「辞める」は職や地位を退くとき、「止める」は進行中の物事を中止するときに使います。「会社を辞める」「タバコを止める」のように使い分けますが、「止める」は「とめる」とも読めるため紛らわしく、新聞やNHKでは「やめる」の意味ではひらがな表記に統一しています。迷ったら「辞める」以外は「やめる」とひらがなで書くのが無難です。
| 項目 | 辞める | 止める |
|---|---|---|
| 主な意味 | 職・地位を退く | 進行を中止する |
| 対象 | 仕事・役職・組織 | 行動・習慣・計画 |
| 関連熟語 | 辞任・辞職・辞表 | 中止・停止・廃止 |
| 常用漢字 | 表外読み | |
| 新聞表記 | 辞める | やめる(ひらがな) |
| 使用例 | 会社を辞める、部長を辞める | タバコを止める、旅行を止める |
「辞める」の意味と使い方
「辞める」は、それまで就いていた職や地位、所属していた組織から退くことを意味します。「辞任」「辞職」「辞表」の「辞」で、自らの意思で身を引くというニュアンスがあります。
対象となるのは、会社・組織・役職・地位など「所属」や「立場」に関するものです。「会社を辞める」「議員を辞める」「部長を辞める」「クラブを辞める」のように使います。
- 来月で会社を辞めることにした。
- 責任を取って社長を辞める。
- 彼女はサークルを辞めて就職活動に専念した。
- 長年勤めた職場を辞めるのは寂しい。
「止める」の意味と使い方
「止める」は、続けてきた物事を終わりにする、中止するという意味です。行動・習慣・計画などを「やめる」場合に使います。
ただし、「止める」は「とめる」とも読めるため、文章で使うと読み方が紛らわしくなります。そのため、新聞やNHKでは「やめる」の意味では「止める」を使わず、ひらがなで「やめる」と表記するルールになっています。
- 健康のためにタバコを止めた。
- 雨が降りそうなので、ピクニックは止めることにした。
- 無駄遣いを止めて貯金を始めた。
- その計画は予算の都合で止めることになった。
語源・由来
「辞」の成り立ち
「辞」は「舌」と「辛」を組み合わせた会意文字です。もともとは「言葉を整える」「述べる」という意味でしたが、そこから「断る」「退く」という意味が生まれました。「辞任」「辞退」「辞去」など、身を引くことを表す熟語に使われます。
「止」の成り立ち
「止」は足の形を表した象形文字で、もともとは「足」を意味していました。足を止めることから「とまる」「とめる」という意味が生まれ、さらに「やめる」「終わりにする」という意味にも広がりました。
新聞・公用文での扱い
「止める」は「とめる」とも「やめる」とも読めるため、文章では読み方が紛らわしくなります。そのため、新聞社やNHKでは以下のルールを採用しています。
| 読み方 | 新聞・NHK表記 |
|---|---|
| とめる | 止める(漢字) |
| やめる(職を退く) | 辞める(漢字) |
| やめる(中止する) | やめる(ひらがな) |
つまり、「止める」は「とめる」専用として使い、「やめる」の意味ではひらがなにするというルールです。一般の文章でもこのルールに従えば、読み手に誤解を与えにくくなります。
迷ったときの判断基準
「やめる」をどの漢字で書くか迷ったときは、以下の基準で判断できます。
- 職・地位・組織を退く → 「辞める」
- それ以外(習慣・行動・計画を中止) → 「やめる」(ひらがな推奨)
「止める」を使っても間違いではありませんが、「とめる」と混同されやすいため、ひらがなの方が親切です。
よくある質問
「已める」「罷める」という漢字もありますか?
あります。「已める」は「終わりにする」、「罷める」は「職を辞する」という意味ですが、どちらも常用漢字外の読みのため、現代の文章ではほとんど使われません。「已」は「已然形」「已む(やむ)」などで見かける程度です。
「習い事をやめる」はどの漢字を使いますか?
習い事の教室や団体に「所属」している感覚が強ければ「辞める」、単に「通うのをやめる」という感覚なら「やめる」(ひらがな)が自然です。どちらでも間違いではありません。
「止める」は「とめる」とも読みますか?
はい、「止める」は「やめる」「とめる」両方の読み方があります。「動きを止める(とめる)」「計画を止める(やめる)」のように使い分けます。紛らわしいため、新聞では「やめる」の意味ではひらがな表記にしています。
「ゲームをやめる」はどう書きますか?
ゲームは職や地位ではないので「辞める」は不適切です。「止める」または「やめる」(ひらがな)を使います。読みやすさを重視するなら、ひらがなの「やめる」がおすすめです。