目次
  1. 「置く」の意味と使い方
  2. 「据える」の意味と使い方
  3. 語源・由来
  4. 「据える」を使った慣用表現
  5. 迷ったときの使い分け
  6. よくある質問
結論

「置く」は物をある場所に配置する動作を広く表し、一時的な配置にも使えます。「据える」は物をしっかりと固定して動かないように配置することを表し、安定・定着のニュアンスがあります。「机に本を置く」は一時的でも使えますが、「大砲を据える」はしっかり固定して設置する意味になります。

置く

おく
物を配置する(広い意味
一時的な配置にも使える

据える

すえる
しっかり固定して配置する
安定・定着のニュアンス
項目 置く 据える
基本的な意味 物をある場所に配置する 物を動かないように固定して配置する
ニュアンス 軽い動作・一時的でも可 安定・定着・しっかり
使用頻度 非常に高い(日常的) やや低い(特定の場面)
主な使用例 机に本を置く、荷物を置く 大砲を据える、三脚を据える
人に対して 役員を置く、人員を置く 会長に据える、上座に据える

「置く」の意味と使い方

「置く」は、物をある場所に配置する動作を広く表す動詞です。一時的な配置から、設置・残すといった意味まで幅広く使えます。日常生活で最もよく使われる基本的な言葉です。

「置く」の主な意味

  • 物を配置する:物をある場所に移動させる(机に本を置く)
  • 設置する・設ける:組織や設備を作り備える(支店を置く)
  • そのままにする:ある状態のまま残す(子どもを置いて出かける)
  • 間隔を空ける:時間や距離を隔てる(時間を置く)
  • 信頼などを寄せる:気持ちをある対象に向ける(信頼を置く)
「置く」を使った例文
  • テーブルの上にコップを置いた
  • この会社全国に支社を置いている。
  • 彼には絶対の信頼を置いている。
  • 少し時間を置いてから連絡しよう。

「据える」の意味と使い方

「据える」は、物をある場所にしっかりと固定して動かないように配置することを表す動詞です。「置く」より安定・定着のニュアンスが強く、どっしりと腰を落ち着けるイメージがあります。

「据える」の主な意味

  • 物を固定して配置する:動かないようにしっかり置く(大砲を据える、三脚を据える)
  • 建造物などを設ける:拠点などを構える(本陣を据える)
  • 人を座らせる・地位につける:ある位置に定着させる(上座に据える、会長に据える)
  • 気持ちを落ち着かせる:ぶれないようにする(腰を据える、腹を据える)
  • 視線を固定する:じっと見つめる(目を据える)
「据える」を使った例文
  • カメラを三脚に据えて撮影した。
  • 彼を次期社長に据えることが決まった。
  • 腰を据えてじっくり取り組もう。
  • 彼女は目を据えてこちらを見つめた。

語源・由来

「置」の成り立ち

「置」は会意兼形声文字で、「罒(あみがしら)」と「直」から成ります。網をまっすぐ立てて「おく」という動作から、物をある場所に配置する・設置するという意味が生まれました。

「据」の成り立ち

「据」は形声文字で、「扌(てへん)」と「居」から成ります。「居」には「しっかり座る」「固い」という意味があり、「手でしっかりと固定しておく」という意味を表します。この成り立ちから、「据える」には「動かないように安定させる」というニュアンスが含まれています。

「据える」を使った慣用表現

「据える」は多くの慣用表現で使われます。いずれも「しっかりと固定する」「ぶれない」というニュアンスが共通しています。

腰を据える

落ち着いて一つの物事にじっくり取り組むことを表します。「腰を据えて仕事に取り組む」のように使います。

腹を据える

覚悟を決める、または怒りをこらえて心を落ち着けることを表します。「腹を据えてかかる」のように使います。

目を据える

視線を一点に固定してじっと見つめることを表します。真剣な眼差しや、酔って目の焦点が定まらない状態(目が据わる)にも使われます。

灸を据える

お灸をすることから転じて、厳しく叱ったり懲らしめたりすることを表します。「いたずらっ子に灸を据える」のように使います。

迷ったときの使い分け

「置く」と「据える」で迷ったときは、以下のポイントで判断できます。

  • 一時的・軽い動作なら → 「置く」
  • しっかり固定・定着させるなら → 「据える」
  • どちらか迷ったら → 「置く」で問題ない場合が多い

「置く」は意味が広いため、多くの場面で使えます。一方「据える」は、しっかりと固定する・覚悟を決めるといった強いニュアンスを出したいときに使うと効果的です。

よくある質問

Q
「役員を置く」と「役員に据える」の違いは?
A
「役員を置く」は組織に役員というポジションを設けること全般を指します。「役員に据える」は特定の人物をその地位にしっかりと就かせるニュアンスがあり、より重みのある表現です。
Q
「腰を置く」とは言わないのはなぜ?
A
「腰を据える」は「しっかり落ち着いて取り組む」という覚悟のニュアンスを含む慣用表現です。「置く」には一時的な配置のニュアンスがあるため、「腰を置く」では覚悟や定着の意味が出ません。
Q
「三脚を置く」と「三脚を据える」はどちらが正しい?
A
どちらも使えますが、ニュアンスが異なります。「三脚を置く」は単に三脚を配置すること、「三脚を据える」はしっかりと固定して撮影態勢を整えることを表します。撮影の準備を整えるなら「据える」がより適切です。
Q
「目が据わる」と「目を据える」の違いは?
A
「目を据える」は自分の意志で視線を一点に固定することです。「目が据わる」は酔いなどで目の焦点が定まらなくなる状態や、怒りで鋭い眼光になることを表し、自然とそうなる場合に使います。