目次
  1. 「様」の意味と使い方
  2. 「御中」の意味と使い方
  3. 「殿」の意味と使い方
  4. 「各位」の意味と使い方
  5. 使い分けの判断フローチャート
  6. 併用NGパターン
  7. 「行」「宛」の書き換え方
  8. よくある質問
結論

「様」は個人宛に使う最も一般的な敬称です。「御中」は会社・団体・部署など組織宛に使います。「殿」は目上から目下への社内文書で使いますが、現在「様」で代用するのが一般的です。「各位」は複数人(全員)に宛てるときに使い、「皆様」と同じ意味です。

さま
個人宛
誰にでも使える

御中

おんちゅう
組織・団体宛
誰かに届けばOK

殿

どの
個人宛(目下向け)
社内文書・公用文

各位

かくい
複数人宛
全員に読んでほしい
項目 御中 殿 各位
対象 個人 組織・団体 個人 複数人
目上への使用
社外への使用
口頭での使用
使用例 田中太郎 様 株式会社○○ 御中 営業部長 殿 関係者各位

「様」の意味と使い方

「様」は、個人に対して使う最も一般的な敬称です。相手の立場や年齢に関係なく、誰に対しても使えるため、ビジネスシーンで最も使用頻度が高い敬称です。

メールや手紙、封筒の宛名で個人名の後ろにつけて使います。書き言葉だけでなく、口頭でも「○○様」と使えるのが特徴です。

ビジネスでは漢字の「様」を使うのが一般的です。「さま」「サマ」はカジュアルな印象を与えるため、取引先や目上の人には避けましょう。

「様」を使った例
  • 株式会社○○ 営業部 田中太郎
  • 担当
  • お客
  • ○○にはいつもお世話になっております。

「御中」の意味と使い方

「御中」は、会社・団体・部署など組織宛に使う敬称です。「その組織の中の誰かに届けばよい」という意味があり、担当者の名前がわからない場合に使います。

「御」は敬意を表す接頭語、「中」は組織の中にいる人を指します。つまり「御中」は「組織の中にいる方へ」という意味です。

担当者の名前がわかっている場合は、「御中」ではなく「様」を使うのがマナーです。名前がわかっているのに「御中」を使うと、相手を軽視している印象を与えることがあります。

「御中」を使った例
  • 株式会社○○ 御中
  • 株式会社○○ 人事部 御中
  • ○○市役所 市民課 御中
  • ○○大学 入試事務局 御中

「殿」の意味と使い方

「殿」は、目上の人から目下の人に対して使う敬称です。主に社内文書や公用文、辞令、賞状などで使われます。

「殿」は役職名の後ろにつけることができるのが特徴です(「営業部長殿」など)。一方、「様」は役職名には使えません。

ただし、近年のビジネスシーンでは「殿」の使用頻度は減少しています。昭和27年の国語審議会でも「公用文の『殿』も『様』に統一されることが望ましい」とされており、迷ったら「様」を使うのが無難です。

社外の人には「殿」を使わないのが鉄則です。取引先やお客様に「殿」を使うと、相手を目下扱いすることになり、大変失礼にあたります。

「殿」を使った例
  • 人事部 佐藤花子 殿(社内文書)
  • 営業部長 殿(辞令・社内通達)
  • 山田太郎 殿(賞状・表彰状)

「各位」の意味と使い方

「各位」は、複数人に対して使う敬称で、「皆様」と同じ意味です。「各」には「それぞれ」という意味があり、全員に対して敬意を示す表現です。

組織の全員に読んでほしい場合や、関係者全員に通知を出す場合に使います。目上・目下を問わず使える便利な表現です。

「各位」はそれ自体が敬称なので、原則として「様」との併用はしません。ただし、「お客様各位」「お得意様各位」のみ例外的に併用が認められています。これは「様」を取ると不自然になるためです。

「各位」を使った例
  • 社員各位
  • 関係者各位
  • 株式会社○○ 営業部 各位
  • お客様各位(例外的にOK)

使い分けの判断フローチャート

宛名の敬称に迷ったときは、以下の順番で判断しましょう。

【STEP1】宛先は個人か?組織か?

  • 組織・団体・部署 → STEP2へ
  • 個人 → STEP3へ

【STEP2】全員に読んでほしいか?

  • 全員に読んでほしい → 「各位」
  • 誰か一人に届けばよい → 「御中」

【STEP3】社内か?社外か?

  • 社外(取引先・お客様など) → 「様」
  • 社内で目下の人への公式文書 → 「殿」または「様」
  • 社内でも迷ったら → 「様」

併用NGパターン

敬称の併用は二重敬語となり、ビジネスマナー違反です。以下のパターンに注意しましょう。

「御中」と「様」の併用

  • 株式会社○○ 御中 田中様
  • 株式会社○○ 田中様

「御中」と「各位」の併用

  • 株式会社○○ 御中 営業部各位
  • 株式会社○○ 営業部各位

役職名と「様」の併用

  • 田中部長様
  • 営業部 部長 田中太郎 様
  • 営業部 田中部長

「行」「宛」の書き換え方

返信用封筒やはがきには、あらかじめ「○○株式会社 行」「○○ 宛」と印字されていることがあります。これは自分宛に使う謙譲表現なので、返送する際は必ず書き換えます。

書き換えの手順

  1. 「行」「宛」を二重線で消す(縦書きは縦線、横書きは横線)
  2. 組織宛なら「御中」、個人宛なら「様」を書き加える

修正液や修正テープは使わず、二重線で消すのがマナーです。

よくある質問

Q
「御中」と「様」はどちらが丁寧?
A
丁寧さの違いではなく、対象の違いです。「御中」は組織宛、「様」は個人宛に使います。担当者の名前がわかっている場合は「様」を使うのが正しいマナーです。
Q
「殿」は目上の人に使える?
A
使えません。「殿」は目上から目下に対して使う敬称です。目上の人には「様」を使いましょう。また、社外の人には立場に関係なく「殿」は使わないのがマナーです。
Q
「部長様」は正しい?
A
正しくありません。役職名自体に敬意が含まれているため、「様」をつけると二重敬語になります。「営業部 部長 田中太郎 様」または「営業部 田中部長」が正しい書き方です。
Q
「お客様各位」は二重敬語では?
A
文法的には二重敬語ですが、「お客様各位」「お得意様各位」に限り、慣例として使用が認められています。「様」を取ると不自然になるためです。ただし「関係者様各位」などは誤りです。
Q
迷ったらどの敬称を使えばいい?
A
個人宛なら「様」、組織宛なら「御中」を使えば間違いありません。「殿」の代わりに「様」を使っても失礼にはあたらないので、迷ったら「様」を選びましょう。