目次
  1. 「退職願」の意味と使い方
  2. 「退職届」の意味と使い方
  3. 「辞表」の意味と使い方
  4. 退職の一般的な流れ
  5. 提出時期の目安
  6. 撤回はできる?
  7. よくある質問
結論

「退職願」は退職を「願い出る」書類で、会社に許可を求めるものです。「退職届」は退職が認められた後に「届け出る」書類で、退職を確定させます。「辞表」は会社役員や公務員が使う書類で、一般社員は使いません。会社員が退職する際は、まず「退職願」を出し、承認後に「退職届」を提出するのが一般的な流れです。

退職願

たいしょくねがい
退職を「お願い」する
撤回できる

退職届

たいしょくとどけ
退職を「届け出る」
撤回は困難

辞表

じひょう
役員・公務員が使用
一般社員は使わない
項目 退職願 退職届 辞表
意味 退職を願い出る 退職を届け出る 役職を辞する
提出タイミング 最初に提出 退職承認後 辞意表明時
撤回 可能(承認前まで) 困難 状況による
使用する人 会社員 会社員 役員・公務員
法的な提出義務 なし(口頭でも可) なし(口頭でも可) なし

「退職願」の意味と使い方

「退職願」「退職したいのですが、よろしいでしょうか」と会社に許可を求める書類です。字のとおり、退職を「願い出る」ための書類であり、会社に退職の意思を伝える最初のステップです。

退職願を提出した時点では、まだ退職は確定していません。会社側が退職を承諾するかどうか検討に入る段階です。そのため、会社が承諾するまでは撤回が可能です。

法的には口頭で申し出ることも可能ですが、書面で提出することで「言った言わない」のトラブルを避けられます。また、退職の意思の強さを示すこともできます。

退職願の文例
  • このたび、一身上の都合により、○年○月○日をもって退職いたしたく、ここにお願い申し上げます

「退職届」の意味と使い方

「退職届」は、退職が認められた後に「○月○日に退職します」と届け出る書類です。退職願を出して会社と協議し、退職日が決定した段階で提出します。

退職届は退職を「通告」する書類であり、退職願のように許可を求めるものではありません。受理された時点で退職が確定するため、原則として撤回はできません。

会社によっては退職届の提出を義務付けていない場合もありますが、事務手続きの関係で会社所定の書式への記入を求められることがあります。

退職届の文例
  • このたび、一身上の都合により、○年○月○日をもって退職いたします

「辞表」の意味と使い方

「辞表」は、会社と雇用関係にない役員や公務員が使う書類です。一般の会社員が辞表を提出することはありません。

辞表を使う人

  • 会社役員(代表取締役、専務取締役、監査役など)
  • 国家公務員・地方公務員

役員は会社と「雇用契約」ではなく「委任契約」を結んでいるため、「退職」ではなく「辞任」となります。そのため、退職届ではなく辞表(または辞任届)を提出します。

公務員も同様に、退職届ではなく辞表を使用します。なお、公務員の場合は任命権者の承認が必要です。

ドラマなどで一般社員が「辞表」を叩きつけるシーンがありますが、これは正確ではありません。一般社員が使うのは「退職願」または「退職届」です。

退職の一般的な流れ

一般的な会社員が退職する際の流れは以下のとおりです。

【STEP1】退職の意思を伝える

直属の上司に口頭または「退職願」で退職の意思を伝えます。

【STEP2】退職日を決める

上司や会社と協議し、退職日を決定します。引き継ぎ期間なども考慮します。

【STEP3】退職届を提出する

退職日が確定したら「退職届」を提出します。会社所定の書式がある場合はそれを使用します。

【STEP4】引き継ぎ・退職手続き

業務の引き継ぎを行い、退職に必要な手続きを完了させます。

提出時期の目安

民法上は、退職日の2週間前までに退職の意思を伝えれば退職できます。

ただし、多くの企業では就業規則で「1〜2か月前」に申し出るよう定めています。円満退職のためには、就業規則を確認し、余裕を持って申し出ることをおすすめします。

一般的な提出時期の目安

  • 退職願:退職希望日の1〜2か月前
  • 退職届:退職日の2週間〜1か月前(退職承認後)

撤回はできる?

退職の意思表示を撤回できるかどうかは、書類によって異なります。

退職願

会社が退職を承諾するまでは、原則として撤回できます。ただし、一度提出した後に撤回すると、職場での信頼関係に影響が出る可能性があります。

退職届

受理された時点で退職が確定するため、原則として撤回できません。会社側が了承すれば撤回できる場合もありますが、期待はしないほうがよいでしょう。

辞表

役員の場合、株主総会や取締役会で正式に承認されるまでは撤回できる場合があります。公務員の場合は、任命権者の承認前であれば撤回できる可能性があります。

よくある質問

Q
一般社員は「辞表」を出してはいけない?
A
はい。辞表は会社役員や公務員が使う書類です。一般の会社員は「退職願」または「退職届」を提出します。間違えて辞表を出すと、ビジネスマナーを知らないと思われる可能性があります。
Q
退職願と退職届、どちらを先に出す?
A
退職願が先です。まず退職願で退職の意思を伝え、会社と協議して退職日が決まったら退職届を提出するのが一般的な流れです。会社によっては退職届のみで済む場合もあります。
Q
退職届を出したら撤回できない?
A
原則として撤回できません。退職届は退職を「通告」する書類であり、受理された時点で退職が確定します。撤回したい場合は会社と交渉する必要がありますが、認められる保証はありません。
Q
退職届は手書きでないとダメ?
A
パソコンで作成しても問題ありません。ただし、署名は手書きが一般的です。会社によっては所定の書式があるので、事前に確認しましょう。
Q
退職理由は詳しく書く必要がある?
A
いいえ。退職理由は「一身上の都合により」と書くのが一般的です。法律上、詳しい理由を説明する義務はありません。