ。
  • 友人に悩みを打ち明けた。

「空ける」の意味と使い方

「空ける」は、中身をなくして空っぽにする、その場所からいなくなる、隙間を作る場合に使います。対義語は「塞ぐ」「満たす」です。

「空ける」が使われる主な場面は以下の通りです。

1. 中身を空にする

容器の中身を出して空っぽにする場合。

例:箱を空ける、グラスを空ける(飲み干す)

2. その場所を離れる・留守にする

建物や場所から離れて不在にする場合。

例:家を空ける、席を空ける

3. 間隔・隙間を作る

距離や時間の間隔を取る場合。

例:間隔を空ける、時間を空ける、行間を空ける

4. 空き状態にする

空きスペースや空き時間を作る場合。

例:予定を空ける、部屋を空ける(退去する)

「空ける」を使った例文
  • 出張で1週間ほど家を空ける
  • ワインを1本空けて語り合った。
  • 前の人との間隔を空けてください。
  • 来週の午後は予定を空けておきます。
  • 荷物を移動して棚を空けた。

「穴をあける」はどの漢字?

「穴をあける」は特に迷いやすい表現です。結論から言うと、場合によって異なります

具体的な物に穴をあける場合 → 「穴を開ける」

  • ドリルで壁に穴を開ける
  • ベルトに穴を開ける
  • 看板に穴を開ける

物理的に何かを貫通させたり、開口部を作ったりする場合は「開ける」を使います。

抽象的な表現の場合 → 「穴をあける」(ひらがな推奨)

  • 舞台に穴をあける(出演者が欠ける)
  • 予定に穴があく(スケジュールに空白ができる)
  • 家計に穴をあける(赤字を出す)

新聞社の用字用語集(記者ハンドブック)では、抽象的な表現の場合はひらがなで「あける」と書くことを推奨しています。

迷いやすい表現の使い分け

日常でよく使う表現の正しい漢字をまとめました。

「店をあける」

  • 開店する → 店を開ける
  • 留守にする → 店を空ける

「目をあける」

  • まぶたを開く → 目を開ける
  • 目を覚ます → 目が明ける(古い表現)

「席をあける」

  • 席から離れる → 席を空ける

「口をあける」

  • 口を開く → 口を開ける
  • 秘密を話す → 口を明ける(打ち明ける)※古い表現

「ワインをあける」

  • 栓を抜く → ワインを開ける
  • 飲み干す → ワインを空ける

迷ったときは「あける」(ひらがな)を使おう

「開ける」「明ける」「空ける」の使い分けに迷ったときは、ひらがなで「あける」と書けば間違いありません

覚え方のコツは対義語で考えることです。

  • 「閉める」の反対 → 開ける
  • 「暮れる」の反対 → 明ける
  • 「塞ぐ」「満たす」の反対 → 空ける

また、英語に置き換えてみるのも有効です。

  • open → 開ける
  • dawn / end → 明ける
  • empty / vacate → 空ける

よくある質問

Q
「家をあける」はどの漢字?
A
「家を空ける」が正しいです。留守にする、不在にするという意味で、建物から人がいなくなる状態を表します。「家を開ける」だと玄関のドアを開けるという意味になってしまいます。
Q
「間隔をあける」はどの漢字?
A
「間隔を空ける」が正しいです。距離や時間に隙間を作る意味なので「空ける」を使います。コロナ禍で「ソーシャルディスタンスを空ける」という表現が広まりました。
Q
「明けましておめでとう」はなぜ「明ける」?
A
年が改まる、新しい年になるという意味で「明ける」を使います。「夜が明ける」と同じように、古い期間が終わって新しい期間が始まるニュアンスです。
Q
「瓶をあける」と「瓶を空ける」の違いは?
A
「瓶を開ける」は蓋や栓を開けること、「瓶を空ける」は中身を全部出して空っぽにすることです。「ワインを1本空けた」は飲み干したという意味になります。
Q
「打ち明ける」はなぜ「明ける」?
A
「打ち明ける」の「明ける」は、隠れていたものを明らかにする、はっきりさせるという意味です。「明るみに出す」と同じ「明」の字を使い、秘密や本心を相手に伝えることを表します。