「重体」は命に関わる危険な状態を指し、全治の見込みが立たない深刻な状況です。「重傷」は命に別状はないが全治30日(1か月)以上かかるケガ、「軽傷」は全治30日未満のケガを指します。大きな違いは「命に関わるかどうか」です。
| 項目 | 重体 | 重傷 | 軽傷 |
|---|---|---|---|
| 生命の危険 | あり | なし | なし |
| 治療期間 | 予測不能 | 30日以上 | 30日未満 |
| 入院の必要 | あり(集中治療) | あり | なし〜短期間 |
| 後遺症の可能性 | 高い | あり得る | 低い |
| 報道での表現例 | 意識不明の重体 | 全治2か月の重傷 | 軽傷を負った |
「重体」の意味と使い方
「重体」は、命に関わるほどの重い負傷や病気の状態を指します。脳や内臓などの重要な器官を損傷し、生死をさまよっている状態です。「重態」とも書きます。
重体の特徴は、全治の見込みが立たないことです。そのため「全治○か月の重体」という表現は存在しません。ニュースでは「意識不明の重体」という表現がよく使われます。
重体は報道用語に近く、医療従事者はあまり使わない言葉です。医療現場では、より具体的な状態(「意識レベル○」「バイタルサイン不安定」など)で表現されます。
- 交通事故で男性が意識不明の重体となっている。
- 転落した作業員は頭を強く打ち、重体で病院に搬送された。
- 刺された被害者は重体だったが、その後回復した。
「重傷」の意味と使い方
「重傷」は、命に別状はないが、全治30日(1か月)以上の治療を要するケガを指します。警察庁が定めた用語で、交通事故などの報道でよく使われます。
重傷の場合、入院が必要なことが多く、骨折や深い切り傷など、完治まで長期間かかるケガが該当します。後遺症が残る可能性もあります。
重要なのは、重傷は「命に別状がない」状態だということです。命の危険がある場合は「重体」を使います。
- バイクと衝突し、全治2か月の重傷を負った。
- 転倒して足を骨折し、重傷を負った。
- 火災で3人が重傷、命に別状はない。
「軽傷」の意味と使い方
「軽傷」は、全治30日(1か月)未満の治療で済むケガを指します。警察庁の定義では、入院を必要としないか、短期間の入院で済む程度のケガです。
打撲、擦り傷、軽いむちうちなど、日常生活に大きな支障をきたさないケガが該当します。
ただし「軽傷」といっても、決して軽いケガとは限りません。全治29日でも「軽傷」に分類されるため、実際にはそれなりの治療が必要なこともあります。
- 追突事故で乗客5人が軽傷を負った。
- 転んで擦り傷を負ったが、軽傷で済んだ。
- 被害者は軽傷で、命に別状はない。
警察庁による定義
これらの用語は、警察庁のWebサイトで以下のように定義されています。
重傷(重傷者)
交通事故によって負傷し、1か月(30日)以上の治療を要する場合(人)をいう。
軽傷(軽傷者)
交通事故によって負傷し、1か月(30日)未満の治療を要する場合(人)をいう。
負傷(負傷者)
「重傷(重傷者)」と「軽傷(軽傷者)」の合計をいう。
なお、「重体」については警察庁の定義には含まれていませんが、報道では「生命に関わる状態」として広く使われています。
「重傷」と「重症」の違い
同じ読み方の「重傷」と「重症」は、意味が異なります。
「重傷」= ケガ(外傷)に対して使う
「重症」= ケガと病気の両方に使う
消防庁の「傷病者重症度分類表」によると、「重症」は生命の危険がある状態を指します。つまり、報道用語の「重体」に近い意味です。
| 用語 | 対象 | 状態 |
|---|---|---|
| 重傷 | ケガのみ | 命に別状なし・全治30日以上 |
| 重症 | ケガ・病気 | 生命の危険がある |
「軽傷」と「軽症」の違い
「軽傷」と「軽症」も、同様に使い分けがあります。
「軽傷」= ケガ(外傷)に対して使う
「軽症」= ケガと病気の両方に使う
どちらも「入院を必要としない程度」という意味では共通しています。
関連用語の解説
危篤(きとく)
生命の危険が切迫している状態。「重体」よりもさらに深刻で、いつ亡くなってもおかしくない状況を指します。
中等症(ちゅうとうしょう)
消防庁の分類で、生命の危険はないが入院が必要な状態。重症と軽症の間に位置します。
心肺停止
心臓と呼吸が止まっている状態。医師が死亡を確認するまでは「死亡」とは言わず、「心肺停止の状態」と報道されます。
よくある質問
「全治2か月の重体」という表現は正しい?
正しくありません。「重体」は生命に関わる状態で、全治の見込みが立たないため、「全治○か月」とは言いません。全治の期間がわかる場合は「重傷」を使います。
骨折は重傷?軽傷?
骨折の程度によります。全治30日以上かかる骨折は「重傷」、30日未満で治る軽い骨折やヒビは「軽傷」に分類されます。一般的に骨折は「重傷」と報道されることが多いです。
「重傷」と「重症」はどう違う?
「重傷」はケガ(外傷)に対してのみ使い、命に別状がない状態です。「重症」はケガと病気の両方に使え、生命の危険がある状態を指します。つまり「重症」の方が深刻です。
「意識不明の重体」とはどういう状態?
意識がなく、命の危険がある状態です。脳や内臓などの重要な器官を損傷し、生死をさまよっている深刻な状況を表します。
なぜ30日が基準なの?
警察庁が交通事故統計で使用する基準として「1か月(30日)」を採用しています。この基準は報道機関でも広く使われており、ケガの程度を伝える目安となっています。