「遅延」は予定の時刻やスケジュールより遅れること全般を表します。「遅滞」は物事の進行が滞ること、特に法律・行政の文脈で使われます。「延滞」は支払いや返却が期限に遅れることを表します。「電車の遅延」「遅滞なく届け出る」「家賃の延滞」のように、対象によって使い分けます。
| 項目 | 遅延 | 遅滞 | 延滞 |
|---|---|---|---|
| 基本的な意味 | 予定より遅れること | 進行が滞ること | 支払いが遅れること |
| 主な対象 | 交通機関、スケジュール | 手続き、業務、義務 | 金銭、貸借物 |
| 使用場面 | 日常・ビジネス全般 | 法律・行政文書 | 金融・貸借関係 |
| ニュアンス | 時間的な遅れ | 進行の停滞 | 期限超過 |
| 使用例 | 電車の遅延、納品遅延 | 遅滞なく届出、履行遅滞 | 家賃の延滞、延滞金 |
「遅延」の意味と使い方
「遅延」は、予定していた時刻やスケジュールより遅れることを表す言葉です。交通機関の遅れやプロジェクトの進行の遅れなど、幅広い場面で使われます。3つの中で最も一般的に使われる言葉です。
「遅延」の主な使用場面
- 交通機関:電車の遅延、フライトの遅延、バスの遅延
- ビジネス:納品の遅延、プロジェクトの遅延、工事の遅延
- 通信・技術:通信遅延、遅延時間
- 人身事故の影響で電車が遅延している。
- 資材不足により、工事が大幅に遅延した。
- システム障害による通信遅延が発生している。
- 遅延証明書をもらって会社に提出した。
「遅滞」の意味と使い方
「遅滞」は、物事の進行が滞って予定通りに進まないことを表す言葉です。主に法律用語・行政用語として使われ、日常会話ではあまり使われません。「遅滞なく」という形で、「すみやかに」「ただちに」という意味でよく用いられます。
「遅滞」の主な使用場面
- 法律・契約:履行遅滞、遅滞なく届け出る
- 行政:手続きの遅滞、業務の遅滞
- 義務の履行:債務の遅滞
- 届出は遅滞なく行わなければならない。
- 債務者の履行遅滞により契約を解除した。
- 業務に遅滞をきたさないよう注意してください。
「延滞」の意味と使い方
「延滞」は、支払いや返却が決められた期限より遅れることを表す言葉です。主に金銭の支払いや、図書館の本の返却など、貸借関係において使われます。「延滞金」「延滞料」など、遅れたことに対するペナルティを表す複合語でもよく使われます。
「延滞」の主な使用場面
- 金銭の支払い:家賃の延滞、税金の延滞、ローンの延滞
- 貸借物の返却:図書の延滞、レンタル品の延滞
- ペナルティ:延滞金、延滞料、延滞利息
- 家賃を延滞すると延滞金が発生する。
- 図書館の本を延滞してしまい、延滞料を払った。
- クレジットカードの支払いを延滞すると信用に影響する。
語源・由来
「遅延」の成り立ち
「遅」は「おそい」、「延」は「のびる・のばす」を意味します。時間が遅れて延びるという意味から、スケジュールの遅れ全般を表すようになりました。
「遅滞」の成り立ち
「遅」は「おそい」、「滞」は「とどこおる」を意味します。進行が遅れて滞るという意味から、物事がスムーズに進まない状態を表します。法律用語として定着しています。
「延滞」の成り立ち
「延」は「のびる」、「滞」は「とどこおる」を意味します。期限が延びて滞っている状態を表し、特に支払いの遅れを指すようになりました。
法律用語としての使い分け
法律の世界では、これらの言葉は明確に使い分けられています。
履行遅滞
債務者が履行期日を過ぎても債務を履行しないことを「履行遅滞」といいます。民法上の債務不履行の一類型です。
遅滞なく
法律や契約書で頻出する表現で、「正当な理由なく遅れることなく」という意味です。「直ちに」より若干の猶予があり、「速やかに」とほぼ同義とされます。
延滞金・延滞税
税金や公共料金の支払いが遅れた場合に課される追加の金銭を「延滞金」「延滞税」といいます。遅延損害金とも呼ばれます。
迷ったときの使い分け
「遅延」「遅滞」「延滞」で迷ったときは、以下のポイントで判断できます。
- 交通機関・スケジュールの遅れ → 「遅延」
- 法律・行政文書で「すみやかに」の意味 → 「遅滞なく」
- 支払い・返却の遅れ → 「延滞」
- 一般的な遅れ全般 → 「遅延」で問題ない場合が多い
日常的な文章では「遅延」を使えばほとんどの場面に対応できます。「遅滞」は法律・行政文書、「延滞」は金銭関係と覚えておくと便利です。
よくある質問
「電車の遅滞」という言い方は正しい?
一般的ではありません。電車やバスなど交通機関の遅れには「遅延」を使います。「遅滞」は主に法律・行政用語として、手続きや業務の停滞を表す場合に使います。
「遅滞なく」と「速やかに」の違いは?
ほぼ同じ意味で使われます。どちらも「正当な理由がない限り、できるだけ早く」という意味です。「直ちに」より若干の猶予があるとされています。法律文書では「遅滞なく」が好まれます。
「延滞金」と「遅延損害金」の違いは?
ほぼ同じ意味です。支払いが遅れた場合に発生する追加の金銭を指します。「延滞金」は税金や公共料金、「遅延損害金」は民間の契約で使われることが多いですが、厳密な使い分けはありません。
「延滞」と「滞納」の違いは?
「延滞」は支払いが遅れている状態全般を指します。「滞納」は税金や公共料金などを期限までに納めないことを特に指し、より深刻なニュアンスがあります。