目次
  1. 「出向」の意味と使い方
  2. 「転勤」の意味と使い方
  3. 語源・由来
  4. 「異動」「赴任」との違い
  5. よくある質問
結論

「出向」は自社に籍を置いたまま別の会社で働くことです。「転勤」同じ会社内で勤務地が変わることです。出向は「社外への異動」、転勤は「社内での異動」という点が最大の違いです。

出向

しゅっこう
別の会社で働く
社外への異動

転勤

てんきん
会社内で勤務地が変
社内での異動
項目 出向 転勤
働く会社 別の会社 同じ会社
雇用関係 二重(出向元+出向先) 変わらない
異動の種類 社外異動 社内異動
指揮命令 出向先から受ける 異動先の上司から受ける
主な目的 人材育成・技術移転・雇用調整 人員配置・キャリア形成・不正防止
勤務地の変更 変わることが多い 必ず変わる

「出向」の意味と使い方

「出向」は、出向元企業の社員が、出向元との雇用関係を維持したまま、別の会社(出向先)で働く形態です。一般的に「在籍出向」と呼ばれるこの形態では、労働者は出向元と出向先の両方と雇用関係を持ちます。

出向の特徴は、働く会社が変わる点です。グループ会社や関連会社への異動が多く、人材育成やキャリア開発、技術・ノウハウの移転、雇用調整などを目的として行われます。

出向は「社外への異動」であり、出向先の就業規則に従って働くことになります。給与は出向元が支払うケースと出向先が支払うケースがあり、契約によって異なります。

「出向」を使った例文
  • 来月から子会社へ出向することになった。
  • 3年間の出向を終えて、本社に復帰した。
  • グループ会社間で人材の出向を積極的に行っている。

「転勤」の意味と使い方

「転勤」は、同じ会社内で勤務地が変わることです。例えば、東京本社から大阪支社へ異動する場合や、名古屋営業所から福岡営業所へ異動する場合が転勤に該当します。

転勤の特徴は、雇用関係が変わらない点です。同じ会社に所属したまま、勤務する場所だけが変わります。給与体系や福利厚生は基本的に同じ会社のものが適用されます。

転勤は「社内での異動」であり、人員配置の最適化、社員のキャリア形成、長期勤務による癒着や不正の防止などを目的として行われます。

「転勤」を使った例文
  • 来年度から大阪支社へ転勤することになった。
  • 入社以来、3回の転勤を経験している。
  • 転勤に伴い、家族で引っ越すことにした。

語源・由来

「出向」は「出」(出る)と「向」(向かう)を組み合わせた言葉で、ある場所から出て別の場所へ向かうことを意味します。企業間の人事異動を指す言葉として使われるようになったのは、日本の企業グループ経営が発展した戦後以降と考えられています。

「転勤」は「転」(移る、変わる)と「勤」(勤める)を組み合わせた言葉で、勤め先が移り変わることを意味します。同じ会社内での勤務地の変更を指す言葉として、戦前から使われていました。

「異動」「赴任」との違い

出向や転勤と混同されやすい言葉に「異動」と「赴任」があります。

異動との違い

「異動」は、職場や職務が変わることを広く指す言葉です。出向も転勤も「異動」の一種であり、異動は上位概念にあたります。異動には、出向や転勤のほかに、昇進・降格、部署変更、職種変更なども含まれます。

赴任との違い

「赴任」は、転勤や出向が決まった人が新しい勤務先に向かうこと、または着任することを指します。「来月、大阪に赴任する」のように、移動する行為や着任する行為に焦点を当てた言葉です。転勤や出向は制度・形態を指し、赴任は行為を指すという違いがあります。

よくある質問

Q
「出向」と「転勤」、どちらが大変?
A
一概には言えません。出向は働く会社が変わるため環境の変化が大きい一方、転勤は引っ越しを伴うことが多く生活面での負担が大きい場合があります。状況によって異なります。
Q
「転勤」と「転属」の違いは?
A
「転勤」は勤務地が変わることを指し、「転属」は所属部署が変わることを指します。転勤は場所の変更、転属は組織上の所属の変更という違いがあります。
Q
グループ会社への異動は「出向」?「転勤」?
A
グループ会社であっても別会社への異動であれば「出向」です。同一法人内での勤務地変更のみが「転勤」に該当します。
Q
「出向」や「転勤」は拒否できる?
A
就業規則に定めがあり、業務上の必要性や合理性がある場合、原則として拒否は難しいとされています。ただし、労働契約で勤務地が限定されている場合などは例外となることがあります。