「インフレ」は物価が継続的に上昇する現象、「デフレ」は物価が継続的に下落する現象です。「リフレ」はデフレから脱却し、まだインフレには達していない中間の状態を指します。また、リフレはデフレ脱却を目指す経済政策(リフレ政策)を指すこともあります。
| 項目 | インフレ | デフレ | リフレ |
|---|---|---|---|
| 物価の動き | 上昇↑ | 下落↓ | 緩やかに上昇↗ |
| お金の価値 | 下がる | 上がる | やや下がる |
| 種類 | 経済の状態 | 経済の状態 | 状態 or 政策 |
| 正式名称 | インフレーション | デフレーション | リフレーション |
| 語源 | inflation(膨張) | deflation(収縮) | re + inflation(再膨張) |
「インフレ」の意味と使い方
「インフレ」は「インフレーション」の略で、物価が継続的に上昇する現象を指します。物価が上がるということは、同じ金額で買えるモノの量が減ることを意味するため、「お金の価値が下がる」とも表現されます。
緩やかなインフレ(年2%程度)は、経済成長のサインとされ、健全な経済状態と考えられています。一方、急激なインフレは生活を圧迫するため、中央銀行は物価の安定を目指して金融政策を行います。
- 原油価格の高騰で、世界的にインフレが進行している。
- 日本銀行は年2%のインフレ目標を掲げている。
- インフレが続くと、現金の実質的な価値が目減りする。
「デフレ」の意味と使い方
「デフレ」は「デフレーション」の略で、物価が継続的に下落する現象を指します。物価が下がるということは、同じ金額でより多くのモノが買えることを意味するため、「お金の価値が上がる」とも表現されます。
一見すると消費者に有利に思えますが、デフレが続くと「もっと安くなる」と買い控えが起き、企業の売上減少→賃金低下→さらなる消費減退という悪循環(デフレスパイラル)に陥る危険があります。日本は1990年代半ば以降、約30年にわたってデフレ基調が続きました。
- 日本経済は長年デフレに苦しんできた。
- デフレ脱却のため、政府は大規模な金融緩和を実施した。
- デフレ下では現金で持っているだけで価値が上がる。
「リフレ」の意味と使い方
「リフレ」は「リフレーション」の略で、2つの意味があります。
1. 経済の「状態」としてのリフレ
デフレから脱却し、まだ本格的なインフレには達していない中間の状態を指します。物価が緩やかに上昇し始め、経済活動が活発化しつつある状況です。インフレとデフレの「間」にある状態といえます。
2. 経済「政策」としてのリフレ
デフレから脱却するために、金融緩和や財政出動を行ってインフレを意図的に起こそうとする政策を「リフレ政策」といいます。この政策を推進する経済学者やエコノミストを「リフレ派」と呼びます。
日本では、第二次安倍政権の経済政策「アベノミクス」がリフレ政策の代表例として知られています。
- 日本経済はようやくデフレを脱し、リフレの兆しが見えてきた。
- リフレ政策によって、物価上昇率を2%に引き上げることを目指す。
- リフレ派の経済学者が政府の政策ブレーンに就任した。
語源・由来
3つの言葉はいずれも英語に由来し、共通の語根を持っています。
「インフレーション(inflation)」は、ラテン語の「inflare(膨らませる)」に由来し、「膨張」を意味します。「in-(中へ)」と「flare(吹く)」を組み合わせた言葉です。
「デフレーション(deflation)」は、「de-(離れる、下がる)」と「flare(吹く)」を組み合わせた言葉で、「収縮」を意味します。インフレの反対語として作られました。
「リフレーション(reflation)」は、「re-(再び)」と「inflation(インフレ)」を組み合わせた言葉で、「通貨再膨張」と訳されます。1930年代のアメリカで、世界恐慌からの脱出を図る政策を表現するために作られた造語です。
3つの関係を図で理解する
インフレ・デフレ・リフレの関係は、以下のように整理できます。
| 物価の状態 | 名称 | 特徴 |
|---|---|---|
| 下落が続く | デフレ | 不況、買い控え |
| 下落が止まり上昇へ | リフレ | 回復途上、目標は2%程度 |
| 上昇が続く | インフレ | 景気拡大、過熱に注意 |
つまり、リフレはデフレからインフレへ向かう「途中の状態」であり、リフレ政策はその状態を目指す「手段」といえます。
よくある質問
「リフレ」は状態?それとも政策?
両方の意味があります。「デフレとインフレの間の状態」を指す場合と、「デフレ脱却のための政策(リフレ政策)」を指す場合があります。文脈で判断しましょう。
「リフレ派」とはどういう意味?
リフレ政策の推進を主張する経済学者やエコノミストのことです。デフレ脱却のために大胆な金融緩和が必要だと考える立場で、アベノミクスの理論的支柱となりました。
「ディスインフレ」との違いは?
「ディスインフレ」はインフレ率が低下すること(物価は上昇しているが上昇幅が縮小)を指します。「リフレ」はデフレから脱却して物価が上昇に転じた状態を指すので、方向性が異なります。
3つの言葉はなぜ音が似ている?
すべて「-flation」という共通の語根を持つためです。ラテン語の「flare(吹く、膨らむ)」に由来し、「膨張(in-)」「収縮(de-)」「再膨張(re-)」という接頭辞の違いで意味が分かれます。