「見る」は視覚で物事をとらえること全般に使える基本的な表記です。「観る」は意識を集中して鑑賞する場合に使います。ただし「観る」は常用漢字表の表外読みのため、公用文やNHKでは「見る」に統一されています。日常の文章では、映画や舞台を鑑賞する際に「観る」を使っても問題ありませんが、迷ったら「見る」を使えば間違いありません。
| 項目 | 見る | 観る |
|---|---|---|
| 基本的な意味 | 視覚で物事をとらえる全般 | 意識を集中して鑑賞する |
| 意識の向け方 | 自然に目に入る、何気なく見る | 意図的に注目して見る |
| 常用漢字 | (正式な読み) | (表外読み) |
| 公用文・NHK | 使用される | 使用されない |
| 使用例 | 景色を見る、テレビを見る、顔を見る | 映画を観る、舞台を観る、試合を観る |
「見る」の意味と使い方
「見る」は、視覚で物事をとらえること全般に使える最も基本的な表記です。意図的に見る場合も、自然に目に入る場合も、すべて「見る」で表現できます。
「見る」には非常に幅広い意味があります。
1. 目で物事をとらえる:景色を見る、顔を見る、テレビを見る
2. 調べる・確認する:辞書を見る、時計を見る、様子を見る
3. 判断する:甘く見る、大目に見る
4. 経験する:痛い目を見る、馬鹿を見る
5. 世話をする:面倒を見る
常用漢字表において「見」の訓読みは「み-る」「み-える」「み-せる」と定められており、公用文や新聞、NHKでは「見る」が使われます。
- 窓から外の景色を見る。
- 毎朝ニュースを見るのが習慣だ。
- 辞書で意味を見る。
- 彼の実力を甘く見ていた。
- 子どもの面倒を見る。
「観る」の意味と使い方
「観る」は、意識を集中して注目し、鑑賞する場合に使われます。「観」には「よく見る」「注意深く見る」というニュアンスがあり、芸術作品やスポーツなどを楽しむ際に用いられます。
「観る」が使われる主な場面は以下の通りです。
映画・ドラマを観る:作品を鑑賞するニュアンス
舞台・演劇を観る:劇場で芸術を楽しむ
スポーツを観る:試合を観戦する
展覧会を観る:美術作品などを鑑賞する
ただし、「観る」は常用漢字表の表外読みです。「観」という漢字は常用漢字ですが、読み方として認められているのは「カン」のみ。「みる」という読みは常用漢字表には載っていません。そのため、公用文やNHKでは使用されず、「見る」で統一されています。
とはいえ、常用漢字表は「目安」であり、個人の文章表現を制限するものではありません。日常の文章やSNSで「映画を観る」と書いても間違いではなく、むしろ「鑑賞している」というニュアンスを表現できます。
- 話題の映画を映画館で観た。
- 週末に歌舞伎を観に行く。
- サッカーの試合を観に行った。
- 美術館で絵画を観て回った。
- ライブ配信でコンサートを観た。
「映画を見る」と「映画を観る」どっちが正しい?
結論から言うと、どちらも正しいです。ただし、使われる場面によって適切な表記が異なります。
「映画を見る」が適切な場面
- 公用文、ビジネス文書、新聞記事
- 学校の作文やレポート
- 迷ったとき、無難に表現したいとき
「映画を観る」が適切な場面
- 映画レビューや感想文(鑑賞のニュアンスを出したいとき)
- SNSやブログなど個人の文章
- 「鑑賞した」というニュアンスを強調したいとき
たとえば「テレビで映画を見る」のように、ながら見や何気なく見る場合は「見る」がしっくりきます。一方、「映画館で新作を観る」のように、作品に集中して鑑賞する場合は「観る」を使うことで、より意図が伝わります。
NHKや新聞では「映画を見る」と表記されますが、これは表外読みを避けるルールによるもので、「観る」が間違いだからではありません。
その他の「みる」を表す漢字
「みる」と読む漢字は他にもあります。それぞれ異なる意味を持つので、使い分けを覚えておくと便利です。
視る(みる)
目を凝らしてじっと見る、注視するという意味。「視線」「注視」の「視」です。ただし、これも常用漢字表の表外読みで、公用文では使われません。
例:目を視る(目の状態を調べる)
診る(みる)
医師が患者を診察する際に使います。「診察」「診断」の「診」です。
例:医者に診てもらう、患者を診る
看る(みる)
病人や子どもの世話をする、看病するという意味。「看護」「看病」の「看」です。ただし、これも表外読みのため、公用文では「見る」または「看護する」などと書きます。
例:病人を看る、子どもを看る
迷ったときは「見る」を使おう
「見る」と「観る」の使い分けに迷ったときは、「見る」を使えば間違いありません。
理由は以下の通りです。
- 「見る」は常用漢字表の正式な読みで、あらゆる場面で使える
- 公用文、新聞、NHKでも「見る」で統一されている
- 「見る」で意味が伝わらないことはない
「観る」は、映画レビューや感想など「鑑賞した」というニュアンスを強調したいときに使うのがおすすめです。仕事のメールやフォーマルな文章では「見る」を使っておくのが無難でしょう。
よくある質問
「テレビを見る」と「テレビを観る」どちらが正しい?
一般的には「テレビを見る」が使われます。テレビは日常的に何気なく見ることが多いため、「見る」がしっくりきます。ただし、録画した映画やドラマを集中して鑑賞する場合は「観る」を使うこともあります。
「観る」は間違いなの?
間違いではありません。「観る」は常用漢字表の表外読み(正式に認められた読み方ではない)ですが、日常の文章で使うことは問題ありません。常用漢字表は「目安」であり、個人の表記を制限するものではないとされています。
「サッカーを見る」と「サッカーを観る」の違いは?
「観る」は「観戦」のニュアンスで、スタジアムや画面に集中して試合を楽しむ意味合いがあります。「見る」はより一般的な表現で、どちらを使っても意味は通じます。
学校の作文では「見る」と「観る」どちらを使うべき?
学校の作文やテストでは「見る」を使うのが無難です。「観る」は常用漢字表の表外読みのため、採点者によっては減点される可能性があります。
「夢を見る」は「夢を観る」と書ける?
「夢を見る」が正しい表記です。夢は視覚で鑑賞するものではなく、睡眠中に体験するものなので、「観る」は使いません。「夢を見る」は慣用的な表現として定着しています。