目次
  1. 「確定申告」の意味と使い方
  2. 「年末調整」の意味と使い方
  3. 年末調整と確定申告で受けられる控除の違い
  4. 会社員でも確定申告が必要なケース
  5. 確定申告をしたほうがお得なケース(還付申告)
  6. よくある質問
結論

「年末調整」は会社が従業員に代って行う所得税の精算手続きで、会社員基本的にこれだけで完了します。「確定申告」は納税者本人が税務署に行う申告手続きで、個人事業主や副業収入がある人などが対象です。会社員でも医療費控除住宅ローン控除(初年度)を受けたい場合は確定申告が必要です。

確定申告

かくていしんこく
本人が税務署に申告
個人事業主・副業がある人など

年末調整

ねんまつちょうせい
会社が代わりに手続き
会社員・パート・アルバイト
項目 確定申告 年末調整
手続きする人 納税者本人 会社(勤務先)
提出先 税務署 会社の経理・総務
対象となる人 個人事業主、副業がある会社員など 会社員、パート、アルバイト
対象となる所得 すべての所得 給与所得のみ
時期 翌年2月16日〜3月15日 11月〜12月

「確定申告」の意味と使い方

「確定申告」とは、1年間(1月1日〜12月31日)の所得を計算し、納めるべき所得税額を自分で申告・納税する手続きです。翌年の2月16日から3月15日までに税務署に申告書を提出します。

確定申告が必要なのは、主に以下のような人です。

必ず確定申告が必要な人

  • 個人事業主・フリーランス
  • 不動産収入がある人
  • 年収2,000万円を超える会社員
  • 副業で20万円超の所得がある会社員
  • 2か所以上から給与をもらっている人
  • 年の途中で退職して年末調整を受けていない人

確定申告では、給与所得だけでなく、事業所得、不動産所得、雑所得などすべての所得を合算して税額を計算します。源泉徴収や予定納税で払いすぎた税金があれば還付を受けられ、足りなければ追加納税します。

確定申告の流れ
  • 1月〜:必要書類(源泉徴収票、控除証明書など)を準備
  • 2月16日〜3月15日:申告書を作成し、税務署に提出
  • 3月15日まで:納税がある場合は期限までに納付
  • 申告後1〜1.5か月:還付がある場合は振り込まれる

「年末調整」の意味と使い方

「年末調整」とは、会社が従業員に代わって行う所得税の精算手続きです。毎月の給与から概算で天引き(源泉徴収)されている所得税を、年末に正しい金額に調整します。

会社員の場合、所得税は毎月の給与から天引きされていますが、この金額はあくまで概算です。年末に1年間の給与総額や各種控除が確定した時点で正しい税額を計算し、払いすぎていれば還付、足りなければ追加徴収されます。

年末調整の対象となる人

  • 1年を通じて勤務している人
  • 年の途中で入社し、年末まで勤務している人
  • 「扶養控除等(異動)申告書」を提出している人

年末調整の対象外となる人

  • 年収が2,000万円を超える人
  • 年の途中で退職した人(一部例外あり)
  • 災害減免法により源泉徴収の猶予を受けた人

年末調整を受けた会社員は、基本的に確定申告は不要です。ただし、年末調整では対応できない控除を受けたい場合や、副業収入がある場合は別途確定申告が必要になります。

年末調整で提出する書類
  • 扶養控除等(異動)申告書 – 扶養家族の情報
  • 基礎控除申告書 兼 配偶者控除等申告書 兼 所得金額調整控除申告書
  • 保険料控除申告書 – 生命保険料、地震保険料など
  • 住宅借入金等特別控除申告書(2年目以降)

年末調整と確定申告で受けられる控除の違い

所得控除には、年末調整で受けられるものと、確定申告でないと受けられないものがあります。

年末調整で受けられる控除

  • 基礎控除
  • 配偶者控除・配偶者特別控除
  • 扶養控除
  • 障害者控除
  • 寡婦控除・ひとり親控除
  • 勤労学生控除
  • 生命保険料控除
  • 地震保険料控除
  • 社会保険料控除
  • 小規模企業共済等掛金控除(iDeCoなど)
  • 住宅ローン控除(2年目以降

確定申告でないと受けられない控除

  • 医療費控除 – 年間10万円超の医療費がある場合
  • 雑損控除 – 災害・盗難などで損害を受けた場合
  • 寄附金控除 – ふるさと納税(ワンストップ特例を使わない場合)など
  • 住宅ローン控除(初年度) – 2年目以降は年末調整で可

これらの控除を受けたい会社員は、年末調整を受けた上で、さらに確定申告を行う必要があります。

会社員でも確定申告が必要なケース

年末調整を受けた会社員でも、以下のケースでは確定申告が必要です。

1. 年収が2,000万円を超える

年収2,000万円超の人は年末調整の対象外となるため、自分で確定申告を行う必要があります。

2. 副業の所得が20万円を超える

給与所得以外の所得(副業収入、株式売買益など)が年間20万円をえる場合は確定申告が必要です。ただし、20万円以下でも住民税の申告は必要なので注意しましょう。

3. 2か所以上から給与をもらっている

年末調整は1か所でしかできません。メインの勤務先以外からの給与収入が20万円を超える場合は確定申告が必要です。

4. 医療費控除を受けたい

年間の医療費が10万円(または所得の5%)を超えた場合、確定申告で医療費控除を受けられます。

5. 住宅ローン控除を受けたい(初年度)

住宅ローン控除は、1年目のみ確定申告が必要です。2年目以降は年末調整で受けられます。

6. ふるさと納税をした(ワンストップ特例を使わない場合)

ふるさと納税の寄付先が6自治体以上の場合や、ワンストップ特例を利用しない場合は確定申告が必要です。

7. 年の途中で退職した

年の途中で退職し、年末時点で再就職していない場合は年末調整を受けられないため、確定申告が必要です。転職した場合は、前職の源泉徴収票を転職先に提出すれば、まとめて年末調整を受けられます。

確定申告をしたほうがお得なケース(還付申告)

義務ではなくても、確定申告をすることで払いすぎた税金が戻ってくるケースがあります。これを「還付申告」といいます。

還付申告ができるケース

  • 医療費が10万円を超えた
  • ふるさと納税をした
  • 住宅ローン控除(初年度)を受けたい
  • 年末調整で控除書類の提出が間に合わなかった
  • 年末調整後に扶養家族が増えた(結婚・出産など)

還付申告は、通常の確定申告期間(2月16日〜3月15日)に限らず、翌年1月1日から5年間いつでも申告できます。

よくある質問

Q
会社員は確定申告しなくていい?
A
年末調整を受けていれば、基本的に確定申告は不要です。ただし、副業収入が20万円超ある場合や、医療費控除・住宅ローン控除(初年度)を受けたい場合は、年末調整とは別に確定申告が必要です。
Q
年末調整と確定申告の両方が必要なケースは?
A
副業収入が20万円超ある場合、2か所以上から給与をもらっている場合、医療費控除や寄附金控除(ふるさと納税)を受けたい場合などです。年末調整を受けた後、さらに確定申告を行います。
Q
医療費控除は年末調整で受けられる?
A
いいえ、医療費控除は年末調整では受けられません。確定申告が必要です。年間の医療費が10万円(所得200万円未満の人は所得の5%)を超えた場合に控除を受けられます。
Q
ふるさと納税は確定申告が必要?
A
「ワンストップ特例制度」を利用すれば確定申告は不要です。ただし、寄付先が6自治体以上の場合や、他の理由で確定申告をする場合は、ワンストップ特例は無効になるため、確定申告でふるさと納税の控除を申告する必要があります。
Q
副業収入が20万円以下なら申告不要?
A
所得税の確定申告は不要ですが、住民税の申告は必要です。副業収入がある場合は、お住まいの市区町村に住民税の申告を行いましょう。