目次
  1. 「池」の意味と使い方
  2. 「沼」の意味と使い方
  3. 「湖」の意味と使い方
  4. 語源・由来
  5. 名称と定義が合わない例
  6. よくある質問
結論

一応の基準として、「湖」は水深が深く(5m以上)水草が底まで生えないもの、「沼」は浅く(5m以下)水草が底まで繁茂するもの、「池」は小規模で特に人工的に作られたものを指します。ただし国土地理院も「厳密に区分することは困難」としており、実際の名称は地域の慣例によることが多いです。

いけ
小規模な水域
人工的に作られたものが多い

ぬま
水深5m以下の天然水域
底まで水草が繁茂

みずうみ
水深5m以上の天然水域
底に水草がない部分がある
項目
水深の目安 浅い(5m以下) 浅い(5m以下) 深い(5m以上)
成因 人工が多い 天然 天然
水草(沈水植物) 条件による 底まで繁茂 深部にはない
規模 小さい 中程度 大きい
透明度のイメージ 様々 低い(泥深い) 高い(澄んでいる)
代表例 満濃池、入鹿池 印旛沼、伊豆沼 琵琶湖、摩周湖

「池」の意味と使い方

「池」は、地面のくぼみに水がたまった場所のうち、比較的小規模なものを指します。湖沼学上は「湖や沼の小さなものをいい、特に人工的に作ったもの」と定義されています。

日本では古くから農業用水を確保するために「ため池」が各地に作られてきました。香川県の満濃池や愛知県の入鹿池など、人工的に築造された池が数多く残っています。また、日本庭園の景観要素として作られる池も「池」と呼ばれます。

なお、天然にできた水域でも「池」と呼ばれることがあります。鳥取県の湖山池は天然の海跡湖ですが、「池」と名付けられています。

「池」を使った例文
  • 公園ので鯉にエサをあげた。
  • 農業用のためが干上がりそうだ。
  • 日本庭園のに睡蓮が咲いている。
  • の水ぜんぶ抜く」という番組が人気だ。

「沼」の意味と使い方

「沼」は、天然にできた水域のうち、水深が浅く(一般に5m以下)、底まで水草(沈水植物)が繁茂しているものを指します。底が泥深く、透明度が低いのが特徴です。

「沼」という言葉には、「底なし沼」「泥沼」などの表現があるように、足を取られて抜け出せないというイメージが伴います。そのため、ネガティブな印象を持たれがちで、観光地としてのイメージアップのために「沼」から「湖」に名称を変更した例もあります。

一方、近年では「沼にハマる」のように、何かに夢中になる・熱中するという意味の比喩表現としても使われます。

「沼」を使った例文
  • 印旛は千葉県最大の湖沼だ。
  • アイドルのにハマってしまった。
  • あの問題化している。
  • 湿原には大小のが点在している。

「湖」の意味と使い方

「湖」は、四方を陸地に囲まれた水域のうち、水深が深く(一般に5m以上)、中央の深い部分には水草が生えていないものを指します。池や沼より規模が大きく、透明度が高いイメージがあります。

日本最大の湖は滋賀県の琵琶湖(面積約670km²、最大水深約104m)で、秋田県の田沢湖は日本一深い湖(最大水深423m)として知られています。

ダムによってできた人工の水域も「〇〇湖」と名付けられることが多いです。定義上は人工なので「池」に分類されますが、規模が大きいため「湖」と呼ばれています。

「湖」を使った例文
  • 琵琶は日本最大のだ。
  • 山上でボートを漕いだ。
  • 摩周は透明度が高いことで有名だ。
  • ダムの周囲を散策した。

語源・由来

「池」は、「水(い)」と「処(け)」が組み合わさった語とされ、「水のあるところ」を意味します。古くは天然・人工を問わず水がたまった場所全般を指していました。

「沼」は、「ぬ」(湿った・濡れた)と「ま」(場所)が組み合わさった語と考えられ、「湿った場所」を意味します。泥が多く、ぬかるんだ土地というイメージと結びついています。

「湖」は、「水(み)」と「海(うみ)」が組み合わさった語で、「淡水の海」を意味するとされています。海のように広大な水域を指す言葉として使われてきました。

なお、明治9年(1876年)の「地所名称区別細目」という法律で、初めて日本で湖沼の定義付けが行われました。それ以前は明確な基準がなく、各地で自由に名付けられていました。

名称と定義が合わない例

国土地理院によれば、地図に記載される「〇〇湖」「〇〇沼」などの表記は、フォーレルの区分とは関係なく、その土地で実際に呼ばれている名称に基づいています。そのため、定義と名称が合わない例が数多く存在します。

「池」なのに湖クラスの例

  • 湖山池(鳥取県):面積6.9km²、水深6.5m。「池」と名がつく中では日本最大。天然の海跡湖であり、定義上は「湖」に近い
  • 池田湖(鹿児島県):水深56.5mの火口湖だが、歴史的経緯から「池」と呼ばれている

「沼」なのに深い例

  • 菅沼(群馬県):最大水深75m。堰止湖として形成されたため「沼」と呼ばれている

「湖」なのに浅い例

  • ウトナイ湖(北海道):水深わずか1.0m。定義上は「沼」に近い
  • 十三湖(青森県):水深1.5m。地元では「十三潟」とも呼ばれる

人工なのに「湖」の例

  • 黒部湖奥多摩湖宮ヶ瀬湖など:ダムによる人工の貯水池だが、規模が大きいため「湖」と名付けられている

よくある質問

Q
「潟」は「池」「沼」「湖」とどう違う?
A
「潟」は海と密接に関係する水域を指します。海から切り離されてできた場所(海跡湖)や、潮の干満で水面が現れたり消えたりする場所を「潟」と呼びます。新潟県の「潟」や、石川県の河北潟・柴山潟などが代表例です。
Q
ダムにできた水は「池」?「湖」?
A
定義上は人工なので「池」に分類されますが、実際には「〇〇湖」と呼ばれることがほとんどです。「池」より「湖」の方がイメージが良く、観光地として認知されやすいという理由もあります。正式名称は「〇〇貯水池」でも、通称は「〇〇湖」という例が多いです。
Q
日本一大きい「池」はどこ?
A
「池」と名がつく中では鳥取県の湖山池(面積6.9km²)が日本最大です。ただし天然の海跡湖であり、定義上は「湖」に近い特徴を持っています。人工のため池では、香川県の満濃池(1.39km²)が有名です。
Q
「沼」から「湖」に名前が変わった例はある?
A
あります。観光地としてのイメージアップを図るため、「沼」から「湖」に呼称を変更した例が報告されています。「沼」は泥深い・濁っているというネガティブなイメージがあるのに対し、「湖」は澄んでいて美しいというポジティブなイメージがあるためです。