「平地」は起伏のない平らな土地全般を指し、平野・盆地・台地・高原などを含む広い概念です。「低地」は周辺に比べて標高が低い土地を指し、台地や高地の対義語として使われます。どちらも厳密な学術用語ではなく、文脈によって意味合いが変わることがあります。
| 項目 | 平地 | 低地 |
|---|---|---|
| 基本的な意味 | 起伏のない平らな土地 | 周辺より高度の低い土地 |
| 重視する点 | 地形の平坦さ | 標高の相対的な低さ |
| 含まれる地形 | 平野、盆地、台地、高原 | 沖積平野、氾濫原、三角州など |
| 対義語 | 山地、起伏地 | 高地、台地 |
| 学術用語か | 厳密な定義なし | 厳密な定義なし |
| 使用例 | 「平地が少ない地域」 | 「低地は洪水の危険がある」 |
「平地」の意味と使い方
「平地」は、起伏のない平らな土地全般を指す言葉です。正式な地理学上の学術用語ではなく、単に平坦な地表面をもつ地形を表すときに用いられます。
「平地」に含まれる地形
「平地」は広い概念で、以下のような地形を含みます。
- 平野:海に面した低く平らな土地
- 盆地:周囲を山に囲まれた平らな土地
- 台地:周囲より一段高い平らな土地
- 高原:標高の高い平らな土地
このように、「平地」は標高の高低に関係なく「平らであること」を重視した言葉です。標高が高くても平らであれば「平地」に含まれます。
「山地」との対比
「平地」は「山地」と対比して使われることが多いです。気象庁の予報用語では、「平地」を「平野と大きな盆地」と定義し、「山地」に対する用語として使用しています。
「低地」の意味と使い方
「低地」は、周辺部に対して相対的に標高が低い土地を指します。「高地」の対義語として、また「台地」に対する用語として使われます。
「低地」に含まれる地形
国土地理院の治水地形分類図などでは、以下のような地形が「低地」に分類されています。
- 沖積平野:河川の堆積作用で形成された平野
- 氾濫原:河川が氾濫した際に水が及ぶ範囲
- 三角州:河口に土砂が堆積してできた地形
- 自然堤防・後背湿地:河川沿いの微高地と低湿地
- 旧河道:かつて川が流れていた跡
相対的な概念としての「低地」
「低地」は相対的な概念であり、どこと比較するかによって意味合いが変わります。たとえば、東京都東部の「低地」は、西部の武蔵野台地や東部の下総台地より標高が低いため「低地」と呼ばれています(いわゆる「ゼロメートル地帯」)。
また、「低地」は文脈によって異なる意味で使われることがあります。
- 標高200m以下の土地全般を指す場合
- 河川沿いの大規模な低い土地を指す場合
- 台地に対する用語として使う場合
- この低地は洪水の被害を受けやすく、排水機場が設置されている。
- オランダは国土の約4分の1が海面下の低地で、歴史的に「低地諸国」と呼ばれてきた。
- 台地と低地の境目には崖(段丘崖)が形成されている。
語源・由来
「平地」は、「平らな土地」という意味の漢語です。「平」は水平・平坦を表し、「地」は土地を意味します。読み方は「へいち」が一般的ですが、「ひらち」とも読みます。気象庁や国土地理院では「へいち」の読みが使われています。
「低地」は、「低い土地」という意味の漢語です。「低」は高さが低いことを表し、英語の「lowland」に対応します。地理学者のハーバーツソンは、標高200メートル以下を「低地(lowland)」、200〜1000メートルを「台地(upland)」、1000メートル以上を「高地(highland)」と分類しました。
使い分けのポイント
「平地」と「低地」は、似ているようで着目点が異なります。
| 着目点 | 使う言葉 | 例 |
|---|---|---|
| 平らかどうか | 平地 | 「日本は平地が少ない」 |
| 標高が低いかどうか | 低地 | 「低地は浸水しやすい」 |
たとえば、「台地」は平らな土地なので「平地」には含まれますが、周囲より高いため「低地」ではありません。逆に、「低地」は標高が低い土地ですが、必ずしも平らとは限りません(谷間など)。
日常会話では厳密に区別されないこともありますが、防災や地理の文脈では使い分けが重要になります。
よくある質問
「平地」と「平野」はどう違いますか?
「平野」は地形学上の学術用語で、山地に対して低く平らで広い地形を指します。一方「平地」は厳密な学術用語ではなく、平野だけでなく盆地・台地・高原なども含む広い概念です。平野は平地の一種と言えます。
「低地」の対義語は何ですか?
「低地」の対義語は「高地」です。また、平野の中での対比として「台地」が低地の対義語として使われることもあります。台地は周囲より高い平らな土地で、低地は周囲より低い土地を指します。
「平地」の読み方は「へいち」と「ひらち」どちらが正しい?
どちらも正しい読み方です。一般的には「へいち」と読むことが多く、気象庁の予報用語でも「へいち」が使われています。「ひらち」は訓読みで、やまと言葉的な響きがあります。意味は同じです。
天気予報の「平地」とはどこを指しますか?
気象庁の予報用語では、「平地」は「平野と大きな盆地」を指し、「山地」に対する用語として使われています。「平地でも積雪」などと言う場合、山間部だけでなく平野部でも雪が積もることを意味します。