目次
  1. 「日食」の意味と使い方
  2. 「月食」の意味と使い方
  3. 語源・由来
  4. どちらが珍しい?意外な事実
  5. 観察方法の違い
  6. よくある質問
結論

「日食」は月が太陽を隠す現象で、新月のときに起こります。「月食」は月が地球の影に入って暗くなる現象で、満月のときに起こります。どちらも太陽・地球・月が一直線に並ぶことで発生しますが、並び順が異なります。

日食

にっしょく
月が太陽を隠す現象
新月のときに起こる

月食

げっしょく
月が地球の影に入る現象
満月のときに起こる
項目 日食 月食
天体の並び順 太陽→月→地球 太陽→地球→月
起こる月齢 新月(朔)のとき 満月(望)のとき
何が隠れるか 太陽が月に隠される 月が地球の影に入る
種類 皆既日食、金環日食、部分日食 皆既月食、部分月食、半影月食
皆既食の見え方 太陽が完全に隠れ、コロナが見える 月が赤銅色に見える
観察できる範囲 狭い(月の影が届く地域のみ) 広い(月が見える地域ならどこでも)
観察方法 専用の日食グラスが必要 肉眼で安全に観察できる
皆既食の継続時間 最長約7分半 最長約1時間40分以上

「日食」の意味と使い方

「日食」とは、月が太陽と地球の間に入り、太陽の一部または全部が月によって隠される現象です。太陽・月・地球がこの順番で一直線に並ぶ新月のときに起こります。

地球から見ると、太陽と月はほぼ同じ大きさに見えます。これは偶然の産物で、太陽は月よりも約400倍大きいのですが、地球からの距離も約400倍遠いため、見かけの大きさがほぼ同じになるのです。この奇跡的な一致が、皆既日食という神秘的な現象を生み出しています。

日食には3つの種類があります。月が太陽を完全に隠す「皆既日食」、月が太陽の中央を隠しても周囲がリング状に見える「金環日食」、そして太陽の一部だけが隠れる「部分日食」です。金環日食は、月が地球から遠い位置にあって見かけ上小さく見えるときに起こります。

「日食」を使った例文
  • 来年の日食は北海道で観測できるらしい。
  • 皆既日食では、太陽のコロナを肉眼で見ることができる。
  • 日食を観察するときは、必ず専用のグラスを使用してください。

「月食」の意味と使い方

「月食」とは、太陽・地球・月がこの順番で一直線に並び、月が地球の影に入ることで暗くなったり欠けて見えたりする現象です。満月のときに起こります。

地球の影には「本影」と「半影」の2種類があります。本影は太陽光がほぼ完全に遮られた濃い影で、半影は太陽光が部分的に届く薄い影です。月が本影に完全に入ると「皆既月食」、一部だけが入ると「部分月食」、半影だけを通過する場合は「半影月食」と呼ばれます。

皆既月食のとき、月は真っ暗にならず赤銅色に見えます。これは、地球の大気を通過した太陽光のうち、波長の長い赤い光が屈折して月を照らすためです。夕焼けが赤く見えるのと同じ原理で、大気中のチリの量によって皆既月食ごとに色が微妙に異なります。

「月食」を使った例文
  • 今夜皆既月食が見られるので、早めに帰宅しよう。
  • 月食は肉眼でも十分に楽しめる天体ショーだ。
  • 皆既月食のとき、月が赤銅色に染まる様子は幻想的だった。

語源・由来

「日食」「月食」の「食」は、本来「蝕」という漢字が使われていました。「蝕」は「むしばむ」と読み、虫が葉を端から食べていく様子を表した字です。太陽や月が端から欠けていく様子がこれに似ていることから「日蝕」「月蝕」と書かれるようになりました。

日本最古の日食の記録とされる『日本書紀』には「日蝕え尽きたり」と記されています。しかし「蝕」は常用漢字に含まれていないため、現在では「食」という表記が一般的になっています。

英語では日食を「solar eclipse」、月食を「lunar eclipse」と言います。「eclipse」はギリシャ語の「エクレイプシス(力を失う)」に由来し、天体が隠されて光を失う現象を表しています。

どちらが珍しい?意外な事実

「日食のほうが珍しい」と思っている方は多いのではないでしょうか。実は、地球全体で見ると日食のほうが月食より多く発生しています。2050年までに日食は約74回起こるのに対し、月食(半影月食を除く)は約49回です。

それでも日食が珍しく感じられるのは、観察できる範囲の違いにあります。日食は月の影が地球に届く非常に狭い範囲でしか見ることができません。特に皆既日食は幅100〜200km程度の帯状の地域でしか観察できず、同じ場所で見られるのは数百年に一度ともいわれます。

一方、月食は月が見えている地域であればどこからでも同じように観察できます。夜であれば地球の半分の地域で見られるため、日食よりも目にする機会が多いのです。

観察方法の違い

日食と月食では、観察する際の注意点が大きく異なります。

日食の観察

日食を観察するときは、絶対に太陽を直接見てはいけません。太陽光は非常に強く、たとえ一瞬でも目を傷めたり、最悪の場合は失明する危険があります。必ず専用の日食グラスや、日食観察用に作られた器具を使用してください。サングラスや黒い下敷き、すすをつけたガラスなどでは十分に減光できないため危険です。

月食の観察

月食は肉眼で安全に観察できます。特別な道具がなくても、月が見える場所であれば誰でも楽しむことができます。双眼鏡や望遠鏡を使うと、地球の影が月面を移動していく様子や、皆既食中の月の色の変化をより鮮明に観察できます。

よくある質問

Q
「日食」と「日蝕」、「月食」と「月蝕」はどちらが正しい?
A
どちらも間違いではありませんが、現在は「日食」「月食」が一般的です。「蝕」が常用漢字に含まれないため、1956年の国語審議会で「食」と表記することが推奨されました。新聞や教科書、天文学の専門書でも「食」が使われています。
Q
なぜ毎月、日食や月食が起こらないの?
A
月の公転軌道が地球の公転軌道に対して約5度傾いているためです。この傾きがあるため、普段の新月や満月では太陽・地球・月が完全な一直線に並ばず、食は起こりません。軌道の交点付近で新月や満月になったときだけ、日食や月食が発生します。
Q
皆既日食と金環日食の違いは?
A
どちらも月が太陽の中心を隠す日食ですが、月と地球の距離によって見え方が変わります。月が地球に近く大きく見えるときは太陽を完全に隠す「皆既日食」になり、月が遠く小さく見えるときは太陽がリング状にはみ出す「金環日食」になります。
Q
皆既月食のとき、月が赤く見えるのはなぜ?
A
地球の大気を通過した太陽光が月を照らすためです。青い光は大気中で散乱されやすく通り抜けにくいのに対し、赤い光は散乱されにくく大気を通過できます。この赤い光が屈折して地球の影の中に入り込み、月を赤銅色に照らします。夕焼けが赤く見えるのと同じ原理です。