目次
  1. 「ボブスレー」の意味と使い方
  2. 「リュージュ」の意味と使い方
  3. 「スケルトン」の意味と使い方
  4. 語源・由来
  5. ミラノ・コルティナ2026での注目ポイント
  6. よくある質問
結論

一言でまとめると、「ボブスレー」は座って乗るチーム競技、「リュージュ」は仰向けで足から滑る競技、「スケルトン」はうつ伏せで頭から滑る競技です。

いずれも氷のコースをそりで滑走してタイムを競うウィンタースポーツですが、乗車姿勢・そりの構造・人数が大きく異なります。ボブスレーはハンドルとブレーキを備えた大型そりに複数人で乗り込みます。リュージュとスケルトンはいずれもブレーキのない小型そりに1人で乗りますが、仰向け(リュージュ)かうつ伏せ(スケルトン)かという姿勢の違いがあります。

ボブスレー

ぼぶすれー
座った姿勢で乗車
ハンドル・ブレーキあり
1〜4人乗り

リュージュ

りゅーじゅ
仰向け・足が前
ブレーキなし
1〜2人乗り

スケルトン

すけるとん
うつ伏せ・頭が前
ブレーキなし
1人乗りのみ
項目 ボブスレー リュージュ スケルトン
基本的な意味 大型そりでチームが座って滑走するそり競技 小型そりに仰向けで乗り足から滑走するそり競技 小型そりにうつ伏せで乗り頭から滑走するそり競技
乗車姿勢 座った状態 仰向け(足が前) うつ伏せ(頭が前)
競技人数 1人・2人・4人 1人・2人 1人のみ
操縦方法 ハンドル+ブレーキ 体重移動・足首の操作 体重移動・つま先の操作
最高速度 約130〜140km/h 約140〜150km/h 約125〜140km/h
使用例 氷上のF1、下町ボブスレー 1000分の1秒で争うそり競技 氷上のスーパーマン

「ボブスレー」の意味と使い方

「ボブスレー」は、鋼鉄やFRP(繊維強化プラスチック)で作られた大型のそりに複数人で乗り込み、氷のコースを滑走してタイムを競うウィンタースポーツです。3つのそり競技の中で唯一、ハンドル(操舵装置)とブレーキを備えているのが大きな特徴です。

スタート時に選手全員でそりを押して走り、約50〜60メートルの助走で加速をつけてから素早く乗り込みます。その後はドライバーがハンドルを操作し、他の選手は空気抵抗を減らすため頭を低くして滑走します。最高速度は130〜140km/hに達し、その迫力から「氷上のF1」とも呼ばれています。

オリンピックでは1924年の第1回シャモニー大会から正式種目に採用されており、3つのそり競技の中で最も長い歴史を持ちます。そりの性能が勝敗を大きく左右するため、各国がレーシングカーメーカーと共同開発するなど、技術競争が激しい競技でもあります。

「ボブスレー」を使った例文
  • ボブスレーは「氷上のF1」と呼ばれるほどスピード感のある競技だ。
  • 東京都大田区の中小企業が共同開発した「下町ボブスレー」が話題になった。
  • 冬季オリンピックのボブスレー4人乗りでは、スタートダッシュの迫力に圧倒される。

「リュージュ」の意味と使い方

「リュージュ」は、小型のそりに仰向けの姿勢で乗り、足を前にして氷のコースを滑走するウィンタースポーツです。フランス語で「木ぞり」を意味する「luge」に由来する名称で、英語圏では「トボガン」とも呼ばれます。

ブレーキもハンドルもなく、足首でそりの先端を挟み込むようにして方向を操作し、体重移動で微調整を行います。最高速度は3競技中最も速く140〜150km/hに達するにもかかわらず、操縦は全身の感覚に頼るほかありません。また、冬季オリンピックのそり競技の中で唯一1000分の1秒単位までタイムを計測する競技でもあります。

スタート方法もボブスレーやスケルトンとは異なり、座った状態でスタートハンドルを握り、手で氷面を力強くかいて加速します。オリンピックでは1964年のインスブルック大会から正式種目です。

「リュージュ」を使った例文
  • リュージュは仰向けの姿勢で滑るため、コースがほとんど見えない恐怖と戦う競技だ。
  • 冬季オリンピックのリュージュは、わずか1000分の1秒差で順位が変わることもある。
  • リュージュという名前はフランス語で「木ぞり」という意味から来ている。

「スケルトン」の意味と使い方

「スケルトン」は、小型の鉄製そりにうつ伏せの姿勢で乗り、頭を前にして氷のコースを滑走するウィンタースポーツです。顔が氷面からわずか数センチの位置にあり、時速130〜140km/hで滑走する光景は「氷上のスーパーマン」とも形容されます。

リュージュと同様にブレーキやハンドルはなく、体重移動とつま先の動きだけでそりを操縦します。3つのそり競技の中で唯一、複数人乗りの種目がなく、1人乗りのみで行われるのが特徴です。

スタートはボブスレーと似ており、立った状態からそりを押して走り、助走をつけてから飛び乗ります。1928年のサンモリッツ大会で初めてオリンピック種目に採用されましたが、危険性の高さから長く除外され、2002年のソルトレークシティ大会で54年ぶりに復活しました。

「スケルトン」を使った例文
  • スケルトンはうつ伏せで頭から滑るため、3つのそり競技の中で最もスリリングだと言われる。
  • 2002年のソルトレークシティ大会でスケルトンがオリンピックに復活した。
  • スケルトンという名前は、そりが骨組みだけの簡素な構造だったことに由来する。

語源・由来

3つの競技名は、それぞれ異なる言語・由来を持っています。

ボブスレー(Bobsleigh)

英語の「bob(ボブ)」+「sleigh(スレイ=そり)」からなる言葉です。「bob」の由来には諸説あり、スピードが増すにつれて選手の体が前後左右に揺れる動きを指すという説と、もともと2つの短いそり(bob=切り尾のような短いランナー)を連結して作られたことに由来するという説があります。19世紀後半、スイスのサンモリッツでイギリス人の行楽客が遊びとして始めたのが起源とされ、1897年には世界初のボブスレークラブが設立されました。

リュージュ(Luge)

フランス語で「木ぞり」を意味する「luge」がそのまま競技名になりました。語源はさらに古く、中世ラテン語の「scludia」に遡るとされています。ヨーロッパの雪国では古くから木ぞりが荷物の運搬に使われており、それが遊びとなり、やがて競技へと発展しました。1883年にスイスのダボスで初の国際大会が開催されています。

スケルトン(Skeleton)

英語で「骨格」「骨組み」を意味する「skeleton」に由来します。1892年に導入された鋼鉄製のそりが、ランナー(滑走部)と車台だけの極めてシンプルな構造で、まるで骨組みだけのように見えたことから名付けられたとされています。一説には、ノルウェー語の「kjaelke(氷上そり)」が英語に転訛した際に「skele」となったという説もあります。

ミラノ・コルティナ2026での注目ポイント

2026年2月に開催されるミラノ・コルティナ冬季オリンピックでは、3競技すべてがコルティナ・スライディングセンターで行われます。今大会ではいくつかの新種目が追加され、注目を集めています。

新種目の追加

  • リュージュ:従来の「オープン2人乗り」に代わり、「男子2人乗り」と「女子2人乗り」が新設。女子2人乗りは五輪史上初の実施
  • スケルトン:混合チーム種目が新たに追加
  • ボブスレー:男子2人乗り、男子4人乗り、女子2人乗り、女子モノボブの4種目

3競技で同じコースを共有

ボブスレー・リュージュ・スケルトンの3競技は、同じスライディングセンターのコースを使用します。ただし、スタート位置や滑走距離は競技ごとに異なります。同じコースで姿勢やそりの違いによってタイムや迫力がどう変わるかを比較できるのも、そり競技の面白さです。

よくある質問

Q
ボブスレー・リュージュ・スケルトンの中で最も速いのはどれ?
A
一般的にはリュージュが最も速く、最高速度は150km/hを超えることもあります。これはリュージュのそりのランナー(刃)がボブスレーやスケルトンより鋭利で摩擦が少ないことが一因です。
Q
「そり競技」と「スライディング競技」の違いは?
A
意味はほぼ同じです。ボブスレー・リュージュ・スケルトンの3つを総称して「そり競技」または「スライディング競技」と呼びます。英語では「sliding sports」と呼ばれることが多く、国際的にはこちらの呼び方が一般的です。
Q
リュージュとスケルトンの見分け方は?
A
最もわかりやすい違いは姿勢です。仰向けで足が前に出ているのがリュージュ、うつ伏せで頭が前に出ているのがスケルトンです。テレビ中継などで選手の顔が見えている場合はリュージュ、ヘルメットの後頭部が見える場合はスケルトンと判断できます。
Q
ボブスレーの「氷上のF1」とはどういう意味?
A
ボブスレーは最高速度が130〜140km/hに達するスピード感に加え、そりの開発にフェラーリやBMW、マクラーレンなどの自動車メーカーが関わるなど、選手の技術だけでなくマシンの性能が勝敗を左右する点がF1レースに似ていることから、このように呼ばれています。
佐藤文哉
この記事の監修者 佐藤文哉 編集長 / ライター歴15年