「就く」は職業や地位に身を置く、ある動作を始めるという意味で、「就職」「就任」「就寝」などの熟語でイメージすると分かりやすいです。「着く」は到着する、ある場所を占めるという意味で、「到着」「着席」「着陸」などの熟語が当てはまります。「席につく」は「席に着く」、「職につく」は「職に就く」と書きます。
| 項目 | 就く | 着く |
|---|---|---|
| 基本的な意味 | 職業・地位に身を置く、動作を始める | 到着する、ある場所を占める |
| イメージ | 役割・状態に入る | 物理的に達する・定まる |
| 関連熟語 | 就職、就任、就寝、就航 | 到着、着席、着陸、定着 |
| 使用例 | 職に就く、帰途に就く、眠りに就く | 駅に着く、席に着く、手紙が着く |
「就く」の意味と使い方
「就く」は、ある職業や地位、役割に身を置くことを表します。「就職」「就任」という熟語を思い浮かべると分かりやすいでしょう。
職業・地位に身を置く
「職に就く」「任に就く」「管理職に就く」のように、ある仕事や役職を担うことを表します。王位や帝位に就く場合は「即く」と書くこともあります。
ある動作・状態を始める
「眠りに就く」「帰途に就く」「床(とこ)に就く」のように、これから何かを始める・ある状態に入ることを表します。「就寝」「就航」などの熟語がこの意味に当たります。
師に従う
「先生に就いて学ぶ」のように、誰かを師として従い、教えを受けることも「就く」と書きます。
- 大学卒業後、念願だった出版社の仕事に就いた。
- 新しい部長が来月の1日付けで就任する。
- 疲れたので早めに床に就くことにした。
- 彼は有名な建築家に就いて設計を学んだ。
- 調査が一段落し、計画は実行の段階に就いた。
「着く」の意味と使い方
「着く」は、動いていってある場所に達すること、ある場所を占めることを表します。「到着」「着席」「着陸」などの熟語を思い浮かべると分かりやすいでしょう。
到着する
「東京駅に着く」「目的地に着く」「手紙が着く」のように、移動してある場所に達することを表します。「到着」「着港」がこの意味に当たります。
ある場所を占める
「席に着く」「食卓に着く」「交渉のテーブルに着く」のように、ある場所に腰を落ち着けて定まることを表します。「着席」がこの意味に当たります。
触れる・届く
「足が底に着く」「天井に手が着く」のように、体の一部がある場所に届いて触れることも「着く」と書きます。
- 新幹線で3時間かけて大阪に着いた。
- 会議が始まるので全員席に着いてください。
- プールの浅いところなら足が着くから安心だ。
- 注文した本がようやく着いた。
語源・由来
「就」という漢字は、「京」と「尤」から成る会意文字です。「京」は高い丘の上に楼閣が建っている様子を表し、「尤」は手を表すとされています。「大きな丘に設けられた都に人々が寄せ集まる様子」を示すという説があり、そこから「ある方向に進む」「ある状態に近づく」という意味が生まれました。中国の字書『説文解字』には「高い土地に向かう」と記されています。
「着」という漢字は、「羊」と「目」と「衣」から成り、もともとは「衣服を着る」という意味でした。そこから「くっついて離れない」「定まる」という意味が派生し、「到着する」「ある場所に落ち着く」という意味で使われるようになりました。
どちらも「ある場所・状態に身を置く」という意味を持ちますが、「就く」は役割や動作といった抽象的なものに対して使い、「着く」は物理的な場所に対して使うという違いがあります。
迷いやすい表現
「つく」の使い分けで特に迷いやすい表現を整理します。
| 表現 | 正しい漢字 | 理由 |
|---|---|---|
| 席につく | 席に着く | 物理的な場所を占める(着席) |
| 職につく | 職に就く | 職業に身を置く(就職) |
| 任につく | 任に就く | 役職に身を置く(就任) |
| 眠りにつく | 眠りに就く | ある状態を始める(就寝) |
| 帰途につく | 帰途に就く | 帰る動作を始める |
| 目的地につく | 目的地に着く | 場所に到着する(到着) |
| 落ちつく | 落ち着く | 心が定まる・安定する |
よくある質問
「守備につく」はどちらの漢字?
「守備に就く」と書きます。守備という役割に身を置くという意味なので「就く」を使います。「ポジションに着く」と物理的な位置を強調する場合は「着く」も使えます。
「床(とこ)につく」と「布団に入る」は違う?
「床に就く」は眠りにつくこと全般を表す慣用表現で、「就寝する」と同じ意味です。「布団に入る」は物理的な動作を表します。病気で寝込むことを「床に就く」とも言います。
「緒に就く(しょにつく)」とはどういう意味?
「物事が軌道に乗り始める」「順調に進み始める」という意味の慣用句です。「緒」は物事の始まり・糸口を意味し、計画や事業などがスタートして進み始めた状態を表します。
「即位する」の「即く」と「就く」の違いは?
「即く」は王位や帝位など、特に高い地位に就く場合に使われる表記です。「天皇の位に即く」のように使います。一般的な役職には「就く」を使い、「社長に就く」「部長の任に就く」と書きます。