目次
  1. 「遅れる」の意味と使い方
  2. 「後れる」の意味と使い方
  3. 語源・由来
  4. 「後れる」を使った慣用表現
  5. 迷ったときの使い分け
  6. よくある質問
結論

「遅れる」は時間的に遅い、決められた時刻や基準に間に合ないことを表します。「後れる」は他のものより位置が後ろになる、取り残されることを表します。「電車に遅れる」は時間に間に合わないこと、「流行に後れる」は時代に取り残されることを意味します。迷ったときは「遅れる」を使えばほとんどの場面で通用します。

遅れる

おくれる
時間的に遅い
決められた時刻に間に合わない

後れる

おくれる
位置が後ろになる
他に先を越され取り残される
項目 遅れる 後れる
基本的な意味 時間的に遅い・間に合わない 位置が後ろになる・取り残される
ニュアンス 速度・時間の遅さ 順序・位置の後ろ
使用頻度 非常に高い(一般的) やや低い(限定的)
主な使用例 電車に遅れる、開花が遅れる 流行に後れる、後れを取る
複合語・慣用句 遅刻、遅延、遅咲き 気後れ、後れ毛、後れ馳せ

「遅れる」の意味と使い方

「遅れる」は、時間的に遅いこと、決められた時刻や期限に間に合わないことを表す動詞です。また、進み方が基準より遅くなることも意味します。日常生活で最もよく使われる表記です。

「遅れる」の主な意味

  • 時刻に間に合わない:決められた時間より後になる(会議に遅れる)
  • 進み方が遅い:基準より遅くなる(時計が遅れる、開花が遅れる)
  • 発達・成長が遅い:標準より進んでいない(成長が遅れる)
「遅れる」を使った例文
  • 事故の影響で電車が30分遅れている。
  • 今年桜の開花が例年より遅れている。
  • 締め切りに遅れないよう、早めに準備を始めた。
  • この時計は1日に5分ほど遅れる

「後れる」の意味と使い方

「後れる」は、他のものより位置が後ろになること、先を越されて取り残されることを表す動詞です。時間の遅さではなく、順序や位置関係に焦点を当てた表現です。

「後れる」の主な意味

  • 取り残される:他のものに先を行かれる(流行に後れる)
  • 先を越される:競争などで負ける(後れを取る)
  • 親しい人に先立たれる:死別で残される(夫に後れる)
「後れる」を使った例文
  • 最新技術の導入で他社に後れを取ってしまった。
  • 流行に後れないよう、常にアンテナを張っている。
  • 妻に後れることなく、一緒に逝きたいものだ。

語源・由来

「遅」の成り立ち

「遅」は形声文字で、「辵(しんにょう)」と音符から成ります。ゆっくり歩く様子を表し、そこから「おそい」「おくれる」という意味が生まれました。旧字体は「遲」で、常用漢字では略体が使われています。

「後」の成り立ち

「後」は会意文字で、「彳(ぎょうにんべん)」「夂(ち=あし)」「幺(よう=つなぐ)」から成ります。足をつながれて前へ進めない様子から、「おくれる」「うしろ」の意味を表すようになりました。

つまり、「遅」は速度の遅さ、「後」は位置の後ろという、漢字の成り立ちからして意味の違いがあるのです。

「後れる」を使った慣用表現

「後れる」は複数の慣用表現で使われます。これらは「遅れる」とは書かないので注意が必要です。

後れを取る

他人に比べて一歩遅れた段階にある、先を越されることを表します。競争や比較の場面でよく使われます。

気後れ

相手の勢いやその場の雰囲気に押されて、心がひるむことを表します。「気遅れ」と書くのは誤りです。「後ろに引く」イメージから来ています。

後れ毛

髪を結い上げたとき、襟元に残って垂れた短い毛のことです。他の髪に「後れて」残った毛という意味です。

後れ馳せ

遅れて駆けつけることを表します。「後れ馳せながら」は、時機を逸してはいるが今からでも、という意味で使われます。

迷ったときの使い分け

「遅れる」と「後れる」で迷ったときは、以下のポイントで判断できます。

  • 時間・時刻・速度に関することなら → 「遅れる」
  • 順序・位置・取り残されることなら → 「後れる」
  • どちらか迷ったら → 「遅れる」で問題ない場合が多い

実際には「遅れる」が広く使われており、「後れる」は「後れを取る」「気後れ」「後れ毛」などの決まった表現で使うことがほとんどです。一般的な文章では「遅れる」を使えば間違いありません。

よくある質問

Q
「流行におくれる」はどちらの漢字?
A
「流行に後れる」と書くのが本来の用法です。時代の流れに取り残されるという意味で、位置関係を表す「後れる」を使います。ただし「遅れる」と書いても誤りとはされません。
Q
「きおくれ」は「気後れ」と「気遅れ」どちらが正しい?
A
「気後れ」が正しい表記です。心が後ろに引いてひるむという意味から「後れ」を使います。「気遅れ」は誤用です。
Q
「おくれをとる」はどう書く?
A
「後れを取る」と書きます。他人に先を越されるという意味で、位置関係を表す「後れ」を使います。「遅れを取る」と書くこともありますが、本来は「後れ」が適切です。
Q
「電車がおくれる」と「電車におくれる」の違いは?
A
どちらも「遅れる」を使いますが、意味が異なります。「電車が遅れる」は電車の到着時刻が遅くなること、「電車に遅れる」は自分が電車に間に合わないことを表します。