「レポート」と「リポート」は、どちらも英語の「report」が由来で、意味に本質的な違いはありません。ただし慣習的に、「レポート」は大学の課題や報告書など書類、「リポート」はテレビ中継など映像での報告に使われる傾向があります。どちらを使っても間違いではありませんが、場面に応じて使い分けると自然です。
| 項目 | レポート | リポート |
|---|---|---|
| 表記の由来 | 英語のスペルに基づく | 英語の発音(原音)に基づく |
| 主な使用場面 | 大学の課題、ビジネス文書 | テレビ・ラジオの中継報告 |
| 報告の形式 | 文書・書類による報告 | 映像・音声による報告 |
| 採用している媒体 | 大学、一般企業 | NHK、新聞社 |
| 派生語の例 | レポート提出、食レポ | リポーター、現地リポート |
「レポート」の意味と使い方
「レポート」は、調査や研究の結果をまとめた報告書を指すことが多い言葉です。大学で提出する課題や、ビジネスシーンでの調査報告書などに使われます。
英語の「report」が日本に入ってきた当初、スペルをそのままローマ字読みして「レポート」と呼ばれるようになりました。この表記は学術・ビジネスの分野で定着し、現在も広く使われています。
「レポート」が使われる場面
- 大学・学校:授業の課題として提出するレポート
- ビジネス:市場調査レポート、業務報告書
- 研究機関:研究レポート、調査報告書
- 来週までにレポートを提出してください。
- 市場調査レポートをもとに戦略を立てる。
- この授業は試験ではなくレポートで評価される。
「リポート」の意味と使い方
「リポート」は、主にテレビやラジオなどの放送で、現地から状況を報告することを指します。記者やリポーターが取材先から映像や音声を通じて視聴者に情報を伝える場面で使われます。
NHKをはじめとする放送局では、外来語を原音(英語の実際の発音)に近づけて表記する方針を採用しています。英語の「report」は「rɪpɔːrt(リポート)」と発音されるため、放送では「リポート」が標準とされています。
「リポート」が使われる場面
- ニュース中継:事件・事故現場からの報告
- 天気予報:各地の天気リポート
- バラエティ番組:グルメリポート、旅リポート
- スポーツ中継:試合会場からの現地リポート
- 現地からのリポートをお届けします。
- 台風の被害状況を記者がリポートした。
- 人気店の行列に並んでグルメリポートを行う。
語源・由来
「レポート」と「リポート」は、どちらも英語の「report」が語源です。同じ単語から2つの表記が生まれた背景には、日本における外来語の受容の歴史があります。
「レポート」が先に定着
英語の「report」が日本に入ってきた当初は、スペルに基づいて「レポート」と表記されるのが一般的でした。新聞や雑誌でも「レポート」が使われ、学術分野でもこの表記が定着しました。
NHKの原音主義と「リポート」への移行
1980年代頃から、NHKを中心に「外来語はなるべく原音に近く表記する」という方針が採用されるようになりました。英語の「report」の発音は「リポート」に近いため、放送では「リポート」が標準表記となりました。
現在、NHKの「外来語のカナ表記」では「リポート」が採用されており、多くの新聞社もこれに倣っています。一方で、大学や一般企業では従来の「レポート」がそのまま使われ続けているため、2つの表記が並存する状況が生まれました。
使い分けのポイント
「レポート」と「リポート」に明確な使い分けルールはありませんが、以下のような傾向があります。
| 場面 | よく使われる表記 |
|---|---|
| 大学の課題提出 | レポート |
| ビジネス文書 | レポート |
| テレビ・ラジオの中継 | リポート |
| 新聞・報道記事 | リポート |
| グルメ番組の略称 | 食レポ(レポート由来) |
迷ったときは、文書や書類なら「レポート」、映像や音声を伴う報告なら「リポート」と覚えておくと便利です。ただし、どちらを使っても間違いではありません。
よくある質問
「レポーター」と「リポーター」はどちらが正しい?
放送業界では「リポーター」が標準ですが、「グルメレポーター」のように「レポーター」が使われることもあります。どちらも間違いではなく、慣習的に使い分けられています。
なぜ「食レポ」は「食リポ」ではないの?
「食レポ」は「グルメレポート」の略として定着した言葉です。放送では「グルメリポート」と言うことが多いですが、略称は「レポート」由来の「食レポ」が広まりました。言葉の定着は必ずしも論理的ではなく、語感や言いやすさも影響します。
大学の課題を「リポート」と呼んでも問題ない?
意味としては問題ありませんが、大学では「レポート」が一般的です。教授や大学の公式文書でも「レポート」と表記されることがほとんどなので、合わせておくのが無難でしょう。
辞書では「レポート」と「リポート」は別々に載っている?
多くの辞書では同一項目として扱われています。「レポート」を本見出しとし、「リポート」を併記する形式が一般的です。意味の違いはなく、表記のバリエーションとして紹介されています。