目次
  1. 「山脈」の意味と使い方
  2. 「山地」の意味と使い方
  3. 「高地」の意味と使い方
  4. 「高原」の意味と使い方
  5. 語源・由来
  6. 迷ったときは「山地」を使おう
  7. よくある質問
結論

「山地」は山々が連なる地域全般を指す総括的な言葉です。その中で、「山脈」は尾根が細長く連続する険しい山地、「高地」は起伏が小さく谷が発達した山地、「高原」は起伏が小さく表面が平坦な山地を指します。険しさの順では「山脈>山地>高地>高原」となります。

山脈

さんみゃく
尾根が細長く連続
最も険しい地形

山地

さんち
山々の集合体
総括的な呼び名

高地

こうち
起伏が小さく谷が発達
山地と高原の中間

高原

こうげん
表面が平坦
居住・観光に適する
項目 山脈 山地 高地 高原
定義 顕著な脈状をなす山地 地殻の突起部の集合体 起伏が小さく谷が発達した山地 起伏が小さく表面が平坦な山地
起伏の大きさ 大きい 大きい 小さい 小さい
谷の発達 顕著 顕著 顕著 発達しない
表面の状態 険しい尾根が連続 さまざま おおむね平坦 平坦
日本の例 飛騨山脈、赤石山脈 中国山地、四国山地 北上高地、阿武隈高地 那須高原、志賀高原

「山脈」の意味と使い方

「山脈」は、山頂と山頂を結ぶ尾根(稜線)が脈状に細長く連続している山地を指します。国土地理院では「とくに顕著な脈状をなす山地」と定義しています。

4つの言葉の中で最も険しい地形であり、3000m級の高峰が連なるような場所に使われます。日本アルプスと呼ばれる飛騨山脈(北アルプス)、木曽山脈(中央アルプス)、赤石山脈(南アルプス)が代表例です。

「山脈」を使った例文
  • 日本アルプス3つの山脈の総称である。
  • 山脈の稜線を縦走するルートは上級者向けだ。
  • ヒマラヤ山脈には8000m級の山が14座ある。

「山地」の意味と使い方

「山地」は、山々が集まっている地域全般を指す総括的な言葉です。国土地理院では「地殻の突起部の集合体」と定義しており、山脈・高地・高原を含む上位概念として位置づけられています。

起伏のある山々が広範囲に連なっている場所に使われ、九州山地、中国山地、四国山地、紀伊山地などが代表例です。山脈ほど険しくなく、高地ほど平坦でもない、中間的な地形を指すことが多いです。

「山地」を使った例文
  • 日本の国土の7割は山地が占めている。
  • 中国山地は山陰と山陽を分けている。
  • この地域は山地が多く、平野が少ない。

「高地」の意味と使い方

「高地」は、起伏がそれほど大きくなく、谷の発達が顕著で、表面がおおむね平坦な山地を指します。国土地理院では「地勢の上では山地と高原との中間的形態のものをいう」と定義しています。

山脈や山地ほど険しくないものの、谷が深く刻まれているため、居住の中心は谷底に集まる傾向があります。岩手県の北上高地や、福島県から茨城県にかけての阿武隈高地が代表例です。

「高地」を使った例文
  • 北上高地は岩手県の中央から東部に広がっている。
  • 阿武隈高地はなだらかな山並みが続く。
  • 高地トレーニングは持久力向上に効果がある。

「高原」の意味と使い方

「高原」は、起伏が小さく、谷があまり発達せず、表面が平坦な山地を指します。国土地理院では「表面にまで相当の居住が営まれている山地」とも定義されており、高地よりも人が住みやすい地形です。

標高が高く涼しいため、避暑地やリゾート地として開発されることが多く、那須高原、志賀高原、軽井沢高原、霧ヶ峰高原などが有名です。

「高原」を使った例文
  • 夏は涼しい高原で過ごしたい。
  • 那須高原は関東有数のリゾート地だ。
  • 高原野菜は昼夜の寒暖差で甘みが増す。

語源・由来

「山脈」「山地」は古くから使われてきた言葉ですが、「高原」という言葉は比較的新しく、江戸時代以前には存在しませんでした。「高原」が初めて登場したのは1911年(明治44年)に刊行された地理書だとされています。

これらの地形用語が正式に定義されたのは、1954年(昭和29年)に地理調査所(現・国土地理院)が「主要自然地域名称図」を定めたときです。この定義は、20万分の1地勢図などの地図に注記するために作られました。

なお、「山脈」の「脈」は血管が脈打つように細長く連なる様子を表しており、山々が血管のように一列につながっている地形を意味しています。

迷ったときは「山地」を使おう

「山脈」「高地」「高原」のどれを使うべきか迷った場合は、総括的な意味を持つ「山地」を使えば間違いありません。

ただし、日本の地名として定着しているものは、慣用的に使い分けられています。例えば「飛騨山脈」を「飛騨山地」と呼んだり、「北上高地」を「北上山地」と呼んだりすると、厳密には誤りとなるため注意が必要です。

地理の学習では、それぞれの地名とともに「山脈」「山地」「高地」「高原」の区別をセットで覚えておくと、テストでも正確に答えられます。

よくある質問

Q
日本アルプスはなぜ「山脈」と呼ばれるの?
A
飛騨山脈・木曽山脈・赤石山脈は、3000m級の高峰が尾根沿いに連なる険しい地形です。稜線が脈状に連続しているため「山脈」と呼ばれます。1881年にイギリス人技師がヨーロッパのアルプス山脈になぞらえて「日本アルプス」と紹介しました。
Q
「高地」と「高原」の見分け方は?
A
谷の発達具合で区別できます。「高地」は谷が深く刻まれており、居住の中心が谷底にあります。一方「高原」は谷があまり発達せず、表面が平坦で、高台にも人が住んだり観光地として利用されたりしています。
Q
「北上山地」と「北上高地」どちらが正しい?
A
国土地理院の定義では「北上高地」が正式名称です。起伏が小さく谷が発達した地形であるため「高地」に分類されています。ただし、一般的には「北上山地」と呼ばれることもあり、学術的な議論が続いています。
Q
険しさの順番を覚える方法は?
A
「山脈>山地>高地>高原」の順で険しくなります。「脈」がつく山脈が最も険しく、「原」がつく高原が最もなだらかと覚えると分かりやすいです。高地と高原は似ていますが、谷が発達しているのが高地、平坦なのが高原です。