目次
  1. 「及び」の意味と使い方
  2. 「並びに」の意味と使い方
  3. 語源・由来
  4. 法令用語としての使い分けルール
  5. 間違いやすいケース
  6. よくある質問
結論

「及び」「並びに」はどちらも「AとB」という並列を表す接続詞です。日常会話で区別なく使えますが、法律文書や契書では厳密に使い分けます。接続が1段階なら「及び」のみを使い、多段階になる場合は小さい接続に「及び」、大きい接続に「並びに」を使います。

及び

および
小さい接続(下位カテゴリ)
基本はこちらを使う

並びに

ならびに
大きい接続(上位カテゴリ)
多段階のときに使う
項目 及び 並びに
基本的な意味 英語の “and” 英語の “and”
日常会話での使い分け 区別なし 区別なし
法令用語としての役割 小さい接続(下位) 大きい接続(上位)
使用の優先度 基本(1段階なら及びのみ) 多段階のときのみ
使用例 土地及び建物 〜及び〜並びに〜及び〜

「及び」の意味と使い方

「及び」は、複数の事柄を並列してつなげる接続詞で、英語の “and” に相当します。法令用語としては、同じレベルの事柄を接続するときに使われ、基本的にはこちらを優先して使用します。

接続が1段階だけの場合は「及び」のみを使います。3つ以上の事柄を並べる場合は、最後の事柄の直前にだけ「及び」を置き、それ以外は読点(、)でつなぎます。

「及び」を使った例文
  • 土地及び建物を担保に入れる。
  • 及び乙は、本契約を誠実に履行する。
  • 氏名、住所及び電話番号を記入してください。
  • 本サービスの利用規約及びプライバシーポリシーに同意する。

「並びに」の意味と使い方

「並びに」も「及び」と同様に “and” の意味を持つ接続詞ですが、法令用語としては「及び」よりも大きな括りで事柄を接続するときに使います。

具体的には、「及び」で結ばれたグループ同士を接続する場合に「並びに」を使用します。これにより、文章中のどの事柄が同じカテゴリに属するのかを明確に示すことができます。

「並びに」を使った例文
  • 羊かん及びどら焼き並びにプリン及びケーキを用意した。
  • 取締役及び監査役並びに執行役員は、本規程を遵守する。
  • 第23条第1項及び第2項並びに第39条の規定を準用する。

語源・由来

「及び」の「及」は、人が手を伸ばして何かに届く様子を表した字で、「届く」「達する」という意味があります。そこから「〜にまで達する」「〜も含めて」というニュアンスが生まれ、並列を表す接続詞として使われるようになりました。

「並びに」の「並」は、人が二人横に並んでいる様子を表した字です。「並ぶ」「横に連なる」という意味から、複数のものを対等に並べる接続詞へと発展しました。

法令用語として「及び」と「並びに」を使い分けるルールは、戦後の法令整備の過程で確立されたものです。それ以前の法律では、このような厳密な使い分けはされていませんでした。

法令用語としての使い分けルール

法律文書や契約書では、「及び」と「並びに」を以下のルールで使い分けます。

1段階の並列(「及び」のみ使用)

並べる事柄が同じレベルで、グループ分けが不要な場合は「及び」のみを使います。

  • 土地及び建物
  • 甲、乙及び
  • 氏名、住所及び電話番号

多段階の並列(「及び」と「並びに」を併用)

異なるカテゴリに属する事柄を並べる場合、小さい括り(下位カテゴリ内)は「及び」、大きい括り(カテゴリ間)は「並びに」を使います。

  • リンゴ及びバナナ並びに及びパスタ

この例では、「リンゴ及びバナナ」(フルーツ)と「米及びパスタ」(主食)という2つのグループが「並びに」で結ばれています。

覚え方

「及び」は小さい、「並びに」は大きい、と覚えましょう。文字数も「及び」(2文字)<「並びに」(3文字)なので、短い方が小さい接続と対応しています。

間違いやすいケース

「及び」と「並びに」の使い分けでよくある間違いを紹介します。

「並びに」を1段階で使ってしまう

  • 土地並びに建物 → グループ分けがないのに「並びに」を使っている
  • 土地及び建物 → 1段階なら「及び」のみ

大小を逆にしてしまう

  • リンゴ並びにバナナ及び並びにパスタ → 大小が逆
  • リンゴ及びバナナ並びに及びパスタ → 小さい接続に「及び」、大きい接続に「並びに」

「又は」「若しくは」と混同する

選択を表す「又は」「若しくは」は、大小の関係がになります。「又は」が大きい接続、「若しくは」が小さい接続です。「及び」「並びに」とは逆なので注意が必要です。

意味 小さい接続 大きい接続
並列(and) 及び 並びに
選択(or) 若しくは 又は

よくある質問

Q
日常会話やビジネスメールでも「及び」「並びに」を使い分ける必要がありますか?
A
日常会話やビジネスメールでは、厳密に使い分ける必要はありません。法律文書・契約書・公用文など、正確さが求められる文書で使い分けが必要になります。
Q
「及び」と「並びに」は漢字で書くべきですか?
A
法律文書や契約書では漢字で「及び」「並びに」と表記するのが一般的です。「および」「ならびに」とひらがなで書くこともありますが、法令では漢字表記が標準です。
Q
「及び」の前に読点(、)は必要ですか?
A
2つの事柄を並べる場合は「A及びB」と読点なしで書きます。3つ以上の場合は「A、B及びC」のように、最後の「及び」の前以外に読点を入れます。
Q
「かつ」と「及び」の違いは何ですか?
A
どちらも “and” の意味ですが、「かつ」は条件を満たす場合に使われることが多いです。例えば「Aであり、かつ、Bである場合」のように、複数の条件が同時に成立することを強調する際に用います。